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わたしの本棚(富田編)

こんにちは、マーケットデータ室の富田です。

「もしもタイムマシーンがあったら、過去の未解決事件や冤罪と言われている事件の真相を確かめたい。」と時々思う私が、おすすめしたい本は、この2冊です。

下山事件完全版-最後の証言』、『下山事件 暗殺者たちの夏』(柴田 哲孝)

私が下山事件というものの存在を知ったのは、十年以上前のこと。
下山事件とは、昭和24年、GHQの命令によって大量の人員解雇を行うため初代国鉄総裁となった下山氏が三越本店に入っていったきり行方不明となり、翌日線路上で轢死体となって発見されたという事件です。現場からほとんど血痕が見つからなかったことから、血液を抜かれたあとで線路に置かれたのではないか、という見解も持たれながら、結局自殺とも他殺とも断定されないまま、突如捜査は打ち切りとなり真相は闇に葬られ、続いて起きた松川事件、三鷹事件とともに「国鉄三大ミステリー」と呼ばれています。

本屋でこれに関する本を見かけてこの事件を知り、とても気になったものの、分厚いしなんとなく苦手そうな本だなと読みませんでした。しかしそれ以来事件の真相が気になって気になって仕方がなかったので、2年くらい前に読み始めたのが『下山事件完全版-最後の証言』でした。

ジャーナリストである筆者は、敬愛していた祖父の二十三回忌の法事の席で、祖父があの事件に関わっていたようだと大叔母に打ち明けられ、関係資料の調査や関係者への取材を開始する、というノンフィクションです。


一番の山場は、事件の真相をもっともよく知るある人物に筆者が一人で会いに行く場面です。市役所に家の場所を尋ねに行けば職員があわてて市長の前に通されるほどの大物に会いに行き、日本刀を突き付けられてもひるむことなく取材した場面では、事件のことのみならず、これまで謎とされてきた戦後の日本の歴史に関わるような重大な証言を聞き出しています。


読んでいく中で、「M資金」、「鹿地亘事件」など、気になるワードが数多く登場し、都度検索したくなるような濃い内容となっています。終戦直後の日本について、自分は知らないことだらけだなとつくづく感じました。

この本の中では真犯人は誰なのか、という点は証拠不十分を理由に文字にしていません。

そこで次に読んだのが、『下山事件 暗殺者たちの夏』です。こちらはあくまでもフィクションとして、筆者がたどり着いた事件の真相を描いています。ようやくモヤモヤが晴れた一冊でした。

血なまぐさい題材ですが、令和を迎えた今、昭和の闇を感じたい方はぜひ読んでみてください。

【人事補足】

富田さんらしい・・・のかは分かりませんが、尖った本のチョイスです!下山事件だけではなく、三億円事件なども、今でも題材に取り上げられたりしていますよね。技術が発達した現在よりも、昔の事件は曖昧な要素が多いので、より色々な可能性が考えられて、考え出すと眠れなくなるかもしれません・・・。事件要素もそうですが、近現代史で知らない事実が沢山出てきそうなので、そういった面でも面白そうな本です!下山事件について富田さんと語りたい方は、ぜひエントリーください!

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