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開業3年で62.4%、5年で80%、10年後には88.4%のフリーランスが廃業!?10年以上生き残るフリーランスになるには

100の生業を持つ現代版百姓を目指す、破天荒フリーランスの山崎レモンサワーです。

複業メディア「ウィズパラ」では、サラリーマンの方、学生の方、フリーランスの方、問わず、『複業』という、これからの時代の新しい働き方を実現するために必要な知識・ノウハウを発信していきます。

みなさんは、フリーランスとして独立した人の9割が10年後には廃業しているという事実はご存知でしょうか?

中小企業白書などで、フリーランスの廃業率のデータを調べたところ、起業してから10年後まで生き残っているフリーランスは全体の1割程度というデータが目に飛び込んできました。

参考:「個人事業主の廃業率はどのくらい?」
https://www.k-society.com/know_how/closed_business_rate/

また、10年までいかずとも、1年で37.7%、3年で62.4%のフリーランスが廃業しているようです。

フリーランスとして独立できたとしても相当シビアな現実が待ち受けていることがわかります。

今日は、生存する1割の側にまわるには、どのような戦略で立ち回ればよいかを、起業して13年経った今でも生き延びている現役ベテランフリーランスが話していきたいと思います。

廃業していくフリーランス・・・よくある要因

スキルがあれば稼げると思っていた

Web系のフリーランスになるべくスキルを磨くには、大学や専門学校で学んだり、プログラミングスクールに通ったり、動画教材などで独学で磨いたり、インターンや入社後の実務で腕を磨いたりと様々な方法でスキルを身につけ、この水準までくれば独立して充分かせげるだろうと独立する訳ですが・・・

スキルが高ければ確実に稼げるかと言うと、実際はそんなことは一切ありません。

もちろんスキルは最低限ないと仕事にはならないですし、あればあるほど有利になる傾向が高いとも言えますが、スキルが高ければ必ずしも稼げるという訳ではないですし、スキルが低くてもめちゃくちゃ稼げる人もいます。

フリーランスは職人(専門技術のプロフェッショナル)であると同時に、経営者でもあります。

この経営感覚が欠落しているために、スキルがあるのに稼げないというフリーランスがあまりに多いのです。

そして、この経営感覚・経営力はWeb系のスキルよりも磨くのがむずかしいですし、ある程度、性格や資質のあるなしも左右してきます。

フリーランスになる前に副業を積極的にこなし、自分に経営者としての適性・資質・才覚があるか見極めるのがいいでしょう。

高い固定費用と初期投資

Web系のフリーランスは、他の業種の自営業とはことなり、固定費や初期投資をだいぶ低く抑えられるメリットがあります。

とはいえ、独立時に気合が入りすぎて空回りし、一等地に事務所を借りて、月の家賃が利益を圧迫したり、必要以上に高性能のカメラ・PC・ソフトウェア・業務用プリンタなどをローンを組んで購入したり、リースしたりついつい初期投資と固定費が膨れ上がってしまうものです。

また私生活でも同じことがいえ、生活費の月々の固定費がふくれあがっているひとは、その分、多くの収益をあげる必要があり、経営がその分、余裕を無くしていきます。

逆に言うと、不要な固定費用を見極める目を養い、スリムに削ることができれば、経営は一気に安定感が増し、廃業リスクもだいぶ低くなります。

いかに稼ぐかよりも重要な指針だと確信しています。

貧弱な運転資金で自転車操業状態

懐事情が苦しくなると、悪条件のプロジェクトに飛びついて炎上したり、自分に必要不可欠な自己投資のお金を削ったり、ついつい誤った経営判断を下してしまうのが人間というものです。

貧すれば鈍する・・・鈍すれば貧する・・・

恐ろしい言葉でありながら実に的を得た言葉です。

逆に言うと豊かであれば、余裕をもって賢い経営判断をすることができ、さらに稼げるようになり、そして稼いだお金でさらに余裕が生まれるという好循環の状態になります。

要は何か事業を始める場合は、余裕のある運転資金が確保出来てから、余裕のある状態から開始する事が大事という事です。

自分も経験上、仕事が激減した時期などは、焦りから大して案件の条件やクライアントがどういう人か見極めもせずに、仕事に飛びついたあげく、炎上するという苦い経験をいくつか経てきました。

運転資金や生活資金に余裕のない人は、経営判断をミスしてさらに貧しくなり、余裕のある人は、成功してさらに余裕を持つ・・・不公平で残酷な世の中ですが、まずはそのことを受け入れた上で戦略を練りましょう。

ガチャ要因(運)に左右される

アメリカの哲学、政治哲学、倫理学のハーバード大学教授マイケル・サンデルの著書に「実力も運のうち 能力主義は正義か?」という著書があります。

この本の要点を超超超超ざっくり訳すと、ほとんどすべての成功は「運」であるという事です。
成功したことは「運」が良かっただけという事実を、様々な事例と客観的データをもちいて、解説しています。

ついついビジネスやスポーツ・芸能で成功をおさめたひとは、誰よりも努力をしたから、なるべくして成功者となったと世間は見がちですが・・・実際には、運要素がほとんどなのです。

何が言いたいかというと、フリーランスとして独立してどんなに努力し続けたとしても、うまくいくかもしれないし、うまくいかないかもしれないという事です。(元も子もない・・・)

運しだいであるなら、成功しても奢らず、失敗してもめげずというスタンスが何より大事になります。

フリーランスとして独立した後、運悪く廃業となっても、必要以上に自分を責めず、なぜ廃業となったか冷静に分析・反省をすることで、何回でも再起は可能です。

生き残る人は失敗しない人ではなく、失敗してもチャレンジしつづける人と言えますね。

分不相応に稼げたことが仇となった

フリーランスとして長年活動していて気づきましたが、最低限、アンテナをはり精力的に仕事をしていると、びっくりするくらい好条件の案件にめぐり合う事があります。

それが、継続案件となり、月々まとまったお金が安定して入ってくるようになった上、そのクライアントから新しい仕事や、クライアントからの紹介案件が次々に舞い込み順風満帆・・・そんな絶好調な時期が一度はくるものです。

しかし多くの人が、この状態がいつまでも続くと勘違いしあぐらをかいてしまいます。

強気になり無謀とも言える事業に投資したり、生活レベルを上げたり、欲に身を任せて散財したり・・・・

いつまでも稼ぎ続ければ、問題はないのですが、好条件の仕事はある日、唐突に無くなったりするものです。

いつまでも続くと思った好条件の案件が唐突に終わったとき、高く積みあがった固定費と過剰投資のローンなどが首をしめる事になります。
逆に言えば、分不相応な高収益など無いほうが、長く安定して活動できるのかもしれません。

いくら収益が上がっても、それがいつ無くなってもいいように、いや、必ず無くなるものとして、先手先手をうって対策を打ち続けたいものです。

生存戦略・・・1割の生き延びるフリーランスの側にまわるには

職人思考ではなく経営者思考を磨く

フリーランスになる前に、フリーランスは一経営者になることでもあると強く自覚することです。

経営とはリソースをいかに配分して、どのようなビジネスを行うか、稼いだ収益をいかに投資していくかを判断することです。

ついついフリーランス志望の人は、Webの制作スキルやマーケティングスキルを身につける事のみに一生懸命になり、この経営能力を磨こうとせずに、フリーランスになってしまう人が実に多いです。

ぜひ、成功をおさめたフリーランスの人や経営者の人に話を聞くなり、経営に関する出版物を読み込むことで、経営に関するリテラシーを向上させてください。

事業への投資と自己投資のセンスを磨く

代替え可能なルーチンワークの仕事であれば、報酬は低く抑えられる代わりに、自己投資などは特に必要ありません。

クリエイティブな仕事に従事する場合は、自己投資や自分の事業への投資が必要不可欠です。

大学や専門学校、プログラミングスクールなどで、ようやく身につけたスキルであっても、時間の経過とともに陳腐化し、だんだん使えない(稼げない)ものとなり、廃れていきます。

自分のリソースを仕事のみに割り当て、自己投資に時間やお金を割く事をおろそかにすると、だんだんと仕事を獲得するのが難しくなっていきます。

おススメなのは、内容が簡単な仕事をさばくよりも、あえて難易度が高く苦労が目に見えているけども、取り組むうちに自分のスキルを上げてくれる案件を選別してひきうけることです。

そうすれば仕事自体が、自分のスキルを上げる自己投資・事業投資になりますので、本業とは別にリソースやお金を割く必要が無いからです。

めちゃくちゃ稼げてもそれが一時のものであることを自覚する

フリーランスとして仕事を続けていると、ある時期、好条件の案件にめぐり合い、経済的に一気に豊かになるタイミングがあると前述しました。

そして、その好条件の案件がいつまでも続くと錯覚し、固定費の増加や、散財、過剰投資に走りがちであることもお伝えしました。

イギリスの歴史学者・政治学者であるシリル・ノースコート・パーキンソンが提唱した、パーキンソンの法則の第2法則では、「支出の額は、収入の額に達するまで膨張する。」ことが導き出されています。

自分も、稼げていた時に固定費を膨張させず、散財を控えていれば、今頃、余裕でFIREを達成できていたくらいのお金を失っています。

その事実に気づき、40歳を超えてからとはいえ、修正できているのですから、まだましですが、賢い皆さんは、早いうちに気づいて手を打っていただければと思います。

失敗しても手を打ち続ける

カリスマ経営者でも、一流アスリートでも成功したのは単なる運にすぎません。

・・・というと、彼らの努力を無視するのかという、けしからん勢に怒られそうですが。

前述で紹介したマイケル・サンデル教授の著書では数々の事例・データを引きあいに、この事実を証明しています。

ちなみにここで重要なのは成功が運次第なのであれば、失敗も運しだいです。

フリーランスとして独立しても、法人化してビジネスを立ち上げたとしても、それが成功するか失敗するかはやってみなければわかりません。

失敗したとしても、その一度の失敗で諦めずに、フリーランスが本当に自分に合った働き方であると確信しているのであれば、手を変え品を変えチャレンジし続けてください。

誠実さを武器にする

13年以上フリーランスとして活動していると、同業やクライアント、その他取引先など様々な人たちを見てきましたが、超・長期視点で見れば、細々とでも長く安定して商売を続けられる人は、もれなく誠実であるという事です。

アコギな手法で大金を稼いでいる人もたくさん見かけてきましたが、そういうたぐいの人たちは長期的には必ず失脚していました。

特に今は、インターネットとくにSNSなどで信用が可視化される傾向があります。これはひとえに誠実さがより武器になる時代ともいえます。

近江商人の三方よしの考え方、『売り手によし、買い手によし、世間によし』のスタンスで商売に向き合えば、必ず生き延びられるフリーランスの側に回れるはずです。

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