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兼任と、育成と、継続と。


こんにちは。やまもとです。

今月のテーマは、働き方についてです。

新型コロナウィルスの影響によって、リモートワーク
を初めて経験した企業は多くあり、うちの会社も
そのひとつです。

Flavorは、ITながら小売でもあるので、商品という
現物が目の前にあり、そこから感じ取るべき事柄が
多く、これまでは遠隔地での勤務という体制はなく、
京都本社での勤務か、もしくは東京店での勤務という
2択でした。

ただ、今回、約2か月にわたり8割以上のスタッフが
自宅リモート勤務を行い、意外と出社しない働き方
も、限定的な範囲ではあるものの、まったく不可能
ではないということが分かってきました。

ちょうどこのタイミングで、若手の女性スタッフが
結婚などに起因して地元の九州に帰ることになり、
リモートでの勤務継続を打診したところ、ぜひとも
お願いしたいという声をもらい、この7月から九州の
自宅からリモートで勤務してくれています。

遠隔地勤務を打診したのには、思いと理由があります。
このあたりをこの機会にまとめておこうと思います。

女性が多い職場でおこる「ライフイベントに起因した退職」

うちの会社は、女性が全体の約7割と多いです。

女性からの関心が高いインテリアという業種なので、
だいたいどのインテリア系の会社も、女性スタッフの
おかげで会社がまわっていることが多いと思います。

お客様も女性シェアがとても大きいので、そういった
意味でも、お客様の気持ちが理解しやすかったり、
女性ならではのセンスでアドバイスをもらったりと、
僕自身としても大変助かっています。

男女平等と謳われて久しい社会ですし、もちろん
うちの会社においても、評価など性別による差は
一切ありません。

ただ、女性の多い職場として、おそらくどこの会社も
頭を悩ませるのが「ライフイベントに起因する退職」
です。

パートナーの転勤に合わせるのは、やはり女性側が
多いです。Flavorでも、夫や彼氏の転勤に合わせて、
女性スタッフが退職することも多くありました。

また、出産などがあれば、女性は仕事を今まで通りに
は続けられなくなるのは必然です。

男女平等とは言うものの、まだまだ「女性が男性に
付いていくもの」という感覚が大きくある人が多い
でしょうし、女性自身も男性を支えたいという方も
多いと思います。

Flavorの兼任思想と育成

Flavorでは、いわゆる「一般職・総合職」のような
シキリはなく、できる限りたくさんのことを経験し、
成長を実感しながら、楽しくもやりがいを持って
働いてもらおうという基本思想があります。

在庫担当でありながら、動画チームにも所属したり、
商品UP担当でありながら、動画やSNSを運用したり。
店舗勤務でありながら、メディア執筆をしたり。
多くのスタッフが、2つや3つの業務を兼任しています。

「兼任」というとなんだか「専任の方がいい!」と
いう声もありそうですが、僕はそうは思いません。

「兼任」の方がたくさんの知識やスキルを身に付ける
ことができますし、経験を掛け合わせて、新しい発想
をすることもできます。

兼任すればするほどに、覚えることが多くて大変な
のですが、その方が能力を伸ばすための筋トレにな
りますし、宿題を与えてくれる人がいるというのは、
社会人にとっては、何物にも代えがたい貴重な場所
であると考えています。

「若いうちの苦労は、買ってでもしろ」ですね。

ただ、会社としては「兼任」を実行するのは、
実はとても大変です。

なにしろ一人のスタッフを育てるのに、専任よりも
時間と労力がかかります。

「これだけしっかりやってくれたらいいよ」という
仕事を与えるのは、会社としては楽です。3か月も
すれば、自動的に予定通りの業務をこなしてくれる
ようになりますから。

でも、兼任はそうはいきません。

「1人をいろいろとできる様に、大きく育てる」と
いうことなので、何しろ手がかかります。

3か月では全然メンターから手が離れず、1年経って、
ようやく基礎ができたかな... というのが、実際の
Flavorの現状です。

基礎ができてから、さらに2~3年くらい働いて、
兼任でほかのいろんな業務を知っていくと、自分の
やっている仕事を俯瞰的に見られるようになります。

このあたりでようやく、入社当初から言い続けた
「お客様目線」「ブランディング」「不の解消」
「協働」などについて、仕事に落としこむ意味や、
方法論が分かってきます。

つまりは、ひとりをFlavorが考える「一人前」に
なってもらうには、最低3年はかかると考えています。
(新人と経験者では異なります。ここではFlavorで
 もっとも採用の多い新人を基本にお話しています。)

3年くらいから徐々に頭角を現し、みんなの先頭に
立って、新たな価値創造をスタートしたり、それに
よって、仕事の楽しさを感じられる様になってきます。

ただ、平均すると、この3年くらいが女性の
ライフイベントが起こる印象です。

長く大切に育てたスタッフが、本人も続けたいのに
退職せざるを得ない。

語弊をいとわずに言うと、プライベートによって、
仕事という楽しい事柄かつ、人としての成長の機会を
犠牲にせざるを得ないわけで、会社としても、本人
としても、とてももったいないわけです。

これが会社にとっても大きな悩みのひとつでした。

コロナリモートで気づけた事

そんな悩みを抱えながら迎えた今回の新型コロナウ
イルスに起因した、強制的な自宅リモート勤務が
発生しました。

会社としては、ほぼ全員が自宅リモート勤務を経験
できたことで、気づけたことがありました。

ひとつは「意外と大丈夫だね。」ということ。

コロナ中は、全国的に自宅時間が増えた人が急増し、
インテリアの需要は爆発的に伸びました。

前年と比べて大きく受注量が伸び、リモート操作で
その大きな受注量を処理する必要がでたのです。

ただ、フタを開けてみると、大きなトラブルもなく、
正確に時間通りに、受注処理や在庫管理、小物には
限定されるものの商品UPも行うことができました。

もちろん有能なスタッフが臨機応変に対応してくれた
おかげではありますが、それにしても、僕自身もこの
結果には大変驚きました。

意外と、自宅勤務でもイケるんだな。と。

また、もうひとつ良かったのは、全員が自宅勤務の
しんどさを知れたということ。

自宅 = さぼってんじゃないの?論は、必ず出てくる
議論ですが、今回は多くのスタッフから「自宅で勤務
することは大変。早く会社に行きたい」という声が
聞かれました。

これも意外な反応でした。

よくよく考えると、自宅でずっと居続けるのは、
意外と大変なことで、会社へ行くというのは、仲間も
居るし、気分転換にもなるわけです。

しかしながら、自宅勤務の大変さは、口で言っても、
おいそれと理解できるものではないでしょう。

それをみんなが共通体験できたことは、リモート勤務
という新たな体制をスタートするためには、必須の
要素であったと思います。

退職理由のひとつ「遠隔地理由」を解消する。

以前からあった悩みと、コロナ禍で気づけたことを
掛け合わせて、今回はじめての「遠隔地勤務体制」
を1名からですが、スタートしました。

はじまって現在で1か月弱ですが、いまのところ
大きな問題もなく、リモートだからこそうまく切り
分けて達成できる仕事もあり、うまく活かせている
という印象です。

今後は、コロナ禍明けには、定期的に出張でしばしば
来てもらう予定をしています。

まだまだ新たにスタートしたばかりなので、今後は
課題も多くでてくることでしょう。

コミュニケーションの問題が出るでしょうし、当人
のモチベーション維持管理の難しさや、成長機会の
逸失、成長速度低下が出てくることも予想されます。

ただ、ひとつずつ会社と当人とで話し合いながら、
丁寧に答えを見つけていけばいいだけのことです。
ブランド運営となにひとつ変わりません。

僕が思うのは、何よりも一生懸命に育てた「会社や
仲間への思いを持ったスタッフがやめずに、社内に
ノウハウが蓄積しつづける」というメリットと、
「プライベートと仕事を両立できて本人も幸せ」と
いうメリットの両方を共存させられるのではないか
という嬉しい思いです。

最終出勤日に小さく社内で開いた送別会も、
「さよなら」ではなく「いってらっしゃい」だった
ことが、何より表していました。

会社とスタッフの両者にWin-Winの関係ができれば、
会社も利益を生み出しやすくなり、それをスタッフに
還元できるという実益のWin-Winも築けると思います。

まぁ本当は、一人称は「会社と私」の対比ではなく、
「プライベートの充実と、仕事を通じての自己成長」
の対比だとは思いますから、一人称に「会社」という
存在はなく、すべて「私」が一人称なんですけどね。

常に自分の未来をどこか客観的な目線で見られる
能力は、早めに身に付くと一番良いですね。
俯瞰で見る能力は、とかく仕事でも役立ちます。
磨きすぎると疲れますけどね(苦笑)

まぁどちらにしても、経営者としてやるべきことは、
常にみんなを想い、それを関係者の利益につなげる。
多少傷ついても、それこそが経営者の道です。

経営者として、ひとつひとつ経験を積み重ねて、
より良い会社にしていければと思います。

では、また来月に。

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