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【エンジニアイベントvol.6】3社はなぜScalaの導入に至ったのか~Nextbeat (衣笠) x SmartNews(瀬良) x ChatWork(かとじゅん)トークセッション③~

3月16日から18日の3日間にかけて開催された ScalaMatsuri (https://2018.scalamatsuri.org/) の後日イベント、「NextMatsuri」を5月12日にネクストビート新オフィスで開催いたしました。このイベントのトークセッションでは、スマートニュース(当時)の瀬良様と、ChatWorkの加藤様、そしてネクストビートCTOの衣笠が登壇致しました。その内容が非常に濃かったので、何回かに分けて配信させて頂いております!

過去記事:

https://www.wantedly.com/companies/nextbeat2/post_articles/120681

https://www.wantedly.com/companies/nextbeat2/post_articles/135611

https://www.wantedly.com/companies/nextbeat2/post_articles/135615

https://www.wantedly.com/companies/nextbeat2/post_articles/136721


【NextMatsuriレポート】第三弾ということで、トークセッションのテーマ③の内容をご紹介させていただきます!

Q- Scala コミュニティの盛り上がりについてお話し下さい。

※以下、敬称略

瀬良:

Scala は2010年ぐらいから利用し始めました。当時、日本では使ってる会社が限られていて、2013年に Scala Conference in Japan っていうのをやったんですが、私が以前勤務していたエムスリー、ドワンゴさん、芸者東京エンターテインメントさん、ファンコミュニケーションズさんあたりが主要プレイヤーとしていました。そのあとサイバーエージェントさんも Scala を使い始めたんですけど、国内で Scalaって使ってる会社あるんですか?って言われる時期だったんですよ。(笑)

2010年ぐらいから東京のコミュニティーに出ると、 Scala やってる人はみんな知り合いみたいな牧歌的な時代でした。エムスリーだったら私のチームが使い始めたとか、加藤さんが Scala 会議というそれなりに大きな規模のイベントを行ったとか、インターナショナルカンファレンスだと100人ぐらいの規模で募集して結構人が来るという、盛り上がりつつあるけどまだ前夜みたいな時期でした。

そういう状況で開催を試みた「Scala Conference in Japan」 は正直大変で、「スポンサーつくの?」という感じでした。開催の準備は結構前からするんですが、最初のスポンサーがつくまで何ヶ月か時間がかかって、「スポンサーになってくれませんか?」と自分で営業しに行くほどでした。結果的にはすごくうまく行ったんですが、最初はどうなることかと思いました。

次の年から2回目以降は 「ScalaMatsuri」 と名前が変わり、主催者も私から他の人に交代いただいてお世話になっています。

2014年からサイバーエージェントさんやChatworkさんが「うちも Scala つかってますよ」と言ってくれたのが大きかったです。これは偶然ではなくて、2014年ぐらいから Scala の言語自体も安定してきたことが理由だと思います。

先ほどお話しした通り、まだ日本では導入企業の少なかった2010年とかはひどく、結構大変だったんですよ。自分でノウハウ調べるときに、ググっても情報出てこなくて、例えば Twitter のような先進的な会社も内部にできる人がいるからあまり情報が出てこなかったように思います。

2014年くらいになると、言語自体のはまりポイントも少なくなって、やってる人も、日本語の情報も増えてきました。

ScalaMatsuri は麻植さん(※1)という本当にすごい方がチェアーマンをやっていて、彼のおかげで 2016、2017、2018と毎年続いており、名だたる会社さんがスポンサーをやっています。

あと確か2013年から2014年ぐらいに、Typesafe という会社ができたんですよね。(現在は Lightbend 社(※2)と名前が変わっている)彼らの現行のコアチームがフルタイムで Scala のコンパイラの開発とかSBTでの開発とかを行うようになったので、そこも大きなターニングポイントになったと思います。

国内でのコミュニティの盛り上がりだけではなくて、2013年からの数年間で Scala がちゃんと技術的にも進化して、基本的にはすごく良くなっているかと思います。

Scala 2.10 から Future API (※3)が入ってノンブロッキングなどに理解が強い人たちがコミュニティに増えてきたことで先進的な取り組みができるようになり、エッジがたつようになったことも大きいと思います。

実際に2018年の ScalaMatsuri は非常に盛り上がったとおもいます。海外の特に東南アジアとかから学生さんなど含め来られていました。もしかすると国外からの参加者は 2 割近くまで達しているかもしれません。

Scala に関してアジアでインターナショナルカンファレンスをやっているのは ScalaMatsuri だけだと思います。

日本のコミュニティでは日本語オンリーで日本語を話せない人が入っていけないという環境は多いんですけど、Scala のアジアの Hub としてインターナショナルカンファレンスを継続して、数年間そのポリシーを貫いて今があります。

今回面白いと思ったのが、ScalaMatsuri スポンサーの Paidy さんでした。Paidy さんはインターナショナルな開発チームなのでスポンサーブースでは日本語でも英語でも OK となっていて、そういう感じでインターナショナルになっていくのもいいなと思いましたと思いました。

ScalaMatsuri で英語で登壇するとなんで英語で話すんですか?ってなるんですけど、そこはやることにすごく意味があると思っています。日本のコミュニティで日本の人が誰も英語で話さないというのは、やっぱりちょっと違うなと思います。私は下手な英語でやっていますが、Scalaコミュニティというのがインターナショナルな取り組みとしても技術的にも面白いものであり続けて欲しいと思っており、ここ数年間それをずっとできているのは素晴らしいことだと思っています。

加藤:

Nextbeatさんは何年からスポンサー入ってるんでしたっけ?

衣笠:

2016年ですね、入社してすぐなので。

加藤:

2014年に広告だけで出てませんでしたっけ?2015年でしたっけ?

衣笠:

2015年だと思います。

加藤:

ChatWork も最初将軍スポンサーでその後若干トーンダウンはしていますが、ScalaMatsuri トータルでみると将軍枠の争いがすごくて、募集開始40分くらいで埋まるという噂を聞きました(笑)

瀬良:

そう、そうなんですよね。だからやっぱすごいなと思います。麻植さんの手腕というか、みなさんの関心が高いのかと思うんですが、海外のコミッタやエンジニアの方を呼んでちゃんと話してタイムリーな話題が聞けるので、日本国内でもみなさんアテンションが高いという気はすごくしています。

衣笠:

弊社も来年の将軍スポンサー狙おうかと思っているので、40分に間に合うようにしたいと思っています(笑)

瀬良:

そうなんですね。専用のシステム作った方がいいんですかね(笑)

衣笠:

フレームワークの老舗として Lightbend が企業的に価値ある FrameWork を提供しているという感覚があるのと、日本で面白いと思ったのが エフ・コードさんの動きであったり、あと ZOZOTOWN をやっているスタートトゥデイさんも意外と Scala なんだって思ってちょっとびっくりしました!

加藤:

募集してましたね。

瀬良:

最近やられてるそうですね。ZOZOTOWN をやっているスタートトゥデイさんもですし、他にも今まで Scala と接点なさそうな会社が入ってきて面白いなと思いますね。

衣笠:

ちなみに ZOZOTOWN のスタートトゥデイさんから1億円のオファー来てないんですか?(笑)

瀬良:

来てないです(笑)このへんのラインナップだとビズリーチさん、ドワンゴさん、 CyberZ さんから新卒に近い人たちや、それぐらいのキャリアの人がいきなり Scala でプロダクションシステムやってると伺ったことあります。そういった会社がたくさん出てきているのが面白いと思います。

加藤:

ドワンゴさんのエンジニアのツイートとか見ることがあるんですけど、「PHP で開発するのかと思ったら明日から Scala だってよ(笑)どうしよ、かける気がしねー(笑)」というのがあったりします。そういう人達に対してドワンゴさんは教材などがしっかりしてて、ゼロからスタートして実務レベルまで教育がしっかりしているのでそういう心配は無用らしいです。

衣笠:

セプテーニさんも一番最初は Scala じゃなかったけど、今はほぼ100% Scala に変わったと聞いています。

加藤:

PHP とか使ってたはずですが、最終的にはもう全部 Scala になっています。僕はセプテーニのアドバイザーもやらせてもらっていて、月1、2回と Scala や DDD の話とかしていますが、セプテーニも入社したあとオンゴーディングというちゃんと仕事ができるまでの座学とかが整っていって、Scalaのエンジニアになるための体制が整っています。

衣笠:

僕は行ったことないんですけど、ScalaMatsuri の大阪の方は盛り上がりどうなんですか?

瀬良:

Scala 関西 Summit という名前でおそらく4、5回やられています。東京の方が人口も多く規模も大きいんですけど、それでもたくさん人が参加されています。違いというと東京の Scala Community って真剣でみんな真面目になりがちなのですが(笑)、関西の方々はわりとノリで楽しくやろうという関西らしい明るさがあり、ものすごく面白いと思いました。

東京が楽しくないってことじゃないですよ(笑)

不定期ですが福岡の nulab さんもイベントやられていて、東京だけじゃなくて地方も盛り上がってきているのかと思います。

加藤:

先日 ScalaMatsuri のサテライトイベントもあったりと、地方の盛り上がりもあるかと思います。大阪だと ChatWork も手伝っているんですが、エムオーテックスさんが頑張ってオーガナイズやったり会場を提供したりとかやっているみたいですね。

これだけ企業も増えてきたんで、みなさん転職もしやすくなってきたのではないでしょうか?(笑)

まぁ、Scala だけで生きていくっていうわけじゃなくて、目的によって別の言語とかソリューションとか Platform によって使い分ければ良いと思います。

瀬良:

あと2014年や2015年から何年もスポンサーやっているような会社だとScala でやってきた経験の蓄積があるので、社内にその会社なりのやり方とかベストプラクティスがあり、それもあって裾野が広がっているんだと思います。いきなり Scala やったことない会社で Scala に切り替えていこうというのはすごいエネルギーがいると思いますが、ある程度まわってるところに入って覚えていくとか学んでいくということができるようになっているかと思います。

※1:麻植 泰輔(おえ たいすけ)さん。2016、2017、2018年のScala Matsuri の座長を務めた。

※2:Scala の考案者が創業した会社。Scala や Akka、PlayFramework にコミットしている。

※3:Future API とは並列に実行される複数の処理を取り扱うための便利な方法を提供するライブラリ


以上で全ての NextMatsuri レポートをご紹介しました!

ご覧いただいた皆さん、ありがとうございました。これからも共にScalaコミュニティを盛り上げていきましょう!

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