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【多胎児パパ・ママとの政策提言が実現】ついに都営バス全線で「二人乗りベビーカーでの乗車」OKに! #助けて多胎育児

フローレンスでは、スタッフ市倉を中心に2019年に全国約1600の多胎児家庭にアンケートを実施し、そのアンケートに寄せられた当事者の声をもとに、多胎育児支援の政策提言を行ってきました。

特に「多胎育児中に『辛い』と感じた場面」について、89.1%が「外出・移動が困難である」と回答し、二人乗りベビーカーに子どもを乗せたまま、公共交通機関であるバスにも乗車できない状況が明らかとなり、この声を国や行政に届けてきました。

その多胎児育児支援アクションの成果として、6月7日(月)より、都営バス【131系統=全線】で、二人乗りベビーカーの乗車が解禁されることになりました!

東京都交通局の発表内容

東京都交通局の公式の発表内容はこちら

東京都交通局からは以下の内容が発表されました。

・6月7日(月)より、都営バス131系統・全線で、二人乗りベビーカーを折りたたまずに乗車を可能とする
・リーフレット「都営バス ベビーカー安全ご利用ガイド」を新たに作成し、バス車内等で配布
YouTubeチャンネルと車内広告で啓発動画を公開

都営バスでは昨年秋から、主にNICUを擁するような大病院行きの5路線で試行をスタートしていたのですが、それから9ヶ月。東京都交通局がついに、嬉しいニュースを発表してくれました!!

2年に渡るソーシャルアクション。それは衝撃の一言から始まった

2019年夏。フローレンススタッフの市倉は、幼馴染の双子ママの育児を時々サポートしていました。

そんな中、双子ママがポツリと言いました。

「バスって、『双子ベビーカーはちょっと。』って言われて、乗れないんだよ」


この一言は市倉に大きな衝撃を与えました。
車椅子だってバスに乗れるのに、二人乗りベビーカーは乗車拒否?嘘でしょ?

これが2年に渡るソーシャルアクションの始まりでした。

しかし、「二人乗りベビーカーでは公共交通機関であるバスに乗れない」、それが多胎児の親にはある意味常識であり、「バス乗車はそもそも諦めている」という声がとても多いことが、その後に実施した全国アンケートでわかりました。

そして、多くの親が、そういった社会の無理解にとても苦しみ、孤独な育児をしていることが明らかになりました。
(アンケートを元に行った記者会見はこちら

この悲痛な声が多く寄せられたアンケートを持って、市倉は双子ママパパ達といろんなところを回りました。

しかし、当初はこの切実な訴えをしても事態はなかなか前に進みません。みんなが「うちが決めているわけではない」と、戸惑った態度を取るのです。

なんで、「子どもと一緒にバスに乗る」ただそれだけの事が叶わないんだろう。誰が決めれば、こんな変な世の中は変わるんだろう。

市倉は何度もそう思ったといいます。

少しずつ変わり始めた反応

それでも、「やっぱりこの不条理は変えなきゃいけない」「こんなルールを次の世代に残すわけにはいかない」
……そんな思いで活動を続ける内に、少しずつ変化に前向きな姿勢が出てきました。

「様々な点から考えると、難しい」……そういった曖昧な返答だったものが、「どうすれば安全に乗れるか検討している」となり、実際に、国交省との実証実験に音頭をとってくれるように。

このあたりから、交通局のみなさんの考えが『どうにか双子ベビーカーユーザーに寄り添った対応をしたい』という方向性に変わってきたことを実感しました。

しかし、コロナ禍へ突入……。

いろんな事が遅れていく中、市倉は毎月交通局の方とコミュニケーションを取り続け、なんとかこの動きが後戻りしないようお願いしていました。

そして、昨年9月。ついに、5路線での試行がスタートします。

もっと前進させたい。誰もが気持ちよくバスに乗れる世の中にしたい。
そんな思いで、市倉は多胎育児の当事者のパパと一緒に交通局へ面会に行き、広報・PR活動について申し入れを行い、車内広告の動画も作っていただきました。

ここから更に2ヶ月。ついに、ついに2021年5月25日、都営バスでの二人乗りベビーカー乗車全線解禁のハッピーニュースがお届けできたのです。


今後はこのルールを都バス以外にも拡げていこう

今回ルールが変わったのは「東京都交通局が運営する都営バス」のみ。
全国にはたくさんのバス会社がありますが、双子ベビーカーの乗車を正式ルール化しているのは、ほんのわずかです。

国交省が「二人乗りベビーカーを折りたたまずに使用できるよう取り扱うことを基本とする」方針を発表し、東京都が様々な整備をした今、ルール改善の機運が高まっています。全国のバス事業者が、これに続いてほしいと切に願います。


多胎児家庭にとって心地よい社会は、全ての人にとって心地よい社会

多胎育児のソーシャルアクションの中心人物となった市倉は、いつも多胎児家庭の事をお話をする時、「多胎児家庭だけを特別扱いしてほしいわけじゃない。マイノリティに光を当てられる社会は、結局は全ての人にとって優しい社会なんです」と伝えています。

駅のエレベーター配置が進めば、高齢者や足の不自由な人が使いやすい駅になります。窓口に行きにくい家庭のために行政のサービスのIT化が進めば、皆の手間が省けます。乗り物への乗降に時間がかかる人を暖かく見守れるような社会は、きっと他者に思いやりの溢れる社会のはずです。

フローレンスでは、親子の笑顔を妨げる社会課題を、事業と政策提言によって解決しています。
これからも子育て世代や保育現場の声を政治に届け続け、新型コロナの影響で苦しい状態にある家庭のために、提言を続けてまいります。

このようなソーシャルアクションは皆さまの寄付によって支えられています。
引き続き、ご支援、応援をよろしくお願いいたします。

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