Progateで活躍するメンバーのロングインタビュー。
今までの経歴や現在の業務、今後のチャレンジについて語ってもらいました。
■ 今回のインタビュー
屋宜 久遠 (やぎ くおん)
沖縄の制作会社でデザイナーとして新卒入社、デザインの経験を積み、株式会社Progateに入社
現在はプロジェクトのデザインを担当
※今回のインタビューはオンラインで実施しております。
未経験でデザイナー入社。最初に担当したチラシ制作はデザインの基本が詰まっていた。
ーー本日はよろしくお願いいたします。
はい、デザイナーチームの屋宜久遠です。よろしくお願いします。
ーー早速ですが、Progate入社前はどんなことをされていたんでしょうか?
僕は沖縄出身なんですが、大学卒業後、沖縄の制作会社にデザイナーとして入社しました。
最初からデザイナーになりたかったわけじゃないんです。大学4年の終わり頃、いよいよ働かないとヤバイぞという時期になった時、特にやりたいことがないことに気付いて。
大学の専攻はデザインではなく情報専攻で、Javaやプログラミングなどを学んでいました。でも自分は何をやりたいのか考えた時に、デザインだと思ったんです。授業で学んだWEBデザインが楽しかった。画像ソフトを使ってロゴを作成したり、デザインすることが一番好きだと気付いて、就活もデザイン関連企業にしました。
でも、新卒未経験でデザイン職の求人ってすごく少なくて、入社した制作会社もデザイナーではなくて営業の募集だったんですよ。面接の時にデザイナーになりたいことを伝えてプレゼン資料を見せました。
内容はうろ覚えですが、WEBサービスを作るならどういうものを作るかという資料を作ったと思います。かなり作り込みましたね。その熱意も伝わって、デザイナーとして採用してくれたんです。
ーー制作会社ではどんな仕事をされていたんでしょうか?
3年間勤めていたんですが、最初の1年半はスーパーのチラシ作り、残りの1年半はWEBの運用ですね。
未経験スタートだったので何もわからないし、めちゃくちゃ大変でした。先輩たちにツールの使い方から教えてもらったんですよ。
最初の仕事はスーパーのチラシをひたすら作ること。
スーパーのチラシは印刷するので、WEBと違ってやり直しがきかないんです。例えば、玉ねぎ1玉50円のところを45円って書いちゃうと、スーパーは45円で売るしかない。うっかりミスの5円で、数百万円の損害が出たりするわけです。当然ですけど、その損害は、制作会社が全額負担します。最初に教わったのは、ミスをしないことでした。
1日8時間、ひたすらスーパーのチラシを作り続けるんですけど、とにかく大変でしたね。売りたいものをいかに目立たせるか考えながら、数百点とある商品を1枚のチラシの中に並べていく。締め切りは1つのチラシに対して5日くらい。数種類のチラシを並行して作ります。
デザインを考えながらミスもしないようにスピード感を持って作るのは大変でした。
当時はガムシャラにやっていましたが、あの時の経験が僕の基礎を作ってくれたと思います。スーパーのチラシにはデザインの基本が詰まっていました。
1年半くらいチラシ作りをしたあとに部署異動があって、WEBの運用を担当することになりました。担当していたのはスーパーの公式サイトです。仕事内容が突然変わってコードを書かなくちゃいけなくなって、Progateでコーディングを学び始めました。
ーーWEBの運用は経験してみて、いかがでしたか?
日々の業務がルーチンで、正直に言うと面白くありませんでした。ただ、WEBデザインに触れてみて、スーパーのチラシとの違いにものすごく衝撃を受けたんですよ。
WEBだと、自分で触って動かせるじゃないですか。インタラクティブな体験がある。ものすごくハマりましたね。業務はルーチンでつまらないことばかりやっていたので、ネットサーフィンでWEBデザインをかなり調べていました。
その時、Awwwards(アワーズ)というサイトを見つけたんです。世界中の優れたWEBサイトを毎日表彰しているサイトです。
そこに掲載されているWEBサイトは素敵なものばかりで、自分も作ってみたいという気持ちが芽生えてきました。会社の仕事では出来ないので、美容室を経営している友人に声をかけてホームページを作ってあげました。
会社の仕事以外でWEBデザインをしたのはそれが初めてです。仕事が終わって帰宅したら深夜までコードを書いたりデザインしたりして、本当に楽しかったですね。
実際にリリースすると、友人がすごく喜んでくれて、嬉しかった。やりがいを感じました。
(久遠さんは現在、故郷の沖縄に移住してリモートワークをしている。こちらは近くの海の写真とのこと。)
このデザインは、ユーザーに価値を生むのか。ユーザーに寄り添うProgateのデザインは、かっこよさがなくてもやりがいがある。
ーー新卒で入社した制作会社を辞めた理由はなんでしょうか?
Awwwardsには、東京の制作会社が手掛けたサイトが結構載っていたんです。こういう会社に行けば素敵なものを作れるんだなと、転職意欲が高まりました。
その後、転職を見据えてポートフォリオを作り始めたんです。Wantedlyに登録して、作ってあげた友人のサイトやポートフォリオを載せました。
それを見たデザイナーのしょうやんさんがWantedlyを通じて連絡をくれました。僕は制作会社を目指してたので事業会社に興味がなくて、1ヶ月くらい連絡を放置していましたが。
放置している間に、Progateのアプリがリリースされたんですよ。デザインに対する記事があったので読んだんですけど、その記事の中に「世界一優しいUIを作りたい」という言葉があって、すごく良いと思った。
この言葉って、すごくユーザー目線ですよね。チラシを作っていた時は忙しすぎてそんなことを考える余裕はなかったし、WEB運用を担当していた時は誰のためにやっていることなのか、わからなかった。
当時の僕は制作会社に入ってガツガツ働きたかったんですけど、自分が価値を生んでいることが実感できる仕事をしたいとも思っていました。
放置していた連絡を返して、面談に行ってみました。そこで実際に働いている人たちの話を聞いて、価値を生んでいるサービスだと実感したんです。僕も元々ユーザーでしたが、Progateで学んだことでエンジニアになれた人がいたり、成功体験を目にする機会が多かったことも大きいですね。
制作会社で働きたい気持ちよりもProgateで働きたいという想いが強くなったので、結局、他の面接は受けませんでした。
ーー制作会社と事業会社の違いは感じますか?
違いというか、Progateがユーザー目線であることは本当に感じます。入社してから、「売り上げ」というワードを聞いたことがないんです。
ユーザーのためになるか。より良いビジョンを達成するために何が必要か。Progateはそういったことにフォーカスしています。デザインの違いで言うと、制作会社でよく言われる「表現」という言葉はあまり聞きません。
ユーザーに価値を生むか、ユーザーに成長を促せているか、そういう視点でデザインを作るので、見た目の格好よさとかトレンドでデザインをすることはないですね。
自分の好みで言うと、最新の表現やトレンドが好きです。
でも、ユーザーに寄り添うProgateのデザインには、やりがいがあります。
デザインしたポートフォリオのサイトがAwwwardsに掲載されたのは何より嬉しかった。
ーー入社から今までを振り返って印象的な体験はありますか?
難しい質問ですね…。
先ほどお話ししたAwwwardsなんですが、いつか自分も載りたいと思っていたんです。
Progateの面談を受けた時には、ポートフォリオのデザインだけをWantedlyに載せていて、実装していなかったんですよ。このサイト良いですねって言ってもらえて、次の面談時には実装して動くものを持っていくことを約束したんです。
その後の面談までに頑張って作って持って行ったら、すごく褒めてもらえて。嬉しかったですね。スーパーのチラシを作っている時は褒められたことがなかったので(笑)。
動くようになったポートフォリオのサイトをAwwwardsに出してみたんですよ。そしたら載せてもらえて、いろんなブログで紹介してもらえました。今でも外国の人から「デザインを教えてくれ」というメールが届きます。これはすごく嬉しかったです。
(上図は実際のポートフォリオ「作成したのは数年前なので荒いところが多くて恥ずかしい」とのこと)
一度作ったデザインを壊すことの重要性。デザインは作って終わりではない。
ーー現在、メインで取り組んでいる業務はどんなことでしょうか。
新しいプロジェクトのデザインを担当しています。ユーザーにとってより良い学習体験を考えて、UIに落とし込んで実装するというところまでやっています。
ユーザーのどんな課題を解決したいのかメンバーで話しあって、解決法を考えて、形にしていく仕事です。例えばプロトタイプとしてUIを組んで、実際に課題が解決できるのかユーザーさんに検証してもらったり。
これで行けそうだとなったら、次はUIをProgateらしいビジュアルにしたり、より使いやすい形にしたり、ブラッシュアップを重ねていきます。それで全員のOKがでたら、実装していきます。
でも、それで終わりではないんです。実際に実装してみると、使いにくい部分やダメな部分が出てくるので、デザインに戻ります。その後、また実装して、ダメな部分を見つけて、デザインに戻って…。作って壊す作業を繰り返します。
最近は作って終わりではなくて、作って壊すことの重要性を感じています。
Figmaというツール上でProgateの画面をデザインするんですが、実際に実装してみて動かしてみると、全然印象が違ったり、操作性が悪かったりします。
だから一度作ったデザインをぶっ壊して、また作って、実装して、壊して、試行錯誤を繰り返すんです。最初に作ったものは大体ダメですね(笑)。
3〜4回繰り返すと、そこそこ良いものが出来てくる気がします。
ーー1回作ったものを壊すんですね!
はい。最初に作って、すごく良く出来たと思うこともあるんですよ。そのデザインを気に入っちゃって、寝る前まで眺めたり触ったりして「めっちゃ良いじゃん」と思うんですけど、次の日に起きて見てみると「全然だめじゃん」ってなる。
時間をおくと粗が見えてくるんですよね。だから作って終わりじゃなくて継続して改善する必要があるんです。
昔は壊すことに抵抗もあったんですが、今は全くありません。壊せば壊すほど良いものができあがることがわかっているので。他のメンバーと意見がぶつかることもありますが、それも楽しいです。
(2020年1月に開催されたデザイナー合宿。久遠さんは前列右。)
デザイナーじゃないと出来ないことって?これはずっと挑戦していく課題。
ーー久遠さんの今後取り組んでいく業務はどんなものでしょうか?
まず一つはブランド。
Progateを世界に通用するブランドとしてさらに高めていくことは、僕に求められている部分だと思っています。
もう一つはプロダクトの体験。
デザイナーって、プロダクトの体験を良くすることに責任を持つんですが、Progateはプログラミングを教えるサービスじゃないですか。
僕はプログラミングのプロでもないし、教育のプロでもない。でもプログラミングを教えるということの最高峰を突き詰めなくてはいけない。
気を抜くと一瞬で自分の存在価値がなくなると思っています。
エンジニアやプランナーでもデザインをできる人がいる中で、デザイナーじゃないと出来ないことはなんなのか、これをもっと考えなくてはいけない。
ーーデザイナーじゃないと出来ないこととは、どんなことでしょうか。
エンジニアやプランナーの両者とのコミュニケーションをとって、意図を汲んでデザインに反映させることも一つですし、ユーザーと触れ合って言葉で出てこないようなインサイトを拾うこともデザイナーの仕事だと思っています。
そのためにはプログラミングの知識をもっと深めないといけないし、教育や学習への知識も深めないといけない。どういう教え方がより良い体験を生むのか、メンバーと議論もしたい。
僕もまだ掴めていないところが多いんです。
デザイナーじゃないと本当にできないことってなんなんだろう。これを探るのはずっと挑戦していく課題だと思います。
(リモートワーク中は飼い猫が乱入してくることも)
自分のデザインで誰かの人生の可能性を広げたい人は、Progateに適している。
ーーProgateの魅力は、どんなところにありますか?
3つあると思っています。
まずはプログラミングを教えるという事業ドメイン。
自分の実務を通して事業ドメインの理解も深まるし、事業ドメインの理解を深めると自分の実務のスキルも上がっていく。こういった好循環ができる事業って少ないんじゃないかと思います。
ユーザーのペルソナも自分がプログラミングをできなかった頃を思い浮かべることで想像しやすくなるので、自分のやっていることと事業が密接に結びついている。
例えばこれが医療分野とかだと、僕には難しかったりする。プログラミングを教えるという事業のデザインができるのは面白い経験です。
二つ目は、本気で海外展開をしていること。
僕らはスタートアップなのでここから勝負。社内外の情勢が変わっていく中で、いろんな経験ができると思います。
三つ目は、強固なビジョンとミッションがあるところ。
会社がゆるふわなビジョンを掲げると、社員にとってわかりにくいじゃないですか。どこを目指して何をすればいいんだってなっちゃいますよね。
Progateはビジョンやミッションが明確で、しっかり社員にも浸透している。一人のプレイヤーとしても何をやらなくちゃいけないのかわかるので、動きやすい環境だと思います。
デザイナーの悩みとしてよく聞くのは、ユーザーのためのデザインができなかったり、売上ばかりを追わなくちゃいけなかったりすることなんですけど、Progateはその逆。
ユーザーのためになることなら、なんでもできる環境です。
自分のデザインでユーザーの人生の可能性を広げたい人に、Progateは適していると思います。
ーーありがとうございました!