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クリエイティブってなんだろう

Photo by Matthieu Comoy on Unsplash

子供の頃から何かをつくるのが好きな人間でした。

幼い頃はブロック遊びやプラモデルづくりが好きで、学生の頃は同級生と一緒に冒険する物語をゲームブック(今でもあるのかな)に仕立てたり、原稿用紙で何百枚もある小説を書くのが趣味でした。

そんな子供でしたから、わりと早い段階から何かクリエイティブなことを生業にしたいと思っていましたが、当時から身を立てられるような才能があったわけでもなく、ただ漠然とした不安や焦りを感じて過ごす少年時代でした。

時は1990年代後半、インターネット黎明期。windows95の発売やテレホーダイに後押しされて個人ホームページが華やかかりし頃、大学生だった僕も撮影した写真や書き溜めたテキストを披露する場所としてメモ帳にコードを書きまくり、結果としてそれが今の仕事に繋がるわけですが、当時はそれを仕事にすることになるとは露ほども想像していませんでした。

ただ授業に出ることや友達に会うことも忘れてコーディングに没頭した結果、冬の間だけで10kg以上も体重が増えていた衝撃は今でも忘れられません(自炊する手間すら惜しんだ結果、コンビニ弁当の恐ろしさを知ることに…)。

写真部の暗室作業ではひと晩かけても得られなかった現像効果が、いとも容易く(そして繰り返しトライアル&エラーできる!)フォトレタッチも面白くて仕方がありませんでした。

気が付けば卒業という時期まで就職活動もせずWebサイト制作に明け暮れていた当時の僕に何か明確な計画や目標があったわけでなく、言うなれば「ただ楽しいことに没頭していた」のですが、たしかに僕がそれまで生きてきた中でも一番に夢中になれる時間をそれと知らず過ごしていたのだと思います。

そのような僕のことを拾ってくれるデザイン会社がたまたま帰郷した実家の近くにあったことは幸運というほかないのですが、時間をかけて制作したWebサイトをポートフォリオとして提示できたことで、それから20年以上も歩むことになる道への扉を開くことができたことも事実でした。

思うに、「夢中になれること」はそれだけで強みです。

趣味じゃなくプロとして仕事で報酬をもらってやるのだという言説はもちろんその先に待っているのですが、まずは「夢中になれる」という強みをその職業のメインフレームにぶつけられる人は間違いなく有利です。

(また仮にそのような人間が同僚であれば楽しそうですし、きっと一緒に仕事をしたくなりますよね)

そして「ものを作ること=なにかを生み出すこと」それ自体に「夢中になれること」をクリエイティブというのだと僕は思います。

その醍醐味はおそらく、どんな小さなものでも良いのでとにかく作り上げていくことでしょう。

小さな頃から僕が作ってきたものはおよそ世には問えない、なんだったらよくわからないものばかりですが、そのときそのときで僕が「作り上げた」と感じてきた達成感と、作り上げたものが自己を離れて鑑賞(=客観)の対象となっていく過程は、多くの学びに満ちていたと思います。

(有り体に創作の例を挙げれば、「自分の声を録音してラジオ番組を作る」とかです。自分の声を初めて聞いたときの居心地の悪さをご承知の方なら、この着想の先に待つ感慨には容易に想像が及ぶのではないでしょうか?)

また、日々の生活のなかで触れるじつに多くのものが誰かの手によって作られているという(考えてみれば当たり前の)事実を自覚するようになったとき、自分もそんな誰かのうちの一人となり、何かを生み出せるようになるのだとしたら、どうでしょうか?

何かを作るのが好きだった子供が大人になり、もちろん難しいこともたくさんありますが、20年以上も夢中で仕事に取り組めている僕はきっと幸せな部類だと思いますし、是非これをお読みいただいている皆さんにもそれぞれの「クリエイティブ」を見つけていただければと思います。

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