先日、フルカイテンボードメンバー4人でのキャンプ合宿が開催されました!9月にCTOの柳本が入社したことをきっかけに、東西に分かれているボードメンバーのチームビルディングが狙いです。 そこでCTO柳本と瀬川が語り合った話が面白かったので、みなさんに届けたいと思います!
CEO瀬川: しんさん、よくフルカイテンに来ることを決意してくれましたね!しんさんは前職でも取締役CTOを務めていたわけなので、本当によく来てくれたと思っているんです。
CTO柳本: いえいえ、こちらこそありがとうございます。 きっかけは、CPO加藤さんから相談を受けたことでした。たまたま、当時前職では仕事として納得がいく状態になっていたこともあって、新しいチャレンジを探していたんです。 その2つがタイミングとしてぴったり重なりました。まさに縁だと思います。
ともかく、私としては、そのようなチャレンジの機会を与えてくれた、ということに対してとても感謝していて、今後の仕事の結果としてこれを返していきたいですね。
CEO瀬川: やけに硬いですねぇ。そんな感じの人でしたっけ?(瀬川と加藤、柳本は以前の職場の同僚) それはそうと、ようやくフルカイテンはCTOを迎えることができました。 実は開発部門のリーダーという意味合いでいうと、これで3人目なんですよ。 CTOとして迎えるのは初めてなんですけどね。
CTO柳本: 確かに、ちょっと硬いかな・・(笑) 現在まで様々な変遷があったと思います。でも全ては過程で、それはこれからも同じなのかもしれません。
開発リーダーやCTOというのもあくまで役割ですし、会社のフェーズによって、これからも必要な役割は変化すると思います。
重要なのはそういった変化を柔軟に続けていく、ということなんでしょうね。
CEO瀬川: そう思います。過去に開発リーダーを務めてくれたメンバーは今でもフルカイテンで頑張ってくれてるんですが、役割が変わっていく過程で、1人1人と向き合って想いをストレートに話してきたのが良かったのかなと思っています。人の問題ってストレスが大きいものなので、ちゃんと向き合うことが大事だなと。
トップがそういう姿勢を持たないと、組織が柔軟に変化することなんてないと思うんですよね。悪しき平等っていうのは一番ダメだなと。
それはそうと、入社を決めてもらうまでの間にフルカイテンの色んなことを伝えましたが、入社して1ヶ月、CTOとして見た今のフルカイテンはどんな組織だと思いましたか?
CTO柳本: 入ってすぐ実直でオープンな社風だな、という印象を持ちましたね! また、入社までの間に聞いていた内容と実際は、全くと言っていいほどギャップはありませんでした。 その事前の内容がどうとか、というよりも、ギャップがないということも実直、オープン、という社風の一端のように感じます。
あと、これも単なる印象ですが、サポータータイプの方が多いように感じました。 入社後、部署問わず様々な方が私が困るであろうことを先回りして教えてくれたりして、とても助かりました。 そんなこともあってか、入社直後からすぐに本質的な仕事に集中出来ています。
CEO瀬川: それは良かった!逆に課題についてはどんな風に見てますか?
CTO柳本: まず、チャレンジしやすい社風だと思います。 ただし、これは良い作用と悪い作用があるように考えていて、今は悪い作用が目立っている印象です。 例えば「これやります!」と言って誰かが手を挙げてから、うまくいかなかった場合に、「あれ・・・。やるっていったやん・・・。」みたいな。 今後は「これやります!」のあとに、本当に実現可能性があるのか組織としてチェックが必要じゃないかな、と考えています。そうでなければ、勇気を持って挑戦してくれる人がどんどん減ってしまいますもんね。
CEO瀬川: 善意に頼ることの是非というやつですね。 入社の数日前に夜話していてそういうフィードバックがしんさんから出ましたよね。あれは今年一番自分の中にスッと入ってきたフィードバックでした!
フルカイテンの社員のみんなって本当に良い人が多くて、助け合おうとかこぼれ球を拾おうというメンタリティを持っているんですよね。 で、しんさんのフィードバックで気づいたんですけど、経営者としてそういう社員のみんなの善意に頼ったマネージメントになってた部分が多分にあったなと思ったんですよ。
善意に頼るのってよくよく考えると結構怖いというかリスキーで、例えば「これやります!」と善意で言ってくれた人が自分の本タスクが忙しくなりすぎて善意をこなせなかった時に、周りからすると「え?やるって言ってたやん」みたいな怒りに変わることがあるんですよね。
これが勇気を持って挑戦する人がどんどん減ってしまうきっかけになると最悪ですもんね。 本当にこの気づきは大きかったです。フルカイテンのマネージメントが変わるきっかけになったなと思うので。
しんさんは今までもCTOや開発責任者という立場を歴任してきたわけじゃないですか。善意に頼ることの怖さみたいなものって経験してきたんですか?
CTO柳本: 仕事柄、プロジェクトを担当者に任せっきりにして、リリース前になってリリース出来る状態じゃないことが発覚する、とかそういう失敗はザラにあります。これはある種の信頼からくる失敗ですね。
ともかく、「善意や信頼」といったものと、「確認や評価」というものは一見、相反するように見えますが、これらが統合された状態こそ、ものごとがうまくいくように考えています。
CEO瀬川: まさにそういうのを業務設計と言うのでしょうね。 あと、エンジニアチームについて教えてください。CTOとして今のフルカイテンのエンジニアチームの良い所と悪い所、どう見てますか?
CTO柳本: 良い所はみなさん、いわゆる優しく、大人の方が多いのでコミュニケーションに苦労するというようなことは無いですね。 一方、チームとしての課題は私の責任であるものも含めて様々ありますが、まずは、品質の高いシステムにするために、現在のプロセスについて見直しが必要です。
私の経験上、お客様から最もお叱りを受ける不具合は「これって、ほんとに確認したの?」というものです。ですから、まずはお客様の視点に立って確認する、というプロセスを定着化させる必要があると考えています。
ほかには、プロダクトについて機能の拡充と強化をしていかなければならない段階なのですが、そのような体制になっていない点です。 こちらについては、短期的には様々なパートナー様のお力を借りて、早期に機能の拡充が出来る状態にしていきます。
ただ、少し脱線するかもしれませんが、理想と現実とのギャップを課題とするなら、私がやるべきことは課題を探すのではなく、まずは理想を定義する、ということだと考えています。 ある一定の具体性を持った理想が定義されているなら、それと現実とのギャップは共通認識の課題として持ちやすいですよね。逆に、理想が明文化されていない状態での課題、というのは自分の中にしか無いので、他人から見ると「それのいったいどこが課題なんだ?」ということが起こるように思います。 ですから、今は当社のミッションやビジョンから、エンジニア向けに具体化したものをひたすら考え抜く、ということをしています。
CEO瀬川: いやー、ビシビシ来ますね。!!確かに今一番の課題は、プロダクトの完成度を高めることです。
PMFは果たしており、しっかり利用頂いているお客様は目覚ましい成果が出ています。例えば導入から5ヶ月ほどで会社の現金が2倍近くになったり、コロナ禍にもかかわらず売上が昨対20%増などです。
でも、これまではキャッシュフローの範囲内でしか採用活動ができなかったので、エンジニアも含め会社全体として本当に少人数で戦ってきましたから、プロダクトがPMFを果たしていても、例えば新機能開発や既存機能の改善がバグ改修に時間を取られてリソースを充てられない状況だったんですよ。
今年6月末にJAFCOさんから5億円の資金調達を実施したおかげで、やっと採用活動を本格化できるようになりました。 そういうタイミングでしんさんがCTOとしてジョインしたので、エンジニアの組織作りと並行してプロダクトの完成度を高めることを託せています。 「組織作りは理想の明文化から」というのは何もエンジニアだけに限った話ではなさそうですよね。すごく示唆深いなと思いました。 会社全体で見れば、理想というのはミッションとイコールです。 つまり「世界の大量廃棄問題の解決」ですが、その理想と現実のギャップを埋める手段としてFULL KAITENの事業が存在します。
FULL KAITEN導入企業は、少ない在庫で利益を最大化できるようになりますので、そういう企業を増やしていくことが世界の大量廃棄問題の解決に繋がるというロジックです。 もしかしたら我々ボードメンバーってこういうことをもっともっと社員のみんなに説いて今以上に浸透させる努力をしないといけないのかもしれませんね。
CTO柳本: 仰るとおりですね。そのためにはミッションを暗記して話す、みたいなことではなくて、一人称で話すことが出来るレベルまで、まずは自分の頭でしっかりと考える必要があると思っています。
ともかく、社会的にも大きな意義のあるプロダクトですから、今後もどんどん良いものに仕上げていきます!
CEO瀬川: 話は変わりますが・・しんさんから見た自分はどんな経営者ですか?
CTO柳本: 判断が早く、かつ、おっしゃっていることも単刀直入でわかりやすいです。パキっとしているというか、直線的なイメージですね。 また、判断の早さはあらゆるものごとを熟考した結果であるように感じています。あとは、一見、おおらかかと思いきや、とても繊細な部分があるように思っています。
CEO瀬川: ありがとうございます。さすが鋭いですね! 単刀直入!(笑)そこは意識していますね。トップが白黒はっきりさせた発言をしないと社員のみんなは迷ってしまうので。だから自分の発言が正しいか間違っているかよりも、白黒をはっきりさせているかどうかを大事に考えています。
発言が正しいか間違っているかは、他にもボードメンバーがいるからアジャストできるでしょうし、社員のみんなだってガンガン発言できる社風なのであまり心配していないんですよね。 むしろわざと間違ったことを言ったりすることもあるぐらいです、ちゃんとそのチェック機構が働いているか確かめるために笑
ビジネスサイドを見ているCOOの宇津木、プロダクトを見ているCPOの加藤の二人についてはどんな印象ですか?
CTO柳本: 宇津木さんについては、人脈が広く、気さくでリーダーシップがある方だなと。いつもわかりやすく丁寧に話していただいて、助かっています。あと、声がいいですね(笑)
加藤さんは、私の今までの人生で最も一緒に仕事をしやすい人です。加藤さんとの対話の中では、考えがどんどん発展していくといった経験が今まで何度もあって、詰まったときはいつも相談していますよ。
CEO瀬川: 最近、プロダクト開発の方向性についてCPO加藤と議論を重ねていましたよね。 どんな背景があって、何を目的に、どんな結論を出したんですか?そしてその効果をどう期待していますか?
CTO柳本: 私自身、FULL KAITENというプロダクトの今後について深く思考して具体化しなければ、目標や計画が立てづらい、ということが背景としてあります。
具体化する上で不明点、未決事項を浮き彫りにして、それを議論して、さらに具体化していく、という作業が私にはやりやすいので、CPOにお願いして対話を重ねています。この目的はまさに「理想の定義」ということになるのでしょう。
まだまだ議論は途中ですが、プロダクトのみの完成度だけを追求するのではなく、人的サービスも含めて再定義する、ということがいったんの結論となっています。
なお、こういった活動の効果としては、理想が定義されることによって意思決定が早くなったり、無駄・無理の無い開発が出来る、ということを期待しています。
CEO瀬川: 「プロダクトの完成度というものを人的サービスも含めて再定義する」というのは、しんさんがCTOに就任してからの意思決定の中ではかなり大きな決定でしたよね。 顧客に価値提供したい、だから機能開発を行う。これは一見正しそうですけど、時間軸が考慮に入っていないのが問題です。
つまり、機能開発というリードタイム期間中は顧客に価値提供ができないということです。 しんさんがCPOとディスカッションする中で決めたことは、このリードタイム期間中にも顧客に価値提供するために、あえて人的サービスを行うというものでした。 顧客の期待は機能を使うことではなく成果を出すことですので、機能開発を待たないと価値提供できないというのは確かに矛盾があるんですよね。 実際、FULL KAITENのデータベースには顧客の色んなデータが入っていますので、それらを抽出すればエクセルを使ってひとまずの価値提供は可能なんです。 それをせずに機能開発が終わるのを待って頂くというのは、会社のスタンスとしても無しだなとボードメンバー全員が意見一致しましたよね! それに機能開発の前にこういう人的サービスで価値提供しておけばより具体的な要件を顧客から吸い上げることも可能になるので、機能開発の手戻りもかなり少なくなるというメリットもあるんですよね。
この意思決定はカスタマーサクセスチームからすると大歓迎だと思いますよ。機能開発のリードタイム期間中に顧客の満足度が下がってしまうことで対応難易度が上がるという悩みを抱えていましたしね。
最近のボードミーティングでは、as isとto beで考えた時にas isとしてはカスタマーサクセスをCTOまたはCPO配下に置く方が良いのでないかという提案もしてましたよね。 あれはどんな背景からの提案だったのですか?
CTO柳本: 背景として、カスタマーサクセスは「お客様を成功に導く」ということが主たる目的ですが、そのような活動の過程でプロダクトに還元できる部分、というのは大きいのではないかと考えています。 一方、良い悪いは別として、当社のカスタマーサクセスはカスタマーサポートとしての機能も担っていて、これはプロダクトの諸問題を吸収してもらっています。
私の定義では、カスタマーサクセスは「ゼロからプラス方向の機能拡張の可能性」を秘めており、カスタマーサポートは「マイナスからゼロ方向の機能の改善」の可能性を秘めている、と考えています。
ですから、カスタマーサクセスもカスタマーサポートもプロダクトの近くに位置づける、というのが私の中では自然なんですね。ただし、現実問題として悩ましい部分はありますね。
CEO瀬川: なるほど・・会議の中でCPOの加藤がエンジニアチームに見せた行動にすごく心動かされてませんでしたっけ?
CTO柳本: リリース予定の機能について、開発工数が大きく掛かることが判明したため、代替案を検討することになりました。
その代替案は当初の想定より工期は大幅に短縮できるものの、エンジニアとしては様々な観点からなかなか受け入れがたいものでしたが、CPOは「なぜリリースを急ぐ必要があるのか。」ということについて、非常に情熱的な説明をしたんですね。そして、その代替案について前向きに検討が進むことになりました。
ともかく、プロダクトを作る上で、「情熱」というものがどれほど重要か、ということを改めて気付かされた出来事でした。
CEO瀬川: そうだったんですね。。 でもうちのエンジニアもプロダクト開発にかなり情熱を持ってるでしょ? 何か論点がすれ違ったのですか?
CTO柳本: はい。私もエンジニアですからよく理解できるのですが、エンジニアは「完全なものを届けたい」んですよね。 しかし、この代替案は完全なものではなく、ややアドホックなものでした。 とは言え、ビジネスでは時間軸も重要になってきます。ここが論点の異なる部分です。 この一件は、ビジネスサイドとエンジニアサイドも互いに主張をしつつ、相手の立場も尊重する。そして、最終的に同じ方向を見ることが出来た、という理想的な形になりました。
CEO瀬川: 建設的なぶつかり合いができたということなんですね。 同じゴールが共有できていれば、ぶつかってもお互いがそのゴールのためにぶつかるわけだから健全ですよね。 会社全体がそんなチームになることが理想なので、バリューに「スクラム思考」というのがあるのですが、それが行動に現れたシーンだったわけか・・
最近しんさんが言っている「お客様にシステムを使わせない」というフレーズも興味があります! CTOが「お客様にシステムを使わせない」と言っているのだからインパクト大なわけですが、これは何が言いたいのですか?
CTO柳本: はい。仰るとおり、ちょっと尖った表現になってしまいました。 本意としては「お客様が使わなくてもいいシステムを作る」ということになります。 ともかく、私は、お客様はシステムを使うのが目的ではなく、システムを通じて得られる成果が欲しい、と考えています。
ですから、決して我々が能動的に働きかけて使わせない、というわけではないですが、システム自体を使わなくても成果が得られるようなものを目指したいですね。 それは例えば、我々がお客様に対してプッシュ型で課題解決を提案できるようなものをイメージしています。
CEO瀬川: プロダクトの目指す姿というわけですね。! 話が全く尽きませんが、せっかくボードメンバー4人でキャンプに来たので焚火でもしましょうかね!笑
焚火を囲んで、アツイ話は続くのでした。。 ボードメンバー4人のキャンプ珍道中STORYも近日公開予定!
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