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KARTEを軸に事業開発を行い、業界の課題解決を目指す───カスタマーサクセスインタビューvol.3

CXプラットフォーム「KARTE」を提供するプレイドでは、KARTEを導入しているクライアント(KARTE Friends、以下Friends)と向き合う役割を「カスタマーサクセス」とし、役割を拡張しながら活動しています。

カスタマーサクセスの業務から拡張し、KARTEを用いて事業開発を行っているメンバーもいます。KARTEを用いた事業開発とはどのようなものか、どのように推進しているのか、担当している木村と宮本の2人に聞きました。

プレイドのカスタマーサクセス全体についてはこちらから
クライアントと共にエンドユーザーの体験を変えていく。目的のために柔軟に変化するプレイドの「カスタマーサクセス」チームの考え方

木村祐実
新卒でトヨタ自動車株式会社に入社し、生産管理部門にて新車のプロジェクト管理を担当。その後、株式会社ファンケルに転職。化粧品事業の売上分析・顧客分析を担当後、訪日外国人からの売上を最大化するための業務全般を担当。2020年に株式会社プレイドに入社し、カスタマーサクセス業務に従事している。
宮本和典
新卒でエン・ジャパンに入社し、法人営業と人事企画を経験後、サイバーエージェントFX→ランサーズ→ウェルスナビの3社で人事責任者を経験。2020年4月にプレイド入社。カスタマーサクセス業務に従事しつつ、人事領域の事業開発を担当。スタートアップの人事コミュニティ『ぼっち人事の会』主催。国家資格キャリアコンサルタント。趣味はサウナ。

なぜカスタマーサクセス業務と事業開発を両立しているのか

───おふたりはそれぞれメーカー・人事と異なる領域からプレイドに転職されていますが、プレイドに入社した経緯を教えていただけますか?

木村:前職の化粧品メーカーで訪日中国人向けのマーケティングを担当していたときに、中国ではお客様の体験をよりよくするためのOMOが根付いていることに衝撃を受けました。日本でもデータの統合にとどまらず、きちんとお客様の体験に落とし込まれたOMOを実現したいと、プレイドに入社しました。特に化粧品業界は、店舗と通販で体験が分断されていることが多いのが現状です。この課題を解決したい、そのためにKARTEが使えるのではないかと考えていました。

宮本:プレイドに入社するまでのキャリアは人材業界で営業を約4年、事業会社で人事を約9年と、ずっと人事領域で働いていました。​​プレイドに入社した理由は2つあります。1つは、プレイドの「データによって人の価値を最大化する」というミッションへの共感。もう1つは、プレイドのエンジニアリングの力で人事領域をアップデートしたいと考えたことです。

───おふたりとも前職での課題感が動機になっているんですね。自分の事業開発の業務が大半を占めているのでしょうか?

宮本:いえ、そんなことはなく、カスタマーサクセスとして通常のマーケティング領域のKARTE活用支援を8割、兼務しているBrand SuccessチームとSurveyチームの業務を1割、事業開発としてKARTEを人事領域で活用するKARTE for HRの業務を1割の比率で、複数の業務に携わって活動しています。

現在、KARTE for HRは、ITスタートアップのナイルさんの中途採用を始め、大手不動産ディベロッパーの新卒採用、大手飲食チェーンのアルバイト採用など、規模/業界/雇用形態を問わず幅広く使われ始めています。業務内容としては、打ち合わせをして課題をヒアリングし、施策のアイデア出しや実装をしたり、KARTE for HRの今後の事業戦略を考えたりしています。

例えば、ナイルさんでは採用サイトとオウンドメディアにKARTEを導入し、求職者が次のフェーズへと態度変容を起こすためにはどのようなコミュニケーションが必要で、現状はどのような課題があるかを議論しながら施策に落としています。


参考:目指したのは、入社前後のギャップが少ない採用体験。求職者目線でコミュニケーションを設計する、ナイル流の採用 | CX Clip

木村:私も、カスタマーサクセスの業務が5割、「KARTE for staff」(※1)に関する業務が3割、「KARTE Live」(※2)に関する業務が2割。カスタマーサクセス業務については、前職の経験によって知見が溜まっている、化粧品業界のFriendsを多く担当させていただいています。そこで、オンラインとオフラインを溶かしていくためのKARTE活用方法を模索したり、for staffプロジェクトを一緒に共創できないかを考えながら接しています。

※1 オンラインのデータを店舗での接客に活かすプロジェクト
※2 顧客のサイト上の行動を動画で見ることができるプロダクト(参考:https://karte.io/product/live/

───それぞれの事業やプロジェクトはどんな流れで立ち上がっていったのでしょうか?

木村:私の場合、「事業開発をしたい!」という強い気持ちがあったわけではありませんでした。オンラインとオフラインを縦横無尽に動いているエンドユーザーであるお客様に、どうしたら良い体験を届けられるのかは考えていました。

KARTEが目指しているのは、エンドユーザーの体験向上のための基盤となること。店舗なども持っているFriendsは、顧客にとって本当に良い体験をつくろうとすると、オンラインだけでは完結せず、オフラインの接点も活かすことが重要になります。

具体的には、ロレアル様では店舗の美容スタッフがWebサイト上でお客様と、チャットやビデオカウンセリングを実施することになりました。その取り組みでは、オンライン上でオフラインならではの「接客」体験を提供することができました。具体になった事例を一般化する過程で「広げるためにはどうしたらいいのか」「価値はなんなのか、実験的にやってみよう」と試行錯誤した結果、事業開発という形になっています。

宮本:私は、人事領域でKARTEを活かしたいと考えて入社しました。入社してからしばらくは、日々のカスタマーサクセスの業務を通じてKARTEを深く知り、マーケティング領域における活用事例を実感しながら、KARTE for HRをどう立ち上げようかと考えていました。

すぐに人事領域で事業として立ち上げればいいのでは、という意見もあるかもしれません。自分の場合、カスタマーサクセスとして人事領域以外の事例にも触れることによって、事業の発想も広がり、KARTEの新たな可能性も見出せたので、両立して良かったと思っていますね。

事業開発を見据えたカスタマーサクセスという仕事は、通常のカスタマーサクセス業務だけをやるよりも思考の幅を広げやすく、プロダクトのこれまで使われていなかった使われ方を探索することにもつながると思います。

Customer Experience Designer 宮本和典

木村:複数の業務に取り組んでいるからこそ、他での学びを事業開発に活かせるし、新規の学びを既存の取り組みにフィードバックできています。一点だけで深堀りするよりも、複数の地点から深堀りすると、多角的にアプローチできるので深い思考ができている感覚がありますね。

社内外と壁打ちしながら素早くトライができる環境

───事業として取り組むとなるとスピードも重要かと思います。プレイドでの事業開発に取り組む上でのやりやすさなどはどうですか?

木村:カスタマーサクセスに限った話ではないのですが、プレイドでは他の会社だと承認が必要になりそうなことも、ライトに挑戦することができます。事業を推進させるためには素早い判断と行動が重要になるので、最低限の要所はきちんと共有、すり合わせしつつも、スピードを重視して業務に取り組めていますね。

宮本:木村の言う通り、ほとんどの場面で誰かに承認を得る必要がないので、自分の「やりたい」という意思さえあれば、必要な人を巻き込みながらプロジェクトを立ち上げて、事業を前に進めることができています。

木村:当初、KARTEについて詳しかったわけではないとき、「こういうことが実現できたら良いな」とやんわりイメージしていたことを社内で共有したら、実現のために手を貸してもらえました。プレイドでは自分の意志さえあれば「とりあえずやってみよう」という社風があります。意志を持って周囲と壁打ちしながら進めていくこと推奨しているので、動きやすいですね。

宮本:社内だけじゃなくて、社外も含めて壁打ちができているのはありがたいですねFriendsと一緒に動く中で発見が多いのも事業開発を進める上で助かっています。

木村:社内と社外の力を借りながら事業開発ができるのは、カスタマーサクセスの業務と並行しているメリットかもしれないですね。先日ちょうど社内メンバーからフィードバックをもらったのですが、社内でのコミュニケーションで理想とする像を描きつつ、社外とのコミュニケーションで生々しい課題に対する解像度を高める。この行き来を繰り返すことで、事業開発を前に進めることができるのだと思います。

Customer Experience Designer 木村祐実

Friendsと同じチームの一員としてコミットする気概を持つ

───事業開発にまで関わるFriendsと向き合う際に意識していることはありますか?

木村:「自分がそのチームの一員だったら何を考えるか?」を念頭において、もはや自分の提案の承認を得に行くくらいの気持ちで向き合っていますね。

宮本:Friendsと同じチームの一員という意識は私も持っていて、その会社の人事部くらいの気持ちでコミットしています。上流の戦略を一緒に考えつつ、KARTEを使って細かな施策の設定までやることもあります。

そうすると、普段どのようにKARTEを使っているかを体感できるので、とても良いんです。「ここまで理解しないと設定できないんだな」「こう設定しないと効果を分析できないんだな」など、KARTEの理解も深まって、通常のカスタマーサクセス業務にも役立っていると感じます。

───事業開発まで関わるカスタマーサクセスとして活動し、印象に残っていることややりがいを感じる瞬間はありますか?

木村:KARTEの強みを生かした上記の取り組みにより、売上やお客様満足度の向上に貢献できていることがわかったときは嬉しかったです。チャットやビデオカウンセリングを実施している企業は多いですが、理想の結果が出ている企業は多くはないと感じているので。

また、店舗スタッフの接客を正しく評価することにつながり、EX(従業員体験)の改善にもつながったと言われたことも印象に残っています。「社内でも期待できるプロジェクトと評価されています」というお言葉をいただきました。

こうした出来事などもあり、エンドユーザーにとってより良い体験をFriendsと一緒に創出できている感覚があります。オフラインとオンラインをつないだ体験の価値は何かをFriendsと共に考え、本質的なアプローチを実行できていることは純粋に嬉しいですね。

宮本:立ち上げた当社は手探りで、前に進んでいるのかわからなかったところから、一筋の光を見つけ、そこにたどり着くまでの道のりがわずかながら見えてきていることに充実感を感じています。

Friendsと施策のブレストをするなかで、施策の案が徐々に出てくるのが楽しいですね。当初、自分が思い描けていたのは、現在の1〜2割ほど。Friendsと一緒に議論していくなかで、在りたい姿に近づけている感覚があります。

特定の領域や業界に課題感を持ち、変えたいという意志

───カスタマーサクセスでありながら事業開発を手掛けるというのはなかなかない仕事かと思いますが、どんな人が合いそうですか?

木村:切り口はなんでもいいですが、特定の業界など自身の経験に根ざした強い課題感がある人は向いていると思います。

プレイドは承認を求められる範囲が最低限だからこそ、自分の意志がとても大事なんです。本人が価値があると信じたことを推進する力が求められている。自分の意志を強く持つためにも、自身の経験に根ざした課題感があるといい思います。

宮本:入社前、正直私はKARTEで何ができるか詳しくわかっていませんでしたが、人事領域には詳しい自信がありました。どの課題をどう解決するかを具体的に描いていたわけではないものの、KARTEがあれば人事領域を変えていけるという可能性を感じたんです。強い課題感がなかったとしても、特定の領域を極めた上で違うアプローチから取り組んでみたいという人でも合うかもしれません。

───2人はこれから挑戦したいことはありますか?

木村:KARTEを用いてオフラインで当たり前に行われている接客をオンラインでも実現する取り組みは、まだ走り出したばかりです。私たちが目指しているOMOを実現できている企業は多くないので、しっかりと価値を明確にして、他の企業にも展開していきたいと思います。

宮本:データを使って採用CX(求職者体験)だけでなくEX(従業員体験)向上を目指したいと考えています。マーケティング領域で主に使われているOMOの考え方のように、KARTE for HRでもオンラインだけでなくオフラインにチャレンジしたいと思っています。

ハピネスプラネットの矢野さんがオフィスで働く人々にウェアラブルデバイスをつけ、取得した行動データから社員の幸福度や会社の業績との関係性などを研究されているのが、とても興味深くて。

参考:データは、直感的な行動を後押しする“学びの源泉”──7年ぶりに新著刊行の矢野和男、データ・ドリブンな幸福論を語る|Data for Experience#1

こうした取り組みからヒントを得ながら、KARTE for HRでもオンラインとオフラインを合わせてEXの向上に向けた挑戦をしていきたいですね。


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プレイドのカスタマーサクセス全体についてはこちらから
クライアントと共にエンドユーザーの体験を変えていく。目的のために柔軟に変化するプレイドの「カスタマーサクセス」チームの考え方
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上記記事内で紹介している取り組みに関わるメンバーのインタビュー記事を公開していきます。ぜひ合わせてご覧ください。
1. 仕組み化やテックサポートの基盤づくり
人が介在する価値を信じて、余白ある仕組みの設計に挑戦する―――カスタマーサクセスインタビューvol.1
2. カスタマーサクセスのコア業務
お客様と一緒に事業と顧客体験を考え、伴走し続ける―――カスタマーサクセスインタビュー vol.2
3. KARTEを通じた事業開発(今回)
4. 事業規模の大きなクライアントに伴走するエンタープライズ
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