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メンバーに聞いてみた|売買エージェント こうの

omusubi不動産の紹介をすると「いろいろなバックグラウンドの人が働いていて面白いですね」と言っていただくことがよくあります。きっかけはそれぞれ違うけれど、「omusubi不動産」という会社に集い、同じ方向を目指して日々精進しています。

omusubi不動産の一番の魅力は、一緒に働いているひとりひとり。どんな人が、どんなことをしているのか。どうやってomusubi不動産にたどりつき、一見、ちょっと変わった不動産屋で働いてみようと思ったのか。この連載では、omusubi不動産の日常の様子を覗きながら、なかで働くスタッフに話を聞いていきます。



プロフィール
千葉県いすみ市出身。小中高と地元で過ごし、普通に大学に進学するかと思いきや突如警察官になる。約10年間千葉県警察官として勤務した後色々あって2022年1月にomusubi不動産へ入社。



警察官になったときに渡される「ポリスメイト」

――omusubiには、いろんな経歴を持ったメンバーが働いていますが、「警察官だった人がいるよ〜」と聞いたときはさすがにびっくりしました。

こうの:業界的に転職する人もほとんどいないですからね(笑)。

――今回「自分を表すもの」として持ってきてくださったのが、その警察時代に使っていたものなんですよね。

こうの:はい。警察官になったときに全員が備品としてもらえる印鑑を持ってきました。ポリスメイトと呼ばれるもので、指紋をとるときに使うものですね。朱肉や印鑑は警察をやめてからも使う機会があるので、そのまま印鑑ケースとして使っています(笑)。

――みなさんが持っているってことは、使用頻度もそこそこあるということですよね。指紋をとるのはどんなシーンなんでしょうか……?

こうの:いろいろですね。切符で違反した人にとることもありますし、被害届で被害者さんに押してもらったりとか……。あと、悪いことした人に反省文を書いてもらうときなんかも、指紋をとらせてもらいますね。

高校生を卒業後、10年間勤めた警察の仕事

――こうのさんは高校卒業後から警察官になったと聞いたのですが、高校時代から警察官を志していたのでしょうか。

こうの:小さい頃から警察官に憧れていた、という方ももちろんいると思うんですが、わたしはどちらかというと成り行きに近い部分が大きかったですね。高校2年生までは周りと同じように卒業したら大学へ行けるものだと思っていたんですが、3年生になってから、親から「経済的に大学へ行かせるのは難しい」と言われてしまって。

こうの:ちょうどそのタイミングで、公務員模試が学校であったんです。その模試を受けてみたら、適正のある職種が、消防と警察と事務関係のお仕事だったんですが、事務仕事は向いていないだろうな、と。ただ、刑事ドラマを観るのは好きだったこともあってか、警察の仕事だけは、唯一「やってみたいな」と感じていました。だから長年の夢が叶って、みたいな美談ではないのですが(笑)、無事試験にも合格できたので、晴れて警察の道に進むことができました。

――受験の年になってから就職の決断をするのは大変だったと思います。警察のお仕事もまた大変なイメージがありますが、実際にはどんなお仕事をされていましたか?

こうの:警察学校に通い、卒業したらまず交番に行きます。交番に来た方への対応や、市内のパトロールといった業務はおそらくみなさんのイメージ通りかもしれません。一方、さまざまな市民の方への対応をするのがメインの仕事なので、駅前で喧嘩をしている人たちの間に入ったり、酔っ払って電柱に登ったまま降りられなくなった人のもとへ駆けつけたりすることもあります。もしかしたら交番での仕事がいちばんハードだったかもしれないですね……(笑)。

――ほんとうにいろんなことが起こるんですね……! 交番には長くいたのでしょうか。

こうのさん:いえ、一年後には警察署勤務になりました。交番勤務時代、エリア的に万引きが多く、対応に慣れていたこともあって、盗犯係の配属でしたね。

――盗犯では具体的にどんなお仕事をするんでしょう。

こうの:上がってきた被害届をもとに捜査をしていくんですが、実際には地道な業務がほとんどです。犯人探しをするために、周辺住民全員への聞き込みをしたり、周辺の防犯カメラを全部チェックし、それぞれ写っている一部分の情報をひとつにつなげていったり……。

――ひゃー、気が遠くなりそうです……。あと働き方もハードそうですよね。

こうの:そうかもしれないですね。交番では「​​三交代制」と言って、当番、非番、休みを繰り返す働き方をしていました。当番の日は朝から翌朝まで交番で勤務します。その後、警察署で事件を整理します。事件が多い日だと、夕方くらいまで働いていました。これが非番の日ですね。その次の日が休みです。

――ということはつまり、ほぼ丸二日はほとんど起きて働いてるってことなんですか! それは体が持たなさそうです……。

こうの:特に何もないときは夜中に仮眠が3時間とれたりもするんですけどね。基本的にはこのサイクルの繰り返しです。また、警察署へ異動してからも当直があったので、働き方としては結構ハードで、わたし自身、最後の方は体調を崩してしまっていました。

――20代の頃はできても、その働き方をずっと続けるのは体力的にキツいですよね。

こうの:そうですね。コロナ禍で体調が悪化し、日勤の仕事に異動させてもらっていたものの、事務の仕事だったんです。

――あれ、そういえば公務員模試のときに……。

こうの:そうです、あれほど避けてきた事務作業(笑)。案の定、やってみるとやっぱり苦手で。でも、警察で働き続けるには、事務仕事しか残っていない。「それなら警察以外の仕事を探した方がいいかもしれないな」と思ったのが、転職を意識したタイミングでした。

転職後、松戸で飛び込み営業をしていると、たびたび立ちはだかる「omusubi不動産」

――学校の先生だった人が民間企業に転職する知り合いは何人か知っているのですが、警察官から企業へ転職する方は聞いたことがなくて……。転職活動は大変でしたか?

こうの:実は、転職活動自体は割とうまく進みました。4社から内定もいただいて、どこに行こうか悩めるくらいで。一緒に働く人たちからの引き止めがかなりあって、どちらかというと転職を理解してもらうことの方が大変でしたね。警察では定年まで勤めることが当たり前とされているので、「もったいない」「他に行けることなんてないよ」と。

――それだけ警察から民間へ転職することはめずらしいことなんですね。複数社内定があったとのことですが、転職先はどのように選ばれたのでしょうか。

こうの:警察の仕事ではITサービスに触れる機会がなく、スマホにすら苦手意識を感じていたんです。この先、民間企業で働いてもやっていくためには最低限のITに対する理解が必要だなと思い、ここ数年で盛り上がりを見せている、QRコード決済サービスの会社へ転職することに決めました。

――指紋をとる機会が多いということは、基本的に紙で情報管理するということですもんね。初めて民間企業で働いて、戸惑うこともあったのではないでしょうか。

こうの:すべてが衝撃でした(笑)。まず、出社がなかったこと。飛び込み営業だったので、朝に家でオンラインミーティングをしたら、あとは自分で決めた営業先を回って、家へ帰る、っていう。

――「え? 出社しなくていいの?」って不安になりますね(笑)。飛び込みはどんなところへ行ったんですか?

こうの:エリアとしては、柏の営業所へ配属され、松戸で導入先を探していました。大手のサービスだったので、すでに導入されている場所が多く、病院のようなニッチなところを回っていましたね。そのなかで、One Tableを見つけて。ここならまだ導入していないだろう、と思ったら予想通りだったんですが、「曜日によって店主が違う」と聞いて、どうしたらいいんだろう、とかなり戸惑いました。「毎日違うってどういうこと?」って(笑)。

こうの:上司に相談し、結果的には店主の方をひとりずつ登録する、というやり方で導入できることがわかりました。そのとき、QRコードひとつ発行するだけでも大変なのに、この特殊なお店の運営を成り立たせている会社って一体何者なんだろう、と興味がわいて。QRコード決済の会社は契約社員で3年と決められた期間での採用だったため、「その間にやりたいことが見つけられたらいいな」と思っていたわたしには好都合だったのですが、一年目で、すでにomusubi不動産が気になる会社になっていました。

――たしかに松戸でちょっと特殊なお店を探そうとすると、omusubiの管理物件が多いかもしれないですね。

こうの:ただ、当時採用説明会は開催していないようだったので、物件ツアーに潜り込みました(笑)。ツアーの最後に、殿塚さんが挨拶した後「実はわたし、ここで働きたいんですよね」と声をかけたら、後日面接をしてもらえることになり、今に至ります。

たのしい場所をつくるための仕事は、大変だけど嫌いじゃない

――omusubiではどんなお仕事をしていますか?

こうの:今はオーナーさんに対しての営業がメインですね。投資家さんもいらっしゃれば、たまたまご両親から相続させられて急に空き家を持つことになった方もいて、所有されている物件をどのように活用したらよいかをご提案しています。

――外から見ていたときと今を比べて、印象は変わりましたか?

こうの:すごくたのしそうなことをしている会社だと思っていたのですが、たのしいことばかりじゃないんだな、と思いました(笑)。たのしい場所を成り立たせるためには、大変なことが伴うんですよね。それはQRコード決済の会社で営業していたときも薄々感じてはいたんですが……。ただ、入社前に「まずインターンしてみませんか?」と言われて業務を体験していたので、その時点でイメージと実務のギャップは縮まっていました。

――なるほど。大変だなと感じるのはどんなときですか?

こうの:もう毎日です(笑)。想像の斜め上を行く依頼が多く、そのたびにウンウン頭を悩ませています。普通の住居で契約を考えてくださっている方に、「ここで2mのキャンドルをつくれますか?」と相談されたりとか(笑)。

――2mのキャンドル!それは想定外のご相談ですね(笑)。

こうの:でも、どうしたらいいだろう、って裏では四苦八苦しながらも、最終的には「例のアレ、できてるよ」って(笑)。その人が生きやすいように、環境を整えることはなんだかんだ嫌いじゃないんですよね。

――「例のアレ、できてるよ」って言うこうのさんが想像できちゃいます(笑)。これからやってみたいことがあれば教えてください!

こうの:祖父母の家が比較的きれいな古民家なのですが、いつか空き家になってしまったときには、omusubiの知見をもとに、活用したいなと思っています。祖父が盆栽屋さんだったので、それを復活させたいなと思い、祖父がまだつくっている盆栽をECサイトで販売したりしていたこともあって(笑)。でも、自分はどちらかというと裏方向きなので、何かを企てるのが好きな人とタッグを組んで、面白いことをやれたらいいなと思います。


取材・撮影=ひらいめぐみ

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