1
/
5

これからの学校・先生は学びの場づくりにシフト。 先生の活動を評価し合い、挑戦を称賛する文化を育てよう

GIGAスクール構想、新しい学習指導要領のスタートなど、変革の年にコロナ襲来。休校要請を受けるなど前代未聞の事態に、2020年度前半、学校教育の現場は混乱を極めました。
コロナで学校教育はどう変わったのでしょう。また、これからどんな教育を施すべきなのでしょうか。様々な立場で教育に携わる4名が、どこまでも真剣に学校・教育について熱いオンライントークセッションを展開!!

■開催:2020年8月8日(土)14:00〜15:30 ZOOM開催
■タイトル:『先生サミット』コロナ禍の教育の可能性を探求
■オンライン動画URL:https://www.facebook.com/1865017710416047/videos/767875607314152
■登壇者 ※敬称略
●小宮山利恵子
スタディサプリ教育AI研究所所長/国立大学法人 東京学芸大学大学院教育学研究科准教授
●三原菜央
スマイルバトン 代表取締役社長
『先生の学校』
●中山隆
一般財団法人こゆ地域づくり推進機構(こゆ財団)教育イノベーション推進専門官
●齋藤潤一
一般財団法人こゆ地域づくり推進機構 代表理事/ 慶應義塾大学大学院 非常勤講師

コロナとの共生。教育は、学校はどう変わる?

令和2年度の新学期は異例のスタートとなりました。新型コロナウイルス感染拡大により社会が一気にオンライン化し、学校もその機能を継続させるため、オンライン機能を使った授業やコミュニケーションを取り入れ始めました。


「今後のマジョリティーはICT教育。オンラインという選択肢を知った今、学校や先生の役割は何だろう?という疑問が当然出てきますよね」
と小宮山さん。

学校は、「仲間と協働する場所。給食時間のような余白部分も内包した大事な場所である」こと。
先生は、「学校の内外で子どもたちそれぞれに合わせた場のコーディネート、ファシリテーションが新たな役割」。

冒頭から、こんな共通認識が見えてきました。

モチベーションの火を活性化させ
先生の背中を押す存在が必要


教育コミュニティ『先生の学校』を運営する三原さんから提示された課題の一つは、
「情熱を持った公立学校の先生が組織や教育のあり方に疑問を持ち、離職するケースが少なくない」こと。

「先生自身が考えて判断する機会がうばわれています。意思決定に現場の先生の意見を聞き、少しずつ裁量権を先生に渡していくといいのでは」(三原さん)

それを受け、
「先生が裁量権を与えられたら、公立学校は変われますか?」
とこゆ財団・齋藤が問いを投げかけます。

「先生も子どもたちと同じで、ちょっと背中を押してあげると変われる。これまで先生たちの背中を押す存在がなかったと思います」(中山)

「生きる力を育むのに必要なのは“モチベーション”。誰しもが持っているモチベーションの火に酸素を送るような活動をしたいと思っています」(三原さん)


地方に潜在する、「生きる力」を育む可能性

対談中、度々登場した「生きる力」というワード。
「生きる力って何でしょう?」との問いに、
「選択肢を自分でつくれる力、でしょうか」と小宮山さん。

生きる力を育むには教科教育とともに探求学習活動が有効。体験や五感を使った学びをどれだけ取り入れられるかを考えると、これからは地方に潜在的な可能性を感じる、と話します。

「確かに地方には体験できることや関わってくれる人たちが身近にいますね」
と、4カ月間新富町で活動してきた中山も同意します。

学校だけではなく、家庭や地域も含めてボーダレスにつながって、生きる力を育むことが求められています。


働き方改革はマスト
取り組みをオープンに賞賛し合える雰囲気を

教育先進国・フィンランドも話題に。

フィンランドでは生徒たちとの時間、家族との時間を確保された環境で、先生たちはゆとりをもって仕事に臨んでいます。その一方、日本では先生たちの働き方改革が未だ叫ばれ続けているのが現状です。

「できなかったことに注目して減点法で評価するのではなく、どんな取り組みをしたのかを先生たちがどんどんオープンにして、賞賛し合いながら評価する仕組みに変化すべき」(こゆ財団/中山)

「加点法で評価されるのでなければ、先生たちはみんな頑張れない。心理的に安全・安心な、挑戦を褒め称える文化が必要」(小宮山さん)

終わりに…

1時間半では足りないほど、掘り下げたいテーマが山積する教育分野のオンラインセッションとなりました。

「公立学校の先生たちの環境づくり、インフラ整備が必要ですね。学校だけじゃなく、私塾やオンラインサロンなど、学びを深めるためのいろんな選択肢があってもいいと思います。そんな社会環境が広がっていけば、教育も変わっていくのではないでしょうか」(齋藤)

第2回の開催も乞うご期待!

一般財団法人こゆ地域づくり推進機構では一緒に働く仲間を募集しています
同じタグの記事
今週のランキング