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21歳から2社起業とM&Aを経験して、自分に起きた変化。

森口です。こんにちは。まずちょっとだけ自己紹介をさせてください。

僕は今25歳なんですが、大学2年生の3月あたり、つまり5年半ほど前にALTR THINKというアプリ開発ベンチャーを起業しました。最初のアイデアは外れてしまって、共同創業者がいなくなっちゃったりと色々苦労はしたんですが、その後作ったチャットアプリがそれなりに成長し、そのまま3年生終わりに退学。退学の半年後、創業1年半で株式会社イグニスという上場企業にM&Aされました。これが1度目の起業です。

イグニスの子会社として色々とプロジェクトに関わらせていただき、1年半後に元イグニス取締役であった柏谷から誘われMellowというベンチャーの立ち上げに参画。最初の1年はアプリ制作であったりシステム開発といった領域を中心に働いていましたが、今は組織文化や仲間集めのための仕事といった、一般的には人事と呼ばれる領域の仕事もしているといった感じです。これが2度目の起業になります。

簡単にまとめるとこんな感じ

①アプリベンチャーを学生起業
②大学中退
③上場企業にM&A
④様々なプロジェクトに携わる
⑤売却先の元取締役から誘われフードベンチャーを起業
⑥IT以外の領域(人事, 経営企画など)も担当

起業してからおよそ5年半でそれなりに色々と経験してきました。今回はそんな自分の経験を通して、自分の変化した部分に着目して文章をまとめてみます。

1社目の起業:自意識こじらせ時代

プレゼン時の写真。ちょうしのってる。

僕は元々学校のクラスとかのコミュニティの中に自分の居場所を見つけるのが苦手なタイプで、皆があまり聴かないような音楽を聴いていることに自分らしさの拠り所を感じるような人間でした。大学では同じような趣味を持った人たちが集まっているサークルに入ってみたものの、結局あまり馴染めず、そこでも皆があまりやっていない活動(学外で音楽レーベルを運営してみるなど)に没頭して、そこに自らの価値を見出すような日々を送っていました。

僕はこの、いうなれば「自分を特別な存在だと思いたい心」に以後振り回されることになります。

大学2年のある日、音楽レーベルでの企画をベースとしたアプリを開発することを決め(これも確かどこかの大人に褒められたとかそんな理由で)起業に至りました。結構ダサい起業エピソードです…(「震災を機に資本家のパワーの凄さを目の当たりにして…」とか言ってみたかった感)

こんな感じで、大した志もない、たかだか自分の自意識のためのような状態で起業したため、沢山まわりに迷惑をかけることになります。アイデアに固執し、作り手への配慮なく、プロジェクトは炎上しましたし、アクセラレーションプログラム(少額投資と事業立ち上げコンサルティングを提供してくれるプログラム)に採択されたものの、チームが解散になったりと、書ききれないくらい色々なことがありました。

それでも、自分を特別な存在だと思いたいので、途中で辞めるなんてことはしません。運良くそんな状態の自分を認めてくれる人たちとの出会いもあり、「暇スイッチ」というチャットアプリをリリースすることになります。翌日継続率8%という低調な滑り出しだったものの、地道に見よう見まねで数字を分析してみたり、使ってくれているユーザーにTwitterでインタビューしてみたりと、試行錯誤を重ね、なんとか10万ダウンロードほどのアプリに育てることができました。ちょっとした成功体験です。自分なりのアプリ開発に対する哲学も徐々に形成されていきました。

その結果、ありがたいことに株式会社イグニスという東証マザーズ上場企業の経営陣の目に止まり、M&Aされることとなります。この時は事業買収というよりほとんど「なんかこいつ面白そうだから買収しよう」というか、俗にいうアクイ・ハイヤー(採用目的の買収)にあたるような形でした。

ここで僕の「自分を特別な存在だと思いたい心」は少しだけ満たされます。
ただ、それでも "少しだけ" でした。周りには同年代で数十億のバリュエーションでM&Aされたりしているわけです。

まだまだ自意識を満たすための旅は終わりません。

上場子会社代表:かけもちすぎて迷走時代

当時のパスポート写真。目が死んでる。

そんなこんなで上場直後の100名前後のベンチャー企業のグループ会社に仲間入りしたわけですが、僕はここでも自分を特別な存在だと思いたいので、必死に他の人とは違うことだったり、違う価値観でコミュニケーションを取ろうとします。この時にリーン系(スタートアップ, UX, Running LEAN, リーンキャンバス, アナリティクス, etc...)・デザインシンキング・データ分析(R言語とかMySQLとか), などといった勉強を頑張っていました。実際個人としてのスキルは伸びたと思います。幸い当時にしては社内では勉強している人が少ない領域の勉強をしていたので、多くのプロジェクトにアサインしてもらえることとなります。

ただ、実際は自分のことで精一杯なので「自分のことばかり話す調子乗った若者」になっていたように思います。後々こういったコミュニケーションスタンスが原因で行き詰まりを感じることになるわけですが、この時はとにかく自分のスキル向上と、それがプロダクトの成長に繋がっていくことや、多くのプロジェクトにアサインされていることを通じて、自分が必要とされていることが目に見えていたので特に気にすることはありませんでした。

2社目の起業:行き詰まり、自立し、愛と信頼に目覚める

MTG中の写真。笑顔。

そんな僕は2社目の起業直後で行き詰まりを感じることとなります。2社目の起業となるMellowは、大きく分けると2つのバックグラウンドから構成されています。1つ目がフードトラック業界をゼロから作り上げてきたチーム。2つ目がIT業界出身者たち

僕はもちろん2つ目に該当するわけですが、ここでコミュニケーションの行き詰まりが発生します。バックグラウンドがまったく異なるので、僕が「自分を特別な存在だと思いたい心」をベースにしたコミュニケーションを取っていてもうまくいくはずがありません。うまくいかないながらも公私問わず積極的にコミュニケーションを重ねていきましたが、会社自体も創業初年度は伸び悩み、苦しい試行錯誤が続きます。そんな中で徐々に自分の中で変化があったように振り返って思います。

どんな変化があったかというと、今までは仕事上の文脈に限定した人とのコミュニケーションをしていたのが、異なるバックグラウンドの人々と公私問わず多くコミュニケーションを取り続けたことや、自分だけでは成し遂げられない成果をあげていく人々に囲まれて日々をすごしたことで、周りの人々を素直に信頼するようになっていき、この人達と共に、何かを成し遂げて幸せになりたいと思うようになっていきました。今はこの気持ちがではないかと思っています。人との接し方も人間を人間として尊重するコミュニケーションを取るように変化していきました。すると、周りからも自然と愛と信頼が返ってきました。とても嬉しかったです。

こういった経験から、僕は「自分を特別な存在だと思いたい心」という「他者評価に依存した自意識の保ち方」から解き放たれたように思います。そんなことをしなくても、自分は自分であって、周囲と認め合える心を持っていて、自立しつつ周囲と協力して、世の中に価値を生み出していくことができることに気付くことができました。

こういった気付きは、自意識に埋もれた若者であった自分に対して最大限に尊重しつつ、時には厳しくコミュニケーションを取ってくれた人々のおかげであると思い、改めて感謝している次第です。

まとめると

・少人数でプロダクトに集中してひたすらグロースさせていくというタイプの起業
・M&A後の上場後ベンチャー内でのプロジェクト
・チームとして互いを尊重しながらチームプレーでリアルおよびITに縦断した事業を成長させていくタイプの起業

という3つを経験した結果

・自分を支えるものが希薄であるが故の努力および個人スキル成長
・違いを尊重することの重要性への気付き
・自意識からの開放
・その結果としての自立、信頼、愛への気付き

この辺りが自分の変化でした。

これから

これからは、過去の自分のような人間ですら自然と自意識から開放されて自立し、素直に周囲を信頼し、愛を持って事業や組織や社会に貢献していけるカルチャーを作り上げていくことに必死になって取り組んでいます。

そうすることで、人間ひとりひとりのポテンシャルが最大化される社会を作っていければと思っています。

そんな僕が文化づくりを頑張っているMellowもよろしくお願いします!

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