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「WARC転職サービス誕生秘話」ベンチャー企業CFOとしての経験を経て

プロフィール

代表取締役 山本 彰彦

2008年新日本有限責任監査法人入所、2010年よりKPMG 有限責任 あずさ監査法人国際部にてSEC監査クライアントをはじめ、国内外の大手企業等、数多くの会計監査業務に従事。2012年株式会社イグニス入社。同年、取締役CFOに就任し、コーポレート部門の立上から全社的な組織構築まで行い、2014年7月に東証マザーズ上場。上場後は引き続きコーポレート部門の統括、及び国内外のIR戦略、ファイナンス戦略を牽引する傍ら、複数事業も管掌。2017年5月、株式会社WARC設立、代表取締役に就任。公認会計士。


タレントエージェンシー事業部 鈴木 恵美 (インタビュワー)

2013年楽天株式会社に入社、楽天市場事業部にてECコンサルタントとして従事。その後、デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社の経営コンサルタントを経て、2019年にWARC入社。


▼目次
1. 5年目会計士がベンチャーに飛び込んで見た“不可能を可能にする世界”
2. ベンチャー業界で活躍できる人材とは
3.「採用のミスマッチをなくすために」会計士の転職支援からうまれたWARC
4. コーポレート部門に強いWARCだからこそ得られる転職の成功体験

今回はWARC代表取締役山本に対するインタビューです。
大手監査法人から上場前のイグニスに飛び込んだ経緯、CFOとしての上場経験等に迫りました。

5年目会計士がベンチャーに飛び込んで見た“不可能を可能にする世界”

鈴木:公認会計士として、大手監査法人でキャリアを積んでいた山本さんが、なぜ当時数名だったベンチャー企業「イグニス」に飛び込んだのですか?

山本:株式会社イグニスの創業者 銭 錕に初めて会ったのは都内の居酒屋でした。中学時代のバスケ部仲間が「今日おもしろいやつ連れていくね」と、飲みの席に連れてきたのが銭でした。

当時の私は監査法人に在籍していて、公認会計士としてのキャリアは5年目。一通り会計監査業務を経験し、もっと夢中になって没頭できる仕事をしたくて転職を考えていました。

仲間内の飲み会でも「転職したい」という話をしていました。そういう時期って誰にでもありますよね。

そんな飲み会で、初対面の銭となぜか意気投合したんです。その場で銭が「うち(イグニス)に来ますか?」と誘ってくれて、即答しました(笑)。

そういうわけで、転職に関してはノープラン。

2011年当時、私はベンチャー業界に行きたいと思っていなかったし、どんな企業がこの業界にあるかもあまり知りませんでした。当時からイグニスはいろんなアプリをリリースしていましたが、自分はガラケーを使っていたぐらい。ベンチャーに飛び込むには、ITリテラシーはかなり低かったと思います(笑)。

この経験から言えるのは「ベンチャー業界で活躍するのに、準備や実績や経験がなくても、十分やっていける」ということですね。

鈴木:山本さんから見て当時のイグニスはどうでしたか?

山本:2012年7月入社なので、創業からちょうど2年も経ったくらいのアーリーステージの時期。安定して収益が出せる事業がまだなく、方向性も定まっていなければ、人も集まっていない、言わば「会社になりきっていない」状態でした。それどころか、数カ月後の資金繰りも見えないという……正直「とんでもないところに来ちゃったな」と思いました(笑)。

鈴木:すごいですね!ある意味、ベンチャーらしいと言えますが……私だったら不安かもしれません。

山本:私も正直不安でいっぱいでした。会計士として5年目の自分が何に貢献できるかわからなかったからです。

会計士は数字を見るのが仕事。財務諸表を読み解いて会社のコンディションを理解するのですが、例えば会社の変化を見るために過去の数字と比較分析しても、イグニスの場合、ベンチャーであるがゆえ、事業や業績を一年前と比較しても意味がないくらい、方向性も数字も大きく変わっていました。

そんな状態なのに、入社してすぐ銭から「2年でIPOしてほしい」と言われたんです。

「できるわけないじゃん」って内心思いましたよ(笑)。

でも銭が「ベンチャーに不可能はないんです!」と言い切ったんですね。その言葉を鮮明に覚えています。

監査法人時代に常識だと思っていたことは、ベンチャー業界では常識ではなく、むしろ世間の常識を覆す可能性を秘めているからこそのベンチャーなんだと実感しました。

銭の言葉がきっかけで、「2年でIPOする」という大きな目標ができて、そのために自分が何をすれば良いのかが見えてきました。それに「やってみてダメだったら、その時に改めて考えれば良いか」とも思えました。

鈴木:その2年後、イグニスは上場しましたよね!まさに不可能が可能になったとのかと。事業が成長する過程をどのように感じましたか?

山本:ある時期からアプリの売上が急激に伸び、会社が急成長していきました。当時は新しいアプリをリリースすればプロモーションコストなしでもランキング上位に入るなど、マーケット環境に恵まれたこともあってヒット作が続々と出ましたね。

「この調子なら上場できるかもしれない」と思ったことを覚えています。波に乗っているこの時期こそ、IPOを実現する絶好のチャンスだと感じました。

実際、イグニスは2014年7月に上場しました。銭が言った「ベンチャーに不可能はないんです!」という言葉のとおり、不可能はなかったんです(笑)。


ベンチャー業界で活躍できる人材とは

鈴木:会計士としてのキャリアが5年でも、IPOに貢献できるものなのですか?

会計士の経験が5年というと、監査法人ではジュニア~シニアスタッフにあたりますが、ベンチャー企業では十分に活躍できます。

ベンチャー企業では、会社や事業を大きくするためのスキーム構築が重要です。会計士であれば、財務会計や管理会計を通して会社の守りを固めるための組織づくりに対して、大いに貢献することができますね。そういった、大企業では経験できない「会社をゼロからつくっていく」というダイナミックな動きを体験することで、ジュニアであってもプロフェッショナル人材として一気に大きく成長していくことができます。

「転職に必要なスキルはなんですか?」と会計士から転職相談でよく聞かれるのですが……必要なスキルを習得するまで待つよりも、(特に現職に残りたい理由がないのであれば)すぐにでも…と答えています。

会計士の世界ではまだまだと言われる5年目のスタッフであっても、ベンチャー企業では即戦力として十分活躍できます。自分が思っている以上に、会計の専門家は世の中から求められていて、特にベンチャー業界ではコーポレート部門のプロフェショナル人材が不足しています。

鈴木:ジュニアであっても活躍できるとのことですが、具体的にどんな人が活躍できていると感じますか?

「しっかり自己否定ができて、環境の変化に合わせて自分自身も変化できる人」ですね。

会計士としてキャリアや経験を積んでいくと、成功体験も増えていきます。例えば、監査法人からベンチャーに転職した時、過去の成功体験を前提に自分が考える常識や手段を押し付けてしまうことがあります。

「成功体験はあくまで情報のひとつ。むしろ過去の成功は偶然が重なってのラッキーだった」くらいに考えておいたほうが動きやすいですし、それよりも、フラットにゼロベースで考えられる人のほうが活躍できます。

自分のスタンスにとらわれず、過去の経験や身につけた知識、習慣や前提を必要に応じて意識的に忘れることで前に進む。いわゆる「アンラーニング」をできる人が活躍していると感じますね。


「採用のミスマッチをなくすために」会計士の転職支援からうまれたWARC

鈴木:イグニスで取締役をしながら、株式会社WARCを設立したのはなぜですか?

山本:知り合いのベンチャー企業から「良い会計士がいたら紹介してほしい」と声をかけられたのがきっかけです。転職希望の友人が候補にあがりましたが、友人を紹介するからには変な紹介はできないので、お互いのマッチングを大切にしました。

よく知っている会社だったので、友人には事業の強みや成長性といった良い点だけでなく、組織や事業の課題なども話し、会社が求めている役割を伝えました。その上で、お互いを引き合わせたところ、採用につながりました。

入念なマッチングのおかげで、自分が紹介したケースでは採用後のミスマッチが起きず、転職後もバリバリ活躍して成果をあげる人が増えました。

会計士のニーズは高く、同様のマッチングを続けていたら「山本が良い会計士を紹介してくれるらしいぞ」と噂が広がって(笑)。依頼がますます舞い込むようになったんです。

最初は打診されれば特に報酬はなしで紹介していましたが、いつしか件数が増えてボランティアの規模ではなくなってきたので、2017年5月に設立したのが「株式会社WARC」です。

そうやって企業と人材のマッチングを続けていくうちに、コーポレート部門の転職にまつわる様々な課題も見えてきました。

鈴木: なるほど。課題とは具体的になんですか?

山本:例えば、アーリーステージのベンチャー企業だとコーポレート部門がまだ充実していないので、面接対応を社長がしているケースが多いです。それ自体悪いことではないのですが、多くの場合社長のバックグラウンドは管理部門ではないので、面接が当たり障りのない雑談で終わってしまい、採用可否を判断しかねるということも……。

極端な話、紹介した人が面接後に「あの人はOKだと思います」と口添えしてしまえば、それで採用されてしまう可能性すらあります。

ベンチャー企業にコーポレート部門のプロフェッショナル人材が、いかに足りていないかを実感しましたね。採用する側が、募集職種をしっかり理解していなければ、履歴書や職務経歴書だけでは転職を希望する候補者のレベル感を把握することは難しいと思います。

求職者も、入社後にどんな仕事ができて、どんなキャリアアップが描けるのかを踏み込んで詳しく聞くこともできないですよね。

お互いに聞きたいことも聞けない。伝えたいことも伝えられない。業務内容や求めていることをすり合わせることもできない。これでは採用のミスマッチはなくなりません。

WARCの事業の柱に「タレントエージェンシー事業」があり、コーポレート部門のプロフェッショナル人材の紹介をしているのは、当時感じた課題からです。


コーポレート部門に強いWARCだからこそ得られる転職の成功体験

鈴木:ベンチャー業界向けの転職サービスは競合他社が多い中、求職者がWARCのタレントエージェンシーのサービス(WARC MENTS)を選択するメリットは何ですか?

山本:WARCは、経営者を含めてベンチャー業界の出身者が多数在籍しています。事業の楽しいことも厳しいことも身をもって体験しているので、求職者にどんな会社が合うのか、また、どのベンチャー企業が伸びそうか目利きできる点が強みですね。

求人情報を見れば給与や業務内容については書いてありますが、それだけでは転職を決断するのは難しい。特に、大手企業からベンチャー企業へ転職を希望する人は、自分がなりたいキャリア像をもっている人が多いので、 なおさら企業とのマッチングが重要です。

ベンチャー業界におけるプロフェッショナル人材の紹介サービスにおいて、キャリア形成も含めたマッチングの提案ができるサービスは少ないと思いますよ。

WARC MENTSには、そのためのフレームワークが充実しています。

またWARCの事業の柱に、成長企業の経営管理支援を行うCo-WARC事業(コンサルティング)と、戦略立案からクロージング、 PMIをサポートするM&Aアドバイザリー事業があるので、いろんな切り口から提案できるのも特徴です。

鈴木:求職者からは他にはない求人を多く紹介してもらえたとお話をいただくことがよくあります。WARC経営陣のベンチャー業界でのネットワークがあるからこそですよね。

山本:ベンチャー企業の経営層から直接、人材の紹介をして欲しいとご依頼いただいています。また、WARCメンバーは常日頃からベンチャー業界の経営者と会話する機会が多いので、起業家の描くビジョンや今後の事業成長、そのために求められる人物像に対する理解がとても深い。

だからこそ転職者の希望や気持ちに寄り添った提案が可能なんです。エージェントの質が非常に高いというのは、転職サービスを利用する際、求職者にとってとても大きな安心につながると思います。

鈴木:先程「プロフェッショナル人材のキャリア形成」という言葉が出ましたが、明確なキャリアビジョンがまだ決まっていない方でも、相談に来ていただくことが増えています。

山本:そもそも、キャリアビジョンが決まっている人なんて少数派だと思っています。私がイグニスに転職した時は、まさにノープランでしたし。

むしろ、なんとなくの未来像をいったん仮置きして、とりあえずチャレンジしてみることが大事だと思っています。会社の成長とともに様々な体験をするし、付き合う人も変わる。当然自分自身の価値観ややりたいことも変わってきます。

鈴木:「チャレンジしてみる」って素敵ですよね!WARCのタレントエージェンシー事業には、WARC経由でベンチャー企業に転職した人たちが、キャリアメンターとして数十名が協力してくれています。

転職者1万人と会った私が断言する「ベンチャー転職者がいま圧倒的に増えている理由」とは。

気軽に相談していただければ、カフェなどで話をしながら雑談レベルから相談に乗れますし、キャリア相談もできます。

仕事をしながら一人で考えるよりも、外に出ていろんな人と会話しながら、自分のキャリアを考えていくほうが良い場合もあるので、ぜひ「WARC MENTS」に登録してみてください。



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