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1日1本しか電車が来ないことを逆手に? シェアリングエコノミーが進む小さな町の玄関口

世界一チャレンジしやすいまち、宮崎県新富町。

この町で、自分のやりたいことにチャレンジしてみませんか?

ここでは、新富町が設立した地域商社こゆ財団をはじめ、町の中でどんなチャレンジが起こっているのかを紹介しています。

今回は「JR日向新富駅」です。



こゆ財団の出発地点

JR日向新富駅は、九州の東側を南北に走る日豊本線(にっぽうほんせん)の駅で、電車はおよそ1時間に1本程度、1日の乗降者数はおよそ200〜300人程度の小さな空間です。ちょっと変わったこのデザイン、町で盛んな施設園芸(ビニルハウス)と、町章の一部がモチーフなんですよ。

私たちこゆ財団は、前身である新富町観光協会が駅を管理していたことから、2017年4月にこの駅舎を事務所として事業をスタートしました。

ちなみに、オフィスといっても実際は改札の奥にある小さな部屋で、事務机が8つしか入りませんでした(設立当初のメンバーは9名! 駅待合室などを活用して、足りないスペースやりくりしていました)。電車で新富町に来られたお客様は、駅直結・徒歩30秒のアクセスと、駅舎内に事務所があるという光景が珍しかったようで、よく写真を撮影されていたものです。


電車が来るのは1時間に1本。空いた空間が活用できる!

そんな日向新富駅ですが、実は内閣官房シェアリングエコノミー推進室が公開している『シェア・ニッポン100〜未来へ繋がる地域の活力』に選定されています。

地域の課題解決や経済活性化に向けてシェアリングエコノミーを活用している事例を全国から集めたものなのですが、これは”1時間に1本しか電車が来ないことを逆手にとって、多目的に活用してみよう”という発想を取り上げていただいたものです。

1時間に1本しか電車が来ないので、待合室にはいつも人がいるわけではありません。しかし日向新富駅は、町に一つの大事な空間。電車が来ても来なくても、みんなの役に立つスペースになるといいのでは、と考えました。


※リニューアル前の待合室。ふだんは人影もまばらですが、通勤や通学には欠かせない玄関口です。


そこでまずテレビモニターを設置し、新しい椅子と机を置いてみました。どこの駅にも待合室に椅子はありますが、机があるのはきっと珍しいはず。モニターでは町の特産品の映像などを流しながら、待合室をコワーキングスペースのように使ってくれれば…と発想したのです。

すると、最初に驚かせてくれたのは子どもたち。ある子たちはトランプを広げ、またある子たちは宿題をはじめました。もともと駅は電車の乗り降りに使う場ですが、モニターと机・椅子を置いただけで、待合室での過ごし方、駅という空間の使い方に選択肢が増えることを、子どもたちは教えてくれました。


待合室でトークセッション!

そして2018年10月、今度は駅をもっともっとおもしろい町の玄関口にするためのチャレンジとして、駅を起点とする食べ歩きイベントを開催しました。その名も「電車でIKOYA(いこーや)」です。

当日は約30名の参加者が待合室に集い(もちろん電車をご利用の方にはご迷惑にならぬよう配慮して)、先述のモニターを使ってトークセッションを実施したのですが、待合室がイベント会場になった光景は大変新鮮でした。



地域のサポートも手厚い”みんなの駅”

また、日向新富駅はずっと以前から駅を大切に守り継いでこられている地域の方々のサポートも盛んです。子どもたちと待合室の椅子の色を塗り直すワークショップが開催されたりもしています。

さらに2019年には新富町の観光や特産品を紹介する案内パネルが登場! 台風による停電時は、ケータイ用の充電ターミナルとして活用されたこともあります。まさに”みんなの駅”です。



2020年には、駅から徒歩約15分のところにサッカースタジアムが完成する予定です。町の中と外をつないできた日向新富駅は、これからは人と人とをつなぐ玄関口として、まだまだいろんなチャレンジができる可能性を秘めています。

日向新富駅は、宮崎空港から直行便でおよそ40分。新富町を訪れる際は、ぜひ電車でお越しください!

一般財団法人こゆ地域づくり推進機構では一緒に働く仲間を募集しています
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