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サービスを「使う」と「支える」両面をクライアントとともにつくる喜び|UX/UIデザイナー 川崎実紀|Meetup Report #01

2023年9月14日(木)に開催したミートアップ「ベンチャー・スタートアップ出身デザイナーが語る!クライアントワークの魅力」をストーリー記事で再演。このミートアップに登壇したコンセントのUX/UIデザイナー川崎実紀と岡本晃大の2名が、自身のキャリアやデザイン会社であるコンセントでの仕事・働き方についてお話しします。

デザイナーとしてデザインできるものの幅を広げたい

こんにちは。コンセントの User Experience Design group(UXDグループ) でUX/UIデザイナーをしている川崎実紀です。コンセントには入社して5年ちょっとです。入社3年目からは、UXDグループの中にいくつかあるチームのチームマネージャーを務めています。本日はよろしくお願いいたします。

前職では新卒入社したエンターテインメント関連のサービスを運営している企業でインハウスデザイナーをしていました。今も音楽などのエンターテインメントが好きなのは変わっていません。

転職動機としては「デザイナーとしてデザインできるものの幅を広げていきたい」と思ったことです。限られた業界やデザインプロセスの一部でなく、広い範囲のデザインができることやいろいろな人の影響を受けられるように、なるべく多くのデザイナーが在籍しているデザイン会社を探してコンセントに転職しました。

役割は職種によって固定化されるものではない

私がコンセントでやっている業務を長谷工ライブネット様の「HOLiY(ホーリー)」というサービスを例にご紹介します。

長谷工ライブネット様は賃貸マンションの管理受託をしている会社です。賃貸マンションを所有しているマンションオーナー様と長谷工ライブネット様がコミュニケーションをするためのサービスとして HOLiYは開発されました。

実際の画面はこんな感じです。みなさんもユーザーとしてこうしたサービスを使う機会があると思いますが、その裏側にはサービスを使えるように支える人たちがいます。このサービスでは長谷工ライブネットの社員がその役割にあたります。

第一には顧客であるマンションオーナー様にとってどういった体験であるべきかを考えるわけですが、裏側の社員の方々にとっても無理なく新しいサービスを業務の中で運用していけるプロダクトにする必要になります。このプロジェクトではマンションオーナー様と社員どちらの体験も大切にすることを重要視しました。

具体的な内容に入る前に、プロジェクトの大まかなプロセスを紹介します。このプロジェクトに限らず、一般的なサービス開発のざっくりとしたプロセスになりますが「⓪依頼を受ける」→「①調べて知る」→「②分析して課題を定義」→「③考えてつくって試す」→「④ローンチに向けた開発」と進行していきます。

コンセントからの提案の場合もありますが、多くのプロジェクトは依頼をいただいて始まります。まず事業やユーザーについて調査し理解していき、得られた情報を分析して課題を定義した後は、サービスアイディアを考えてプロトタイプをつくって試していきます。これでいけそうだという段階になったら、ローンチに向けて実際のプロダクトを開発します。

今回ご紹介するプロジェクトは、「マンションオーナー様の満足度を向上するためにITサービスを提供したい」というご相談からスタートしています。このように何をつくるかは具体化されていない状態からご相談をいただく機会が多いのもコンセントで働く面白さの一つかなと思います。

このプロジェクトではマンションオーナー様と長谷工ライブネット様の社員20名くらいの方々にインタビューをしました。インタビューの設問設計や実施はサービスデザイナーが担当し、UX/UIデザイナーである私は同席して生の声をお聞きしました。

特に価値探索を目的とした調査設計・実施・分析についてはサービスデザイナーがリードすることが多いですが、役割は職種によって固定化されているものではありません。インタビューも誰がやってもいいですし、今はまだ経験が少なくても周囲の人に教えてもらいながら覚えていくこともできます。

次はインタビューで得た情報を分析して課題を定義していきます。このプロジェクトではペルソナやジャーニーマップ、価値マップといったものをつくりながら、ユーザーにどんな価値を提案していくのか、すなわち「サービスの提案価値」を検討しました。

この後はサービスを見えるかたちにして徐々に解像度を上げていきます。最初は架空のパンフレットのようなCIS(コンセプトインプレッションシート)と言われるものをつくりました。この時点での画面デザインはヒアリングのときにどんなサービスかがイメージしてもらえる程度の詳細度で大丈夫です。CISをお見せしながら再度マンションオーナー様や社員の方々にヒアリングしてサービスコンセプトを検証・改善していきました。

サービスコンセプトが決まった後はストーリーボードやサービスブループリントに落とし込んで調整を繰り返していきます。マンションオーナー様の利用の裏側で社員の方はどう動くのか、実際にこのようなフローで業務が回りそうか、といった観点で確認していきます。業務で必要な情報や並び順などの画面項目についても、やはり聞いてみないとわからない部分があります。ですので、本当にいろんな部署の社員の方にヒアリングさせていただきました。

ヒアリングの機会もたくさんありましたし、コロナウイルス流行以前の時期でしたので担当者の方々とはほぼ毎日のように対面で打ち合わせやワークを一緒にしていました。

次がローンチに向けた開発です。大規模なシステム構築だったので、このときは外部の開発会社の方も加えて体制をつくりました。開発会社と私たち、そしてクライアントの3社で進めていきました。

コンセントはサービス自体の開発に加え、サービスロゴやマンションオーナー様にお渡しするパンフレット、営業の方がサービス紹介時に使う動画も制作しました。コンセント社内のアートディレクターや映像ディレクターに加わってもらい一緒に制作を進めていきました。

クライアントや協業パートナー含め、社内外のいろいろなメンバーと一緒にプロジェクトを進めていくので、そのチームにとって一番スムーズなプロジェクトの進め方を考えるのもデザイナーの仕事の一部だと考えています。

弊社の公式サイトで事例記事を公開しています。こちらもぜひご覧ください。
長谷工コーポレーション 賃貸マンションオーナーと管理会社をつなぐサービス「HOLiY®」開発支援

いろんな職能をもつデザイナーの視座や情報が刺激に

最後に私が感じているコンセントで働く楽しさを3つお話しします。

まず1つ目は、さまざまなクライアントと幅広い分野のサービスをつくれる楽しさです。いろいろな業種のクライアントとお仕事をする中で様々な業界のことを知る機会を得られることに面白さを感じています。

2つ目はクライアントとともにサービスをつくれることです。「これをつくってください」「はい、つくりました」という関係ではなく、やわらかいところからお話をいただいて、だんだん形にしていく過程を一緒に過ごせることにやりがいを感じています。

3つ目は、社内の200名以上のデザイナーから刺激をもらえることです。サービスデザイナー、コミュニケーションデザイナー、コンテンツディレクターなど様々な専門性をもつデザイナーがいるので、常にいろいろなデザインのトピックが自然に耳に入ってくる環境です。

最後に私が研究しているテーマついて紹介させてください。コンセントに入社してから、さまざまな領域や観点に触れる機会が多くあり、ここ数年は「ダークパターン」の防止について社会に発信する活動を続けています。

「ダークパターンレポート2023」を公表。ECサイトやアプリでの購入経験者799人への意識調査

「ダークパターン」は、例えば何かのサービスが入会と比べて退会が著しく困難になっていたり、料金や契約期間などの大切な情報が気づきにくい大きさで表示されていたりといった「人を欺くデザイン」を指します。昨年度からは、コンセントの「イニシアチブ組織」の中でこのテーマに取り組み、登壇やメディアからの取材対応、自社調査などを実施してきました。最近では多くの反響もいただき社会的に必要とされる活動であることを実感しています。

組織の持続的な成長を支える コンセントの「イニシアチブ組織」

イニシアチブ組織をはじめとする会社からの後押しや、一緒に活動してくれるメンバーの存在があるからこそ続けることができています。こういった活動も含めてコンセントに興味をもってくださるとうれしく思います。

カジュアル面談を実施しています。
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川崎実紀|User Experience Design group UX/UIデザイナー
九州大学芸術工学部画像設計学科卒業・同大学院芸術工学府デザインストラテジー専攻博士前期課程修了。2015年よりエンターテインメント事業会社でデザイナーとして就業したのち、2018年にコンセント入社。UX/UIデザイナーとして主にアプリケーション開発に携わる。


ミートアップの他パートについてはそれぞれ以下の記事にまとめています。


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