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No Codeの登場で、管理画面・社内ツールはバックエンドの仕事になった

エンジニアにも届いた、No Codeの盛り上がり

2020年の一年間を通して、No Code(ノーコード)ツールが大変な注目を集めたことは、記憶に新しいかと思います。Queue社内でも大きな話題になり、開発者ミーティングのトピックとして、No Codeツールを調べて共有するということが3ヶ月ほど続きました。

当時のモチベーションとしては、「No Codeツールとは言いつつも、コーディングの知識があった状態で使ったほうが効果を発揮するよね。だから、エンジニアこそキャッチアップしたほうがいいよね。」という共通理解があったように思います。

その中で、Producthunt にリスティングされていたように記憶してますが、Retool というツールを発見しました。これは社内ツールや管理画面の作成に特化したツールで、そのときに「Internal tools」というトピックがあることも知りました。

Retool は非常に柔軟なツールで、AWSと接続することで、データベースの操作ができる管理画面を、自由度高く作ることができます。アップデートも早く、どんどん新しい機能が増えています。データ元に、Airtableやスプレッドシートなども使うことができるのも嬉しいポイントですね。

しかしながら、学習コストはしっかりとしたものがあります。

「管理画面」というトラップ

管理画面や社内ツールは、プロジェクト進行の中で工数が読み忘れられがちだと感じます。もちろん、エンドユーザー向けの機能の方がプライオリティが高く、議論がそちらに集中するのは自然な事かもしれません。

一方で、管理画面のほうがむしろ機能が多いこともあり、ローンチ寸前にオペレーションが固まっていないようなことも、一般に少なくないのではないでしょうか。

忘れられがちだけど工数が少なくない。その点で、「管理画面や社内ツールに特化したNo Codeツール」は課題解決として優れていると思います。

No Codeツールによって、管理画面はバックエンドの仕事になった

Retool を使い始めて感じたメリットとしては、とにかく実装が早くなるというのが一番大きいです。DynamoDB や MySQL のクエリを打つことができ、Lambda の関数も実行することができます。また、前述のように様々なデータソース対応しています。これらを使った管理画面の実装を、フロントエンドにお願いすることなく完結することができることが素晴らしいです。

フロントエンドにお願いして作ってもらうケースですと、どうしてもコミュニケーションコストが少なからず発生しますし、専用のAPIを創る必要も出てきます。管理画面は基本的には凝ったUXは必要ないと思うので、Retoolで十分な実装ができていると感じています。

また、ビルトインのコンポーネントも非常に高機能で、例えばテーブルコンポーネントではページネーションやCSVエクスポートがついてきます。実装したことを考えると大幅な工数減になっていますね。

実際にオペレーションする人たちとのコミュニケーションもむしろスムーズになったと感じます。たとえばセールスチームのための社内ツールを作っているときには、先に欲しいレイアウトをRetool上でコンポーネントを配置することで描いてもらい、それに対してクエリやAPIをつなげるというフローができるようになりました。

そもそも、管理画面の構築ではDBの設計やクエリ効率を理解していることが重要なことも多いので、プロフェッションの分離という観点でも、バックエンドが管理画面を作れるようになったのは良いことだと感じています。

「管理画面」以外にも広がるスタック

データを操作するための管理画面以外でも、こういったスタックは広がっていると思います。たとえば、社内のデータ分析・可視化は、BigQuery + Data Studioで構築しています。これケースでも、実装工数は非常に少なく済み、すばやく仮説検証を回すことができるようになりました。

こういったツールの登場によって、ひとりのエンジニアのできる仕事の範囲が広がっているのを感じています。

語り手

荻野友希 - サーバーサイドエンジニア


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