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第16話 保守担当者は若者らしからぬ

彼は制作運営部でWebアプリケーションの保守を担当している。
実年齢は社内でもかなり若い部類に入るが、若者特有のエナジーは正直言ってあまり感じられない。
こんにちは、見かけで若く見られるちほうタイガーです。

「…お疲れ様です。あの…ここ僕の部屋なんですけど…」

…家庭訪問です。あなたがちゃんと生きているか確認に来ました。

「…管理部って家庭訪問もするんでしたっけ…」

…ごめんなさい、嘘つきました。本当はど田舎から始めるWeb制作会社戦記の取材です。
いやなんかね、最近毎月新人が入ってくるじゃない?

「そうですね、すごいですよね」

意外にもほとんどの人がこのWeb制作会社戦記やWantedlyのストーリーをしっかり読んでくれてるみたいなのだよ…

「それはよかったですね」

…そうしたらね、第1話の彼が言うわけですよ。「もう少し急ごうか」と…

「…そうなりますよね」

ということで、残業扱いで協力お願いします。

「…了解です。よろしくお願いします」

…お互い不憫よな…それでは早速ですが、定番の質問からいきたいと思います。
この会社に入る前はどこで何をしてたんでしたっけ?確かこの会社に入った時二十歳そこそこだった気がする…

「そうですね。一応高校を出た後から話しますと、Web制作の専門学校を卒業しまして…」

えっ…Web制作を学校で勉強してたの?

「はい、実はそうなんです。専門学校を出て東京と新潟のWeb制作会社10社程度に就職活動をしたんですけど、全部落ちまして…それで、滋賀県の半導体洗浄機械の組み立て工場で働いていました」

…なんか似たような話を第12話の取材でも聞いたような…それにしても組み立て工場勤務とは…見えねぇ…

「はい、1年ほど勤めさせていただいたんですが、やっぱり新潟や佐渡に帰ってきたいと思ってWebの勉強をし直してこの会社を受けました」

…組み立て工場勤務は掘り下げようがないとして…2年専門学校で勉強して、更に勉強しなおして、それでこの会社に入ってからどうでしたか。

「この会社に入ってからは、専門学校で学んだことがほぼ通用しなくて悩みました。最前線の開発チームではなく保守のチームに配属されていますが、それでも通用しなくて、入社後も先輩から課題をもらいながら勉強をしたりしてなんとかくらいついてきた感じです。今でも技術不足や考え方の甘さが原因で困ることは多々あって、悩みは尽きません」

…若いんだしそんなに悩む必要はない気もするけど…
この会社技術の習得が遅いからって別にクビになることないし、着実に成長すればいいんでない?

「なんていうか…僕の後に入ってきた人たちが優秀すぎて…。自分が入社した頃に周りから教えてもらったように、今度は自分が教えられるとよいのですが、なかなかそれもできなくて…」

…ほうほう先輩として仕事を教えられるようになりたいが、それが出来ない自分に悩んでいると…あれっ…いつの間にかお悩み相談になっているような…そういうのはまず課長とかに相談した方が…

「僕自身が成長するしかないので…技術については、できるだけ苦手だったものを潰していこうとは努力してますし、チームの役に経てるようにバナー制作やWebデザインの勉強もしています。ただ、考え方の甘さについてはなかなか直せなくて…今でも時々報連相をしないで独断で進めて失敗したり非効率的になったりするので気をつけないと…」

…たまに第14話のボンビーガールに会議室に呼び出されて怒られてるもんねぇ…

「…見られてたんですか…」

…精霊なので森羅万象どこにでもいるという設定なのだよ。まぁその設定今作ったんだけど。

「…誤解が無いように説明させてもらうと、先輩達は基本的にみんな優しいです。ミスをしても別にそれほど怒られません。人間だからミスは仕方がないと言って、みんなで助けてくれます。でも、考えるべきことを考えてないとか、考えてるつもりで何も考えてないとか、そういうのは怒られます」

…ボンビーガール怒らせたら怖いしな…だが報連相を徹底していれば大丈夫だよ、読者の諸君!

「はい、この会社は基本的に仲がいいです。以前いた工場だと他の部署との交流もほぼなく淡々と仕事をする感じでしたけど、この会社はよく雑談したり爆笑してたりする職場です」

…合わせてくれてありがとうございます…まぁ会社のフォローはそのくらいにして、この会社の悪いところも是非教えてください。

「悪いところは特に思い浮かびません。他の方の戦記を読みましたが、冬が寒いというのはそう思います。強いてあげるならそのくらいです」

…もう予想通りの淡々とした回答ですな…休みの時とかは何をしているのか教えてもらっても?

「休みの日は天気が良ければ釣りに行って魚料理をしたり、ドライブをしたり、天気が悪ければレジンでアクセサリーを作ったり盆栽をいじったり、読書をしたり、Web系の勉強をしたりしてます」

今やっているのがレジンのアクセサリー制作なのね。それにしても盆栽とは…まだ20代半ばだよね…地域の活動とかに呼び出されたりしない?

「地域の活動には呼ばれたことがないですね。(人が多い)佐和田に住んでいるからかもしれません」

…高校までの同級生と飲みにいったりとかは…?

「中学・高校で仲のよかった友達は大体島外に出てしまっているので…交友関係は狭いと思います」

…彼女とか結婚とかは…

「彼女はいませんし、結婚への興味も薄いです。今はアクセサリー作りとか盆栽とかの趣味をしているのが楽しいし、その趣味繋がりの年の離れた友人と会話したりするのが本当に楽しいです」

…もっとこう…20代半ば特有の悩みとかはないものか…?

「プライベートの悩みは…最近腰が痛いことですね。多分実年齢と腰の状態があってないと思います」

いや、腰だけじゃないよ?人生観も趣味も実年齢と合ってないから!

「周りからも『若者らしくない』とかよく言っていただいてます」

…それ褒め言葉じゃないと思うよ!?
…えー最後に仕事面とプライベートでの将来の展望とか希望とかをどうぞ。

「仕事面では…役職とか給与アップとかにそれほどモチベーションは感じないので…。そうは言っても今現在それほど仕事が出来るわけではないと自分では思っているので、このままただ年を重ねて後輩に迷惑をかけるような存在にはなりたくないと思っています。
プライベートについては、今の状態を続けたいです。生活を安定させながら、休日には釣りをしたり、仲間と趣味を楽しんだりする人生を送れたいいなと」

…「さとり世代」のペルソナがここに居た…


彼はいわゆるさとり世代である。
他者のペルソナに振り回されず、自己の内面に向き合うことは悟りへの第一歩なのかもしれない。
There is no need to seek such praise and appreciation from others.His is a sufficient self-satisfaction that have contributed to the world.

https://tane-creative.co.jp/inakadeweb/charcter/takumi_k/

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