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システムエンジニアリングサービスの「弱点」について、まとめてみました!

プロシードでは請負や準委任など様々な契約形態でビジネスをしておりますが、そのなかで採用担当の仕事をしていると、日々いろいろな方のプロフィールを拝見させて頂きます。

見ていると、以下のような記載をよく目にします。
・『プロジェクトのゴールを見届けられないまま、別プロジェクトへ行くことに不満を持っています』
・『メンバーがプロジェクト毎に変化する事にやりずらさを感じています』
・『腰を落ち着けて自社開発できる会社に行きたいと思います』
・『SES事業を行う会社には将来性が見えません』
・『SES企業からのスカウトはお断りしております』
みなさん、これらの記述の後に書かれている文章は「自社開発をしている会社を希望します」が多いと感じます。

私自身、エンジニアとして経験してきた道ですので、そう書かれる方のお気持ち、よく分かります。
今回は「SESは絶対にダメなビジネス!」だけで就職しようとしている方に向けて、あくまでも私見ですが「SESの弱点をまとめたうえで、経験者としての意見」を綴ります。
ご自身の就職を考える一助にして頂ければ幸いです。

本当に「SES < 自社開発」なのか?

私は、IT未経験新卒でプロシードに入社し、13年目になります。これまでには、請負や準委任など様々な契約形態の中でキャリアを積み上げてきました。入社当時のプロシードはプライマリ顧客も少なく、ベンダー配下でのプロジェクト参画も少なくなかったですが、入社後5年目を過ぎたあたりから、プライマリ顧客も増えてきました。以降は、自社製品開発を行う企業へのプロジェクト支援やエンドユーザーの社員代替として、エンドユーザーと一緒になってプロジェクト立ち上げを行ったり、ベンダーをコントロールするなどを経験してきました。こうした経験が私のベースとなっています。
さて、冒頭にも書いた「プロフィールに書いてあるSESを嫌う要因、弱点」とは何なのでしょうか?就活をする方のプロフィールを読んでみた結果、私の考えだと以下のような例が挙げられるかと思います。
1.顧客がいないとビジネスにならない。顧客に影響される。
2.孤独感。仲間意識が薄い。
3.薄給。
4.固定メンバーで仕事ができない
5.勤務地が固定されない
6.キャリア形成ができない。技術が身につかない。
7.上流工程等、経験したい工程に関われない
それぞれについて、書いていきたいと思います。

1.顧客がいないとビジネスにならない。顧客に影響される。

私が知る限り「顧客がいないビジネス」も「顧客の影響を受けないビジネス」も基本は存在しないと思いますが、どうしてかSESを避けると顧客の影響を受けないビジネスになると思いこむ方がいるように感じます。
SESにおけるクライアントは企業になります。BtoBのビジネスではクライアントの都合によるプロジェクトの中断や縮小、スケジュール変更などが発生します。しかし、それはプライマリでもセカンダリでもベンダーである限り同じです。
また、自社開発のサービスであっても、もちろん顧客に左右されます。自社開発のサービスが企業向けのサービスならば、SESのベンダーと同じことが発生する可能性があります。さらにコンシューマ向けのサービスの場合であっても、景気の影響を受けるのはBtoBの場合と同じですし、別会社の類似サービスへ乗り換えられることも可能性としてはあります。
実際にダウンロード数〇〇〇万!とCMを放送するなど話題になった企業が、様々な要因から以降の業績は伸びず、SES事業にシフトしたり大量解雇を行ったケースもあります。コンシューマ向けのサービスはライフサイクルと競合の存在があり、顧客の意思決定に左右されるということは念頭に置くべきです。

2.孤独感。仲間意識が薄い。

こちらについては、本人の意識が大きくかかわってくると感じます。ロイヤリティを意識し、会社一員として理念に基づいて業務に努める人には孤独感や仲間意識の欠如は起こりづらいと思います。SESであっても自社の名前で仕事をすることが通常ですし、派遣とSESは全くの別物ですので、一人での業務もあり得ません。チームでプロジェクトを支援するSESには孤独感や仲間意識が薄れることは少ないのです。
しかし、自社を好きになれない人もいると思います。その結果、孤独感や仲間意識が薄くなるのを感じるかもしれませんが、それはSESだからではなく、その会社特有の問題です。
さらに、自社開発の企業であっても、協力会社としてSES企業のエンジニアや、フリーランスエンジニアをアサインする事はすくなくありません。私としても、そういった立場でプロジェクトに参画することも何度もありました。
同じプロジェクトに参画しているクライアントやベンダーの方などは、どうでしょうか?同じゴールにむかって毎日業務に取り組むメンバーも仲間ではないでしょうか?私自身これまでにいくつものプロジェクトに参画してきましたが、一緒にゴールを目指し努力したメンバーと今でも交流があります。自分自身がそういったメンバーを仲間と感じることができるのであれば、きっと彼らも、仲間だと感じてくれていると、私の経験からは想像できます。
私は一緒にゴールを目指し、苦楽を共にする方を仲間だと考えています。それが自社であれ、他社であれ、考えは同じです。また自社のメンバーとも参画するプロジェクトが別であっても、会社として同じゴールを目指し苦楽を共にするのであれば、同様に仲間なのだと思います。

3.薄給。

これはなんとも言えません。ただのイメージなんではないかと思います。企業規模にも影響されますが、SESでも平均年収1,000万円オーバーの会社もあります。
SESで給与が高くなる企業、低くなる企業の傾向を以下に挙げます(あくまで経験則、肌感による推測です)
【給与が高い会社】
・役員が少ない(社長以外にいない)
・営業、バックオフィスの全社員比率が低い
・オフィス、福利厚生にお金をかけていない
・エンジニア達の技術レベルやビジネススキルが高い
・社員育成の環境が整っている
・プライマリ顧客が多い
【給与が低い会社】
・役員が多い(社長+複数名)
・営業、バックオフィスの全社員比率が高い
・オフィス、福利厚生にお金をかけていない
・エンジニア達の技術レベル・ビジネススキルが低い、或いは偏っている
・社員育成が整っていない
・プライマリ顧客が少ない
バックオフィスもエンジニア給与に影響をえます。SES事業の場合、エンジニア一人一人の単価によって計上された売上のうち、バックオフィスの給与に回る分が多くなればなるほど、エンジニアへの報酬は低くなります。
一方、自社製品開発の会社では、バックオフィスがSES企業よりも厚い事が考えられます。セールス、カスタマーサポート、広報、企画など・・・自社製品が売れなければ会社が成り立ちません。故に売上のうちエンジニアの人件費に回る比率は低くなる可能性はあります。
結局どれだけサービス・アプリが売れているか?に左右されるということです。SESは実力があり、それが認められれば給与に影響しますが、自社製品開発の場合は、必ずしもエンジニアの実力に比例するとは限りません。
ですので、自社開発のエンジニアよりSESのエンジニアの方が薄給とは別々のビジネスモデルである以上言い切れないのです。
※実際に、弊社のSESエンジニアより、顧客である自社製品開発ベンダーの、同年代のプロパーの方が給与が低いというケースも事実としてあります。

4.固定メンバーで仕事ができない。

上司・先輩と仲良くなれたのに、それぞれ違うプロジェクトに異動になってしまう。後輩の成長を実感している途上で別プロジェクトに異動することになってしまう。といった、ケースは確かにあると思います。
同じことは自社開発の場合にも起こりうる事だと思いますが、こういったケースは確かに、SESでも多い悩みだと思います。
一方で、ずっとメンバーが変わらないケースも考えてみて欲しいと思います。
苦手な上司や先輩がいるプロジェクトに配属された。不仲の同僚と同じプロジェクトを進めている。
この様なケースがあなたの身に起きた時は違うプロジェクトに行きたいと考えませんか?

必ずしも「固定メンバーで仕事ができない」事がSESの弱点とは言い切れないのではないのでしょうか。
また、様々な人たちと一緒に仕事をすることで、多様な考え方やノウハウを吸収できることもあります。更に人脈が形成でき、それこそ自社の仲間を増やすことにもなります。



5.勤務地が固定されない。

これまでの1~4については、会社によったり、個人の考え方次第なところがあったと思います。ですが5については、そうでなく、SESの弱点であると考えています。
長期間のプロジェクトならば関係ありませんが、1年から1年半程度で参画するプロジェクトが変わる方もいます。
この弱点を「勤務地が変わって心機一転ですね」とか、考え方どうこうでは言えないものがあると考えています。住宅を購入する場合もあるでしょうし、ご家族にも少なからず影響があるでしょう。
もちろん、自社開発企業も移転の可能性などがありますが、1~2年程度で移転するような企業はいないでしょう。
弊社では、お住まいと参画するプロジェクトの移動距離を考慮しておりますし、そのあたりを全く考慮しない企業は少ないんじゃないかと思います。

6.キャリア形成ができない。技術が身につかない。

プログラム言語や開発環境を指定して就職活動をされている方もいます。実際、特定のスキルだけを突き詰めて技術を身に着けていくのは自社製品開発の企業の方が希望が通りやすいような気がします。特定の言語の開発がしたいんだ!という確固たる意志を持つ方は、SESにやや不向きな気がします。
ただ、自社製品の開発でも、環境や状況の変化により開発言語は随時変わっていきます。また、SES企業であっても、自分の希望する言語を突き詰めていくことはそれほど難しいとことでは無いと感じております。
ですが、そもそも、あなたがエンジニアとしてやりたいことは、本当にその特定の言語を使ってプログラムを書くことでしょうか?
プログラム言語の選定は、作るシステムの目的や環境等を総合的に判断し、最適な言語を選びます。ですので、プログラム言語はあくまでもプログラムを作るための手段でしかないのです。手段と目的をはき違えていないでしょうか?例えば、Rubyを使いたいから、ブログを作ろう!というケースはまず無いでしょう。プログラム言語を限定することで、携われるサービス・アプリを絞るのは、非常にもったいないと思います。
SESエンジニアは、特定のプログラム言語だけを選べないかもしれません。
逆に考えると、いろいろなプログラム言語、ミドルウェア、パッケージソフト等に触れる機会を作れます。場合によっては、アプリケーション開発のみならず、サーバ構築等の経験も積めるでしょう。AWSとAzureとOracle Cloudの全てを経験する・・・そういう可能性もあります。さらに、システムだけでなく多業界にわたってのシステム開発を経験することができます。システムだけでなく、多業界の知識を吸収することで多彩な知識や経験を積むことができる可能性が生まれるのです。

7.上流工程等、経験したい工程に関われない。

全然。そんなことはありません!企画段階からSESでも社員代替やコンサルとしての登用はあります。実際に私もそういった経験をしてキャリアを積み上げてきました。また、自社製品開発の企業でもベンダーが参画して、要件定義などのフェーズを行うこともあります。
SIの世界では、多くのプロジェクトで人手が足りていません。有識者は重宝され、プライマリではないSES企業であっても要件定義フェーズから入ることもあります。また、同時に、サービスイン作業も任されることだってあります。
SESだから上流工程やサービスインに関われない・・・という事にはならないのです。エンジニアの実力とクライアントの状況次第で、あらゆる工程に参画することは可能と考えています。

SESの弱点?まとめ

1.顧客がいないとビジネスにならない。顧客に影響される。
⇒SESだけのデメリットではない。影響度合いは自社製品開発の方が大きいことも!
2.孤独感。仲間意識が薄い。
⇒本人の意識次第かつ、プロジェクトのメンバー、会社のメンバーとの仲間意識は強い!
3.薄給。
⇒SESの方が給料が高いこともある。会社の役員数やバックオフィス比率なども考慮してみよう!
4.固定メンバーで仕事ができない
⇒場合によってはメリットにもなる。上司・メンバーが変わらないことがストレスになる場合も!
5.勤務地が固定されない
⇒SES最大のデメリット。自社開発企業は移転が無い限り勤務地は変わらない。
6.キャリア形成ができない。技術が身につかない。
⇒何のためにそのスキルが必要か?に立ち返ることが大事!多様なスキルを身につけた方が良いことも!
7.上流工程等、経験したい工程に関われない
⇒SESだからこそ、あらゆる工程に関われることも!

もちろんSESだから経験できる事、自社開発だから経験できる事、それぞれあると思います。SESだから避けるのではなく、本当に自分が積み上げたいキャリアを再確認した結果、どの企業であれば、それらの実現に近づくのかをよく検討して、ご自身の就職活動を進めて頂きたいと思います。


代表者メッセージ
株式会社プロシードは、平成3年に「電気通るところに我々の仕事あり」というスローガンの基、たった4名で創業した会社です。 あらゆるジャンルの技術に挑戦し、夢に向かって悪戦苦闘の日々を続け、IT業界の変化、進歩に遅れを取らない様、必死に歩み続けた結果、お客様からの厚い信頼を戴き、今日まで着々と実績を上げてまいりました。 ...
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