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日本の食文化が危ない。八百屋が「日本一かっこいい」を目指す意味とは

それではここからは後半編、起業当時のお話をお聞きしていきたいと思います。

「日本一かっこい八百屋」の旗揚げ

――会社を起業した当時のお話をお聞きしたいのですが、何か下準備とかはされていたんですか?

そうですね、やってたことは三つあって。

1つ目は、事業計画ですね。岩崎(現:取締役副社長)と週に一回集まって、事業計画をめちゃくちゃ作りこんでいました。僕らは産業スパイなんで(笑) スーパーが儲かる仕組みとか、八百屋の儲かる仕組みを分析していました。

2つ目に、創業地を考えていました。僕ら八百屋にとって「仕入れ」ってすごい大事な要素なんです。だから、大都市の市場を視察に行って、商売が始められそうな市場を探してました。

3つ目に、資金集め。ドン・キホーテに「熱烈商店街」っていう企画があるんですよ。コンペに出して、通るとドンキの中にテナントとして入れるんです。お金を集めるために、そういうのにもトライしていました。もちろん金融機関にも話をしに行きましたね。あとは大学時代のNPO活動で知り合った社長さんや所長さんにも回って相談しに行ってました。僕たちは障がい者も雇えるような店づくりをしたい、って。そしてついに、ある社長さんが融資してくれることになったんです。

「お前らの真面目さと、面白いことを考える発想力は知ってるから、俺がお金貸すよ」って言ってくださって。(泣)

その時、融資の条件として彼から出された条件が2つあって。

1つは、一店舗目は大阪に出すこと。最初のチャレンジは、自分の目の届くところでやってほしいということでした。

もう1つは、儲かってからじゃなくて、最初から障がい者の子を雇用してほしいということ。この社長の哲学として、「雇用先にありき」ってのがあって。事業が儲かり始めたから、雇用増やしたり、教育したり、障がい者雇用をやったり…っていうのは違う、という話。「この人を雇用するためにどんな事業をやればいいのか」ということを考えろという教えでした。

――「雇用先にありき」、いい言葉ですね。大阪という条件があった中で、現在の商店街にしたのはどういった理由があるんですか?

実は、あの商店街の中で3回移転してるんですけどね(笑)

今の商店街にした理由としては市場に一番近いっていうのの他に、300メートル先に松下幸之助の創業の地があるっていうのがあって。縁起いいねっていう(笑)

――そうなんですね!確かに縁起よさそうですね(笑)

業界をアップデートしないと、日本の食文化が危ないと思った。

そもそも「八百屋を日本一かっこよく」っていうテーマを掲げていると思うのですが、その理由はどこにあるんでしょうか?

八百屋を運営するにあたって一番苦しんだのって...人材採用だったんです。八百屋って仕事…実はめちゃくちゃ面白い仕事なんですよ。こんなに魅力があるのに、この業界は若い人たちに不人気。必要とされてるし、他の商店街からのオファーもあるし、自社の売り上げもぐんぐん伸びてる…でも、人材が足りなくて手が打てないっていうもどかしさをすごく感じてました。だから、この仕事を「かっこいい仕事」に代えていくことで、若い人たちにどんどん参入してもらいたい。採用という切り口で、業界をアップデートさせていきたと思ったんです。

そもそも人間って食べないと生きていけないから、食料品の物流ってインフラ事業なんです。なのに、スーパーってどこに行っても同じようなものが同じように売られてる…革新性を感じられない。消費者の人も、働き手も飽きてきているんじゃないかと思ったんです。なんで革新性がないのか?僕は、若い人が参入してこないからじゃないかと思うようになりました。僕は、このままだと日本の食文化も廃れていくのではないかという危機感さえもってる。だから、「日本一かっこいい八百屋」として業界のアップデートをしたいんです。

そして、転機。「日本一かっこいい」が加速した出来事とは

――今年で創業から9年と半年とのことで、今でこそ「日本一かっこいい」というキャッチフレーズが浸透しつつあると思いますが、手ごたえはいつからありましたか?

まだ4年位前ですね。その時何があったかというと、名古屋に進出して、その店舗がよく売れたんです。そのタイミングで会社はV字回復で財務体質がよくなりました。正直言うと、それまでは全然儲かってなかったんです。赤字か黒字かみたいなところをうろついてるみたいな…。あんなに事業計画練ったのに(笑)絵に描いた餅でしたね。

――名古屋に進出したきっかけって何ですか?

修行させてもらってた当時の勤め先(スーパー)の社長に相談したんです。その当時、僕らは6億の売り上げでしたが経常利益は限りなくゼロに近かった。この状態を続けていても従業員を幸せにできないと感じていました。やっぱり経営は甘くないなと…「感動したい」というオモイだけでは立ち行かないのかなと弱気になっていました(笑)

相談に乗ってくれていた社長が「閉める予定の店舗があるから、そこを八百鮮としてやってみるか?」と提案してくださったのです。僕らはその当時、そのスーパーの社員でもありましたから決算内容は承知していました。すごく優秀なお店であることは知っていたんです。またとないチャンスだと思い、「やらせてください!」と頭を下げました。ノウハウも欲しかったし、売り上げも欲しかったし、利益も欲しかったんです(笑)

会社を辞めて起業した…こんなめちゃくちゃな僕たちをこんな形で救ってくださった社長には本当にもう感謝しかないですよ。社長はよく「儲けることができなければ誰も幸せにできない」とおっしゃっていました。経営の本質はオモイだけでは成り立たないということを教えてもらいました。

名古屋に進出したことでよかったことって他に何がありましたか?

実際に名古屋の店舗をやらせてもらうことで、数えきれないほどの店舗経営のノウハウを学ばせてもらいました。売り上げも利益も残るようになったおかげで、従業員の待遇を改善できたのが良かったと思います。加えて、利益を投資に回せるようになり大阪に新たなお店を作ることもできました。精肉事業も開始することができました。それがまた大阪の売り上げと利益アップにつながりましたね。

――投資の基準ってどういったものですか?

その投資をして、従業員が幸せになるかどうかです。それをせずに会社を大きくすることだけ、自分の年収が上がることだけを考えていると、親父の会社の二の舞になる。(笑)あくまでもお金儲けは手段であり、目的は人の幸せ、人の感動です。手段を目的化しないように投資判断はしないといけないと思っています。あと、全店を日曜日休みにしました。

愛が伝導していく八百屋って、もはやなんなんだろう(笑)

――「ひと」への想いがものすごく強いと感じるのですが、従業員への想いについて詳しくお聞きしたいです。

僕は、従業員のことを大事にします。それが経営者としての全てだと思ってる。従業員の笑顔や豊かさのために会社をやっているんです。でもそれは、みんなから見返りが欲しくてやってるわけじゃなくて。受け取った愛を、僕に返すんじゃなくてお客さんや家族に与えてほしいと思っているんです。伝導していきそうじゃないですか、愛って(笑)

――そうですね。私も今起業して、それを実感することがしょっちゅうあります。他者の社長さんが相談に乗ってくださったり、ご飯に連れて行ってくれたりするんです。それって、彼らが創業期に他の社長さんからしてもらったことの還元なのかなって。

そうそうそう(笑)従業員には、社長がちゃんと自分のことを見ててくれたんだなって思ってほしい。この社長だったら大事にしてくれるな、とか。そして、愛を誰かお客さんとか、ほかの人に渡してほしいですね。

――愛が伝導していく八百屋って、めちゃめちゃかっこいいですね。究極的にはお客さんに渡った愛も、市原さんに返っていきますし…本当いいサイクルですよね!

八百屋を超えていけ。「日本一かっこいい八百屋」が見ている未来

――それではこれから、八百鮮をどうしていきたいか、というビジョンについて教えてください。

5か年ビジョンっていうのがあるんですよ。売り上げとか、売りつくし、発信力、働きがい、採用力…ってところを、小売業界の中で日本一にしたいんです。もっと具体でいうと、例えば売り上げ60億、店舗3店舗、新卒エントリー1000人越え…とか。大きなビジョンとしては、この5年間で、食品の小売業界で日本一になるということですね。そうすることで八百屋の地位を上げたいし、「こんなに面白い仕事があるんだ!」って興味を持ってもらいたい。

さらにその先まで僕はワクワクしてて(笑)勝手に思い描いてるビジョンですけど…リアル店舗の必要性ってエンターテインメント化していくんじゃないかなと思っています。その、八百屋のエンターテインメント化を東京でやりたいです。リアル店舗だと、一日の客数って5千人とかが限界じゃないですか。でも例えば、VRとかアプリをSNSと絡めてやれば、一日の来場客数は5万人や10万人に膨らむ可能性だってある。東京の高い家賃を払って僕らの八百屋を発展させようと思ったら、入口をリアル以外にも広げていかないといけないと思ってます。そういうことにチャレンジする八百屋、かっこいいでしょ?(笑)

―――かっこいいです!!
本日は過去の話から起業に至るまで、そして業界事情まで詳しく話してくださりありがとうございました!
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