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【追悼】命をむすぶお葬式レポ

私たちは葬儀社です。

普段はお客様の大切なご葬儀のお手伝いをする役割です。

今回はそんなむすびすが、ご遺族と共にお見送りする側としてもお手伝いしたお式をご紹介します。

2021年2月中旬、冬の寒さが和らいできた頃、

むすびすの大切な大切なメンバー、由美子さんのお見送りがありました。

はじまりは2012年1月。むすびす(旧アーバンフューネス)がガイアの夜明けで紹介された放送を観て、オフィスに突撃面接にやってきた人がいました。それが由美子さんでした。

とにかく会社が大好きで、「せっかくやるなら」と何でも楽しく前向きに取り組む由美子さんは、ときには社長が圧倒されてしまうほどのパワフルさも持つママさん。


同僚と由美子さん(右下)

そんな由美子さんがステージ4の乳がんで3ヶ月の余命宣告を受けたのが入社して約1年後の2013年末。

そのとき、由美子さんは中川社長に、


「このままお医者様の言った通りに入院していたら本当に死んじゃう。治して生き続けたいから、このまま働かせてほしい」


と懇願し、治療を受けながらも働き続けました。


ご本人にしか分からない恐怖、痛み、苦しみが沢山あったことでしょう。


でも由美子さんはそれを一切感じさせず、いつもビッグスマイルで、みんなを元気にしてくれました。


コロナ禍でマスクが不足した際には、得意の洋裁で会社のロゴ入りマスクを製作し、社員全員にプレゼント。また、みんなをご飯で元気にしたい!と週1回smileごはんデーを実施。亡くなる前月の1月28日まで全22回に渡って、毎週毎週美味しい手作りご飯を届けてくれました。

むすびすにはこんな葬儀にしたいという相談ができる「事前相談」のシステムがあります。

実は、由美子さんは2014年3月に自分の葬儀について相談していました。


「家族に会社で私が何をしてたか知ってほしい」


というのがその時の希望でした。

でも亡くなる前月に2度目の「事前相談」をしたいと相談があったときに由美子さんが言ったのは、


「何もしなくていい。火葬だけすればいい」


当時の想いを忘れてしまうほど、私たちには計り知れない病気との闘い、恐怖があったのでしょう。

でも、由美子さんがむすびすに惹かれ、中川社長に惹かれ、入社してきたこと。日々の生活で大切にしてきたこと、取り組んできたことと、「葬儀はしなくていい」という言葉は明らかに矛盾しているのです。

病と闘いながらも、明るく前向きに全力で生き切った由美子さんは、むすびすの理念【命を輝かせる】をまさに体現した方。


そんな由美子さんの存在を、由美子さんが生前何をしていたのかを多くの人に知ってもらいたい。そうすることで由美子さんの命を次へと結び、つないでいきたい。そんな思いで、由美子さんとのお別れ会~テーマ「ピンクプリンセス」~を作り上げました。

まず由美子さんが眠る式場。こちらは「眠れる森のプリンセス」をテーマにしました。


ご本人の周りはテーマカラーのピンク主体の花で飾り、そこまでは緑の木々で静寂な森の中をイメージ。式場入口には木々のトンネルを作り、プリンセスのいる「異世界」への入り口を演出しました。

そして、ご焼香の代わりに準備したのはデンドロビウム。

花言葉は「わがままな美人」。ご家族がこの花言葉が由美子さんにピッタリ!と選ばれました。

こちらの花を参列者一人ひとりが由美子さんに手向けました。


式場横には「由美子の楽しみ」をテーマに、趣味のカメラ、バーベキューなど、由美子さんがまるでそこにいるかのような空間を作りました。


実際に使っていたテントやバーベキューセット、お肉や野菜は本物を置くことで、リアリティを追求。

背景には由美子さんとの思い出の写真をふんだんに使用したメモリアルスクリーンを設置したり、実際のバーベキューの時の動画を流すなど、参列者が由美子さんとの思い出を振り返れるような空間にしました。


そして、奥の空間のテーマは「SMILE」



由美子さんと言えば「SMILE」


由美子さん自身もいつも笑顔でしたが、ご家族、ご友人、会社の仲間…誰しもが、由美子さんにカメラを向けられれば、自然と笑顔になりました。


そんな由美子さんの思い出の写真を多数メモリアルスクリーンで表しました。

その他にも、由美子さん作成のぬいぐるみ、実際に使用していたカメラ、パソコン、smileごはんコーナーなども置き、写真や映像を見るだけではなく、参列した方々に手で触れていただけるようにしました。


また、参列された方が由美子さんへの想いを書けるよう、メッセージコーナーも準備。



テーマカラーの「ピンク」リボンを準備し、メッセージをしたためてもらいました。



皆さんの想いが記されたこの多数のピンクリボン…これで終わりではありません。


ご家族との最後のお別れの前にサプライズ。式場入口の木々のトンネルにピンクリボンを一つひとつ「結んで」いき、由美子さんの人生の彩りを表しました。



由美子さんの「葬儀は何もしなくていい。誰も呼ばなくていい」という遺志に逆らい、執り行ったお別れ会。


3日間で延べ250人もの方々が会いに駆けつけてくれました。すごい数です。

それだけ多くの方の心に、由美子さんという存在が刻まれ、生き続けているのです。

由美子さんのご親友が、


「由美ちゃんが、なんであれだけ会社に行きたいと言っていたか、今日来て、映像を見て、分かりました。素敵な会社ですね!」


と仰ってくれました。


この言葉に、これからも、他の誰でもない、由美子さんが愛してやまなかった会社であり続けなければならないと、改めて心に誓いました。


由美子さん、見ていてね!

これからも、一緒に、命を輝かせよう!


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