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WWDC 2018 参加レポート!

こんにちは!フェンリルでiOSアプリの開発を担当している圖子です。

先日の宇佐見が書いた記事にもあるとおり今年のWWDCにはフェンリルから私を含めたエンジニア4名デザイナー1名で参加してきました。

今回は実際にWWDCに参加してきた感想などをエンジニア目線でお伝えしようと思います!

WWDC2018で発表された目玉!

ハードウェア

ハードウェアに関しては今回発表されませんでしたが、昨年が特殊でたくさんのハードウェアが発表されただけで、あくまでもソフトウェア開発者向けのカンファレンスなので順当です。個人的には昨年秋に発表されたAirPowerの発売時期や、HomePodの日本での発売についてのアナウンスが聞きたかったです。

余談ですが、会場では至る所でHomePodが置かれており音楽が終始流れていました。それぞれが同期されており、だだっ広い会場においてもその小ささからは想像もできない良い音を奏でていました。持ってみると小さいのにズッシリとしており良い音がするのも少し納得できます。

OSのバージョンアップ

iOSの次期メジャーバージョンアップであるiOS12では、昨年新たに追加されたARKit, CoreMLが順当に進化していました。ARKit2では複数名とのリアルタイムな情報の共有によりマルチプレイヤーなARゲームが開発できるようになり、ARKit2で認識した空間情報が保存・復元できるようになったことも大きな進化です。

この機能を使ったゲームまでもが会場で行われておりプレイして勝ったプレイヤーには記念のバッジが配られていました。



CoreML2では機械学習を観点に行えるためのフレームワーク CreateML を発表しています。自然言語にも対応したことで使える場所が広がりました。

Siri Shortcuts がiOSの新機能として個人的に1番注目しています。これまではサードパーティーアプリがSiriとの連携は特定の機能のみに縛られていたため、利用可能なシチュエーションが限られていました。ですが今回からはサードパーティーにも広く開放され、自分のアプリにある機能をSiriから呼び出せるようになりました。Shortcuts.appを使えば複数のタスクを1つのSiri呼び出しで実行できるようになります。

macOS のアップデートでエンジニア的な1番の目玉は、UIKitがmacOSで使えるようになっていくことが発表された点です。次期 macOS Mojave に新規に追加された News アプリや株価アプリはiOS版のソースコードをベースに動作しているそうです。2019年には開発者向けにも使えるようになるみたいです。

このようなiOSアプリをmacOSで動作させるという噂はありましたが、とくに新しいFrameworkになることなくそのまま動作するようにしてきたのは興味深いです。

VR・AR

先ほど取り上げましたが、ARに関してはARKit2が発表され進化しました。VRに関する話題は全くありませんでした。これは個人的な憶測ですが、「VRはまだ先のトピックであり今は現実世界から仮想世界へのトランジションとしてARに注力する」というApple側のメッセージのように思えます。

WWDCに参加した感想

私は今回で4年連続のWWDC参加となりましたが、毎年少しずつ違った取り組みが行われています。

参加型のイベントが豊富

新しいARKit2を使ったゲーム「Swift shot」アプリを体験できるコーナーがあり、「WWDC Run with Nike Run Club」では開場前にみんなでランニングをしていました。参加者にはBeatsのPowerbeats3 Wireless イヤフォンがプレゼントされていました。

Close Your Rings Challenge では会期中にApple Watchのアクティビティリングを閉じるイベントがあり、フェンリルも3名が参加して368チーム中211位でした。

昨年からピンズが配られるようになったのですが、今年はこれらをはじめとするイベントに参加したユーザーには特別なデザインのピンズが配布されていて参加者を楽しませる工夫が多く見受けられました。



開発者にとってうれしいアップデート

派手な新機能ばかりを追加するのではパフォーマンスや安定性の面に力を割いていたのが印象的でした。一般の方や各種メディアの方には物足りなく感じるかもしれませんが開発者としてはこれが何よりもうれしいです。

そのおかげかどうか分かりませんがセッションの内容も非常に濃いものが多く面白いと聞きます。ここ数年はWWDCがあるたびに全く新しい多くの機能にあたふたしながらキャッチアップするだけで精いっぱいでしたが、今回は過去に発表された物を含めてじっくりと今後の準備ができます。

現地に行くからこそ楽しめる「ラボ」

WWDCではAppleエンジニアによる機能やコツが紹介される「セッション」とAppleエンジニアに直接質問をして問題を解決するための「ラボ」があります。ここ数年はセッションのビデオがリアルタイムでストリーミング配信されたり後日ダウンロードして見られるようになりました。やはり実際に現地に行く人の特典はラボです。

今年も同僚から事前に質問を募って聞いて回りました。例年以上にセッションを見る時間が圧倒的に減ってほとんどの時間をラボで過ごしていましたが、ラボでAppleエンジニアに聞くことで問題が解決したり新たな方法を知ることは非常に有意義です。

ある程度の英語力は求められますが、エンジニアであればコードを見れば分かるという部分もあるので英語に自信がない人も積極的にトライすることをおすすめします。

それでも難しい場合は日本語を話せるAppleの人に助けてもらうこともできます。とくにUIデザインやアクセシビリティなどのラボでは、込み入った内容や抽象的な内容を扱うので通訳を依頼した方がより有意義だと思います。今年は全体的に日本語を話すスタッフが増えたように感じました。

おわりに

今年はフェンリル史上最多の5名が参加できましたが、このような貴重な体験ができるWWDCに今年も参加できるのも、出張として会社に費用負担してもらえているおかげです。

WWDCというイベント自体は終わりましたが開発者である私たちは見逃したセッションを見たり自分でコードを書いて試したり発表された内容をいかに仕事に活かせるか磨いていく時間が新たにはじまりました。

それに加えてWWDCのラボでどんどん知識を吸収して技術力をさらにアップさせるために今よりももっと英語力を磨いておこうと思います。

次回はデザイナー目線からのWWDCをお届けしますのでお楽しみに!


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