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前職で挫折。フォースタでも苦労。元ランナーは、全てを乗り越え、力強い足取りで走り続ける!

橘明徳(Akinori Tachibana)は元ニューイヤー駅伝のランナーだ。長距離界のエリート。これだけでも十分にタレント揃いのフォースタートアップス(以下、フォースタ)のメンバーの中で異色な存在だが、東北大学工学部機械学科出身とさらに異色。就職の道はいくらでもあるなかで競技者を選び、若干の紆余曲折を経てフォースタにやって来た。しかし、最初の半年は仕事に慣れず、ずっと辞めたいと思っていた。とある出来事をきっかけに浮上し、今は自分らしく活き活きと働いている。フォースタのバリューの一つである「Be a Talent」を体現する人物だ。

東北大工学部卒の理系ランナー。実業団2社で活躍し、スタートアップに行くも挫折


東北大学工学部機械学科卒。大半の学生は大学院に進んで大手企業に就職する。橘もそうするつもりだったが、足が速かった。大学4年次に競技会での走りが注目され、複数の実業団チームから誘いを受けた。悩んだが、「大学院から大手企業に就職するのはお前でなくてもできるが、実業団に進むのはお前にしかできない」と背中を押した人がいた(Aさんとしておく。その後もたびたび橘を導く存在となる)。

いずれは大学での学びを活かすことも視野に日産自動車へ。ところが、競技は順調だったものの、リーマンショックの影響で陸上部が休部になってしまう。休部後も会社に残り、1年間は生産技術エンジニアとして業務に専念したが、当時は競技面ではキャリアハイ。複数社から誘いがあり、結局、新興の実業団チームに移った。自動車部品メーカーで、専門も活きる。業務の傍ら競技に励み、ニューイヤー駅伝に6回出場できた。橘は納得して競技人生を終えた。

そのまま業務に専念するはずだった。が、挑戦したい気持ちが消えなかった。「ランニング×技術者」で挑戦できる場。あまりにニッチな職探しだが、なんとAさんの紹介で、ランナー向けIoTデバイスの開発を目指すスタートアップを知り、ジョインすることに。「まさに僕がやるべきこと」と思い、橘は嬉々として開発に挑むのだが、結論から言うと在籍時に製品化は叶わず、開発チームは解散した。サイクリスト向けのプロダクトが主力の会社で、その時点では、ランナーに特化した製品化は、優先度を下げる形だった。「かなり悲しかった」と橘は振り返る。持てる知識やネットワークを駆使し、チーム一丸となって開発に臨んでいただけに、残念な思いと挫折感は大きかった。

なぜ負けたのか。その理由を知りたくてフォースタへ。最初は苦労の連続


挫折はしたものの、その会社でスタートアップの楽しさを知った。大きな組織にありがちな軋轢や社内調整などは皆無。課題解決や目的の達成に向けて最善の道を、誰にも邪魔されずスピード感を持って進んでいく気持ちよさは格別だった。「チームに恵まれ、日本全体がこのような仕事の進め方になればいいのに…と思いました」。その経験から、橘は、次もものづくりのスタートアップ、できればスポーツに関わる領域をやりたいと考えた。

実は、その会社の優秀な人材の多くがフォースタ経由でジョインしていた。「フォースタって何だろう?」と思った橘は、一求職者としてフォースタを訪ねた。だが、そう甘くはなかった。「紹介できるところはないと言われてしまったのです。スポーツビジネスの難しさ、ITサービスと異なり、原価が重くのしかかるものづくりスタートアップの難しさを聞きました」。

ただし、そのヒューマンキャピタリストの話は、これだけでは終わらなかった。「スタートアップには勝てるチームと勝てないチームがある。スポーツビジネスを成功させたいのなら、どのようなチームが勝てるかをしっかり知ってから挑戦したほうがいいと言われたのです。その言葉が、転職活動をするなかで頭に引っかかっていました」。

解散したチームは、それぞれが専門の知識や経験を持ち、チームワークも抜群だった。いいチームだったのになぜ負けたのか。「あのチームで成功したかった」との思いが消えない橘は、負けた理由を知りたくてフォースタの中途採用に応募した。「営業経験もないし、よく採ったな」と、今となっては笑って振り返るが無事採用に。ヒューマンキャピタリストとしての活動が始まるのだが、ここから、さらなる試練が待っていた。

「最初の半年は、しんどいという記憶しかありません。毎日、いろいろな情報が流れてきて、どう消化したらいいかわからない。話すのも得意ではないのに、求職者の方や企業の方と話さなくてはいけないし、営業的な活動を速く回す行動量が求められて…」。競技と開発に打ち込んできたそれまでの生活とは一変し、橘はただただ辛かった。

1つの支援が自信に。Aさんとの会話も転機となり、長いトンネルを抜けた


ひたすらに辛かった半年を、今は穏やかに振り返ることができる。転機となった出来事は2つ。

1つは、とある支援事例だ。優秀な人材で、ほかのエージェント経由も含めて3社からオファーが出ていた。そのなかでフォースタ経由の会社は、ポジションや年収などの条件は弱かった。だが、そこを選んでくれた。

橘は言う。
「どの企業からも欲しいと言われる人でした。行かなかった2社はCxO、事業責任者クラスのオファー。元の会社でも事業責任者を務めていた方ですが、決めた会社は役職なし。フラットな組織で、伸びている会社でした。その方は『これまでチャレンジしたことがない階層で活躍できれば、自分の価値が高まる』と言って決めました。その理由も素敵で痺れましたが、やりとりのなかでそのような志向が見えて、それに沿う会社をお勧めできたことも自分の自信になりました。それまでは、やはり条件にとらわれてしまい、テキストでマッチングしようとしていたと思います。自分の主観を混ぜていいとわかったことで、視界が開けました」。

そしてもう1つは、再びAさんが登場する。フォースタでは日々、起業家やVCを招いての勉強会が開催されているが、橘はその1つに感銘を受けた。アフリカのスタートアップに支援をしているVCの話だ。新しい技術やサービスを導入するとき、既存のシステムを置き換えるのに時間がかかる日本に対し、アフリカは、そもそも既存のものがあまりないため、ゼロからまったく新しい方法でスタートする。

「例えばUber Eats。住所がないアフリカの国では、GPSデータを頼りに草原の真ん中にでも届けてしまう。その概念がおもしろいと思いました」。興奮した橘はAさんに電話した。Aさんはアフリカで事業を営んでいるのだ。「その話をして『そっちで一緒にスタートアップをやりましょうよ』と話しました。するとAさんは、『いいね、やろうよ。どうやるの?俺は何をすればいいの?』と聞くのです。僕はそれに答えられませんでした」。

その反応が橘を変えた。Aさんの思考は、単なる「いいね!」では終わらない。「どうやるの?」に答えるべく、その後、橘は勉強会のたびに挙手して「どうやったらできますか」と聞くようになった。すると各段にインプットの精度が上がった。「それまで、何がすごいのかを聞き取り、求職者の方に伝えようとしていたんです。理解もフワッとしていました。でも『どうやるのか』と聞くことによって、事業の背景や必要な人材像がわかるようになりました。するとスカウトの精度も上がり、カウンセリングでの話も具体的になり、いろいろな会社にご支援できるようになったのです」。

ようやく回り始めた。長いトンネルを抜け、今、橘はヒューマンキャピタリストとして活躍している。仕事もおもしろくなった。

「僕がこのチームを勝たせたい」。強い当事者意識が成功の鍵。何度でも挑戦できる


橘は最近、志願してエンジニアプロデュースチームにジョインした。というのもAさんがアフリカで採用に苦労した経験から、「ここで人材紹介をやったらおもしろそうだ。システムはどう作るのか」と聞いてきたからだ。ITとは縁がないAさんだが、問題意識からやろうとしている。「その質問に答えたいと思っていたら、ちょうどエンジニア採用支援のチームが立ち上がったので、『やります』と手を挙げました。僕もエンジニアのことはまったくわからなくて、概要だけでなく、自分でも知りたくて今、プログラミングを勉強し始めたところです」と橘。そんな新しい挑戦にもワクワクしている。

入社して最初の半年は、ずっと辞めたかった。今はヒューマンキャピタリストの仕事は順調で、いろいろと任されるようにもなり、いいサイクルに入っている。トンネルを抜けるには「自分が責任を持って対峙し、成功体験を積むことが必要なのではないか」と言う。

「最初は、カウンセリングは先輩ヒューマンキャピタリストに同席してもらうのですが、それで僕は頼ってしまったのだと思います。対企業も、一緒に組む先輩に頼ってしまっていました」。だが、自信を得る経験をして、当事者意識が芽生えた。完全に一人立ちした現在は、担当している会社と信頼関係を築き、貢献できている実感がある。時間はかかったが、自分の足でしっかりと歩み始めた。手応え、やりがいも大きくなっている。

「前職のスタートアップを辞めたとき、僕が勝てるチームをつくりたかった。それは叶いませんでしたが、今は、いくつもの『僕がこのチームを勝たせたい』と思うチームがあります」。橘は言う。「僕が」と自分事として向き合う。再び挑戦できた。何度でも挑戦できる。長距離走は得意だ。橘らしく、力強い足取りで走り続ける。

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