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異年齢児保育で育つ「思いやりの心」とは?

今回は、夏ならではの保育の様子を追ってみました。

子どもの人間力を高めるためには?

昔は、兄弟や近隣の子とのかかわりが多く、子ども同士がその中で様々な成長を助け合う姿がよくみられましたが、近年の子どもの環境は大きく変化していて、子ども同士の関りが薄れてきているようにも感じます。 保育の中で「縦割り保育」という保育の仕方がある事を皆さんは知っていますか? 通常の保育では、年齢ごとに過ごすのですが、縦割りというのは、3歳・4歳・5歳の子どもが一緒の空間の中で過ごすことを指します。 そこにある保育のねらいは「子どもの人間力を高める」という目標が掲げられています。 人間力というのは、同年齢の子と共に過ごすだけでは育ちに限界があります。そこで提案されたのがこの「縦割り保育」なのです。

では、縦割り保育とはどのような保育なのか?

この縦割り保育皆さんはどのような保育だと思いますか?私たちのように成人してしまうと、自分の年齢の前後1歳の人との年齢の差は大して違いはないと思うかもしれません。では、自分の年齢と前後10歳ではどうですか?大きく差がありますよね。幼児期は、この感覚と一緒で子どもの「1ヶ月=1歳」「1年=10歳」位の成長の差があります。 なので、子ども同士が受ける成長の刺激はかなり大きいものになります。 子どもの上下の関係が家庭環境で薄れているのならば、保育園でこの上下関係の育ちを育てていくのは大切だと言えます。 第二青南保育室では、縦割り保育を推奨して行っているわけではないのですが、4歳・5歳の子どもの人数が少ないため、午後の時間は人数によって合同の保育をしてすごしたりしています。 また、夏は各クラス子どもが少ないので、合同保育を行い、そこで縦割り保育が自然と行われている姿も見られます。 先日、縦割り保育を行うというので1日密着させていただきました。 ここ数日、縦割りを行っているそうで、朝登園してきた子ども達は「今日も一緒だね!」と嬉しそうな様子。先ずは自由遊びからのスタートで、3歳児の子が磁石で付着するおもちゃとクリップのおもちゃを組み合わせて、可愛らしい形にし、丁寧に並べていました。「これね、お姉ちゃんに教えてもらったの!」と5歳児から教わったことを嬉しそうに話してくれました。縦割り保育では、遊びの発想力の幅を広げることもできるんですね。



その後は、子ども達が大好きなプールの活動を行いました。 プールの水が顔にかかるのが苦手な3歳児の子がいると、4歳の子が自分の身体で守ってあげたり、5歳の子が顔にかかった水を手で拭ってあげたりと思いやりの姿がここでも見られていました。 プールから出ると、給食の時間。 5歳児の子は配膳服に着替えてコップを配ったり、保育士の配膳の手伝いをしてくれました。 4歳・5歳が配膳された食器を、正しい置き方に並び替えていると、3歳も真似して食器を並べ替える姿が見られました。これも子ども同士から学ぶ成長ですね。 食事の際に、5歳児は箸を使っていたのですが、その姿を見て「私も早くお箸使ってみたい!」と話す子ども達。こうしたかかわりの中で5歳に向けての「憧れる姿」も見られました。 食後の自由遊びでは、3歳児同士がおもちゃの取り合いでトラブルが。 保育士が止めに入る前に、5歳の男児が「どうしたの?言葉で話そうよ。」と優しく諭す姿が。 大人が介入すると、子ども同士が自分の気持ちだけを訴えて長引いたりするんですが、子どもが介入すると、トラブルが長引かないことが多いんですよね。これは子どもの持つ「不思議な力」なのでしょうね。 昼寝では、なかなか寝付けない子の背中を優しく撫でて寝かしつける5歳児の姿も。 縦割り保育を通して、子どもがお互いに「おもいやる」そんな姿をたくさん見ることができました。

大切にしていきたい、子ども同士で育つ思いやりの心

この日、主で動いていた先生に、縦割り保育についてお伺いしてみると、「子どもの人数が少ない夏場は、縦割り保育がよく行われ、普段は見られない姿が多くみられます。保育の中で『おもいやり』を育てるのはとても難しいのですが、異年齢の子と関わる中で『自然と人を思いやる心』が育っている気がします。勿論、良いことばかりではないですが、そこは保育士がサポートしながらより子ども達の関係が築けるように努めています。」というお話が返ってきました。 子どもが成長する中で必要な人間関係の形成や思いやりは、少子化が進む現代はとても難しい、だからこそ私たち保育士が、保育の現場で大切にしていかなければならないことの一つなのかもしれませんね。

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