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「まず、医療現場を健康に」ポーカー好きの現役慶應医大生が目指す世界

インタビュー企画第1弾は代表の西村さんです。

<プロフィール>
西村 宇貴
慶應義塾大学医学部所属。機械学習を独学で学びIT企業での長期インターンにて深層学習ソリューション開発事業、深層学習を用いた脳機能画像データ解析研究などに従事。2018年にMETRICA株式会社設立、CEOに就任。統計検定1級成績優秀者。DATA DEMOCRACY DAYS優秀賞。孫正義育英財団2期生。佐々木泰樹育英会学生起業家奨学生。
▼Twitter
https://twitter.com/nemmunemu

サッカーと中学受験を両立した小学校時代

ーまずお名前と自己紹介をお聞かせください。

西村宇貴(ひろたか)、24才、慶應大学医学部6年生で、現在休学中です。

ー小学校の頃はどんな子供でしたか?

外で遊ぶのが好きだったので、室内で遊ぶことは少なかったですね。
スポーツ全般が得意で、足が学年で1,2番目に早くて。特にサッカーに熱中していて、地区選抜に選ばれたりしていました。

勉強方面だと、小学校に入ってすぐ公文で算数を学んでいたこともあってか、算数とか計算が得意でした。小学校5年生の時に親にそそのかされるままに中学受験の勉強を始めました。算数はトップクラスだったんですが、他は全然駄目で(笑)。国語も理科社会などの記憶系も、全然駄目。当時は勉強全般が嫌いで、机に長時間座っていることもあまり好きじゃなくて、得意の数学だけ頑張る、みたいな感じでした。

受験勉強を始めてからは、サッカーとの両立が大変で。周りの友達が公立中学進学で遊んでいる中、なぜ自分は勉強しなきゃいけないんだろうともやっとしつつ、「将来絶対に有利になるから」という親の言葉を受けながら、なんとなく過ごしていました。

まともな思い出がない中学時代

ー僕も中学受験組なので自分だけなんで勉強しなきゃいけないんだって不満わかります。結局私立には合格したんですか?

しました。でも私立に受かったのに、当時朝寝坊が多かったので「遅刻をいっぱいして退学させられるかも」と親に脅されて、一番家から近い都立両国高校付属中学(受かった中だと偏差値はそんなに高くなかった)に進学したんですよね(笑)

ーそんな中進学した中学はどうだったんですか?

公立の、しかもレベルもそんなに高くない学校に進学したので、かなりゆるい中学生活をしていました。学年1番で入学したものの、特に勉強していなかったので定期試験の成績は上から10~20番くらいでしたね。学校の勉強が楽しくなくて、講義が面白くなさそうな日は学校に行かないっていう日も結構ありました。

部活はサッカーをやっていたんですが、そんなに強豪校でもなかったのでゆるくやる程度でした。中学では、本当にまともな思い出がないんです。

中学の反動で充実していた高校時代

ー高校はどうでしたか?

中学の反動もあったのか、高校はめちゃくちゃ充実してたんですよね。

漫画「あひるの空」にハマったことをきっかけに、サッカーをやめてバスケを始めました。バスケ部には上手い人が沢山いて、とにかく楽しかったんです。初心者から始めて大変だったけど、最終的にはスタメンに選ばれて、大会のベストプレイヤーに選ばれるくらいになりました。

高校生活は部活とか応援団(毎年の体育祭でダンスしたりするやつ)、文化祭でのクラスの催し物など、全てが楽しくて。勉強も高校になってからは難易度が上がって面白く感じるようになったので、数学以外もそこそこ真面目に勉強するようになりました。とはいっても部活が忙しくて普段は全く勉強せず、定期試験1週間前くらいに徹夜で詰め込むタイプでした。

ー高校の頃から起業したいとかは思ってたんですか?

いや、全然そんなことなかったです。でも、お金には昔から興味があって。小学生の時から漠然とお金が好きで、卒業文集では「将来は京都大学(当時から京都が大好きだった)の経済学部に進学して、卒後は銀行に就職して金融市場を回して行きたい」と書いていました(笑)。

高校生になってもそこは変わらずで、なりたい職業は定まっていなかったんですけど「給料が良い職に就きます」と三者面談で担任の先生に言ったのを今でも覚えています(笑)

最近はポーカーにハマっています

ー西村さんの好きなもの・こと・趣味は何ですか?理由も教えてください!

ポーカー、洋服、グルメです。全体的に言えるのは、オシャレなものが好き、ということですかね。

<洋服とグルメ>

元々人と積極的に絡むのが好きじゃなくて、1人の時間を楽しむのが好きだったこともあって、他人との交流にあまりお金をかけずに自分にお金をかけることが多かったです。洋服とご飯は一番わかりやすくお金を使えました。

<ポーカー>

ポーカーが好きな理由が3つあって、

①そもそもゲームとしてめちゃめちゃ良いんです。確率のことをちゃんと分かっていないと上手くなれないし、ゲーム理論(ミクロ経済学の一分野)的なこともちゃんと構築されていて、とにかく奥が深いんです。知的好奇心をめちゃくちゃくすぐられます。さらに、数学的なこととは別で、読み合いみたいな心理学的な側面もあるのも、とても面白いんです。

②ポーカーをしている人たち=ポーカープレイヤーって、面白い人が沢山いるんですよ。僕は基本的に1人が好きだったから無駄な付き合いはしないんですけど、ポーカーでの人間関係は、なんていうか、ちょうど良いんです。それに、ポーカーが上手い人って頭がいいのはもちろんなんですけど、それだけじゃなくて他にもユニークな特徴があることが多いです。例えば、AV男優とか社長とかYoutuberとか、これまで色んな人に出会いました。ポーカーを通じて、これまでの人生で絡んだ経験がないような人たちと交流ができるのは楽しいですね。

③お金が絡むのが、僕の性に合っています。ポーカーのうまさが賞金獲得に直結しているのがわかりやすくて、燃えます(笑)。お金が好きなのは小さい頃から一貫していますね。

意外なきっかけで慶應医学部に進学

ー通われている大学はどちらですか?

慶應義塾大学の医学部に在籍中です。

ーなぜその大学、その学部を選んだんですか?

慶應を受験したのは、友達から、「西村って慶應医学部似合うよね」「慶應医学部に行ったらモテる」と色々吹き込まれたからです。受験を決意したのが出願の締め切り二日前とかで、1日で親を説得して慌てて出願したのを覚えています。

慶應の中でも医学部を選んだのは、就活をしたくなかったからですね。今は違うんですけど、当時は就活に対してあまり良いイメージがなくて。「よくわからない大人によくわからない基準で評価されて、自分が行きたい会社や業界に行けなくなるなんて、絶対に嫌だ」と考えていました。
医学部に進学すれば医師を目指して勉強して、医師国家試験に受かりさえすれば少なくても医師になれるわけだから、分かりやすくて良いなと思って。

ー大学での研究内容について教えてください。

脳神経科学の研究を学部3~4年生の時にやっていました。脳活動のデータをとってそれを数学的に解析して、脳機能を解明するような研究です。
遺伝子組み換え動物を使って、ニューロンの活動を操作して観察して、データをとり解析して、みたいな研究です。

勉強の面白さを知ってのめり込む

ー大学時代はどんな学生でしたか?どんなことに熱中していましたか?

慶應に入った当初は大学生らしくいっぱい遊んでいたんですけど、すぐになんか違うなと思って勉強を主軸にし始めました。そしたら勉強が結構面白くなっちゃって、医学の研究をしたり、違う分野ではあるんですが情報科学、特に機械学習の勉強に熱中することになりました。

そんなわけで大学2年生以降は勉強がメインになっていましたね。グルメとポーカーも、本当にここ最近できた趣味で、半年前くらいまでは趣味=服と勉強、と答えていたくらい、勉強しかしてなかった気がします。

ーなぜその活動に力を入れていたんですか?何が楽しかったんですか?

大学に入るまでまともに勉強したことがなくて、勉強の面白さを大学に入ってから知ったからだと思います。周りに結構賢い友達や先生がいて、勉強する環境が整っていたことも大きかったのかなと。

勉強をして新しいことを知ることそのものも面白かったんですけど、多分それ以上に面白いと感じていたのは、賢い人と高度に知的な会話を楽しむことだったんですよね。元々人と絡むのがそんなに好きじゃなかったこともあって、勉強というインターフェースを通して人と繋がって、お互いが思っていることをぶつけ合うことが楽しかったです。

このまま医師になることに違和感を感じ起業を決意

ー学生時代の経験から学んだことはなんですか?

自分が学んだのは、
「どんなことも、本気を出せば割とできちゃう。」
「違う分野の勉強も根性見せればその業界の人と対等に話せるくらいまで成長できる。 」
あとは、「成長のドライブには、環境はとても大事」ということです。

尊敬できる優秀な人が周りにいるのといないのじゃ、自分の成長度合いも全然違ってくる。自分の成長に合わせて適切な環境を選択して、そこへ飛び込んでいくことがとても大切だと思います。自分がこれまで成長できたのは、その時々に適した環境に身を置いていたからだと思っています。環境は所属等に関係なく、自分で選べます。だからこそ僕は、医学部にいながら情報科学やエンジニアリングなどの他分野の知見を貯めることができたと思います。

ー医学部と起業は相反するものな気がします。そんな中で起業しようと思ったきっかけはなんだったんですか?

起業しようと思ったきっかけは、医学部生として過ごしていく中でそのまま医師になるキャリアパスに疑問を感じたからです。大学生活中の様々な発見・学びを通して、医師というキャリアは僕にはあんまり合っていないということを、なんとなく悟りました。
そういうこともあって、大学生活中にエンジニアとして活動していた時期があったのですが、その時に「普通の医師になるよりもこちらの方が楽しそうだ」と思いました。
その結果、エンジニアと起業という二つの選択肢を考えるようになりました。正直どっちでもよかったんですが、ありがたいことに僕に仕事をお願いしたいという大手企業がいたこともあって、最終的には起業を選択しました。

起業を後押しした他の要因としては、自分が医学部で感じた医療分野の違和感の存在も大きいです。

医師になって目の前の患者を救っていく、というほとんどの医学部生が歩む道へ進んでも、僕の感じる違和感は解消されない。あるいは解消されたとしても、そこに行き着くまでにとてつもない時間がかかってしまうと考えました。そういうこともあって、”ビジネス”というアプローチで日本の医療を変えるためのチャレンジをしてみたいな、と思うようになりました。

バランスに恵まれたメンバーと共に

ー幅野さんや他のメンバーとの出会いを教えてください。

幅野とは、METRICAを設立する前から知り合ってました。幅野が学部生の時に所属していた研究室のボスと僕が個人的に親交があって、当時研究室のリーダーをしていた幅野を紹介されて知り合いました。

その後METRICAを設立するまでに幅野を含めた何人かの技術者たちと一緒に機械学習の勉強会を企画したり、業務委託案件でコラボしたりしたんです。その後、METRICAを設立し、幅野には設立時からコミットしてもらっています。

荒木さんとは、METRICAを設立して3,4ヶ月ほどたって、資金調達をしたいなーと思い始めた時に、知り合いから紹介されて知り合いました。

ー幅野さんや他のメンバーのことを他己紹介してください。

幅野

METRICAの最年少メンバーで、創業期からCTOをやってくれているエンジニアです。エンジニアとしてはとても珍しいタイプのエンジニアだと思います。

まず第一に、コミュニケーション能力が高く、場の雰囲気をいい感じにしてくれることが多々あります。普通のエンジニアってエンジニア同士のコミュニケーションはできても、そもそもコミュニケーションが好きでないor得意でないorうまくない、みたいなところがあるじゃないですか。それだと、ボードメンバーとしての立ち位置でビジネスに取り組む時に、他のビジネスメンバーと円滑に交流・議論ができないこともあると思うんですけど、幅野はビジネスサイドの人との交流がとてもうまくて、良好な関係を築きながら仕事を進められているのが強いですね。
METRICAのビジネスサイドのメンバーもみんな、「はばかん(幅野)は人間味があるエンジニアだよね」とよく言っています。

第二に興味の柔軟性がめちゃくちゃ高い人だと思います。自分の専門分野は強いけど他は全然興味を示さない、みたいな硬派なエンジニアが多い中、幅野は自分の専門分野以外のエンジニアリングだったり、さらにはビジネス的なことまでも自分の能力として身に付けようと頑張っています。
しかもそれら一つ一つを卒なくこなしてしまうから、「これ、できるようになってくれない?」とお願いしたことは、だいたいやってくれます。
ビジネスをやっていく上で必要なスピリットを全て持っているエンジニアですし、勿論、エンジニア力も同世代の知り合いの中でトップクラスです。
荒木さん

いつも笑っているファイナンス担当兼何でも屋さんです。METRICAのムードメーカーでもありますね。METRICAは、僕の人となりがかなり影響してバチバチの議論をすることもたくさんあるんですけど(笑)、そういう時にいい感じに笑いを入れてくれます。

お金周りのことは全般的に助けてもらっているし、僕が何か困った時はいつも率先して動いてくれる人です。欲しい人材像とか繋いで欲しい人を要望すると、だいたい実現してしまうのですごいですよね。

あとは、僕にとっての最大のイエスマンでもあります。判断に困った時に、「これでいいですかね?」と荒木さんに聞くと、内容がなんでもだいたい「いいと思う」と返して背中を押してくれるので心強いです。

楽しくガチで仕事をしたい人と一緒に働きたい

ー今後、何かやってみたいことはありますか?

長期的には、METRICAという会社そのもの、あるいはメトリカが提供するサービスを、日本の医療に欠かせない存在にしていきたいです。
METRICAが今後実現していくものによって、日本の医療が今よりちょっとでも健康でまともなものになればいいな、と思います。

個人としては、METRICAが成功してある程度落ち着いたあとに投資家的な立場になって経済活動をしたいですね。
あとは、ポーカーに本気で取り組んでプロのプレイヤーになることも、結構真面目に考えています(笑)

ー最後にこの記事を読んでくれているみなさんに向けてメッセージをお願いします!

一緒に医療を変えていきましょう!みたいなノリがあんまり好きじゃないので、そう言うのは言いません。ただ純粋に、METRICAで僕らと一緒に、スキルアップを楽しみながらガチで仕事をしたい人を募集してます!ポーカーも好きだと尚良しです!

(以下、関連リンク)2019年9月4日追記

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METRICAのエンジニアが書いている技術ブログです。

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インターンの中村です。 今回はStyleGANを読んだので解説していきます。 https://arxiv.org/abs/1812.04948 NVIDIAの論文です。 GPU開発元らしく潤沢な GPU 資源を使って超リアルな画像を生成したことで話題になりましたが、特徴をレベルごとに分離するGeneratorの構造が独特で内容的にも面白いです。 この記事では、GANの基礎をさらっとさらい、そのあとでStyleGANの アーキテクチャ の説明をします。 生成モデル( Generator)を敵対モデル( Ad
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