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現役CFOがエンジニアに贈る「失敗しない!スタートアップ企業への転職(後篇)」

こんにちは。トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社の小林です。人事責任者として過去3年間で1,000人以上の履歴書を見て、500人以上の方々と面接をしてきました。

日々、採用活動をしていると、もったいない履歴書の方々にたくさん出会います。その多くは、ピカピカの経歴や優秀なスキルを持ちながら、よくわからないまま、スタートアップ企業へ転職してしまい、うまく適応できず、逃げ出すように転職してしまう、というパターンの方々です。

スタートアップ企業への転職の失敗を防ぐために、一部ではエンジニアの視点も交えながら、押さえたいポイントをまとめました。
今回は後篇「企業選びのポイント。転職する前に見るべき、3つのポイント」です。
前篇「スタートアップに行ってOK?その実態を知る」をご覧いただいていない方は、ぜひこちらもあわせてご覧ください。

①あなたが転職に求めるものは何ですか?



簡単に前篇のおさらいです。
転職先に求めるものは、働きがいや年収、 ポジション、 キャリアアップなど人によって様々です。しかし、すべての項目を満たす企業はないと考えておいた方が良いと思います。だからこそ、何を求めて転職するのか。自分の軸や優先順位をハッキリさせておきたいです。


優先順位を決めたら、それに合う転職先がどういった会社かをイメージして候補を選んでいきましょう。

例えば、
・年収1,000万円ほしい ⇒ レイターステージの会社
・CTOになりたい ⇒ 創業まもないスタートアップ
・技術を極めたい ⇒ テクノロジー型のベンチャー企業
・社会貢献したい ⇒ 社会課題解決型のベンチャー企業
・面白い人と働きたい ⇒ ユニークな創業者のいる会社
・将来、起業したい ⇒ 成功体験を積めそうな会社  などなど。

② 転職先を決断する3つの超!重要ポイント



いよいよ本題の3つのポイントです。上記に希望した優先順位は満たしている、という前提で転職先の企業を以下の3つの観点で評価してみてください。

1.事業がうまくいきそうな会社か?
2.経営陣やチームとの相性は?
3.スキルアップにつながるか?


「事業がうまくいきそうな会社を選ぶ」という点は力説したいところです。

なぜなら、面接で話を聞いていると、退職の理由で「今の会社の事業がうまくいっていない、先がなさそうだ、お金がなくなりそうで怖い」というのが非常に多いからです。
事業がうまくいっている会社からは人材がほとんど出てこないものです。

そうは言っても、スタートアップで事業がうまくいっていて、順風満帆な会社なんてほとんどありません・・・。だからこそ、2.経営陣やチームとの相性と、3.自分自身のスキルアップにつながるか。もしっかりと見て判断してほしいです。

では、具体的な見極め方を紹介します。


1.事業がうまくいきそうかどうか…自分で調べて判断

実際、これを見極めるのは非常に難しいです。まず、ニュースや採用面接で聞いた話だけでは、良い側面しか見えないケースがほとんどです。それはスタートアップ企業が自社の実態以上に、自社を対外的にアピールするためにPRや面接等での訴求を行っているからです。

だからこそ、一歩引いて、下記の視点で自ら調べて、判断することをオススメします。

・そのビジネスが対象とするマーケットが大きいか、成長しているか
・資金調達先や資金調達の推移はどうか
・圧倒的なテクノロジーの優位性はあるか
・経営陣が目指しているEXITは、IPOか、M&Aなのか

資金調達で言えば、やはりレイターステージに投資するような大手や老舗のベンチャーキャピタルから投資を受けていれば、事業も固めに推移していると推察できるし、逆に全然聞いたこともないベンチャーキャピタルやシナジー効果がなさそうな事業会社などから調達を繰り返しているようだと、何か怪しい空気を感じます。

また、その企業が資金調達時に出しているプレスリリースにも注目してみてください。特に以下のようなケースの場合、注意が必要です。

・前回の資金調達時から調達金額がダウン(または横ばい)のケース
・既存株主が一切追加出資していないケース
・前回の資金調達から1年半以上経つのに、資金調達関連のニュースを発表していないケース
・過去にベンチャーキャピタルの出資を受けながら、個人のエンジェル投資家から調達しているケース
・一見、シナジーのなさそうな、なぞの事業会社がいきなり出資しているケース

もちろん、業績自体が素晴らしく資金調達が必要ない場合や外からだけではわからないケースもありますので、上記に当てはまっている=NGではないですが、判断基準の一つとして意外と見落としがちな部分ではあるとは思います。

2.経営陣やチームとの相性は面接以外でも確認!

次に大事なのが、経営陣・チームとの相性。面接だけでは判断できないと心得て、以下のような面接以外の場を設定できるか頼んでみましょう。スタートアップ企業は採用ステップが柔軟なであることが多いので、対応してくれると思います。

・まず業務委託で入ってみる(体験入社)
・夜間や週末だけ手伝ってみる
・スタートアップ内での評判を聞く
・面接内で、離職率や過去に辞めた人の理由を聞く
・勉強会などで、メンバーと仲良くなる
・会食などで、経営陣と真剣に話す (ミッションやビジョンに共感できるか)

事業が思った通りに進展しない場合でも、その人たちと一緒に、苦難を乗り越えられるという挑戦を楽しめるかどうかという視点で判断すると、事業がうまく行かなくても頑張れると思います。

特に、メンバーは今後も入れ替わりや追加の可能性があって、入社後もどんどん変わっていくものですが、経営陣が、その中でも創業者は変わることが少ないので、その相性はかなり重要であると考えています。

3.スキルアップできるか

ここは少しエンジニア視点での話になりますが、この技術がなければ製品自体が成り立たない、という技術を持った会社と、誰でも知っている技術を応用している会社では、エンジニアの地位は全く違います。
エンジニアとしてのスキルを上げるためには、テクノロジーの優位性を持った会社を選択したいところです。

以下のような指標で、どれだけ技術に投資する会社なのか、エンジニアを大切にする会社なのかがある程度わかると思いますので参考にして下さい。

・使っている技術が革新的なものか
・エンジニアに意思決定の裁量があるか
・Tech Blog等で自社の技術を発信しているか
・勉強会や書籍の購入に対する補助があるか

最後の判断基準として、
事業が仮にうまくいかなかったとしても、エンジニアとしてその会社での実績を評価されるか。という視点です。

例えば、2年間フルコミットしてプロダクトを創ったことが、事業がうまく行かなくても評価される。と思える場合は、その会社に決断する。という視点もあるかと思います。

これは、エンジニアだけではなく、他の職種にも言えることではありますが、スタートアップ企業に転職する際には、その会社で働いた実績が価値のあるものになるかどうかという視点は非常に大事だと思います。

いかがでしたでしょうか?
当然のことながら、これはあくまでも判断基準の一例であり、最終的に一番重要になるのは、

自分がここで働きたいのか

です。どれだけ優良企業だったとしても、自分自身の気持ちがついていかないのであればそれは最終的に双方にとって不幸な結果を生み出します。
ご自身の気持ちだけでは決めきれない。そんなときに少しでもお役に立てていただければ幸いです!

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