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漆芸経験者・新卒で入社したCさんが金継ぎ職人になるまで【後編】

漆芸経験者・新卒でつぐつぐに入社したCさんの入社7ヶ月目以降の様子をご紹介します!

金継ぎ師ポジション入社7ヶ月目

Cさんは6ヶ月の研修期間を終え、7ヶ月目になって正社員に昇進しました。再び頑張るぞ!と心に決めました。金継ぎ教室の講師としての経験も増え、時折、「生徒さんはこれについてはもう理解しているだろう」と考え、説明を省略してしまっている自分に気づきました。そして、「このような慢心を変えよう」と自分で決心しました。例えば、説明に時間をかけたり、絵や言葉、矢印などの図を使ってみたりすることを始めました。

継続して通ってくれる生徒さんが来るときは、事前に器の状況や、これまでの進捗を確認しながら指導ます。また多人数のクラスも安心して行うことができるようになってきました。新規の生徒さんには、初めの段階でしっかりと基礎を教えることが肝要です。金継ぎの腕前が向上すると、自分流のアプローチを思いつくことがありますが、それを抑えてつぐつぐで学んだ基本に忠実に、全員にスタンダードな手法を伝えることが重要だと感じています。

Cさんのコメント「これからも、初めて講師をした時の気持ちを大切にしようと考えています。」

金継ぎ教室の生徒さんが長期間休んでいて、数ヶ月後にクラスに戻ってきた時に、今の自分と以前の自分が同じように教えられているかを振り返り、自問自答したそうです。金継ぎ教室の受講生は、みな細かい作業が得意なわけではないため、手作業が苦手な人や大雑把な性格の方、性別によっても、同じ説明をしても理解の仕方が異なるそうです。ある時、Cさんが教えた時に上手くできなかった生徒さんが、先輩がゆっくりと丁寧に教えたら理解してできるようになったことがありました。これをきっかけに、「できない」と断定せず、そのような方にこそ、丁寧に、時間をかけて教えていこうと誓ったそうです。

金継ぎ師ポジション入社8ヶ月目〜1年


浅草店が1年半経過し、生徒数は着実に増加しています。浅草店は恵比寿店よりも広く、1回のクラスには最大で10名まで参加可能ですが、6名を超えると先輩に協力を仰いでいます。生徒数の増加は喜ばしいことですが、1人1人の生徒に適切な時間をかけるために、より一層の気配りが求められます。増える生徒数の中で、各生徒の満足度を向上させる方法を常に考えています。生徒さんに最良のサポートを提供したいという想いから、希望があれば作業を手伝うこともある一方、「全てを自分でやりたい」という生徒さんの作品には手を加えないようにして、生徒さんのニーズに合わせることを気をつけています。

Cさんは準備作業を大切にし、教室やワークショップの前には1時間前までに準備を整え、それが終わったら昼休憩を取るようにしています。一人で業務を十分にこなせるようになりましたが、恵比寿店から浅草店へはまだ週1回ずつ先輩2名が訪れ、指導を行っている状態です。現在の自分に甘んじず、今後も成長し続けてほしいと、会社から期待されています。

金継ぎ師ポジション入社からもうすぐ1年のCさんの今後の目標

つぐつぐでは毎月多くの金継ぎ修理の依頼が寄せられています。信頼性を最優先に考える当社は、お約束した納期に絶対的に遅れないよう努めています。具体的な社内目標の納期も定め、それを確実に守るためには、Cさんが今後取り組むべき課題は「効率性」だそうです。修理スピードと効率性を向上させ、社内目標の納期を余裕をもって守る能力を身につけたいと考えています。

同時に、金継ぎ修理と教室・ワークショップ講師の両立を目指し、計画的に動いていくこともCさんの目標です。まだ自身の業務において無駄があるのではないかと感じています。

「無駄を解消するためにはどうすればいいか?」と質問したところ、「先輩に聞くのが一番ですが、相互の時間を尊重してバランスよく相談していくことが重要です」と回答しています。つぐつぐの仕事環境は決して質問しにくい雰囲気ではなく、適切なタイミングで素直に話し合えるとも語っています。Cさんが最近よく相談するトピックには、「金継ぎワークショップでのプレゼンの向上方法」「その他のお客様の満足度向上のためのアイデア」があり、先輩からアドバイスを頻繁に受けています。さらに、金継ぎ事業部長には品質チェック時に、修理技術の改善点を質問しています。

これから金継ぎ師ポジションを目指す方へのメッセージ



金継ぎ未経験で入社したAさんの記事にある通り、金継ぎ師になる際には接客が予想以上に重要な要素であることを理解した上で、応募することが良いでしょう。そして、コミュニケーション能力がキーポイントとのことです!勢いや情熱をもって行動できる方、パッションがある方が向いていると考えます。その背景には、外国のお客様が訪れた場合、言葉が通じなくても身振り手振りで丁寧な説明が求められる瞬間があるためです。消極的で、黙々と金継ぎに専念したい方は、つぐつぐの仕事にはあまり適していないでしょう。逆に、アルバイトなどで接客業の経験がある方は、金継ぎ未経験の方よりも早く一人前になれる可能性があります。なぜなら、つぐつぐの金継ぎ方法は入社後に学ぶものであり、経験者よりも接客に慣れている方がスムーズに馴染めるからです。

さらに、金継ぎを自分で行うだけでなく、同時に教えながら学ぶ機会も多いです。手作業が好きなら、技術は次第に身についていきます。苦手でも努力すれば必ずできるようになります。

浅草店ではリラックスした雰囲気が醸し出されており、おだやかな人柄が好ましいです。お客様との会話も重視されており、談笑ができ、穏やかな方が最適だと言えるでしょう。

最後に、つぐつぐは創業から3年目にして初めて新卒としてCさんを採用しました。当初は、新卒に対して金継ぎだけでなく社会人としてのマナーから教育できるか不安もありましたが、Cさんは期待以上に成長しました。生徒さんに対する心のこもった指導がファンを生み、お礼のお菓子まで頂戴しているほどです(笑)。今後は自分の後輩が入ってきますので、社内では先輩となって、第一線で活躍してほしいです!

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