1
/
5

「本質に向き合い続ける」医療ITスタートアップHOKUTOの創業ストーリー

こんにちは。株式会社HOKUTOの採用広報の徳永です。

今回は、HOKUTOの代表を務める五十嵐北斗(いがらしほくと)さんにインタビューをさせていただき、世の中に全然出回っていない弊社の創業ストーリーを存分に語っていただきました!HOKUTOに少しでも興味のある方は、ぜひ最後までお読みください!

「北斗さんはユーザーを一切見ていない。そんなやつのプロダクトがユーザーに刺さるわけない」

ー本日はよろしくお願いします!まず最初に、五十嵐さんの自己紹介をお願いできますか?

よろしくお願いします。医師・医学部生向けのサービスを提供している株式会社HOKUTOの代表取締役、五十嵐北斗です。現在26歳で、北海道の医師家系で生まれ育ちました。

ー五十嵐さんがHOKUTOを創業されたきっかけを教えてもらえますか?

医師である親とは違う道を歩みたくて、子どもの時からずっと起業家になりたいと思っていました。「ビジネスといったら東京だろう!」と思い、大学進学を機に北海道を出て、中央大学の商学部に進学。2014年に、お世話になっていた教授に急かされる形で最初の会社を作ったのですが、1年で見事に失敗してしまいました(笑)。その翌年、2社目となるインターネットを使った出張トリミングサービスの会社を設立。ここでの経験は、僕の起業家人生の分岐点だったと思います。

ー詳しくお聞かせください。

ペットとユーザーである飼い主に対してすごい熱量を持っていた共同創業者がプロダクト周り、僕が経営面を担当する形で会社がスタートし、最初の1年は資金調達を受けてオフィスを拡大するなど順調でした。

ただ正直、僕自身違和感を持ちながら会社を経営していたんです。そもそも僕はペットを飼ったことがないし、ユーザーのニーズも全然わかっていない。自分自身が全く事業に共感しておらず、相方に全て任せていたんですね。でも攻めないと会社が潰れるので、違和感を無視して突っ走っていました。

2017年に入ると、自分の中途半端な想いが原因で徐々に組織がギスギスしてきました。会社からはメンバーがどんどん離れていき、共同創業者まで抜けて、残ったのは業務委託の数人と僕だけ。

最終的に彼らも「北斗さんはユーザーを一切見ていない。そんなやつのプロダクトがユーザーに刺さるわけない」と言って、会社を去っていきました。ずっと見透かされていたんですよね。最後に言われた「北斗さんは絶対に成功しない起業家だと思います」という言葉は、今でも痛烈に覚えています。

ーそれはインパクトの強い言葉ですね。

メンバーが全員いなくなり、周囲からも冷たい言葉を浴びせられ、精神的にだいぶ追い詰められましたね。しばらく休もうと思い、お世話になっていた投資家の元へ報告に行きました。ただいざ本人を前にすると、どうしてもやめると言い出せず、代わりに「ピポッドしていいですか?」という言葉が出たんです。

投資家の方には「そんなことか!心配したよ。それで、次何するの?」と言われ、全くアイデアがない状態だったので即興で「ペットで…」と答えたんです。すると「ペットにこだわらなくていいよ、俺は北斗に投資してるんだから」と言ってくださいました。

今思うと、悩むあまり視野がかなり狭くなっていて、意固地になっていましたね。他の領域にピポッドができるとわかると、気持ちがだいぶ楽に。ここから僕の3度目の挑戦が始まりました。

全国行脚が生んだ「HOKUTO」の構想

ーまず最初に何をされたんですか?

残り少ないキャッシュで次は何しようか考えていた時に、親から「一度帰省しなさい」と連絡が来ました。特に東京に用もなかったし、帰ることにしたら、羽田空港でばったり高校の同級生に会ったんです。

彼は北海道の医学部に通っている友達でした。「何してるの?」と聞いたら、研修先の病院を探しに東京に来た、ただ全然いい病院に出会えず一旦帰ろうとしているとのこと。詳しく聞くと、医学部には「みんなの就活(日本最大級の口コミ就職サイト)」のようなものが一切なく、病院主催の説明会に直接出向くしかないので、情報を集めるのに大きく苦労しているそうでした。

「これは大きなペインかもしれない」と思い、帰省を終え東京に戻った後、知り合いの医学部生達から直接話を聞きました。1人で過ごすには広すぎるオフィスを解放し、病院探しに上京した地方医学部生の拠点にして、初対面の彼らからも愚痴を聞きまくったんです。

そして2017年8月、「医学部就活ドットコム」というサイトを作りました。インターネット上で、研修についての情報を直接病院から取ることができるサービスです。病院は後から獲得すればいいと思い、コンセプトが刺さるかどうかFacebookに投稿することで試しました。

ー結果はどうだったんですか。

全然登録してもらえませんでした。医学生の人に全く刺さってなかったんです。「ヒアリングが全然足りていない」と思い、サイトをリリースした日の夜、すぐに羽田空港で再会した友人のいる旭川に飛びました。どういう情報を知りたいのかをもっと深掘るために、旭川医科大、札幌医科大、北大を巡り、50人以上の就活中の医学生に話を聞きました。

2ヶ月ほど滞在し、話を聞いては、スプレッドシートにまとめていく日々。北海道で一通りヒアリングをしても答えがわからなかったので、次は青森へ行き、各地の医学部生から話を聞きました。その後は山形と、どんどん南下していったんです。

なかなかヒントを得られず、各都道府県を回って東京まで戻ってきたところ、慶應大学の医学部生と話す機会がありました。彼らは先輩が研修先の感想をまとめた冊子を後輩に渡すという伝統がありました。ちらっと中身を見せてもらったところ、たくさんの口コミがまとめられていて感動し、「これの全国版を作ろう」と決めました。作るべきサービスの方向性が決まり、引き続き全国を行脚しながら口コミを集め、2018年1月に「HOKUTO resident」をリリースしました。

リリース当時のサービス画面

ーついに!反響はどうでしたか?

大きかったです。一気にたくさんの医学部生が登録してくれました。

医療業界に、本質的な価値提供を

次のテーマはマネタイズ。人材紹介会社や研修病院を回って、マッチングビジネスを提案しました。ただ、自分が食べれるくらいには稼げるけど、市場として小さいので、なにか抜本的な新しいアイデアが必要だと感じたんです。そこで、今HOKUTO residentを使ってくれる医学部生が医師になった後も使えるサービスを作ることにしました。そんなサービスを作ることができたらスケールできる、と思ったんです。

1年前にHOKUTO residentのヒアリングで出会った医学部生が現役の医師になっていたので、みんなに会いに行く形で再び全国の病院を回ることに。「現役の医師のニーズ、課題はどこにあるのかを聞きたい」と連絡すると、みんな積極的に会ってくれました。

ー現役医師は、どういう課題を持っていたんですか?。

医師は自分の仕事の中で、たくさんの調べ物をします。各症状についての情報や薬の投与量の計算式、論文を膨大な情報の中から探すんです。Googleで検索しても患者向けの情報しか出てこず、「検索が面倒くさい」という課題が日本中で起きていることがわかりました。

これを解決するために作ったのが、医師向けの臨床支援サービス「HOKUTO」。単語を検索すると、一発で必要な医学情報にアクセスできるサービスです。2018年の10月にベータ版をWebサービスとしてリリースしました。

ただ、実際の臨床現場にいる医師に使ってもらうとなると、スマホで使えるアプリが必要だと感じ、資金調達をしてエンジニア採用を強化しました。また、絶対にマネタイズさせなくてはいけないし、スケールするかチェックしないといけないと思い、引き続き現役の医師には会いまくりました。

ヒアリングに協力していただいた方々と五十嵐(左から2番目) 2019年

ーユーザーヒアリングを徹底しているんですね。

そうして無事、2019年末に正式にアプリ版をリリース。ただ、今後サービスを伸ばしていくにあたって、会社として現役医師のノウハウや知見がいると感じ始めていました。医学部生向けのHOKUTO residentはなんとなく想像のつく就職活動という領域で、自分たちだけでできたんですけど、ここからどうしようと悩み始めたんです。そんな時に出会ったのが、現在役員であり現役の医師でもある山下です。

山下が入ったことで一気にアプリが磨かれていき、今では全国の研修医の20%が使ってくれています。その成長を見て、さらに投資が集まり、事業も伸びてきました。そして昨年末、メルカリの創業メンバーのPM山本が事業の可能性を信じてジョインしてくれて。超優秀な仲間に囲まれ、現在も事業を進めています。

ー事業、組織づくりともに今急成長中なんですね。ここまで起業を志した時から現在に至るまでたくさんお話を聞いてきましたが、最後に現在のことをお聞かせください。五十嵐さんの社長としてのこだわりは何ですか?

ユーザーの声を聞いて、プロダクトに反映させて、価値が磨かれて、ユーザーがハッピーになる。

ビジネスの基本は、これだけだと思います。そのためには、使ってくれるユーザーの顔が常に頭に浮かばなくてはいけないし、事業ドメインへの共感やこだわりは強く持たなくてはいけません。

僕の過去のお話をたくさんさせていただきましたが、今までの僕は起業をすること自体が目的になっていて、ユーザーを全く見ていませんでした。もちろん最初は起業を目的にしてもいいんですけど、「ユーザーを幸せにする」という本質部分に向き合い続けないと、大きな事業インパクトを生むことはできません。

本質的な価値貢献をする。僕がこだわり続けているのはこれのみです。そのためにもユーザーの立場に立つ、一次情報を取り続けることは欠かしません。

また、これはメンバーにも求めていて、HOKUTOのバリューの1つに「For Objective」という言葉があります。これは直訳すると、「目的のために」。「世の中の医療を改善する」というHOKUTOの目的を常に意識して動くことを求めているので、バリューに落としました。


ーわかりやすくありがとうございます。今、代表としてどういう想いで会社を経営していますか?また、今後の展望も教えてください。

医師家系である家族や全国行脚で出会った医学部生と現役医師の影響もあって、今は医療業界に大きなリスペクトと価値を感じています。HOKUTOアプリを磨けば磨くほど、医師の意思決定のスピードと質が圧倒的に上がる。僕は医師だけではなく、最終的には全ての医療従事者に価値を届けたい、そしてその先にある患者さんを救いたい。そんな想いを今は持っています。

今後は、まずはHOKUTOアプリを日本中の医師に使ってもらえるよう、磨き続けます。そしてそれを基軸に、患者さん向けのサービスや病院向けのサービスなど医療業界全体にユーザーを広げていきます。日本だけに留まらず、世界を代表する医療IT企業にしていきます。

ー最後に、求職者のみなさんへ一言お願いします。

たくさんの失敗をしてきた僕ですが、ようやく夢中になれる事業、そして最強の仲間と出会えました。医療業界への興味はもちろんないと楽しめませんが、今の時点で全く接点や知識がない方でも構いません。入社後にどハマりさせてみせます。

HOKUTOは「本質的な価値貢献」を行う会社です。ユーザーである医療従事者を幸せにする。そこだけにフォーカスをできるように、無意味なルールは一切設けていません。目的を達成できるなら働く場所も関係ない。フルリモートにしているのは、そういう考えを持っているからです。本質的な価値貢献をしたい方、医療というインパクトの大きい領域で挑戦したい方はぜひ一度お話しましょう。

株式会社HOKUTOでは一緒に働く仲間を募集しています
24 いいね!
24 いいね!
同じタグの記事
今週のランキング