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Youは何しにキュービックへ?|朝日新聞出版の元編集長がベンチャーに電撃移籍した理由

2021年8月、キュービックにアサヒカメラなどで編集長を務めた佐々木広人さんが入社しました。転職の理由は?なぜこのタイミングなのか?キュービックでの野望は?連載第2回目の今回も市原がインタビューしていきます。

◆話し手
・佐々木 広人(@_Hiroto_Sasaki
1971年、秋田県生まれ。リクルートの海外旅行誌編集部を経て、1999年、朝日新聞社に入社。週刊朝日副編集長、アサヒカメラ副編集長などを経て、2014年4月から2019年3月までアサヒカメラ編集長を務める。2019年4月から雑誌本部長/サイトマネージャー。2020年4月~21年3月はAERA dot.編集長を兼務。2012年新語・流行語大賞トップテン入りした「終活」の生みの親でもある。2021年8月にキュービック入社。
◆聞き手
・市原純(@Junomi_icchi
2018年新卒入社。北海道生まれ。キュービックに内定後、内定者インターンとして転職領域のコンテンツメディア運用チームに配属される。新卒入社後、クライアントのオウンドメディア運用チーム→営業部署の立ち上げ→ウォーターサーバーメディアの広告運用と営業を兼務→社長室に所属。

佐々木 広人の経歴について

ー 佐々木さんの経歴を教えてください。

佐々木:
1996年に新卒としてリクルートに入社。香港取材時に鳥インフルエンザ騒動に出くわして、ルポをすることになり、そこで原稿を書く楽しさに気づいてしまったんですね。

そこからは自分で企画・取材して記事を書ける仕事を探すようになって、1999年にスキルアップのため朝日新聞社へ入社しました。

ー 朝日新聞社に転職されてからはどのようなキャリアでしたか?

佐々木:
週刊朝日編集部に配属されて事件・事故や不動産、お金の運用などのお役立ち情報など幅広く記事にしていきました。週刊朝日の副編集長になってからは表紙やグラビアの制作、中吊り広告の原案作りをしていました。動画の生配信番組も制作していました。10年前のことですから、当時は珍しかったことだと思います。

ー  いろいろなことやっていたんですね。ずっとコンテンツを作る側だったんですか?

佐々木:
違うんですよ。そのまま編集者の道を歩むのだと思っていたのですが、販売部宣伝課へ異動に。そこでは雑誌・書籍の新聞広告やテレビCMの制作に関わりました。コンテンツを「作るだけ」でなく「どのように届けるか」を勉強することができましたね。

ー  そうだったんですね。そこから「アサヒカメラ」編集長となりましたが、カメラが趣味だったんですか?

佐々木:
いや、まったく(笑)。配属当初、ある写真家に「カメラや写真のことをわかるの?」と嫌味を言われましてね。でも、そこで引き下がれないですよ。「わからないことをわかるように読者に伝えることがメディアのやるべきこと」だと思っていたので、新たな読者層の獲得に注力していくことにしました。

ー  なぜまだ読者になっていない層に注目したのですか?

佐々木:
ドイツ写真工業会の2013年の推計によれば、世界で1秒間に撮影されている写真は約23万5千枚。「写真を撮る人」は多いはずですよね。もっとも、編集長になる時に「君が最後の編集長になるかもしれない」と言われるほど部数・広告売上は低迷していましたから、新たな読者層を獲得していくことは必然でしたね。

ー そこから5年間続きました。どのように伸ばしていったのですか?

佐々木:
SNSを意識しましたね。コスプレイヤーが映ったスナップ写真が誌面に出た際、愛好家たちから「肖像権の侵害だ!」という声が上がり、SNSで炎上したんです。それでピンときました。これは関心のあるテーマに違いない、と。さっそく翌月号で「SNS時代の写真と肖像権」をテーマにした記事を作ったら、その号が大ヒットしましたね。

ー 炎上をニーズと捉えるのは面白いですね。

佐々木:
キュレーションサイトが社会的に問題視された時もそうでした。写真の無断使用も問題になっていたので、これは困っている人がいるだろう、と。そこで写真を無断使用された際に、自分で削除要請と損害賠償請求を行うためのマニュアル記事を出したんです。これがあっという間に完売しました。やっぱり読者の役に立つ記事はいいなあと今でも思いますね。

ー 役に立つ記事ですか。なぜそう思うようになったのですか?

佐々木:
その後、ニュースサイトの運営や編集長をやって、億単位のPVを獲得して社内ギネスを達成したんですが、どうもPV獲得競争に馴染めなくて。「困っている人の背中を押すようなお役立ち記事」を提供できる気がしなかったんですね。

ー なるほど。「役に立つ」とはどんな時に思ったのですか?

佐々木:
当時のアサヒカメラは2万人程度の読者しかいませんでしたが、充実度は高かったですね。手紙もらったり、講演先などで「役に立った」というリアルな声をたくさん聞けたりしました。

いま思うと、100万人の「いいね」より、100人の「ありがとう」がうれしかったんだと思います。

「100万人のいいね」より「100人のありがとう」をもらえる仕事探し

ー 転職するまでのエピソードを聞かせてください

佐々木:
編集現場から離れることが決まった辺りから、「このままでいいのか」と自問自答し、社会人生活を振り返ったんです。思い出したのはリクルート入社時の志望動機。「情報格差を是正することで人々の生活を少しでも豊かにしたい」という気持ちは今も変わらない本質だと気づいたんです。それができるところはどこか? 探した結果、目にとまったのがキュービックでした。

ー それはなぜですか?

佐々木:
大きく3つあります。一つ目は「紙の編集者を大事にしている」と言い切っていること。コンテンツに力を入れている証拠だし、企業としての覚悟を感じました。

二つ目は「デザイン部門が組織を横断していて、担当役員もいるということ」。国内では珍しいと思いますよ。でも、そこにも狭義のデザインではなく、ユーザーのライフスタイルまでデザインしようという姿勢を感じました。

三つ目は「ヒト・ファースト」で人事制度やオンボーディングが手厚いところ。複数の会社をみていたのですが、自分が会社で働くイメージをここまでクリアに持てた会社はなかったです。

ー そうだったんですね。実際に1ヶ月間働き始めてどうですか?

佐々木:
みんないい人(笑)。経営会議に誰でも参加できるなど情報公開が徹底していますし、一番驚いたのは学生インターンの優秀さ。企画も任せられるし、十分に戦力化できているところがすごいですね。

ー 最後にキュービックでの意気込みを教えてください。

佐々木:
個々のメディアはもちろんですが、「会社自体」を編集したいですね。今後さらに規模が大きくなり、世に知られる機会も増えるはず。そこで会社というコンテンツの認知度をいかに高めていくか。みんなと連携しながら実施していきたいと思っています。

ー ありがとうございました。ここで1点お願いがありまして…キュービックの社内インタビュー記事を2週間に1本配信していこうと思うのですが、手伝っていただけますかね?

佐々木:
しょうがないなあ(笑)。まあ、一晩で記事40本を編集したこともあるし、いっちょやりますか!

ー ありがとうございます!ということで今回の Next CUEBiC は佐々木さんでした。次回はメディア事業本部長から人事責任者に就任した木村圭介さんにインタビューしていこうと思います。どうぞお楽しみにしていてくださいね!

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