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SDGS:持続可能な開発目標~ジェンダー平等実現に取組む投資~ 「メキシコ女性起業家投資」

はじめまして、クラウドクレジット商品部の松浦と申します。

私が所属している商品部は、当社のウェブサイトに掲載しているファンド商品を組成する部署で、投資先の発掘・条件交渉・ドキュメンテーション等販売に至るまでの過程を担当しております。

さて、ハロウィンの喧騒も過ぎ去り、いよいよ寒さが身に染みる季節となってまいりましたが皆様はいかがお過ごしでしょうか。

私は自分にとって変化の多かった2018年を思い返しつつ、冬の支度をする日々を過ごしております。

振り返りますと、弊社は社会性と経済性の両立を目指すべく、2018年6月18日に社会インパクト投資宣言<https://crowdcredit.jp/info/detail/246>を発表し、投資家の皆様に社会インパクト投資の機会をご提供することで、持続可能な開発目標(SDGs)の実現に積極的に取り組んで参りました。

SDGsの概念及びその成り立ちに関しましては、弊社法人営業部の原がこちらの記事<https://newsphere.jp/sustainability/20181101-2/>で詳しく説明しておりますので割愛いたしますが、私からは、弊社のSDGsへの取り組み事例として、ファンド商品を採り上げ、日本の投資家の皆様がクラウドクレジットを通じて投資された資金がどのようにSDGsの実現につながるのか、お話しさせていただきたいと思います。

事例紹介:メキシコ女性起業家支援ファンド~「SDGs:ジェンダー平等の実現」~

■どんなファンドなの?

メキシコにある金融機関に融資をするファンドです!

■どんな国に貸すの?

メキシコ女性起業家支援ファンドの投資対象国となるメキシコという国は、日本人にとって馴染み深い国である一方で移民問題や治安など、色々な課題を抱えた国です。そのうちのひとつが、金融包摂です。世界で預金口座を持っていない人口20億人(世界の3割弱)のうち、3%である6千万人がメキシコ人であると言われています。これは、メキシコの人口の約半分に当たりますので、いかに多くのメキシコ人が金融にアクセスできていないかおわかりになるかと思います。

メキシコ女性起業家支援ファンドの融資先となる金融機関は、このような金融サービスが行き渡っていないメキシコという国の中でも特に金融サービスを受けにくい人々を対象に事業を営んでいる金融機関です。

■誰に貸しているの?



メキシコ女性起業家支援ファンドの融資先となる金融機関K社は、メキシコ南部にあるオアハカ州というメキシコの中で1位2位を争う貧困地域にあります。事業は零細企業への小口融資を中心としており、一件あたりの平均貸付金額は約2万円です。

K社の最大の特徴は、融資の98%が、女性がオーナーを務める零細企業であるという点です。

メキシコには現在およそ400万社零細企業があり、うち女性がオーナーを務める企業はその1割、約4万社と言われております。しかし、この9割の男性と1割の女性は同じ土俵にはたっておりません。女性企業家が事業を大きくするために金融機関から借り入れをしようとしても、中々融資を受けられないからです。

銀行などの伝統的な金融機関は、男性より女性のほうが信用力が低いとみなしてきました。理由は2つございます。


女性は事業より家庭を優先するため、事業がおろそかになるのではないかと懸念されているから。


伝統的な金融機関は一般的に融資をする際に担保の差し入れを求めますが、担保となる土地や家などの不動産は家族の男性が所有者となっている場合がほとんどなので、女性は担保を差し入れることができないから。

これらの理由により、女性企業家は事業を拡大したくても、その資金を得ることができませんでした。



 ところが、K社は伝統的な金融機関とは逆の考えをもっており、女性企業家は男性と同等あるいはそれ以上に信用力が高いと考えております。女性企業家が融資を受けて事業が拡大すると、家庭の収入が増えます。すると、家庭の日常的な問題(例えば住居、教育、医療など)がある程度はお金ですぐに解決できるようになります。家庭が安定すると、女性は安心して事業に専念することができるため、事業をさらに拡大することができます。つまり、家庭と事業の間で好循環が生まれるため、女性の信用力は高いと考えているのです。

実際に、メキシコのマイクロファイナンス機関の延滞率は約8%ですが、K社の延滞率はわずか1.5%です。



■私の投資にどのようなインパクトがあるの?

5月に第1号ファンドを発売させていただきましたメキシコ女性起業家支援ファンドですが、一年間を通じて、累計2億円を募集する予定です。

2億円(累計募集金額)÷2万円(K社一件当たり平均貸付金額)=2万社

2万社÷40万社(メキシコで女性がオーナーを務める零細企業)=5%

あくまで単純計算ですが、日本の投資家の皆様がクラウドクレジットのメキシコ女性起業家支援ファンドを通じて投資された資金は、メキシコで女性がオーナーを務める零細企業の約5%に届くということになります!



もちろん借換えなどの諸要素も総合的に勘案する必要はありますが、少なからぬインパクトをもったファンドであるということは実感して頂けるのではないかと思います。

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 いかがでしたでしょうか。具体的な数値で社会的インパクトの規模を推計すると、一人一人では影響力に限界があっても、全員の力が合わされば思っていたよりも大きな変化をもたらすことができることが実感頂けましたら幸いです。

メキシコ女性起業家支援ファンドは、弊社が取り組んでいる社会インパクト投資のほんの一例です。ぜひ皆様と社会が抱える様々な課題にくさびを打ち込めるよう、様々な商品を組成して参りたいと思いますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。また、今回はブログ記事でのご紹介となりましたが、弊社は定期的にセミナーを開催しております。社会インパクト投資に特化したセミナーもございますため、ぜひお気軽にお越しください。直接皆様のお目にかかれますのを楽しみにしております。

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