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ぼくの本棚(今井編)

こんにちは、デザイナーの今井です。

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娘の将来が心配なわたしが、LMCに入社した理由


家族でも恋人でもなく、性別も年齢も超えた一人の人間との純粋な付き合いがあるとしたらそれは本当の「友情」だと思います。

自分が「大家さんと僕」を知ったのは、その漫画が手塚治虫文化賞をとってベストセラーになるずっと前、たまたま本屋で平積みされていた緩めの表紙(ジャケ)を何の予備知識もなく買って見たときでした。

大好きな東村アキコや糸井重里が帯を書いていたので何となく購入したのですが、一話目、初めて登場した大家さん(87歳)が1m歩くのに4コマ使っているところから心の中で「これはあたり!」とテンション上がったのを覚えています。

雨の日に勝手に部屋に入り洗濯物を取り込む大家さんに最初は戸惑っていた筆者も、互いを知るごとに徐々に親しくなり、一緒に旅行に行くくらいの仲に。長居しすぎて椅子から立つことができないことを悟られまいとする大家さん。遺影の写真をどっちがいいか軽く聞いてくる大家さん。誕生日ケーキはおはぎに仏壇用ローソク。全てたまらない。

「笑い5:ほっこり5」くらいの丁度いいバランス。この漫画は「芸人が描いた」オモシロ漫画というレッテルが貼られていますが、私はおもしろ漫画家が「芸人をやっていただけ」だとすら思います。

と、1巻まででベストセラーをとって納得だとは思っていましたが、自分としてはこれは奇跡的な出来で続編は続かないだろうと勝手に思っていました。が、その考えは間違っていました。続編では笑いと間のうまさに、ストーリーが加わって「笑い5:ほっこり5×切なさ5」に昇華されていることに驚かされました。

実話ゆえに読み人は結末を知っています。そこに向けて、まるで同じお笑い鉄拳の「振り子」のように、ページをめくれなくなる自分と戦いながら筆者が描いた結末はとても繊細でさらりと美しい。このエッセイ漫画は1巻・2巻揃って初めて一つの物語だったんだと気付かされます。

「大家さんの二階に越してからいいことばかりでした…ありがとうございました…」と呟く筆者に対して「矢部さん、これからが長いわよ」のやりとりは北野武「キッズリターン」の「マーちゃん、俺達もう終わっちゃったのかなあ?」 「バカヤロー、まだ始まっちゃいねえよ」を思い出します。

物語の中で大家さんが「本の帯が良かった」と言っていますが、そうそうたる面子の中でタレント平愛梨さんが描いた帯コメント「こんなにも誰かに薦めたいと思ったのは初めて。凄く温かで優しさがあり、愛に溢れた面白漫画です。」が一番この漫画の本質を伝えていると思います。

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