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100億円よりも100年続く会社

こんにちは!2年ぶりに里帰りし、実家でリモートワークをしている田野です。

家族がいる空間で仕事をする方はこの2年で増えたかと思いますが、一人暮らしの私にとって初めての体験。
なんだか照れ臭さと誇らしさが入り混じったような感情になりますね。

さて、年末年始といえば除夜の鐘。除夜の鐘といえば108。
108といえば煩悩ということで、2022年最初の煩悩コラムです。

今年最後の煩悩コラムのテーマは、インビジョンに根付いている「100億円よりも100年続く会社」という志について。

パンデミックの影響もあり、「企業が生き残るって、当たり前じゃないんだ」と今まで以上に考えさせられた近年。
そのうえで「100年続く会社」という、その場の利益だけでは、ましてや自分が生きている間だけでは成し得ないこの志に、インビジョンがどのように向かっていくのか。改めて考えて、今年を締めくくろうと思います。

きっかけは吐血!?『100億円よりも100年続く会社』を目指すことになった理由


インビジョンは2022年に15期目を迎えます。
人間でいうともうすぐ中学校卒業という、まだまだ多感な時期です。

そういえば私は15歳の時、100歳まで生きようなんて考えたことなかったなあ、、なんて思っていると、インビジョンが「100年」を目指すようになったきっかけが気になってきました。そしていつものごとく、誠吾さんに突撃。

田野:「誠吾さん、『100億円よりも100年続く会社』っていつ頃から目指すようになったのですか?」

誠吾さん:「インビジョン設立4年目、2011年の春ごろだったよ。」

田野:「当時は社員数も少ないし、多少なりとも東日本大震災の影響を受けた時期ですよね。
目の前のことで精一杯になりそうな時期に、「100年」という志が生まれたのには、どんな経緯があったのですか?」

誠吾さん:「震災の余震がまだ続いてる時期、商談の帰りに当時のオフィスで吐血しちゃって。」

田野:「吐血!?(これ、「100億円よりも100年続く会社」を目指すことになった理由で合ってるよね?)」

誠吾さん:「うん。社会人になってからその時期まで、ほとんど仕事と飲み会の繰り返しの生活を送ってて、なんとなく気づいてた身体の不調も放っておいたんだよね。そしたら、ついに身体が限界に達して、体内の血液の1/5を吐いたの。それで救急車で病院に運ばれて。自分が吐いた血液を見て、『このまま死んじゃうかも』って本気で思った。
そのまま数ヶ月入院することになって、2ヶ月間点滴生活。今度は『生かされてるんだ』と感じるようになったんだよね。

田野:「『死んじゃうかも』から、『生かされてるんだ』という気づきに変わったんですね。」

誠吾さん:「それから、入院中の1ヶ月間ずっと、ベットの上で『人生とは』『幸せとは』『働くとは』を考えてた。
『自分、何考えてる?』『何を大切にしたい?』『何が好き?』って、血管が破裂したばかりの自分のお腹の中をひっくり返しながら。情報を遮断してここまで内省できたのは、社会人以来初めてのことだったかも。「死」と向き合ったら、生きていく上での「志」が定まった感じ。」

田野:「今でこそ誠吾さんがよく話す、人生や幸せ、働くことについての考えって、その時をきっかけに形成されたものだったんですね!そして定まったのが『100億円よりも100年続く会社』という志ですか。」

誠吾さん:「そう。
内省すると同時に出会ったのが、宮大工の西岡常一さんの著書「木に学べ 法隆寺・薬師寺の美」。
その本で読んだ、飛鳥時代の宮大工の気概に惹かれてさ。

奈良の東大寺って、建立から1200年ももってるんだよ。日光東照宮は煌びやかだけど建立から300年もたずに大修理が必要だった。東大寺を作った飛鳥時代の宮大工の『1000年もてよ!』っていう気概、半端なくかっこいいよね。

人間ってみんな死ぬじゃん。自分も『死ぬかも』っていう状況になったし。
ちなみにその月、インビジョンの売上も過去最低。
ままちゃん(インビジョン最古株メンバー、間々田さん)は『誠吾さん、今月は俺らに任せてください』って豪語してたんだけどね(笑)

そんな中で飛鳥時代の宮大工の気概を知って、それまで自分の生きている時間の範囲でしか人生や働くことについて考えていなかった自分がちっぽけに見えた。

それで、自分も会社を経営しているからには『100億円よりも100年続く会社』を目指そう、という志ができたんだよね。」

日本には、ご長寿企業が多い

誠吾さんの話す飛鳥時代の宮大工の気概もさることながら、実は日本には100年以上続くご長寿企業が多いんですって。
言わずと知れた、資生堂、ミツカン、任天堂なども設立100年を超えています。
その上なんと、100年と言わず世界最古の企業も日本にあるそう。(株式会社金剛組、578年創業(!)、2006年設立!)

100年以上続く大先輩企業にも、何か共通点があるのだろうか?と気になって少し調べてみたところ、納得の発見がありました。

先ほど挙げた、金剛組、資生堂、ミツカン、任天堂に加え、創業の古い上場企業上位10社のコーポレートサイトを覗いてみると、どこの企業も欠かさず、理念、行動指針、ビジョン、CSRといった、会社の「軸」となるものを言語化し、発信していたんです。

とくに日本最古の上場企業、松井建設株式会社は、社是・企業理念・行動指針・中期経営計画のつながりが「企業理念体系」として図にされていました。(松井建設株式会社 コーポレートサイト

言語化だけではなくて、想いから事業計画まで、しっかり一本の串でつながっているということをさらっと載せちゃうあたり、かっこよすぎる、、、

ちなみに現在、インビジョンでも「一本串」(下の図)がホットワード。
ビジョンからサービスに至るまで文字通り「一本串」でつながっていることが大事だ!と肝に銘じている最中だったので、大先輩企業の松井建設さんのこの図をみたとき、自然と「ほらやっぱりね!」と声が出てしまいました。(笑)


今でこそ「想い」の言語化を重要視する企業は増えてきているし、それは私たちインビジョンの業でもありますが、長い歴史をもつ企業はやはりどこかのタイミングで自分たちの存在意義を言語化してきたからこそ、ずっとステークホルダーに愛されて残っているのかな、と気づきました。

インビジョンが100年続くためのキーワードは「感染」?


だけど、私たちは会社が続くことは当たり前じゃないと知っています。

では「おダシ屋」である私たちが、100年続く会社になるために欠かせないこと、そして、100年続く先のインビジョンの存在意義って何なのか。

誠吾さんとの会話に戻ります。

田野:「100年続く会社になるために、一番欠かせないものって何なのでしょうか。」

誠吾さん:「ビジョン、おダシの『感染』だね。
人間が行動を起こす時の動機を形成するものって、競争、理解、感染の3つなんだって。
その中でも、「感染」動機が最強だと思ってる。

そもそも、何のために100年先も会社が続く必要があるかって、企業や地域から滲み出るおダシを通じて「働く幸せを感じる、かっこいい大人を増やす」っていうビジョンを感染させる、インビジョンがその感染源であり続けるためなんだよね。」

田野:「たしかに。叶えるべきビジョンがあるからこそ、100年も先のことが考えられますよね。
誠吾さんがビジョンの先に思い描いてる100年後の世の中って、どんなものですか?」

誠吾さん:「これだよ。」


ホームページトップのこのイラストは、義憤である「狂育連鎖」が断ち切れ、インビジョンが目指す「働くかっこいい大人を増やす」というビジョンが浸透した、「働くって面白い」と感じている人たちが街じゅうに溢れている世の中を表しています。

考えてみれば、インビジョンが増やしていきたい「働く幸せを感じる、かっこいい大人」はもちろん、義憤である「狂育連鎖」も人から人、大人から子供に伝わっていくもの。

だからこそ、インビジョンは「おダシ屋」として、その感染源を担っていく。これが100年先も変わらないインビジョンの役割なのではないかと見えてきた気がします。

社会に対するビジョンを持つ企業だから、先の世代まで続く「必要がある」


誠吾さんの「死ぬかもしれない」体験をきっかけに生まれたインビジョンの「100億よりも100年続く会社」という志。私も入社前からこの言葉に惹かれていましたが、今回改めてハッとしたのは、自分たちの「長く続くぞ!」という意志だけじゃ意味がないということ。

社会に対するビジョンを持つ企業だから、先の世代まで続く「必要がある」のだと改めて気づきました。

ただ、「100年続く」というのは圧倒的に公欲だけど、その始まりは、一度きりの人生で自分が心から好きだ、大事にしたい、と思える物事に携わることではないでしょうか。人間っていつか死んじゃうけど、自分が心から感染させられた物事を通して、それを感染させる側になることで、死んじゃったあとも想いが受け継がれていくものだよな、と。

(ヴィンテージ品など古い物が好きな方にはわかってもらえると思うのですが、ああいうものって、当時それを作った顔も知らない誰かや、それを受け継いで大切にしてきた誰かの想いを感じられるからこそ価値が増すように感じますよね。)

もうすぐ15歳になるインビジョン。100歳まで(と言わずもっと行きたいけど、一旦)あと85年。

2022年も、インビジョン自らがいいおダシを薫らせながら、企業や地域の「おダシ」をとり、そのおダシに感染する人を1人でも多く増やすことで「働く幸せを感じる、かっこいい大人を増やす」というビジョンに向かっていきます!

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