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【IDEAS FOR GOOD取材レポート】国際観光フォーラム「持続可能な観光とジオパークとDMO」参加のため、岩手県に行ってきました!

2月16日~17日、IDEAS FOR GOOD編集チームは、岩手県釜石市で開催された国際観光フォーラム「持続可能な観光とジオパークとDMO」に参加してきました!

釜石市は、岩手県の南東部にある人口約3万5,000人の小さな街。市内の沿岸部や山林、湿原などが「三陸復興国立公園」「都道府県自然環境保全地域」などの保護地域にそれぞれ指定されており、豊かな自然を守る活動に力を入れています。

そんな釜石市で開かれた今回のフォーラムには、全国各地からさまざまな企業や組織、そして多様なバックグラウンドを持つ人々が参加していました。いま釜石市は、持続可能な観光都市として、ひっそりと注目を集めているのです。

なぜいま岩手県釜石市が注目されているのか?

ヨーロッパを拠点に毎年開催されている「世界の持続可能な観光地100選 2018年版」の発表が2018年9月に行われ、エントリーしていた釜石市が、日本で初めて選定されました。

現段階で発表されているのは60地域。全100地域の発表は、今月ドイツ・ベルリンで開催される世界最大級の観光の祭典「ITB Berlin」で行われる予定だそうです。

いったいなぜこの市が?と思われた人も多いのではないでしょうか。その理由は、釜石市がいま「釜石オープン・フィールド・ミュージアム構想」の実現に向けて、持続可能な観光(サステイナブル・ツーリズム)の仕組みづくりをすすめていることにあります。

持続可能な観光とは、国連世界観光機関(UNWTO)によると、“訪問客、現地の産業、環境、地域のニーズに合わせ、現在と未来の経済、社会、環境への影響に十分配慮した観光”を指します。今回の選定は、サステイナブル・ツーリズム国際認証の基準を取り入れて、100の指標のうち、15以上をクリアしている地域が対象となったようです。

ほかにも、クリーンエネルギー政策をすすめたり、地域の伝統的な景観や文化を守ったりしている地域が選ばれるそう。釜石市ではまず、国際認証の取得を目指して行政と企業が協力しています。

また、同市は「世界の持続可能な観光地100選」に選ばれた地域だけが参加できるグローバルネットワークにも参画。世界中の先進的な地域とオンライン上でつながり、持続可能な観光に関する最新情報や事例などが共有できるほか、選定を主催するグローバルリーダーズの担当者から認証取得に向けたアドバイスを直接受けています。

バルセロナやベネチア、日本なら京都など、世界各地の有名観光地でオーバーツーリズム(※)が問題となり、国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)の考えが広がりつつあるいま、観光産業も持続可能にするということがますます重要になってくるでしょう。

釜石市にある三陸海岸は、地球活動の歴史と震災の記憶を後世に伝える地域「三陸ジオパーク」として、2013年に日本ジオパークの認定を受けました。

「人々と地球の持続的共生」というユネスコジオパークの理念は、まさに持続可能な観光の考え方を体現しています。この考え方が広がったことにより、三陸海岸の価値が高まり、世界の潮流もあいまって釜石市は注目を浴びているのです。

※ オーバーツーリズム:観光地が耐えられる以上の観光客が押し寄せる状態のこと

IDEAS FOR GOODの取材記事をお楽しみに!

今回のフォーラムでは、国内外から講師が集まり、持続可能な観光の世界の動向や、サステイナブル・ツーリズム国際認証とジオパークの活用事例などが話されていました。講演のほか、「三陸ジオパークが持続可能な観光の先進地となるためには」というテーマのパネルディスカッションもあります。

ほかにも、東日本大震災からの復興が進む釜石大観音仲見世通りにコミュニティスペースをつくろうとしている人や、釜石市から車で約1時間ほどの距離の陸前高田市で活動する人々に会い、ローカルな家庭での民泊も体験してきました。

気になるフォーラムの内容も含めた岩手県取材の内容は、これから3月後半にかけてIDEAS FOR GOODで共有していきますので、楽しみにしていてくださいね!

関連サイト:Sustainable destinations 100

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