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ブランド・デザイナー【吉野拓人】が考える「モノ」を通じたデザインの可能性

こんにちわ、DONGURIミナベです。DONGURIには個性豊かな経歴/職種/スキルのメンバーが同居しています。そんななか今回から一人一人を掘り下げたインタビューを発信しています。

第二回目は、SHARPでハードウエアエンジニアとして活躍し、現在ではDONGURIでクラフトマンシップを大切とした「モノ」の製品開発と、ブランド構築をを行っている【吉野 拓人】@moonty_like です。

SHARPのハードウエアエンジニアリングの世界から、デザイナーへ。

吉野:「モノ」を中心にブランドをつくりあげていくことが、自分の動機でありスペシャリティです。具体的にエンジニアリングとしてのスキルを活かしたプロダクト/インダストリアル開発から、その後のブランドに関わる戦略づくり、勿論それに関わるBIやタッチポイント開発まで。なんでもつくりあげていきます。そうした意味で、自分はクラフトマンシップある「モノ」に対するスペシャリストだと考えています。

<↓吉野拓人の手がけた、プロダクトやブランド>

元々は、大学院でエンジニアリングを学んでいました。電子情報、量子力学、半導体などハードウエアや物性系の分野です。その中でも特に、ディスプレイなどに使用されるPoly-Si TFT(多結晶型薄膜トランジスタ)の研究をしてたんですけど、修了後はその流れでシャープに入り、液晶ディスプレイ開発に約5年携わりました。

<↓吉野拓人の担当したアクオスフォンと、取得している3Dパネル開発と立体表示装置に関する特許>

そこはいわゆる花形部門のようなチームで、要素技術をしっかりと学び、納得のいく製品開発ができたと考えています。何度か事業部門賞をいただくこともできて、チームメンバーや海外含めた他部門の方々との開発日々はとても充実していましたね。

なぜ技術は高いのに、日本からiPhoneは生まれなかったのか

開発現場にいる中でよく疑問に感じていたことがあって、それは「なぜ日本からiPhoneが生まれなかったのか?」ということです。当時、IDEOの文献などを読んでいたのですが、自分たちの現場ではデザインという言葉が使われることはほとんどなく、そこから、日本と海外の差は「デザイン」という視点があるかどうかだと考えるようになったんです。

これを起点にデザイン分野に興味を持ち、学び始め、エンジニアリングからデザインへ軸を移すことを決意しました。ステージを移す意味でチャレンジングではあったのですが、デザインに求められる思考プロセスって研究開発にすごく似ていて、特に戸惑うことはなかったです。

日本の強みはやはり製造業だと思っていて、海外のブランドランキングでも未だにSONYが上位だったりしますし、海外での日本の立ち位置は製造業に強みがあるとされています。北欧などのデザイン先進国では、モノづくりを起点とした社会作りが注目を浴びていますから、日本も恐らく原点回帰し、モノづくりの重要性にもっとスコープされていくはずです。

そんな流れの中で、デザインを通じて日本のモノづくりを強くしていきたい。そして、そのためにはブランドがとても重要だと考えています。もちろん製品自体の強さも大切ですが、周辺のクリエイティビティ全体を練っていくことでブランディングができるのではと。それが僕のやりたいことです。また、根本の商品開発から一緒にできると最高ですね。シャープと何かできないかなと、妄想することもあります。

自分になにができるのか、試し続けたい

話は変わるのですが、そうしたモノづくりを強くすること、モノづくりに携わることは自分の中長期目標として取り組んでいることで、短期的には別の軸があります。

自分の興味は「自分に何ができるのかを試すこと」にあって、できるようになったことにはあまり興味を持てません。技術開発も好きだったのですが、自分の中で「やりきってしまった」と感じることを続けるのは魅力的な選択ではなく、それよりも「自分にデザインができるのだろうか」に興味が移ったんです。

キャリア的に、「シャープで技術開発をやっていたのに、なぜデザイナーになったんですか?」とよく聞かれるのですが、自分にとっては自然な流れでした。

つまり、長期目標から照らし合わせればもっと最短で辿り着く方法はあると思うのですが、その周辺を試していくことにも興味があるんです。技術開発もそうだし、デザインにおいてもWEB、プロダクト、テキスタイル、空間デザインといった意匠もあれば、コデザインなどの最先端デザインメソッドにも興味があります。もちろんUXUIといった部分も業務に取り組んでいきます。

自分を定義せずに、流動的な状態にしていたいというのがあって、没頭できることを常に追い求めていきたいんです。そして、これまでに試してきたことが無意識的に繋がって自分が形成されていく、そんな感覚があって。だから、総合的なモノづくりやブランドづくりが得意、ということに繋がっているのだと思います。

コミュニティを広げ続け、流動性を増やすということ

DONGURIでは、チームを持ちながらコミュニティづくりにも携わっています。DONGURIには専門分野に特化した様々なスペシャリストがいるのですが、そうした人たちを内部で繋げたり、外部でも、自分が関わるコミュニティとDONGURIとを繋げていきたいと思っています。コミュニティの窓口のような存在でありたいんです。

これも流動的でいたいと思っていて、例えば国内の様々な地域にもこのコミュニティを広げていきたいし、海外にも広げていきたいです。そうすることで、人に与えられる動機も増えるし、コミュニティに所属する人たちにとっても多様性の選択肢が増えると思います。多様性ある環境を増やしながら、自分のモノづくりに没頭する行為を通じて、様々なブランドデザインをしていきたいですね。

その結果として、日本における「デザイン」への意識向上に少しでも寄与できると嬉しいです。

吉野拓人
DONGURI ブランドデザイナー
@moonty_like

SHARPでハードウエアエンジニアとして液晶ディスプレイ開発を行う。その後はデザイナーとしてプロダクト/インダストリアルの開発から、ブランド戦略、UXUI、各タッチポイントの開発まで。クラフトマンシップある「モノ」の開発を起点として、全体のブランドデザインを行っている。

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