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KeepAliveのデザインシンキングフレームワーク「コンテキスト・ウィービング」のご紹介(後編)

どうもこんばんみ!KeepAlive代表の成田です!今回は前回のつづき、「コンテキスト・ウィービング」の実践編です。コンテキストにテックを纏わせるとは何か!?レセプターとは何か!?いったい何なの!何なのよ!?それではいってみましょう。


モノとコト、その間に在るもの

まずはプロダクトであれサービスであれモノがあります。モノはとてもスタティック(静的)でそれ自体が勝手にというか自律的に何かをしてくれるわけではありません。そこに人が介在して何らか使用したり、味わったり、聞いたりなど五感を通じた体験を得るわけですね。その際に初めてモノがアクティブ(動的)化します。これをコトと言ったりするわけです。

でもアクティブ化したモノはコトの終了と同時に再びスタティックな状態(スタンバイ)に戻ってしまいます。次に使われる時までションボリしているのです。つまり、

「スタンバイ → アクティブ → スタンバイ → アクティブ」

という状態遷移が繰り返されるのですが、この矢印の間に在るもの。それはなんでしょうか。切っ掛けと余韻です。

つまり

「スタンバイ → 切っ掛け → アクティブ → 余韻 → スタンバイ → 切っ掛け → アクティブ → 余韻」

というフローになります。この一連の流れをKeepAliveでは「ストーリー」と呼んでいます。

これは単一プロダクトのストーリーで、プロダクトに纏わるコンテキストは従前の回、ワンマイラーという革小物ブランドを例に挙げて整理した通りです。

KeepAliveはワンマイラーの他、静岡県伊東市湯川という土地にWorkingBaseというワーケーション(別荘)プロダクトを保有しています。WorkingBaseのコンテキストやストーリーの整理はいったん省略しますが、この2つを編み込む「コンテキスト・ウィービング」をやってみようと思います。


ワンマイラーのストーリーにWorkingBaseを編み込む

では話を元に戻して「スタンバイ → 切っ掛け → アクティブ → 余韻 → スタンバイ → 切っ掛け → アクティブ → 余韻」この流れでWorkingBaseが登場するとどうなるか、WorkingBase Izu-Itoはワンマイル圏内にビーチがあり、メガドンキがあり夏場とてもリゾートな環境です。そこで生活スタイルを提案していきます。ここではまず、ワンマイラー製品をWorkingBaseに置いておいてレンタルで自由に使えるとします。その場合、


ワンマイラーがWokingBaseでスタンバイ → お買い物に必要な財布やスマホ、ノートPCをワンマイラーに入れてちょっとした海遊びとZoom会議(切っ掛け) → ワンマイラーがアクティブ → WorkingBaseに帰ってきてワンマイラーから荷物を戻す(余韻) → 次の人が使う


通常、海って遠いというイメージ、濡れたり汚れたりしないようにビニールやポリエステル的なイメージ、都会的ファッションというよりもリゾート・スポーツ的なイメージ。これらを覆してWorkingBaseを拠点にワンマイラーな遊び方、ビーチファッションを提案。青い空、白い雲、燦燦と照り付ける太陽、砂浜でワンピースにワンマイラー、映えー。的な感じ。所有しないファッション、海でお仕事。

このようにワーケーションという文脈とワンマイル生活という文脈を編み込みました。ただこれだとまだ弱いです。テックの力を借りてワンマイラーをさらに面白くしてみましょう。


レセプターってなぁに

プロダクトのストーリーの中には種々のデータが散在しています。例えば革のトートバッグであれば使用している際に中に入っているものは何か、荷物の総量は何グラムか、どのくらいの頻度で使われているかなどです。これらの中でコンテキストを編み込むために必要なデータ、新しいストーリーに親和性の高いデータ。これをKeepAliveではストーリーを面白くする受容体という意味で「レセプター(受容体)」と呼んでいます。レセプターは、使用量、消費量、使用頻度、使用時の状態など定量化できる情報となります。

テックを纏うとは何か

プロダクトにレセプターを付与するうえで必ず何らかのテクノロジーが必要になってきます。革小物そのものが情報を記録してくるわけではないので何らかのセンシング技術と記録媒体が必要になります。これらのテクノロジーやアプローチ方法は種々あるかと思いますが、ざっくりICチップスマートフォンだと思ってください。

ワンマイラーをテック化する

それではワンマイラーをテック化して先ほどのストーリーを面白くしてみましょう。レセプターとしてバッグの中に入っているものが何か、使用されているかの状態を測定するものとします。テックとしてバッグの中に入っているものを把握するための「キートラッカー」、使用されている状態を把握するための「NFCチップ」、そしてそれらデータを管理するための「スマホアプリ」を用意します。これらでストーリーを弄るとどうなるか。


ワンマイラーがWokingBaseでスタンバイ → ワンマイラーを持ち出す際はNFCチップをAppClipsで読み込ませてチェックイン → お買い物に必要な財布やスマホ、ノートPCをワンマイラーに入れる → 貴重品はキートラッカー付きの巾着袋に入れて無くさないように → ちょっとした海遊びとZoom会議 → 海遊びしているときに荷物から目を離したくないのでキートラッカーで常に位置を確認 → WorkingBaseに帰ってきてワンマイラーから荷物を戻す → NFCチップとAppClipsでチェックアウト → ついでにお出掛けの記録をアプリで写真とコメント投稿 → 次の人が使う際に前回使った人の写真を眺めてニヤニヤ


どうでしょう?ちょっと面白くなったと思いませんか?単一プロダクトのストーリーもコンテキスト・ウィービングによってロングタームなライフスタイル提案に変えることができます。


べき乗のストーリー展開

今回は2つのコンテキストを編み込みましたが、編み込む文脈の数が多いほどストーリーの数、ライフスタイルのタームも多く長くすることができます。ストーリーの数として、AとBでは4つ(A,B,AB,BA)、AとBとCではつ(A,B,C,AB,BA,AC,CA,BC,CB,ABC,BCA,CBA...)、などです。

KeepAliveではRacoonというニューノーマルな働き方をアプリを開発・運営しています。先ほどのストーリーにRacoonをさらに編み込むとどうなるか。クドくなるのでやりませんが、過去に社内アイディエーションを行った際に出てきた施策候補の数はかなりの量になりました。

上位コンテキストを何にして下位コンテキストを何にするかによって無限のストーリーが生まれます。DXの現場においては単一プロダクトの伸びしろを追及するより、コンテキスト・ウィービングを用いた方が事業スケーラビリティを確保しやすいのでぜひ活用してみてください。


さいごに

KeepAliveでは主たる事業をDXコンサルティングとしながらも、バッグを作ったり、別荘を運営したり、飲食をやったりという事業会社的な展開をしています。これらはDXの模範(モデルケース)であり実験台で、結果を再びコンサルティングの事例(ホワイトペーパー)としてフィードバックしています。というわけで一緒に変なことやりたい人、企業を絶賛募集中ですのでお気軽にお問合せくださいませ。コンテキスト・ウィービングを取り入れたデザインシンキングワークショップもやりますのでそちらもぜひお問合せくださいー。

KeepAlive成田でした。ではまた!

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