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創業20年。日本一の「成婚数」を生み出す企業へと至るまで。#IBJ創業ストーリー

2020年、IBJは創業20周年を迎えました。「婚活」という言葉が無い時代に事業をスタートした2000年。当時は「出会い系」のイメージを抱く方も多く、上場する企業もない中、2015年に東証一部上場を果たし、年間8,000組以上の成婚を生み出す企業へと成長。たくさんのご縁ある皆様の幸せを紡いで参りました。そこで20年の節目を迎える今、IBJの石坂社長に、20年間の変遷について振り返っていただきました。

株式会社IBJ 代表取締役社長 石坂 茂 ー 東京大学経済学部卒、株式会社日本興業銀行(みずほ銀行の前身)入行。2000年、日本初となる婚活サイトをスタートさせ、2006年株式会社IBJを設立。結婚相談所約2,500社超が加盟する日本結婚相談所連盟を運営し、業界のリーディングカンパニーとして全国の相談所に独自の成婚メソッドを波及させる。


大手銀行を退行し、お見合いビジネスで創業

2000年。インターネットを活用し、日本で初めて『結婚を目的とした人』をマッチングさせる事業をスタートさせました。もともと銀行員ということもあり、借金を大きなリスクと感じていたので、在庫を抱えず情報課金するビジネスであること。そして「人を幸せにする事業」と考えた時に、お引き合わせを行う婚活ビジネスが一番に浮かんだのです。すでに地域に根付いた個人経営の結婚相談所はありましたが、セオリーとして「なるべく目立たないよう裏路地で」「目立つ看板は掲げない」「宣伝は電話帳に掲載」という運営で、お客様も「こっそり行く」という扱いだったんですよね。なので、安価で気軽にできるマッチングサイトから始めようと思ったんです。

当時はまだ、少子化問題について嘆かれてはいませんでしたが、婚外子率の少ない日本では、結婚が減ると出生数も減ってしまう。今後、人口減少が深刻になることは想像に難しくなかったわけですから、結婚数を増やしていかなければならないことを早くから感じていました。今後、必ず社会的価値が高まるだろうと。ただ、当時は「少子化問題に貢献します」と言えるほどの規模でもなく、メジャーな事業でもなかったので、自分の中での構想でしかありませんでした。

そこで大事になってくるのが「結婚を増やすこと」ですが、マッチング事業やパーティー事業では、カップルは増えるものの結婚数はなかなか増えにくいことに気づき、市井の結婚相談所に機会を見つけて伺ったんです。そこでの発見は多く「高齢の方が仲人として活躍されている」「家でお仕事をしている」「ものすごい量の紙束(プロフィールシート)を使い紹介をしている」ような状態。ただ、お客様の7割以上を結婚までお世話している相談所があることに驚かされました。それまでは、インターネットで完結する事業にしようと思っていましたが、この分野においてはインターネットだけでは限界があると感じ、仲人さんのお仕事をもっと効率化できないかというところから、全国の結婚相談所を再編しようと思ったのです。仲人さん達が働きやすくなるためのネットワークやシステムを作ることは、今までにない発想であり独自性もあったので、2006年のIBJ起業と同時に結婚相談所のプラットフォームとして「日本結婚相談所連盟」を立ち上げました。


全国の結婚相談所を地道に回り、仲人さんにパソコン操作を教える日々

当時、「インターネットを使い結婚相談所プラットフォームを作ります」と伝えても、当然受け入れてくれる仲人さんはほとんどいません。そこで便利さを感じていただくため、各地で地道に説明会を開き、実際にシステムに触れていただきました。彼らは何よりも「集客」に困っていたから、集客が出来るメディアサイトも作成。IBJのシステムを利用していただければ、集客も出来てメディアサイトにも格安で掲載できる。最初は無料でもいいからシステムを使っていただいて徐々に浸透させていきました。

仲人さんは高齢の方が多かったため「パソコンの使い方が分からない」「ネット上にプロフィールを掲載することへの不安」等、色んな声をいただきました。しかし、インターネットは紙よりも安全であり散逸しない。当時は、パソコンで仕事をしてパソコンで情報を得るというのが当たり前になってきている時代だったので、パソコン教室を開き、地道に啓蒙活動をしていきました。

最初の目標は、加盟店数100社、会員数1000人に登録いただくこと。新規開業ではなく世の中にある結婚相談所に登録して頂くところからスタートしたので、1年ほどでこの目標を達成することができました。そこから新規開業も増えていき、右肩上がりで加盟店と会員数が増加していきましたね。


凝らずシンプルな経営理念が、今も私の行動指針に

IBJの経営理念「ご縁がある皆様を幸せにする」ができたのは2003年。ようやく社員が10人ほどになり、利益が出せるようになった時期でしたね。生きていくために働いている、というのは大前提としてありますが、それだけだと会社は成長も発展もしないと思い、何のために会社があるのかを明確にするために掲げました。凝らずシンプルに、納得感のある理念だと思います。

当時はまだ「婚活」という言葉はなかったので、「インターネット結婚情報サービス」や「お見合いパーティー」「結婚情報サービス」という言い方をしていましたが、2008年頃に ”就職活動と同じくらい大変” というところから、「就活」と「婚活」というワードで呼ばれるように。IBJとしても事業が分かりやすくなり有難い気持ちでしたが、今やこんなに定着するワードになるとは想像もしていなかったです。今年でスタッフも連結1,000人を越えましたが、IBJ単体として経営理念を知らない社員はいないと思います。ただ、ずっと理念の通りに働いてほしいわけではなく、たまに振り返って自分の行動や人生の指針をこの理念に合わせてもらえたら作った意味があるかなと思います。取締役会などで議案を決めるときも、「ご縁がある皆様を幸せにすることに繋がっているのか」を判断としていますので、共通した認識や指針は大事だと思いますね。


成婚率50%以上を誇る、IBJの成婚メソッド

連盟スタート時は、メディアを運営し集客のお手伝いをするとともに、システムを事業社に使って頂くという構想でしたので、自社で結婚相談所を運営するとは全く考えていなかったです。ところが、地域の相談所には「核」となる相談所があることを知り、そこが会員数やお見合い数、成婚数を引っ張っていることに気づき、相当な覚悟を持って直営店を開くことにしたんです。加盟店様から「競合じゃないのか」という声もありましたが、一緒に会員様をサポートすることでプラスになることのほうが多いと感じていたので、仲人さんにもそれを受け入れていただき、直営店を核とした加盟店ビジネスという、IBJ独自のビジネスモデルが確立しました。

直営店はパーティー事業と連動していることもあり集客力はありましたが、お客様をどのようにモチベートしていくのかというサポートに関するノウハウが全くない状態で。実際に私も、知人を中心に10人前後会員様を集めて、妻と一緒にお世話したこともありました。3人ほど成婚も生み出すことができましたが、当時は経験もメソッドもなかったので、お客様によって非常に手間暇が掛かるという印象で。集客や入会時の接客手法、成婚まで導くための基準やマニュアルの必要性を感じていました。

ただ、どうしていいのか分からず結婚相談所の先輩に相談もしましたが、もし自分が受けるサービスと考えた時に、少しだけ”押し付けがましさ”のようなものを感じてしまったんです。そんな時偶然「問題解決型営業」という営業手法を知る機会があり、「営業というのはお客様の問題解決をすること」と教わったんです。今となってはよく出てくる営業キーワードですが、婚活も「お客様の問題を解決すること」という点においては同じではないかと思ったんです。それを基に、今のメソッドの原型となる最初のメソッドが完成しました。


上場に際し、婚活ビジネスの風当たりの強さを痛感

日々苦労はありましたが、新興市場のJASDAQに上場する時が一番苦労したので今でもよく覚えていて。社内的な苦労もありますが、この分野で上場させている企業は無かったので、社外からの風当たりの強さを痛感しましたね...。2008年から明確に上場を意識し、4年かけて諸々整備、2012年にJASDAQへ上場しました。業務内容や経営者の顔ぶれも一つの要因でしたが、一番大事だったのは『結婚カップルを一組でも多く増やしていく』というIBJの存在意義を、社会に必要性があると認めて頂けたことだと思っています。2015年には東証二部から東証一部に銘柄指定されました。JASDAQに上場したときは達成感が大きかったですが、東証一部に指定されたときは大学受験が終わった解放感のような、ホッとした気持ちでしたね。


社長が考えるIBJの強み

独自の確固たるビジネスモデルを持ち、特定分野のリーディングカンパニーであることがIBJ事業の強みだと思います。また、働いているメンバーも「社会に相応に貢献している」という社会貢献度を実感しやすいこと。

基本的なメソッドや理念は社内で共有していますが、スタッフの個性や価値観は尊重したいと思っているので、できる限りパーソナルな個性や価値観を輝かせてほしいと思っています。人事の採用方針も多少はありますが、素直で染まりやすければいいわけではなく、尖がった人がいるのも面白いし、ごったでいいと思っているので。結婚も同じで、最初の条件は多少あるものの、結果的にはフィーリングや相性が大事だと思うんですよね。形式的な条件はあっても、それに縛られないほうが良い。

私自身は、この仕事を天職だと思っています。だから、新たに違う分野でやりたいことはなくて、できる限りIBJの価値やスタッフの成長を一緒にサポートして一生終わればいいと思っているので、生涯一事をなせばいいという考え方ですね。


婚活業界の課題と将来性

業界としては、新型コロナウイルスの影響で脆弱な面が露呈してしまった。この先、ワンオブゼムでやっていたり、仕組みとして偏っていた会社は淘汰されていく可能性があると思います。IBJも接客を伴うサービスは一部痛手を受けました。ただ、必ず無くならないニーズであるから、小規模で経営している結婚相談所などはコロナ禍でも痛手を被っていないんです。仲人さんご自身の感染リスクを注意してもらいたいくらいで。

この先、パートナーシップは多様化するものの結婚が主軸であることは変わらないので、業界の将来性は明るいと思います。出会いの機会は少なくなってきていますが、こうしたサービスの利用が増え、潜在的なニーズも増えている。従来は、都市部の感度の高い方へ広告アプローチをしている相談所が多かったのですが、IBJは需要者先行ではなく、供給者を先に掘り起こしていきたいと思っています。供給者が増えれば増えるほど、需要顧客を掘り起こすことができますから。どんな環境や苦難な状態でも『パートナーを求める』という要求は根源的にあるので、無くならない需要があるというのはある意味強い。目標は日本の結婚組数3%をIBJグループから創出することですが、それより多くの幸せが創りだせるようにしていきたいですね。

END

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