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スタートアップの最前線でデザインはどこまで事業に貢献できるか。rootに求めたクライアント事業に伴走する環境

rootのメンバーがどのようにデザインに向き合い、デザイナーとして歩んできたかを聞く、rootのメンバーインタビュー。今回は2018年7月にrootへとジョインしたUXデザイナーの古里凌哉の登場です。

彼は、大企業向けの新規事業開発支援からウェブや紙媒体のデザインまで幅広く手がける大手デザイン会社の株式会社コンセントから、rootへと転職しました。彼はなぜデザインに携わるのか、新たな環境に何を求めるのかを聞きました。

美術予備校で直面した壁をきっかけに「デザイン」の可能性を広げることを考えた

——デザインに関心をもったきっかけはなんだったんですか?

最初は、“新しいアイデアを形にすること”への関心がきっかけでした。小さい頃から、ポスターや雑誌広告などのグラフィックデザインに関心が強くて。グラフィックにおける斬新な表現やものづくりに強い感銘を受けました。

「彼らのように“新しい”と思われるものを作りたい」と考え、自然とデザインの道を志すようになったんです。

——小さい頃からデザインに惹かれていたんですね。

作ったものを周りの人に見せて“どう?”と聞くような子どもで、とにかく“新しいもの”“見たことがないもの”を作ることに強い関心を持っていたんです。その流れから、中高と美術部に所属。大学も美大を志し、地元の岩手を出て東京の有名美大に行こうと思っていました。

夏休みを利用し東京の美術予備校へ通ったのですが、そこで出会った同世代と大きな力の差を感じたんです。このまま入試対策を続けても、彼らの技術に追いつけないかもしれない。むしろ必要なのは技術なのだろうか。デッサンや色面構成だけがデザインに必要な観察や発想を養う方法なのだろうか。そのことに気づき、改めて進路を考え直しました

——ずっとデザインの道を目指してきて、初めて立ち止まった。

そうなんです。元々、自分がデザインに関心を持ったのは、“新しいアイデアを形にすること”への関心がきっかけ。新しいものは、単に表現のテクニックやツールを使いこなすスキルといった、技術を積み重ねるだけでは生まれません。その先で、“技術を使い何ができるか”も知らなければいけない。その“何ができるか”を大学で考えたいと思い、進路を考え直したんです。

進路を考え直す中で、関心を持ったのが東北芸術工科大学でした。同大学では、地域が抱えている課題にデザインでどう貢献できるかを考え、実践するカリキュラムが用意されていて、“技術だけではなく、その活用の仕方”も学べる環境。「ここなら自分の学びたいことが学べる」と思い、東北芸術工科大学へと進学しました。

入学後は期待していた通り、グラフィックデザインのスキルや技術だけではなく、デザインが何にどう貢献できるのかを実践を通じて学びました。地域課題や社会課題・商品プロモーションから自己表現まで、さまざまな領域でデザインという手段を用いて発見できることや解決できることの幅広さを学びました。

幅広い領域における多様な目的のためのデザインを求めコンセントへ

——大学での学びを経て、どんなデザイナーになろうと考えるようになったんでしょうか。

就職活動で出会った会社が、デザインを通した事業や組織、クリエイティブの支援を行う株式会社コンセントでした。

コンセントは、デザインを問題解決や課題・潜在的ニーズ探索、顧客とのコミュニケーション手段として捉えている会社です。デザインを幅広い領域における多様な目的のための手段として大学で学んできた自分にとっては、デザイン会社としてのあり方に強く共感を覚えました。

——どんなデザインを経験したんですか?

コンセントでは入社から数年間、デザインと名の付く多様な領域をローテーションし、幅広い経験をしました。

主に担当したのは、「サービスデザイン」と「UIデザイン」の2つの領域です。あるとき、新規サービスの立ち上げを支援するプロジェクトに関わって、「自分のやりたいことはこれだな」と感じました。

そのプロジェクトでは、上流から携わって何もないところから形にしていく経験を積みました。責任ある仕事ですが、何も決まっていないところから関わるので、考えられる幅も広い。その仕事が楽しくて、上流から「理想のユーザー体験」を追求する仕事が自分に一番合うと思ったんです。

——“新しいアイデアを形にする”環境として、新規サービスの立ち上げは最適だったと。

そうですね。自分が追い求めていたことを経験するには、事業やサービスの立ち上げフェーズに最も可能性があることにも気づきました。

デザイン領域でも、グラフィック等のクラシカルデザインでは、先人が様々な可能性を探究し尽くしてきました。この中で新しいアイデアを形にするのはかなりの難易度がある。

一方、事業やサービスなど、デジタルプロダクトはまだその余地が残っているなと感じたんです。その探求にもっと携わりたいと考えました。

制約の少ない状況で「理想のユーザー体験」を考えたい

——新たな事業やサービス作りに上流から携わりたいという思いからrootに?

そうなんです。rootに勤める友人を介して、以前から話は聞いていました。事業やサービスの立ち上げを支援し、クライアントも大企業からスタートアップまで幅広い。

加えて、伴走型で継続的に支援できるので、成長にちゃんとコミットできる。ここであれば、目指したい“新しいアイデアを形にすること”に近づけると思ったんです。

——伴走型というのもポイントだったんですね。

あとは、スタートアップの支援ができるというのも魅力でした。前職では、大企業のクライアントが中心で、スタートアップに比べればスピードが出づらい場面もありました。

既存事業との関係性や人員、予算などの制約も生まれやすい。自由度が高く、工夫する余地の大きいスタートアップの支援に強く魅力を感じました。

——スタートアップの支援をすることへの不安はなかったんですか?

経験を深める意味でも、本質的に課題解決をするという意味でも、スタートアップとの伴走は大きなチャンスだと思いました。何も土台のないところからのスタートなので、大企業よりもハードな面は多くチャレンジではありますが、より挑戦できる場に身を置こうと。

自身の成長だけでなく、組織の成長も

——rootに入ってみてどうですか?

入社してからは期待通り、新規サービスや事業の立ち上げの上流から関われています。UXデザインをはじめ、さまざまなロールを横断して担当できて刺激的です。

スタートアップへ伴走する中では、そのスピードに合わせられるよう、次々と新たな経験を重ねています。スタートアップに合わせスピード感を持つためには、個々が裁量を持って判断しなければいけません。

判断一つひとつに責任を持ち、自分で答えを導いていかなければいけない。その積み重ねが、意思決定のスピードや質の向上にもつながる。日々難しさは感じますが、楽しさのひとつでもありますね。

——入ってから見えてきたこともありますか?

ありますね。サービスデザインやUXデザインといった自身の専門性を、これまで以上に深める必要性も強く感じています。

コンセントには社内に様々な専門家がおり、知りたいことは人に聞けば学べたので、自分が詳しくなくても、なんとかなる状況でした。

その点、rootは小規模である以上それぞれが専門家でなければいけません。情報を得るにも、自分で探しに行かなければいけない。ですから、意識的に情報を収集するようになりましたし、何を学ぶか、これまで以上に深く考えるようになりました。

——“新しいアイデアを形にする”ために、今後は何を目標に?

僕自身がプロフェッショナルとして成長することはもちろん、rootという会社が成果を出せる組織になることが不可欠です。

そのためには、知識や経験をメンバーも含めた共通のナレッジとし、全体として成長しなければいけない。そこへ向け何をすべきかも、今後は突き詰めていきたいですね。


rootはメンバーも増え、着実に事業規模も拡大を続けています。その中では古里の語るように、個々の強みだけでなく、組織としての価値を蓄積することが欠かせません。

実際、古里の加入によって、社内のデザインプロセスを可視化し構築するプロジェクトも生まれ進行しています。

rootはまだ土台を作り上げるフェーズです。向上意欲や探究心のある人であれば、だれでも挑戦できる環境を、rootは用意しています。

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