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新型コロナウイルスが発生してから〜エブリーが全メンバーのリモートワークを実現するまで〜

※この記事は、株式会社エブリーのオウンドメディア「every.thing」にて2020年4月10日に更新されたものです。(https://everything.every.tv/20200410/

吉田 大成
代表取締役 社長 CEO 

2005年、ヤフー株式会社に入社。 2006年10月、グリー株式会社に入社し、2010年12月から同社執行役員、 2012年9月 同社 取締役執行役員常務に就任し、日本事業全体を統括。 2015年9月 株式会社エブリーを創業。 2017年、Forbesによる「Forbes JAPAN 日本の起業家ランキング2018 ライジングスターアワード」第1位を受賞。「DELISH KITCHEN」がApp Store・Google Play共に「BEST OF 2017」に選ばれたこの年、エブリーとしても「Forbes JAPAN WOMEN AWARD 2017 企業部門 300名未満の部」を受賞。また、「2018日本アドバタイザーズ協会 2017 Webグランプリ Web人賞」受賞。

エブリーでは、2月中旬より全メンバーのリモートワークを導入しています。今まで特にリモートワークを推進してきたわけではなかったエブリーが、新型コロナウイルスが発生してからどのような判断基準で対応してきたのか、代表取締役の吉田に話を聞きました。

大切にしたことは、メンバーの身体的と精神的な安心安全

ー2月17日から、時差出勤やリモートワークの推奨などの取り組みを行ってきました。エブリーとしてどのような基準に基づいて意思決定してきたのでしょうか。

吉田:基準として考えていたことは大きく2つあるかなと思っています。最優先に考えたのが、やはり従業員の安心・安全ですね。新型コロナウイルスにかからないという身体的な安全を確保することと、精神的にも安心できる環境を構築するということです。

事業において新たなことにチャレンジしている中で、不安やプレッシャーを感じているメンバーもいると思います。そこにさらに新型コロナウイルスに感染するかもしれない、自分が原因で一緒に暮らしている家族にも感染のリスクを広げてしまうかもしれない、と感じながら働くのは精神的に負担です。これを取り除くことを第一に考えていました。

方針を検討するにあたっては、最悪のシナリオを想定して対応策を考えるようにしてきました。当初、日本国内ではまだ大きな騒動にはなっていませんでしたが、中国で起きていることが日本でも起こると想定して対応策を練っていきました。


ー対応策は、社内でどのように話し合いが進められたのでしょうか?

吉田:まず対応方針を経営メンバーで作ってから、現場の声を吸い上げ内容を詰めていくようにしました。リスクに対する打ち手はスピード感を持って決断する必要がありましたが、経営メンバーだけが情報収集しても必要な情報を吸い上げきれないですし、実際にオペレーションをする現場レベルで状況把握と、正確な判断をしていかなければいけません。大きな方針だけまず決め、その後は対策チームを入れて、詰めていきました。

今回は、コーポレート本部のメンバーを中心に、各事業部門のマネージャーなどが参加する対策チームを早期に設置しています。対策チームでは、社内でのやりとりをしているSlackに専用チャンネルを立ち上げ、社会情勢に合わせたフェーズを設定し、それぞれに打ち手を考えていきました。いつか訪れるかもしれないリスクを洗い出し、最短で訪れると想定したスケジュールをひき、情報収集をしながらそれを常にアップデートする、ということがしっかり回せていたと思います。

段階的な導入で、全メンバーのリモートワークが実現!

ーでは、実際にどのような対応になったのか、時系列で見ていきたいと思います。

吉田:1月下旬〜2月上旬は、どうしたら感染するのか情報が錯綜していた段階でした。この段階では、身体的・精神的な不安を取り除くこと、かつ、オペレーションを大きく変えずに対応できることを行ってもらいました。

[1/30〜] 新型新型コロナウイルスウィルスについて注意喚起
[2/17〜] 時差通勤、及び社外の方との打ち合わせや面接をリモートで実施へ
[2/19〜] リモートワーク推奨へ
[3/02〜] 原則リモートワークに変更



ー段階的に時期をずらして行ったのには理由があるのでしょうか?

吉田:ある日突然、リモートワークをしなければならないとなってしまうと、エブリーでは今まで全員がリモートワークになることを想定したオペレーションは準備していなかったので、メンバーも対応するのに負担が発生します。さらに、リモートワークの環境を作らなくてはいけない管理部門には、かなりの負担がかかります。対応は段階的に取り入れていく、と最初に方針として決めていました。

段階的に実施することで、柔軟に対応しながら、随時課題を発見し対応できます。その分、後手に回らないよう早期に対応する必要がありますが、設定したフェーズに沿って対策チームが非常に迅速に対応してくれましたね。

ー[3/2〜] 原則リモートワークに変更し、その後[3/23〜] リモートワーク推奨のフェーズに一度戻されましたよね。

吉田:推奨の状態では、やはり無理をして出社するメンバーがいたり、オペレーションの課題も洗い出しきれていなかったと思います。そこで、早めに一度全社員の原則リモートに切り替えました。オペレーションの負担を一気に増やさないようにしながらも、先手先手で対応できるよう、バランスをみながらこのような段階をいくつか挟みながら進めていきました。

原則リモートワークに切り替えてみて、大半の業務は今まで通り継続可能だということがわかりましたが、同時に課題も見えてきました。推奨のフェーズにもう一度戻して、承認フローの見直しなどオペレーションの改善を行いました。リモートワーク推奨に戻しましたが、原則リモートワークの状態から出社率も大きく変わらず、メンバーみんなが柔軟に対応してくれているのはとても助かりましたね。

また、長期戦になることはこの頃もうわかっていましたので、オフィスから持ち帰れていない必要なものなどを緊急事態宣言が発出される前に持ち帰り、自宅で問題なく仕事ができる環境づくりをする時間にあててもらう目的もありました。

ご来社される方々にも感染予防の徹底をお願いしてきました。

ーリモートワークを推奨するにあたって、同時にサポート内容も強化されてきましたよね。

吉田:原則リモートワークに切り替えた段階でさまざまな課題が見えてきました。それに対応するため、サポート内容も充実させていきました。

現場から上がってきた声として大きかったのは、

 ・お子様をお持ちのパパ・ママ従業員にはベビーシッターの利用補助
 ・学校が休みになった方向けの育児に伴う特別休暇取得の推進
 ・雇用形態問わずPC貸与など設備面でのサポート
 ・在宅支援金の支給

こうしたものに加えて、全校休校というファクトもありました。想定していなかった課題に対してどう対応できるか、対策チームで社内から声を吸い上げてもらい制度化していきました。

主な対応策としては、

 ・お子様をお持ちのパパ・ママ従業員にはベビーシッターの利用補助
 ・学校が休みになった方向けの育児に伴う特別休暇取得の推進
 ・雇用形態問わずPC貸与など設備面でのサポート
 ・在宅支援金の支給

ただでさえ、リモートワークで自分のアプトプットのクオリティや、社外・社内とのコミュニケーションに不安を覚えているメンバーもいたと思います。リモートワークをしていく中でも、目標やアウトプットの質を落とさないように頑張ってくれているメンバーのサポートは会社として必須。打ち手があればどんどん対応していきました。

意義をもって、やるべきことをやろう!

ー当社で運営している各メディアに対しては、どのような対応を求めているのでしょうか?

吉田:まずはリモートワークを導入しても今までと同様のサービス運営ができるように各メディアに体制構築をお願いしました。これは意外とリモートワークを初めて1〜2週間くらいですんなりと構築することができました。

その次には、やはりメディア事業を行う会社として、今の環境でも多くの方が安心して暮らせるような情報を掴める状態を目指していきましょう、と声をかけました。そのためにより積極的な情報発信を各メディアにお願いしています。

また、こうした中では個人の消費行動はどんどん変わっていくと思います。実際に、2018年に発売開始したスロークッカーの「コトコト煮込みシェフ」などの販売台数が約2倍に伸びていて、”時短”や”簡単”だけでなく、家にいるからこそ時間をかけてじっくり作る料理などにも需要が出てきているなと思います。安心できる体制の構築などの土台をしっかり作れたここからは攻めに転じて、こうした動向をいち早く掴み、情報発信や新たなサービス展開につなげていきたいと思っています。


ー今後について、エブリーとしてどういった働き方を目指していきますか?

吉田:個人の状況や社会の情勢に合わせて、柔軟な働き方ができるかどうかは会社として非常に重要だと考えています。今までも、裁量労働制のメンバーもいますし、子育てをしながら働くメンバーには、柔軟に出社時間を調整してもらったりしていました。今後も、引き続き現場の声を吸い上げながら最適な働き方ができるよう制度づくりは強化していきます。

とはいえ、メンバー同士で顔を付き合わせて働く楽しさを改めて実感しているところなのかなと思います。(泣)次、また全員が集まった時には、リモートワークではできないことを模索して盛り上げていきたいですね。

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