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カスタマーサクセスの果てに見えたfreeeの金融事業とその可能性 〜finance lab特集vol.1〜

こんにちは、採用広報の西木です。

freeeは、2018年10月にfreee finance lab株式会社を設立し、既存の資金繰り改善サービスを拡大しながら、新たな金融サービス提供の可能性を探ってきました。freee finance labは、スモールビジネスがさらに強くスマートに育つための「プラットフォーム」の形成を目指し、今後具体的なサービスも増やしていく予定です。

今回はfreee finance labに所属する木本が「カスタマーサクセスの果てに見えたもの」というセッションに登壇し、その内容が金融事業にまで踏み込んだものでしたのでレポートします。

公演はフリーランスでカスタマーサクセス支援をしている岡田奈津子さんをMCとして、プレゼン&対談形式で行われました。

プロフィール

岡田奈津子(Natsuko Okada)
大学卒業後、ブライダル事業、大手ソーシャルゲームサイト運営に従事したのち、2015年2月Kaizen Platformに参画。国内では黎明期にあったCustomer Successチームを立ち上げ、牽引した。現在は独立し、自身の経験を活かして複数の企業にてカスタマーサクセス推進をサポートしている。
@OkadaNatsuko

木本俊光(Toshimtu Kimoto)
外資広告代理店を経て、2016年3月freee入社。税理士向けプロダクトのマーケティング・会社設立freeeのプロダクトマネージャー・freeeカードの企画開発・ファクタリングなど、数々のサービスを手がける。
趣味はコーヒー、主食はcomp。二児の父で、月水木の送り迎え担当。

まずは岡田さんから「カスタマーサクセスとは何か!?」についてのお話がありました。

岡田:基本的に企業とカスタマーの関係って「提供する⇄利用する」になってると思うんですけど、カスタマーサクセスはこのサイクルをスムーズにするものです。

でも「お客様を大事にする」みたいな発想って、昔からありますよね。何が新しいの?って思うかもしれません。違いはずばり、「カスタマーサクセスはスローガンではない」ということです。サブスクリプションモデルの台頭もあり、企業とカスタマーの関係は継続的なものとなりました。マーケ→営業→カスタマーサクセスというように、ヒト・モノ・カネ・リソースを割いて、死に物狂いでカスタマーサクセスしないとどうにもならないんです。徹底的にお客さんになって考える。`think about costomer’じゃなく、`think as costomer’じゃないとダメなんです。

ここまでの話を踏まえ、木本が登壇します。

テーマは「カスタマーサクセスの果てに見えたもの

話はまず、freeeの具体的なカスタマーサクセスの実践の話から始まりました。

木本:freeeは「スモールビジネスを、世界の主役に。」というミッションを掲げて邁進しています。プロダクトは、会社を始める会社設立freeeから、運営し、成長を支援するための会計freee人事労務freee、そして納税に特化した申告freeeなどがあり、去年3月時点では累計100万事業所以上に使われるようになりました。会計freeeに関しては、freee創業当初は個人事業主の人向けの確定申告をやりやすくするためにスタートしたんですが、今や上場企業にまで使っていただけるようになり、ありがたいことに去年のIPOのTOP100社のうち41社がfreeeを活用していただいています。

freeeには価値基準というものを設けていて、これが社員の行動指針になっています。中でも特に今回のテーマに関係あるのが、「マジ価値」と呼ばれるもの。ユーザーにとって本質的に価値があると自信を持って言えるところまで、サービスを持って行こうとするものです。良いものを作るのはもちろんなんですけど、カスタマーサクセスって視点ではユーザーが使いこなせるようになるまで、本質的な支援しようという意識でやっています。

サブスクリプションモデルのサービスって、不満を持たれた時点で使われなくなる可能性が高いんですね。なのでfreeeとしては本当に自信を持ってユーザーさんに価値を届け続けることが大事なんです。導入支援やその後のサポートは当たり前なんですが、今回はちょっと変わったものをいくつか紹介します。

まずは1月に発表したアプリストア。これは会計freeeや人事労務freeeに関連したサービスを開発できたり連携できたりするサービスです。freeeのサービスだけではなくて、便利なサービスは組み合わせて使うことでさらに強力になるし、そのための開発環境も整えています。ユーザーさんの目線で考えたら、ユーザーさんが使う全てのサービスをfreeeだけで開発するのではなく補い合うのがベストだという思想で作られました。

そして事業用クレジットカードのfreeeカード。発行した理由は色々ある(参考記事)んですけど、簡単に言うと、会計freeeってクレジットカードや銀行口座と連携すれば自動化して効率よく使えるんです。でも効率化したくてもまともなクレカが作れない人もいるんですよ。それが問題だなってずっと思っていて、その課題を解決するために発行しました。

会社設立freeeに関しては、会社設立する時には書類が20枚以上いるんですけど、設立・登記をするだけじゃなくて、本当はそこからすぐに事業を運営したいじゃないですか。

そこで「登記書類だけではなく事業開始までを早く、簡単にしたい」というのが本当のニーズだと捉えました。たとえば、設立した情報をそのまま銀行口座やクレジットカードの申し込みに連携するようにサービス開発し、一回登記のために入力した情報を他のサービスで入れなくて良いようにしました。freeeを使っていると、freee以外の色々なサービスも良い条件で使える仕組みも作りましたね。

そのほか、会計freeeでちゃんと会計を管理していると、お金の管理をしっかりしている人として認識されるので、クレカの限度額をあげようとか、freeeを使っていること自体が資金繰り改善サービスを有利に使えるカギになったりします。また資金繰りサービス使っている人、ちゃんと使っている人はより有利な条件で使えたりとか、いろんなポイントでサクセスを考えてサービスを展開しています。

よくある導入支援だけでなくて、サービスづくりまでサクセスの考え方でやるというのが、マジ価値に基づくfreeeのカスタマーサクセスの特徴ですね。

ここからディスカッションが始まりました。

話はより深いところまで到達します。

岡田:カスタマーサクセスのサクセスとは、企業によって異なると思うんですけど、どのようなものだと考えてますか?

木本:freeeの場合は「マジ価値」に尽きますね。自信を持って、カスタマーにとって本質的に価値あると言えるのだったらサクセスだと思います。ちゃんと既存の会計freeeなどの導入支援などをしっかりすること、そこで声を聞いたらプロダクトにちゃんとフィードバックすること、まずその2つは大前提です。そして既存のプロダクトの範囲だけに縛られると本当のサクセスが見えなくなったりするんで、サービス作りまで踏み込んでいく。チームの枠を超えてサクセスを考えるのがfreeeの考え方で、「マジ価値」が合言葉みたいになってます。

岡田:その話はめちゃくちゃ重要ですね。カスタマーサクセスって今話題だし、いろんなやり方があったり、いろんな人たちがグローバル規模でやってるんですけど、ノウハウなどもたくさんシェアされています。でも、結局はカルチャーに集約されるんですよ。カルチャーがカスタマーに向いていないと何があってもかなり厳しい。

で、例えばアメリカだとビッグCとスモールCってのがあるって言われていて、スモールCは導入支援のやり方や解約率の減らし方みたいな具体的な話で、それよりはるかに大事なビッグCは、カルチャーなんです。経営としてどう言う判断をするか、いろんな選択肢があった時に何に基づいて物事の優先順位を決めるか。それを「マジ価値」っていう言葉で表現しているのが良いですね。

木本:色んなチームがあるんですけど、例えば会計士さんを担当しているチームとかは、本当に事務所の今後の経営の幸せってなんだろうとか、職員さんの将来ってなんだろうとか、「マジ価値」を考えて、追求していますね。

岡田:職員さんの幸せって、とか正直1円にもならないのに、そこを含めて本質的に価値があるものを追求していくんだって言う会社としても決意というかコミットですかね?

木本:そういうところに投資して、チャレンジするのがスタートアップかなと思います。

岡田:カスタマーの本質的なサクセスと、freeeのサクセスはどうつながっているんでしょうか?

これからさらに大きくなるスタートアップだと思うので、自社の目先の利益も大事なところだと思うのですが……。その中でカスタマーのサクセスもしっかり追求していく。そこにはどういう関連性を感じていますか?

木本:私の立場から見える範囲の答えでは、そもそもサブスクリプションベースのビジネスなので、ちゃんと満足してもらって、むしろ勧めてもらうくらいじゃないと、会社の利益的にも爆発的な成長はないんです。あとは利益ってちゃんと価値を提供したものの対価だと思っていますね。

そして、ありがたいことにfreeeが徐々に広まってきていて、他の分野、例えば私の担当する金融サービスなどで、創業当初に想定していた以上の価値が出るかもしれないフェーズにきています。

freeeを使っている人って、銀行口座やクレジットカードの全てが集約されているので、金融機関の信用を獲得するための武器になるんですよ。さらに効率化のため自動連携していれば、手作業で間違った情報を入れられないので紙よりよっぽど信頼できるデータといえます。

freeeをきちんと使う人が、クレカの限度額を早期に上げられたり、融資につながったりする例も出てきています。

今までひとつの金融機関だけでは出来なかったことが、freeeと連携することで出来るようになる。それを実現していくことって非常に価値あることだと考えているので、このような仕組みを開拓していきたいですね。それこそがユーザーさんの大きなサクセスに繋がると思います。

岡田:顧客にとっての価値をひたすら追求して届ける、それをやりきるところがfreeeらしいですね。やっぱり本質的に価値あるものじゃないと、人にと届かなくなってきています。今はまだ過渡期なので情報格差を利用してサービスを届けている部分も残っていますが、これからってどんどんそうじゃなくなっていくと思うので、カスタマーサクセス、マジ価値をしっかり実現してくって姿勢がスタンダードになっていきそうです。

岡田:カスタマーサクセスの果てにどこに向かっていくのですか?

木本:freeeを使うことでスモールビジネスでも交渉力、信用が増した」という意見が聞ける世界を作っていきたいですね。そこはもっと開拓できると思っています。

また事業を進めながら「ここでつまづくんだ」っていう課題が見えてきつつあります。例えばキャッシュレス。最近のメディアの記事を見ると、なんか難しそうで進んでない気がするんですけど、世の中って実際は20%の決済がキャッシュレスなんです。少ない気がするんですがすでに5人に1人が実践しているんですよ。特にfreeeを使ってくれている人にはキャッシュレスのメリットや実践法をよく知っている人が多いのです。そこで、どういう風にどういうメリットを得ているかっていうのを、ヒアリングしたり、アワードを開催してビジネスの現場の情報を集めて公開しました。「こういう風にキャッシュレスを実現しています」「こういう風にメリットがあります」って生の声を発信することは、freeeにとっても社会にとっても価値がある取り組みだと思っています。

岡田:カスタマーサクセスの議論を色々なところでしているんですけど、最終的に向かうところは色がバラバラなんです。freeeの場合はプロダクトの開発や、新しい価値観を届けていくようなイベントの実施だとかに昇華させてますね。

木本:会計を管理することって、必ずその先の目的があると思うんです。多くの人が会計の効率化に使っていただいているからこそ、その先の目的まで踏み込まないといけない。そう信じて、スモールビジネスが主役になれるような世界に近づくよう、新しいことに挑戦しています。

こうしてディスカッションは幕を閉じました。

カスタマーサクセスの重要性、そしてfreeeの金融事業も継続的なカスタマーサクセスがもたらしたものだと知ることができました。

freeeではこれから金融事業でも採用情報が出るので、興味がある方はチェックして下さいね!!

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