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【Podcastインタビュー#7 】グラフィックデザイナーのキャリアストーリー:トミナガハルキさん

クリエイティブやデジタルの世界で活躍されているスペシャリストにお話を伺うエイクエント ポッドキャスト。第7回目の今回は、グラフィックデザイナーとして起業し活躍中のトミナガハルキさんに、未経験からデザイナーを目指したきっかけや、デザイナーとしての働き方・日々の創作活動について伺いました🎙

トミナガさんのご経歴

関西外国語大学在学中に独学でillustratorやphotoshopを学び、デザイナーとして就職。3社でデザインや広報を経験したのち独立し、現在は、大阪のデザイン事務所AMIXを運営しながら、2020年にはデザイン初心者向けの著書「#ズボラPhotoshop 知識いらずの絶品3分デザイン」を執筆

"自分がたくさん働いてしまうと、スタッフにも対しても「お前、それぐらい頑張れよ」って言いたくなってしまうんじゃないかな気がしていて。まあ、自分もスタッフと同じような働き方をしたらその目線で仕事のことを考えれるかなっていうのがあって、しっかり休むようにしています"

-- まず最初に簡単なご経歴と、今どんなお仕事をされているのか教えていただけますか?

さっきすごく立派な感じで紹介していただけてすごく恐縮なんですけど、大阪の小さいデザイン事務所で細々とやらせてもらってるんですけど。インターネットからの集客、ウェブ広告とかブログからとかの集客でお客さんを獲得しているっていう性質上、結構多様なお客さんとの取引を日々行っています。

-- 外語大学卒業されてすぐデザイナーになられたんですよね? デザイナーになろうと思ったきっかけは何ですか?

大学卒業する前に、まあ進路を決めますよね。特に大学が外国語大学だったので、ホテル業界とか旅行業界とか、語学生かして就職して行く人って結構多いんですけど、たくさん語学勉強した結果、結構僕はお腹いっぱいになってしまって、何か違うことやりたいなと言うのがあったんですけど。

その中で、あえてですよ。あえて何かちょっと興味があるかなっていうものがあったとすれば、まあそれがデザインだったんですね。で、なんでデザインに興味があったかっていうと、大学のゼミとか、あとは軽音楽部に入っていたので、そこのビラ配りをpowerpointで編集して作るのが結構楽しかったんです。センスが良いか悪いかとか別で作ってるのが結構楽しくて。で感謝されるのもすごく嬉しかったんですよ。だからこれで仕事になったら面白いんちゃうかなっていうのを感じまして。じゃあ、デザイナーを目指した方が良いのかなと言う気持ちになって、まあ志したという感じです。

-- 大学に通いながら、独学でadobeのソフトを学ばれたんですか?

そうなんです。今だと、例えばユーチューブとかで無料のtipsがたくさんあったりとか、なんかこうすごく教材も充実してるイメージがあるんですけど、当時、もう本当に本とかが一番の頼りっていう感じで、家にMacとadobeのソフトを買ってにらめっこしながら、まあ勉強して行くっていう感じでしたね。

-- 今だったら確かにyoutubeとかサブスクのUdemyみたいなとかたくさんありますけど、当時はもっと大変ですよね。

あったらやってたんちゃうかなと思うんですけどね。

-- (当時)好きなデザイナーさんとかっていたんですか?

結構当時はまずデザインの知識が全くなくて、その当時はとにかく自分で手を動かして物を作るっていうのが楽しくて。それに一生懸命という感じでしたね。

-- 今はいますか?好きなデザイナーさんとか、好きなパッケージデザインとか、好きなポスターとか

めちゃくちゃ結構ころころ変わるんですけど。アーティストとか作家さんだとたかくらかずきさんっていう(ピクセルアートっていうジャンル)。あとは海外なんですけど、Jessica Walshっていう女性のアートディレクターの人がいて、その人のインスタグラムとかも好きです。なんか見てて、ちょっと元気になるっていうのが。

-- 会社まずデザイナーとして会社に就職されたんですよね

はい、おっしゃる通りです。

-- 会社員時代って、どんなデザインを主にされてたんですか?

そうですね。まず一社目の新卒から就職した会社についてなんですけど、実はいきなりillustratorとphotoshop勉強したのに、使うソフトはCADだったんですよ。

-- ええ! 珍しいです(よね)?

なんで製図ソフトかっていうと、そこはパッケージの製造メーカーなんですね。なので、最初にやらないといけないデザインの仕事っていうのが、パッケージとか、化粧品重機とかの図面を引いて物を設計するとこだったんです。

-- 会社に入ってから学ばれたんですか?

(はい。)一から覚え直して。グラフィックもでもしっかりやりたかったので、上司とかに「グラフィックもやりたい」ってちゃんと伝えたり、早く設計を終わらせて、空いた時間で自分でグラフィック入れて、営業の人に「こっちでグラフィック提案したから持ってくれ」って言って、まあお願いしたりとかしたり。

当時はやっぱり、すごい面白かったです。なんかやればやるほど吸収できるじゃないですか。まだ全然レベルが低かったので、明日よりもあさってみたいな感じで、自分が成長して行くのがいちばんわかる時期だったので、本当に朝早くから夜遅くまで、もう会社に入り浸ってましたね。楽しかったです、うん。

-- 会社員時代と起業してからで、一番大きい違いって何なんですか?

独立してからの方が意外とデザインをする時間が無いです。

-- 営業活動とかあるから?

おっしゃる通りですね。あとは従業員もいるので、従業員の人に対して指示出したりとかすることが中心になってくるので、情報をまとめて外部の外注さんにお願いしたりとか、従業員の人にお願いしたりとかっていうハブみたいな役割になってしまってて。良いのか悪いのか分かんないですけど。あんまり最近デザインして無いかもっていう感覚があったりはします。

で、逆に会社員の頃は「デザイナー」っていう役割を与えられて、逆に言えばデザインだけしていれば良いぐらいのところもあったので、働き方っていうとその割合が変わるっていうのは、大きいかもしれないですね。

-- 確かにそうですよね。起業したら、営業しないとねいけないし、他のこともたくさんあるから。週末は何されてるんですか?

ぼーっとしてます。

-- そこで少し自分のことができるような感じですか?

そうですね。ずっと独立してから土日もしっかり働いている期間もあったんですけど、やっぱそれ続けると心と体のバランスちょっと崩しちゃうなって言う感じがしたので。だらけることは悪いことだと思わずに平日はしっかり仕事して、土日は結構ダラーと家でお菓子食べながらネットフリックス見たりとか。大丈夫か? っていうような生活してます。

-- ちゃんとオンオフが結構しっかり切り分けてる?

はい、特に従業員雇用してから強く思うようになったところがありまして、やっぱり自分がたくさん働いてしまうと、スタッフにも対しても「お前、それぐらい頑張れよ」って言いたくなってしまうんじゃないかな気がしていて。まあ、自分もスタッフと同じような働き方をしたらその目線で仕事のことを考えれるかなっていうのがあって。まあ、そういう意味でもしっかり休むようにしています。

-- うん、いいと思います! お手本ですもんね。ほかのデザイナーさんに起業は勧めたいですか?

困る質問ですね。これはどこを楽しめるかっていうところになるかなと思うんですけど。独立するとデザインの仕事だけをやられるわけじゃなくなってくると思うんですね。一人親方のフリーランスだったとしても、僕の考えとしては経営者であると思っているので。

例えば、仕事を前の会社から持って行けたとしても、その仕事が無くなった時に、新しい仕事を取るような何か腕とかスキルがあるのかどうか、っていうところとかも大事になってくると思うんですよね。だからデザインだけしてたりっていう人の場合は意外と、会社勤めのままの方がしっかりデザイン取り組めるっていう可能性はあるかなと思ってます。

-- メリットは会社員にもたくさんあるということですよね。

"(デザイナーが)ちゃんとした時間に出社して、帰って趣味とか家族の時間も持てて。それでしっかり生活もしていけるっていう、当たり前のことを当たり前にやれるっていう環境を、長く続けていきたい"

-- なんか作品を作るとき、インスピレーションというか、アイディアってどうやって降りてくるんですか?

作るぞってなってなんか降りてくるという感じではなくて。けっこう自由な時間が少ないので、普段からちょっとした瞬間とかに、あ、こういうの作りたいなとか、なんかの広告見た時に、あ、こういう表現いいなあとかっていう、そのちっちゃいなんかこうヒントを頭の中に蓄積していて、で何かそのあるタイミングで頭に溜まってた蓄積をなんか放出して作るみたいな感じですね。

-- 蓄積させるために、日頃から心がけていることとかってあるんですか?

ときめきって言ったら変な感じですけど、いいなーと思った時には「なんでいいと思ったのかな」っていうのをなんとなく自分で分析すると、頭の中に残りやすいかなっていう感じがしてます。「色使いがこれ素敵だからなんか目にとまったのかな」とか「写真がいいのかな」とかっていうのを考えて。

そういうのを頭に入れていっても、しばらくしたら抽象的なイメージに変わっていくんですよ。逆にそれが良くて。見てすぐに、なんて言うと、同じようなものができてしまうじゃないですか。でも頭の中にしばらく置いとくと、ふわーっとしたこう、画像がぼやけたようなイメージになるので。それを引っ張り出してきて作ると、前見たやつとは違うものにはなるんですよね。なんかうまく言えないんですけどね。

-- (引っ張り)出してるんですよね?

あー、そうですね。発酵していい感じになるのかわからないけど、別の味になるじゃないですか発酵食品も。そういうイメージですね。

-- いいものをたくさん見て、その良い部分が集まってきて、いい感じにブレンドしてって感じですね

そう、だからなんか無理して何か集めに行ってるっていうよりかは、お菓子のパッケージとかもけっこういいなって言うのとかあったら、こういう箔押しのキラキラ光るのいつか予算に余裕があるクライアントさんやりたいなとか、いろんな「いいなー」とか「今度やってみようかな」とかっていうのを集めるっていうことは別にお金かけなくても出来るんで。結構楽しい趣味みたいな感じです。

-- メモしたりとか絵にかくとかしてるんですか?

あんまりしないです。わりとどうでもよかったみたいなやつは逆に消えていくからいいかなと思ってるんですよ。その中でも特にこれはなんかやりたいとか、これはいいっておもったものは、たぶん長い時間経っても残っているので。なんか変にアウトプット途中でするよりかは、ふわっと、いつかのために頭の中でこう発酵させておくのが良いのかなって。

-- 頭の中、見てみたい。沢山いいものが溜まってるんですよねきっと。それ見てみたい。趣味の範囲でもデザインをしたりとかってされてますか?

結構あります

-- どんなことされてます?

コラージュが多いですね。あの写真とか CGとかを組み合わせて一個の作品を作る。まあ切って貼って作るっていうようなイメージなんですけど、ベタベタっていろんなものを貼り合わせていくっていうような。

基本、普段の仕事って法人の資料を作ったりとか、パンフレットを作ったりとか、割とルールとかがしっかりした製作物っていうのが多いので。そこから解放されて、好きな色使って自由に作るっていうのは、結構真逆な。同じソフトを使ってるんですけど、けっこう真逆の行為っていう感じがして、いい感じにストレス発散になります。

-- 仕事になっちゃうと嫌になってきちゃって、(デザインを)好きじゃなくなっちゃった、みたいな話を聞いたことがあるので、仕事もデザイン、仕事以外でもデザインしてるって、デザインを愛してやまないって感じですね

まあ、他に趣味がないっていうのも理由の一つかもしれないんですけど。

-- 最後に富永さんのグラフィックデザイナーとしての今後の野望みたいなものあれば知りたいです

グラフィックデザイナーって結構、精神的にも体力的にも、長時間労働だったりしてハードな環境っていうイメージがすごく強いと思うんですね。実際そうであることが多い。ただまあ、独立したからには、僕は逆にグラフィックデザインっていう仕事を普通の仕事にしたいっていう気持ちがあって。何て言うんだろう。ちゃんとした時間に出社して、帰って趣味とか家族の時間も持てて。それでしっかり生活もしていけるっていう、当たり前のことを当たり前にやれるっていう環境を、長く続けていきたいっていうのが、まあ野望で。もっと言えば、週休3日とかにしたいですね。

-- いいですね

それでもちゃんとご飯食べていけるんだよっていう風に見せることができれば、「デザイナーになってみようかな」って別の角度から興味を持ってくれる人もいるんじゃないかなっていう気がしてます。

-- なるほど。ってことは、今は結構デザイナーの仕事忙しくて大変だから嫌んなっちゃうみたいな人は結構いるいるんですかね、実際?

一番わかりやすいので言うと、まあ育休とか産休で休まれて後に、最前線にご両親で復帰されないっていう方とかも割と聞いたりするんですね。皆さん、今までのようなハードな働き方はちょっと難しくなって。一線を退いて、例えばクラウドワークスとかクラウドソーシングを通じて仕事を受ける形にシフトされてたりとかするので。

そういう意味では、そういう実力ある人が会社に戻れないって結構損失じゃないですか? そんなことしなくても回っていくよね、っていうやり方をしっかり作っていきたいなあっていうのは、まあ今全然なんですけど、そういうふうな方向で頑張っていきたいっていうのは思ってます。

これお客さんが聞いたら休みたい休みたいって言ってるみたいだけど、、(失笑) でも、それでもしっかりお客さんに対してはより良いパフォーマンスを出していきたいっていう、その両立をね、しっかりしたいなって思っています。

-- そうですね、効率的に

あ、おっしゃる通りです。

-- クライアントさんにとってもね。オーバーワークですごい疲れたままクオリティーが「あれ?」ってなるより、スタッフが増えて週4日になった方が良いですよね

そうですね。もうそのままクライアントさんに言いたいぐらいです、今の台詞を。

-- 言ってください! これ送りましょう(笑)

インタビュー全編はこちら↓

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