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「経営企画になったことで視野が一気に広がった」エンジニアだった湊が経営幹部のキャリアを歩き始めたワケ

長年ファシリティメンテナンスやメカトロニクス関連の技術サービスを手がけてきた当社、マイスターエンジニアリング。優秀な技術者が数多く所属している中で、「エンジニア→営業→経営企画」という異色のキャリアを歩んでいる者もいます。

2009年にエンジニアとして新卒入社した湊は、今や社長候補として子会社の経営を任される存在に。今回はそんな湊に、いかにしてキャリアチェンジを果たしたのか、経営企画の面白さとは一体なんなのかを聞きました。いずれは経営に携わりたいと思っているエンジニアの方は、ぜひ参考にしてください。


不本意な入社だったにも関わらず、メンテナンスの奥深さに惹かれていく

―まずはマイスターエンジニアリングに入社した経緯をお聞かせください。

実はマイスターエンジニアリングは第一志望ではありませんでした。私は大学で環境工学を学んでおり、就職後も環境工学に関われる道に進みたいと考え就職活動を行っていました。最有力の候補は環境庁系の独立行政法人で、マイスターエンジニアリングは次点。

しかし、当時のマイスターエンジニアリングは環境に関する新規事業の立ち上げようとしていたところでした。面接に行った際に誘われ「新規事業に携われるのは面白そうだな」と思い、入社を決めたのです。

―実際に新規事業には携われたのですか。

いえ、リーマンショックが起きたことで新規事業はクローズすることに。既に入社することは決まっていたので、ファシリティの現場に配属されることになりました。

結果としては不本意な配属での入社となりましたが、実際に働いてみると前向きに仕事にとりかかれました。現場に行くと初めて見る機械が並んでおり、先輩たちがそれをメンテナンスしていくのです。好奇心旺盛な私はその光景を見て「メンテナンスは奥が深いな」と思い、真剣に仕事に取り組み始めました。


エンジニアと営業を兼務したことが、キャリアの大きな転機に

―働き始めてからの転機について教えて下さい。

1つ目の転機は、入社2年目に神戸の大型ホテルの設備管理に配属されたこと。ちょうどホテルが省エネ活動を始めるタイミングで、マイスターエンジニアリングからも提案の機会があったのです。ホテルの省エネは主に「運用の改善」と「設備の更新」。

前者は、例えば省エネのために空調の温度を今よりも少し上げても、利用者から不満がでないような調整を行うこと。温度や湿度の気候状況によっては温度を上げすぎると宿泊客の満足度が下がるので、お客さんの満足度を下げないギリギリの温度を見極めます。800室もあるような広いホテルなので、空調の温度が1度変わるだけエネルギーの消費も大きな差につながります。

後者は古くなった設備を新しく変えることで、エネルギー効率を高める提案です。

―なぜホテルの仕事が転機になったのでしょうか。

その後約6年にわたってホテルの設備管理を担当したことで、空調・電気・ボイラー・消防・水道など様々な設備に関われたから。また、担当している間は私が会社として気がついた顧客の課題に対し提案を行う営業の役割も兼務していました。マイスターエンジニアリングは現場のエンジニアが営業機能を兼務することも珍しくなく、施設・設備の保全計画書の作成から折衝まで全て私が行っていたんですね。

次の転機は8年目に訪れます。当時、現社長の平野がファシリティの責任者をしていて、新しく専任の営業を探しており、白羽の矢が立ったのが私です。入社8年目にして専任の営業として本部に異動することになりました。

―営業も兼務していたとは言え、突然本部の営業を任された時はどう思いましたか。

800室もあるような大きなホテルの設備管理をしてきたのだから、どんな現場が来ても大丈夫だと思っていましたね。ホテルでは電気設備から、空調、給排水、消防といった他の建物にあるような設備はだいたい管理経験があったので、どんな依頼が来ても一通りわかりますから。

営業を約2年していましたが、途中からは経営企画の仕事も兼任するようになっていきました。


経営企画の面白さは「事業の最初のタクトを振れること」

―経営企画ではどのような仕事をしていたのか聞かせてください。

いわゆる「なんでも屋」です。M&Aの調査や社内の改善など、経営企画らしい仕事をする一方で、難解な現場に手伝いにいくこともあれば、お客さんにプレゼンしに行くこともありました。

経営企画もしながら、営業やエンジニアの仕事も同時にこなしていたことになりますね

―複数の仕事をこなしていたと思いますが、経営企画ならではの面白さとはなんでしょう。

事業の最初の指揮を振れることです。みんなに事業の方向性を納得してもらい、足並みを揃えながら組織全体で目標に向かって歩きはじめます。

エンジニアの仕事は、ある機器の故障の修理など、ミクロにフォーカスしたもの多いですが、経営企画では広い視野を持ちマクロの視点で考え、自分の意見も伝えないといけません。メンバーたちが考えていることを慮って、折り合いを付けながら妥協点を探すのは、大変ながらやりがいのある仕事ですね。

―社内の調整ではうまくいかなかったこともあるのですか。

例えば技術の平準化ために仕事のやり方を変えるにしても、現場の人からすれば「今のやり方でも仕事できているんだから変える必要はない」と意見をもらうこともあります。そのような時も「今は仕事が回っていても、あなた方が現場から離れた時、新しい人も同じ水準で仕事をできるようにしないといけないですよね」という話をしながら納得してもらってきました。

幸いにも「現場あがり」ということで、みんなも信頼してくれましたね。

―経営企画をするにあたり、必要なスキルを教えて下さい。

目指す「ゴール」を決め、現状とのギャップを把握し、ギャップを埋めるための方法を考えること。一見、簡単に見える3ステップですが、いざやってみるとなかなか難しいものです。

ゴールを決めるにしても、途方も無いようなゴールではいけません。「来年には日本一の会社になる」とゴールを定めても無理ですよね。自分たちが到達できる範囲のギリギリの目標はどこなのか、そのために、自分たちを客観視しながら考えなければいけません。

ギャップを見定めるのも、ゴールにたどり着く方法を考えるのも同じです。常に客観視しながら考えるのは経験が必要ですね。逆に言えば、これさえできれば経営企画は務まると思います。


技術者へのリスペクトがあるからこそ、誰にでもチャンスがある

―現在の仕事について聞かせてください。

今年から、自分でM&Aを担当した電気設備の保守管理をしている子会社に出向しています。多くのビルなどは6600~20000ボルトの電圧で受電をしており、それを変圧器で電圧を下げて建物各所に電気を供給していることが多いです。その電気を受ける設備の点検をする会社です。

―M&Aを湊さんご自身で担当したのですね。

法務や財務に関しては弁護士や会計士の先生にお願いしますが、全体のディレクションは私が行いました。2,000社以上の候補に全て目を通して優先順位をつけ、上位の数社に仲介会社を通して連絡。返信があったのが件の会社です。

M&Aの経験はありませんでしたが、プロの方々の力を借りてプロジェクトを進めていくのは、現場で職人さんたちと一緒に仕事をするのと通ずるところがあります。M&Aと聞くととても難しいように思えますが、PMの経験のある方ならプロを巻き込んで推進していけるのではないでしょうか。

―経営企画という特別なスキルや経験が必要だと思っていましたが、誰にでもチャンスがありそうですね。

誰にでもチャンスはあると思います。特にマイスターエンジニアは自分から手を挙げた人を無下には扱いません。自分で「やりたい」と言いさえすれば、背中を押してくれる社風があります。経営企画に限らず「社長になりたい」という希望も夢ではありません。

―他にどんな社風があるのか教えて下さい。

例えば、買収した会社の社長は「マイスターエンジニアリングほどエンジニアをリスペクトしてくれる会社はない」と言ってくれました。書類上の関係性は親会社と子会社ですが、立場に関係なくフラットに話せるのがとても嬉しいと話してくれています。

建設や設備の業界はどうしても多重構造なので、発注と下請けで上下関係が生まれてしまうことも少なくありません。マイスターエンジニアは技能者集団を目指しているからこそ、技術者に対して最大限のリスペクト払っています。

私は新卒入社なので他の会社についてはあまり分かりませんが、買収先の社長に言われた一言はとても嬉しかったですね。


求めるのは「夢を語り、組織を引っ張れる人」

―経営企画を募集しているとのことですが、どんな人がマッチしそうですか。

夢を語り、旗を振ってみんなを引っ張れる人です。個人的には経営企画の経験は必要ないと思っています。それらがなくても、人間味を持って技術者の方に接し、「自分はこうしたい」と発信できる人なら技術者の方はついてきます。ただし、夢を持つには技術に関する知見が必要かもしれませんね。

―湊さんの夢について聞かせてください。

私は常々「洋上風力発電のメンテナンスをしたい」と発信し続けていました。洋上風力発電は日本でも数が少なく、これまで会社としても事業領域として視野に入れていません。しかし、設備を調べてみると、私たちの技術があれば十分にメンテナンスが可能です。

私がヒントを出したことで、技術者の方々も洋上風力発電について調べるようになり「これならうちでできるかも」と思ってもらえるようになりました。そのように私たちの事業領域に近いところで夢を持つには、やはり技術的な素養も必要かもしれませんね。

また、業界の若返りも図りたいと思っています。

―業界の若返りというと?

電気設備は技術者の高齢化が激しい一方で、電気は絶対に欠かせないインフラです。「このビル、たまに停電するんで気をつけてくださいね」なんてことはありえませんよね。

私たちの快適な暮らしを保っていくには、誰かがメンテナンスをしなければいけません。しかし、業界全体が高齢化していること、労働人口が減少していくこともあり、今のままだと10年後、20年後にメンテナンスできる人材がいないのも事実です。技術を継承する若手の技術を増やして日本のインフラを支えていきたいですね。

マイスターエンジニアリングはそれができています。同業他社の平均年齢が60歳近いにも関わらず、私たちは30代の技術者が多く、新卒や20代の社員も採用できています。今いる子会社でも、私たちの仕事の可能性や魅力を伝えて仲間を集め、より早く育つプログラムを確立していきたいと思います。

―最後に経営企画に興味のあるエンジニアにメッセージをください。

エンジニアから経営企画にジョブチェンジすると、視野の広さが全く変わります。メンテナンスする箇所を集中して診なければならないエンジニアに対して、経営企画は全体を俯瞰して見なければなりません。私はそれが経営企画の面白さだと思っています。

もしも、今後のキャリアについて「今の仕事をこのまま続けてもいいのかな」と迷っている方は、ぜひ経営企画にチャレンジしてみてください。新しい道に進むには不安もあると思いますが、マイスターエンジニアは技能者に対してリスペクトのある会社です。あなたの意欲を全力で応援するので、思い切って一歩踏み込んでもらえればと思います。

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