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”ラコステ”がコロナへの取り組みで世界中から大絶賛!気になるワニのロゴについても調べてみた

新型コロナウイルスによって、大打撃を受けた企業もあれば、危機をチャンスに変えて前進した企業もあります。フランスのアパレルブランド「LACOSTE(ラコステ)」は後者だと言えるでしょう。

同社は2020年4月に世界的なマスク不足が起きると、早速フランスの従業員からボランティアを募って10万枚のマスクを生産。主要団体や介護施設に寄付しました。その後もアルゼンチンとトルコの向上を稼働させて生産量を20万枚に増やし、医療機関が必要とする限りこの取り組みを続けると宣言しました。

5月にはYoobicというテクノロジー企業と協業し、リアルタイムの安全衛生管理システムを店舗に導入しました。顧客は店舗に設置されたQRコードを読み取ることで、店舗が最後に清掃された日時、店舗内にいる顧客人数、衛生管理に関する詳細情報を知ることができます。この詳細情報には、外注の清掃サービス、空調システムの点検・クリーニング実施日、試着室や決済端末機の消毒情報など、かなり細かな内容まで含まれており、来店者の不安を払拭することを徹底しています。

また、店舗の入り口にもQRコードが設置されており、顧客はそのQRを読み取ることで店内のリアルタイムな在庫状況を確認し、その場で商品をオンライン購入することも可能に。顧客は店内に入ることなく、店外または車の中で商品を受け取ることができるのです。

6月には前線で働く医療従事者やボランティアの方々への感謝を表した限定ポロシャツを販売。販売収益はすべて国際赤十字・赤新月社連盟の欧州全域での活動、およびその他の世界中の機関を支援するために利用されます。

こうしたラコステの新型コロナウイルスへの取り組みは世界中から称賛され、ブランドイメージを大幅に向上させることに成功しています。


ところで、ラコステのロゴマークはどうしてワニなのでしょうか?

かなり見慣れたマークにもかかわらずその由来が謎だったので、ラコステというブランドについて、そしてワニである理由について調べてみました。


ラコステはポロシャツを発明したブランド

ラコステは1933年、フランスの元プロテニス選手であるルネ・ラコステによって設立されたファッションブランド。

今や世界中に知られる説明不要のブランドですが、彼らは創業時からセンセーショナルな存在でした。

なぜなら、ラコステはポロシャツを発明したブランドだから。

ラコステが生み出したポロシャツは、テニスウェアのみならずファッション業界に革命をもたらし、あっという間に世界を魅了しました。


名テニスプレイヤー ルネ・ラコステの偉業

時計の針を1920年代に戻しましょう。

才能あふれる若きテニスプレイヤー、ルネ・ラコステは、エレガントなプレイスタイルやフェアプレイの精神で人気を博していました。


ラコステが率いるフランスチームは「4銃士」と呼ばれ、当時デビスカップ7連覇を果たすなどして史上最強の名を欲しいままにしていたアメリカチームに果敢に挑戦。

2度破れたのち、1927年にようやくアメリカを破ったとき、フランス中が歓喜に沸き、念願のデビスカップはルーブル美術館に展示されるなどして、多くの人々の記憶に刻まれました。

ラコステ個人としてもこの時期にグランド・スラムを制覇し、世界ランキングの上位に君臨する活躍を見せます。

突然の引退、そして革新的なテニスウェアの開発に挑戦

しかし、1929年。ラコステは突然の引退宣言を発表します。

原因は諸説ありますが、結核を患っていた説が有力みたいです。ラコステは引退後、新たなチャレンジをスタートさせました。

彼は現役時代から、ボタン付きの分厚い長袖シャツを着用するテニスのスタイルが運動にふさわしくないと感じていました。

格式やエレガントさが求められるスポーツとはいえ、もっと動きやすいウェアが作れないか

そんな疑問を持ちながら過ごしていたあるとき、ポロという馬に乗って行うスポーツの服装から素晴らしいひらめきを得ます。


その服装とは、やわらかな生地でできた半袖衿なしシャツ。これに襟とボタンをつければ、テニスの伝統的なマナーを乱すことなく実用的なシャツができるはず。

彼は早速、ルーズニット生地の専門家であるアンドレ・ジリエの協力を得て、最初のポロシャツのデザインを完成させます。


完璧を求めて改良を重ね、ついに理想のポロシャツが誕生

その後、通気性を追求して有名なピケコットンという生地を開発。完璧主義のラコステはさらにデザインに改良の余地がないものかとテストと試着を繰り返し、1933年にようやく納得のいくポロシャツができあがりました。

実用的でありながら、Tシャツよりもエレガント。スマートなルックでありながら、ドレスシャツよりもリラックスできて快適。

それは、これまでにない新しいファッションスタイルの誕生であり、まさに老若男女、誰もが着られるアイテムとして世界に衝撃を与えました。

テニスプレイヤーだけでなく多くの人たちに受け入れられることを確信したラコステは、初めての広告キャンペーンを機に正式にブランドを立ち上げ、ファッション界に進出。

業界のレジェンドとなる第一歩を踏み出したのです。


ラコステがファッション界にもたらした、もう一つの発明

ポロシャツの発明とともに、ラコステが起こした革命があります。

それは、ファッション業界で初めて、服の外側に堂々とブランドロゴをあしらったということ。

当時はブランドロゴといえば服の内側やタグに隠されているものでしたが、彼らは大胆にも左胸の上にロゴを刺繍しました。

2代目代表のベルナール・ラコステは「ラコステの本当のオリジナリティは、初めてロゴを服の表に出したことだ」と述べています。

今でこそ服の表にロゴを刺繍するブランドはたくさんありますが、これもラコステが生み出したアイデアだったのです。



ワニのロゴは、ラコステのニックネームから誕生した

さて、ロゴについての逸話が出たところで、いよいよ本題です。

どうして、ラコステのロゴはワニなのか?

実はこれ、ルネ・ラコステの現役時代のニックネームが「ワニ」だったことに由来します。

彼はある日、ワニ皮のスーツケースに一目惚れし、コーチに「試合に勝ったらこれをプレゼントしてくれ」と申し出ました。

結局その試合は負けてしまいましたが、そのエピソードを聞いたジャーナリストが、彼の食らいついて放さない粘り強いプレイスタイルと重ねて「ワニ」と表現したことが全ての始まりだったそうです。

彼自身もそのニックネームを気に入り、友人にワニのロゴデザインを依頼。1927年のデビスカップでワニのロゴを刺繍したブレザーで登場するなど、ラコステ創業前からワニのロゴへのこだわりが強かったのです。

それ以来、大きな大会で好成績を収めるようになったことから、ラコステ自身はゲン担ぎのつもりでポロシャツの胸にもロゴを刺繍したのかもしれません。

まさか、それがのちに一つのファッションスタイルとして定着するとは、本人もそのとき知る由もなかったでしょう。

ワニのロゴは時代を超えて受け継がれ、今もブランドの顔として堂々と左胸に刻まれているのでした。

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