- 25卒|介護・療育・就労支援職
- 経営企画
- 未経験OK/ エンジニア
- 他25件の職種
- 開発
- ビジネス
- その他
「お客様第一主義」と「サムシング・ニュー」。地域とともにあるデイサービスの原動力とは【後編】
デイサービスクローバー本八幡の管理者、塩野谷さんのインタビュー後編。
介護現場歴20年のベテランだが、実は新卒時代は約8年間ジャスコに在籍し、売り場の責任者や、人材育成に関わっていた。前編では、介護未経験でこの業界に飛び込み、今も変わらず大事にしている介護観は、ジャスコ時代に学んだ「お客様第一主義」であると話してくれた。
前編でも話した通り、塩野谷さんが管理者を務めるデイサービスクローバー本八幡は、地域のボランティアや子どもたちも集まるデイサービスだ。後編では、その取り組みと原動力について聞いていきたいと思う。
― CLOVERに来る前もいろんな施設で管理者をやってきていますよね。CLOVERで管理者をやってみて、いかがですか?
「意外と自由(笑)
前職までは2〜3施設しかない法人ばかりだったけど、そこではとにかく、責任取るのも行動するのもすべて自分たちなので、自由にやれているようで重荷でもあり、大変でした。実際、母体がある株式会社に来てみて、良い意味で会社に保護されている中で、現場はのびのびとやりたいことをやらせてもらえている気がします。
自分は『サムシング・ニュー』を求める人間なんです。サービス業は、去年と今年で同じことをやっても評価されないと思っています。昨日よりも今日、今日よりも明日、にしていかないと。ゲストに対しても『今日も元気だね』じゃなくて、『今日はすごい元気だね』にしていく。そういう意味で、CLOVERは新しいことに挑戦させてもらえる社風だから、自分には合っているのかもしれません」
地域とつながっていくために、次々と新しい取り組みを考え、アクションに移している。そういった取り組みの原動力は、塩野谷さんの「サムシング・ニュー」の考え方から来ているようだ。
― 地域交流を始めようと思った理由は?
「地域の人に、ここで何をしているか、どんな人がいるか知ってもらわないと、事業はできないと思っているんです。例えば、万が一、施設を出て行ってしまったゲストがいたとしても、ここがデイサービスで認知症の方が利用されていると知ってもらっていれば、ただ通報されてしまうのではなく、地域の人から声をかけていただけるんです」
― 地域に認知してもらうために、一番最初に何をされたんですか?
「玄関の掃除です」
― 掃除?それはなぜですか?
「この施設の近くに、民生委員の方が住んでいらして。クローバー本八幡の事業所前に、ちょうど地域のゴミ捨場があるんですけど、近くのタバコ屋のおばちゃんも一緒になって、毎朝掃除されているんです。
で、自分たちもデイサービス前の掃除を始めたんです。そうすると、自然と毎朝『おはようございます』って会話ができるようになるじゃないですか?そうやって少しずつ地域の人と関わるようになっていたある日、近所の人から大きなかぼちゃが届きました。ちょうどのハロウィンの時期で、『みんなで食べてください』と。
そこから、ハロウィンに地域の子どもたちや教会の聖歌隊の方を招待して、イベントを行うようになりました。子どもたちのために、少しずつゲストとお菓子や飾りの準備もして、当日になると子どもたちがトリック・オア・トリートしに来るんです。今ではその時期になると、地域のママや保育園、子供会などから、『今年もやりますか?』と問い合わせが入るようになりました。デイサービスとして認知されることによって、地域の子どもたちがいざという時に逃げ込める場所になったらいいなと思ってるんです。保護者もここがどういう場所か分かっていたら、安心して頼ることができますしね」
塩野谷さんの考えで、イベントを企画する際には「地域のものをできるだけたくさん取り入れる」ということを意識しているそう。地域の方やキャスト、ゲストから譲り受けた梅や柿を利用して、ゲストと梅干しづくり、干し柿づくりなども行なっている。
「昔、地域で当たり前のように行われていたことをゲストに思い出してほしい」という想いがあるそうだ。
他にも、この新型コロナウイルス流行をキッカケに、ゲストの手作りマスクの販売を始めた。すると、マスクを買ってくれた地域の子どもからお礼の手紙が届いたという。高齢者のゲストが地域から隔離されるのではなく、地域の中で「役割」を担っている。
― そのようなアイデアや企画は、どうやって生まれるんですか?
「うちは、新卒、パートさんでも、ポジションや年齢は関係なく、企画書を提出してもらっているんです。とくに『パートさんが楽しく働ける』ということを、すごく大事にしています。特にパートさんたちは、アイデアとか自分がやりたいことを実はたくさん持っているんだけど、『私はどうせパートだから』で外に出していないんじゃないかと思うんです。
これもジャスコ時代に学んだことで、スーパーで何が売れるかは、社員よりもパートのおばちゃんの方が知っていたりするわけですよ。だから、立場関係なくみんなで意見やアイデアを出し合うんです」
最近、クローバー本八幡の玄関に置かれていた巨大な招き猫も、パートさんのアイデアだと言う。
「去年はハロウィンで顔出しのパネルを作成したんですが、『じゃあ、今年は3次元の立体物にしよう!』って勝手に話が進んでて(笑)
パートさんが積極的な場所だから、新卒1年目のキャストも『敬老会で太鼓が叩きたい』と言い始めて、今年は和太鼓をレンタルしてきてみんなで叩きました。ポジションとか年齢関係なく、せっかく持っている力があるなら遠慮なく出してくれた方がいいし、出してくれたら上司として評価してあげたいし。そうしたら、給与なども上げていってあげられますしね」
― チームでやるからこそ、常に新しいアクションをしていけるんですね。塩野谷さんが今後やってみたいことはありますか?
「自給自足ができるデイサービス(笑)まずは畑をやって、最終的には米を作れるようにならないかな・・と思っています」
― それは面白そう(笑)何で自給自足なんですか?
「自分が楽しそうだなって思うからです(笑)安心安全だし。 昔、家庭菜園をやっていて、すごいはまっていた時期があるんですよ。土と触れ合ったり、自分が育てたもの食べるって一番美味しいし、楽しいでしょ」
要介護になった高齢者や、正社員ではないパートさん、新人キャストなど、どこか立場が弱くなりがちな人たちに光を当て、その良さを引き出す。「地域交流」がその手段の一つとして存在することが印象的だった。
さらにもっと素敵だなと感じたのは、それを「やってあげている」というスタンスで相手に押し付けるのではなく、塩野谷さん自身が楽しんでいること。「サービス業」「仕事」という枠を超えて、人に真摯に向き合い、それを自身が楽しむというところに、CLOVERのキャストらしさを感じた。
塩野谷さん、ありがとうございました!