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日本の新築住宅市場の動向から見るこれからの需要

日本の社会は少子化の問題が更に悪化して歯止めが掛からない状況になっています。そして、その社会的状況は住宅市場にも影響を及ぼしていて、住宅会社にとっては苦戦を強いられているところも少なくありません。
しかも、経済を考えても若い世代が住宅取得に有利かと言うと、なかなかその様には行かず、難しくなっている現実もあります。
では、現状の新築住宅市場の動向はどの様になっているのでしょうか。また、そこに見える需要にはどの様な物があるのでしょうか。

日本の新築住宅市場の動向

住宅の新築住宅市場に関しては、野村総合研究所が非常に有益な研究結果を発表しています。これは次の3点の予測結果です。

・2021~2040年度の新設住宅着工戸数
・2020~2040年度のリフォーム市場規模
・2020~2030年度のZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)着工戸数、およびストック数(着工戸数の累計)

これによると、新設住宅着工件数は2040年まで減って行くものの、リフォーム市場は概ね横ばい、ZEHに関しては2024年くらいまで上昇、その後は若干の減少と予測されています。また、ZEHのストック数は増え続けそうです。

※参照HP 
野村総合研究所、2040年度の住宅市場を予測 https://www.nri.com/jp/news/newsrelease/lst/2021/cc/0608_1

中古住宅について

ここで中古住宅につい考えてみましょう。
中古住宅に関しては、国土交通省が参考になる調査をしています。これは「住宅市場動向調査」と呼ばれる物です。毎年住宅を購入した人たちを対象にする調査なので、状況を反映した調査と言うことが出来ます。
さて、この調査結果を見てみると、大変興味深い数字を見て取ることが出来ます。と言うのは中古戸建てと新築戸建ての価格差です。その中を見てみると、中古戸建ては新築よりも25%ほど安く買える…という集計があります。
ところで、ここで考えたいのが中古住宅の品質です。
中古住宅は現状の新築住宅よりも仕様の点で劣っていることは明白と言えるでしょう。設備にしても外まわりにしても、多くの場合が老朽化していたり古い仕様のままだからです。例えばキッチンの場合にはディスポーザーなどの新しい設備は古い住宅にはあまり見られません。
しかし、住宅の基本構造の部分は、住宅の法定耐用年数を大きく超えても使われている実績もあります。また、鉄骨系の住宅などは元々の耐用年数も長いことから、相当な長期間の使用も問題ありません。
このことから、現段階で流通している中古住宅は、適切にリフォームさえすれば、相当に長く使えると結論付けられます。

これから求められる物とは

それでは、これから求められる物とは何でしょうか。
それは、やはりリフォームに関する知識や施工力となるでしょう。前述のデータの様に新築住宅市場の動向はあまり明るい未来があるとは見えません。その一方でリフォーム需要は変わらないので、リフォームの得意な企業が勝ち残ると思われるからです。
新築住宅とリフォームを比べるならば、確かに新築住宅は利益などの点で劣るかも知れません。リフォーム工事には部分的な案件も多いからです。また、リフォーム工事は新築工事よりもレベルの高い仕事が必要なこともあります。仕事としての「旨味」をあまり感じないことも多いでしょう。
しかし、企業の利益はマーケットあっての物。マーケットの要求がリフォームにあるならば、そこでの適用が望まれるのです。

ノウハウ蓄積の重要性

さて、リフォームへの特化が必要になるとも思われるのですが、それでは企業はどの様に対処すべきでしょうか。
これには「ノウハウ蓄積」が最重要となるでしょう。
ただし、これは情報の収集や職人のレベルアップだけが課題ではありません。他社との差別化が必要となるのです。例えば、それが技術の蓄積を課題と考えるならば「特殊な納まりなどへの対応」(ただし、建築資材メーカーの許す範囲)、「資材に関する技術的知識」、またコストダウンならば「資材調達先の更なる開拓」など、差別化がカギとなるのです。
尚、資材に関する技術的知識などは、メーカーの説明書記載の内容を知るだけでは不足かも知れません。メーカーの出している数値などが「なぜそうなっているのか」を、ある程度にしろ理解出来る科学的知識まで必要になるかも知れないのです。

まとめ

新築住宅市場の動向と、それから見える展望について考えてみました。リフォームがカギとなること、それに対する方策についてイメージが出来たことと思います。また、差別化がカギになることも分かったことでしょう。
マーケットを取るためには「勝つための武器」が必要です。アイデア次第とも言えるので、ぜひともネタ出しに挑戦してみましょう。

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