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国際物流の「アンフェア」な構造を変えたら、3年で全国展開できた話

こんにちは、CEOの一木です。今回は、当社が日本各地の物流事業者様と「パートナー体制」を組んだ経緯をお話ししたいと思います。

当社は博多でサービスを開始後、3年間で大阪、名古屋、横浜へと事業を広げ、現在は全国20カ所のパートナー企業様とともに輸出物流事業を展開しています。一気に全国展開を果たせた理由は、パートナー企業様と共に収益を伸ばせる仕組みを作ったことにあります。

国際物流の複雑なノウハウ

国際物流の仕事内容は一般にはあまり知られていませんが、手配しなければならないことが非常に多く、かつ専門的なノウハウが必要になります。

車を輸出する時は、まず車をお預かりする「入庫」の作業をします。次に、車が売れるように写真撮影をする「商品化」があり、この時に状態のチェックも行います。そして、コンテナの前に車を並べていく「出庫」、次いで荷物をコンテナに積み込む「バンニング」を行い、通関の手配をして輸出するという流れです。

言葉にするとシンプルに見えますが、実作業では10を超えるステークスホルダーが存在し、多くの調整業務が発生します。このブラックボックス化している工程を可視化するため、当社では3年前にプラットフォーム「La-Plus(ラプラス)」を開発しました。

La-Plusはコンテナ単位での管理が可能で、ステークスホルダー間でリアルタイムの情報共有・更新が出来る仕様にしました。これにより、業務全体の工数を4分の1まで削減出来ています。(La-Plusは2019年夏から外販開始予定)

そしてもう一つ、物の流れをスムーズにするために必要不可欠と考えたのが、協力会社様へのノウハウ共有の仕組み化です。国際物流では、設備の整え方やバンニングのやり方など、どのノウハウが欠けても収益性に影響します。例えば、お預かりした車を並べるレイアウト一つをとっても、土地の形状によって入出庫しやすい並べ方、最も多く入れられる方法というのがあります。

しかしながら、技術・ノウハウを公開するのは「飯の種を失くす」ことになるので、これまでこの業界では積極的に行われてきませんでした。見方を変えると、それだけ属人化している業界でもあったわけです。

ターニングポイントになったのは博多のみで展開していた事業を大阪に拡大しようと考えたタイミングです。当社には、蓄積してきた経験から成功フレームがすでに出来ていました。このノウハウを全て協力会社様に教えれば、お互いの成長スピードが向上すると判断し、パートナー体制の構築に踏み切りました。(技術を提供すれば、当社に関わる方々に喜んでいただけるということも判断に至ったポイントです)

その後、当社の提案にご賛同いただいた現地の物流会社様が増えていき、3年間で全国20カ所のパートナー企業様と一緒に事業展開するに至ります。

現場を一つ作るのに2000万円のリスク

車の輸出を一から企画すると、車をお預かりするための土地の準備に始まり、フォークリフトなど設備の手配、作業員の調整など、完了するまでには3カ月から半年ほどの期間を要します。

規模によって変わりますが、お金に換算すると、一つの現場を作るのに必要な予算は2000万円ほど。当然、お客様と値段交渉もしなければなりませんが、どれくらいの収益を取れるのかはスキルによるところが大きいため、常に高いリスクを伴う事業構造になっています。

当社が採用したのは、ノウハウを結集した物流スキームを現地の物流会社様に導入していく手法です。コンビニのフランチャイズを想像してもらうと分かりやすいのですが、「こうやったら、このくらいの利益が出る」という成功ロジックをベースに地域によってのローカライズを進めていきます。

仕事は当社が営業して受注してきますし、現場の作り方も当社が指導します。パートナー企業様は、それまで抱えていた資金面のリスクや収益性の心配がなくなり、作業した分だけ利益が上がるというビジネスモデルへの変革が可能になります。

当社にとってのメリットは、圧倒的なスピード感で市場開拓できることです。仮に当社のリソースだけで現場を作っていたら、一つの現場に半年かかるとして、全国20カ所で展開するには10年かかる計算になります。

そして、もう一つの大きなメリットは、全国に物流現場を作れたことで、日本全体の輸出動向予測を精度高く出来るようになったことです。現在、日本の輸出に占める割合は横浜港が40%、大阪25%、名古屋20%、博多15%です。

当社には全国の現場からリアルなデータが集まるので、より高いレベルの予測値で各地の作業負荷を調整することが出来るようになっています。

「アンフェア」を排除していったらパートナーの関係に


ここまで、パートナー体制のメリットをお話ししてきましたが、そもそもこのスキームを導入した背景には、私自身が「アンフェア」な関係が好きではないということがあります。

現地の作業会社様は、いわゆる下請け企業のリスクを抱えています。自分たちで仕事を受注出来るわけではないので、物量をコントロール出来ずにリスクだけ負うという悪しき商習慣が見受けられました。

「リスクを正しく理解しビジネス設計を行う。」これが私の考えです。ゆえに、当社のパートナー体制では、スキームによってリスクを最適分配しパートナー企業様と共に伸びていく「フェア」な構造を常に目指しております。

貨物は当社が営業活動を行い、現場に関しても共同で構築いたします。パートナー企業様は、それまで抱えていた資金面のリスクや収益性の心配が低減でき、物量に応じて収益が上がるというビジネスモデルへの変革が可能になります。

例えば、トヨタ自動車さんは下請け会社さんに対してコスト面での要求もしますが、同時にコストを下げる方法も共同で考えられています。これは見本になる考え方だと思います。

要求に応えられないなら売らない、買わないといった関係は建設的ではありません。

共に考え、第三案を提案できる関係があれば、互いに収益を上げていく構造はいくらでも作れるはず。私はそのスタンスのほうが性に合っているので、出来ないと言われたら理由を聞くところから始めますし、上手くいかないことがあれば一緒に解決します。

そうしているうちに自然にパートナー体制の仕組みが出来ていき、結果として現在の当社の強みとなりました。

ビジネスにおける透明性

「業界あるある」の一つですが、物流業界ではステークスホルダーの誰かが予測を誤ったが故に周囲が損害を被ることがあります。人間なので見誤ることはもちろんありますが、悪い状況になった時、信頼を置いている人にはすぐに包み隠さず話すものです。逆に信頼感がないと、隠したり先延ばしにしたりします。

信頼関係というキーワードは私が強く意識していることの一つです。情報共有ツールを整備するのはこの業界の課題ではありますが、それ以前に、信頼関係をちゃんと作った上で運用していくことが重要になります。

信頼はビジネスにおける透明性がもたらすもの。当たり前ですが、不透明な仕事をしていたら信頼感も曇っていきます。

ビジネスモデルというのは、経営者の考え方が反映されます。私は、誰かが常に目を光らせていなくても勝手に強くなっていく仕組みが理想だと考えています。全ステークスホルダーがベストを尽くせるビジネス設計にすること。それがやっぱり一番強いと思います。

物流業界は多くのが課題を抱えており、2020年代には業界そのものの構造が変化してもおかしくないと考えています。私の考え方に共感していただける方が一人でも増えると幸いです。

話を聞いてみたいという方はぜひ遊びに来てみてください!

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