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【内定者インタビュー】トップAIエンジニアに学ぶ会社選びのポイントとは

今回は、ユナイテッドワールドからご紹介させて頂いたAlisher Abdulkhaev(アリシャー)さんが働く株式会社ROMSの平和島オフィスをご訪問させて頂きました。

タクシーの運転手さんに平和島オフィスの住所を伝えタクシーで降り立った先は、カフェやコンビニも見当たらない倉庫群が立ち並ぶ一角。

「えっ、ここが優秀なエンジニアが集結するオフィスなの?」と正直拍子抜けしました。

入口探しにしばらく迷ってようやく会社の入口にたどり着くと、昔ながらの集合住宅のような鉄板扉がありました。ドアを開くとさらにびっくり。いくつかの長机にPCが置いてあり、スタッフが黙々と画面と向き合っているさっぱりした少人数オフィス。ほぼ外国籍。なんでも、お金をかけた煌びやかなオフィスで気を惹くより、自社のプロダクトや事業内容に惹かれて入社して欲しいという社長独自の思いを反映しての職場作りだそうです。

そのオフィスの先にもう一つ鉄板ドア。

そのドアを開けてはじめて、オフィスがここにあることに納得。

大きな設備を備えたラボになっていました。

今回は、そんなROMSで働くキルギス出身のAIエンジニアのアリシャーさんからお話を伺いました。アリシャーさんは有名企業数社で経験を積まれた後、大手企業からのオファーを断り、ユナイテッドワールドを通じて2022年にROMSに入社されました。

トップAIエンジニアのアリシャーさんが考えるキャリアのこと、エンジニアのこと、日本のこと、その思いに迫ってインビューをさせて頂きました。

目次
1. アリシャーさんの経歴について
2. 会社の選び方
3. ROMSについて
4. 海外と日本の比較
5. 転職活動におけるアドバイス

1.アリシャーさんの経歴について

―まずは、簡単な自己紹介をお願いします。

私の名前はアリシャーです。31歳、キルギス出身で、AIエンジニアとしては約9年間の経験があります。

トルコの大学院で修士号を取得した後、博士課程で研究をしていた時に来日しました。

―日本に来た理由は何ですか?

トルコの大学院の博士課程で研究をしていた頃に異国の地でインターンシップをしてみたいと思うようになりました。日本在住の友人からの強い勧めもあり、楽天グループ株式会社のインターシップに応募して来日しました。

最初は3ヶ月という短期的な滞在予定で、博士号を取るためにトルコに戻って研究を続けるはずでしたが、3ヶ月後に会社とも話し合い、インターンシップを3ヶ月から9カ月間に延長しました。

この延長した6か月間の間で、ユナイテッドワールドの朝日さんと出会い、日本での仕事探しのサポートをしてもらいました。

―なぜインターンシップを延長しようと思ったのですか?

インターンシップをというよりは、単純にもっと日本に滞在したいと思いました。でも、すぐに仕事を見つけるのは難しいので、仕事を探すために延長しました。

楽天からも正社員のオファーを頂いたのですが、もっとベンチャーのような小規模な会社で、尚且つ楽天のような優秀なエンジニアが集まる会社で働きたかったので、株式会社PKSHA Technologyに就職を決めました。

2. 会社の選び方

―なぜ小規模な会社に行きたかったのですか?

小規模な会社の方が自分の貢献度が高いからです。例えば、楽天に入って自分が社員8,000人の中の1人だったら、あまり直接的に会社の成長に貢献出来ないか、もしくは貢献していると感じることが出来ないと思いました。自分のスキルを活かして会社に貢献したいという思いから小規模な会社で働きたいと思いました。

―アリシャーさんはAI分野に焦点を置きながらも、業界はソフトウェアからファッション、ロボティクスと全く違う業界でのお仕事を経験されていますよね?

最初に楽天でインターンをして、PKSHA Technologyで経験を積みました。そこではAIのアルゴリズム開発をしていました。

次にシンガポールのファッション企業に入社しました。そこでもAI開発に携わっていました。

その後が現在のロボティクスのROMSです。

AIはどの業界にも適応できます。自分にとっては、AIの観点から貢献できるのであれば業界は関係ありません。興味の薄い業界でなければ、業界を基準とするのではなく、自分のAI知識を活かしてどう貢献できるかで決めています。

―会社選びの基準は何ですか?

まず第1にスタートアップであること。小規模な会社が好きです。ここは本当に重視しています。

2つ目は、技術的なチャレンジです。挑戦するものがなければ、私は入社しません。培ってきた確かなAI知識を活用して、会社のビジネスに貢献したいと思っています。

3つ目は会社のビジネスモデルです。私は会社に入社して、ただただ自分の仕事をこなすという働き方には興味がありません。その会社を成長させたい、その会社の成功が見たいということに、強いパッションを持っています。

3. 株式会社ROMSについて

―ROMSでは働いてみてどうですか?

ROMSは入社する前から好きでした。ROMSにはさっきお伝えした3つの要素 (小規模な会社、挑戦、良いビジネスモデル) が全部あります。

中に入ってみてさらに好きになりました。入社前より会社についても良い印象を持つことが出来ました。特にビジネスサイドが素晴らしい。

スタートアップでは、エンジニアはいろんな技術を開発するけれど、ビジネスチームがそれを売ることができなかったりマーケティングができないということが多々あります。実際、私が前にいた会社がそうでした。技術は良いものを持っているのに、ビジネスチームは売上を上げられませんでした。

でもROMSはビジネスチームがどんどん顧客を獲得しています。だから私たちは、技術的な要求を満たそうと、いつも高くモチベーションを維持できます。

4.海外と日本の比較

―アリシャーさんはエンジニアとして高い学歴をお持ちですが、現在の日本の技術社会についてどう思いますか?

不思議なことに、日本には高いスキルをもったAIエンジニアが非常に不足しています。日本にいるAIエンジニアの多くは海外の方です。理由はわかりません。

もしかしたら、自分のことをAIエンジニアと呼ぶだけの自信がないのかもしれないですね。逆に海外の方は、私から見るとAIエンジニアと呼べない、自称AIエンジニアもたくさん目にします。AIの知識が十分ではなくても、自分のことをAIエンジニアとタイトルを付けて仕事をしていますね。

そういう意味では、AIエンジニアをきちんと見分けられるリクルーターが必要ですね。

―アリシャーさんはトルコの大学と筑波大の博士課程で研究をしていましたが、AI教育の違いについてはどう感じますか?

かなり違いがあります。トルコでは教授がAIについて教えてくれますし、一緒にAIについてディスカッションします。私もそうやって学んできました。でも日本の教授は、生徒が自分の研究をするサポートするだけです。

あっ、もしかしたら、だから日本ではAIエンジニアが育っていないのかもしれないです。

どういうことかというと、AIは新しい技術でまだまだ未知の領域であるため、世界中を見渡してもAIの全てを理解している人はいません。だから教授や知識人とのディスカッションが必須です。でも日本の大学では、生徒が研究して発表するだけです。

たぶん、生物学、化学、物理とか既に長期にわたって存在しているものに対する研究では日本の大学のやり方でも良かったのだと思います。日本がこの分野に強いことはよく知られていますからね。

でもAIという新しい分野では、ディスカッションなくして専門家にはなれないのです。ここが大きな違いだと思います。

―日系企業と外資系企業の違いは感じますか?

違いはありますね。

一般的に日本の会社はリスクを取りたがらないですよね。日本の企業、特にスタートアップはもっとリスクをとるべきだと私は思います。

私がROMSを選んだ理由の1つはそこです。この会社はリスクを取っています。安全な場所にいるだけだったら、大きなことはできません。解決しようとしている課題の規模が大きい。だから技術も挑戦も必要です。そこが私にとってもROMSの最大の魅力です。

エンジニアに関して言うと、海外のエンジニアはモノづくりに対してアグレッシブです。ものすごいスピードで進めてたくさんトライします。

それに対して日本のカルチャーでは、全部書面にして承認されなければなりません。全てに保証や安定を求めます。それは、お客様に対して責任を持っているからです。日本では、お客様は神様といいますよね。

でもこの感覚は海外の人には理解できません。なので時々、従業員と企業側で衝突がおこります。日本の企業で働く場合には、事前に文化を理解し、日本人の考え方を理解しておくことが重要だと思います。

幸いROMSは外国籍メンバーが多く、その様なことはありませんが。

5. 転職活動におけるアドバイス

―自分が理想とする仕事を探すためになにか特別なことはしましたか?

ユナイテッドワールド株式会社の朝日さんが助けてくれました。ユナイテッドワールドの仕事ぶりは素晴らしいと思います。

私は、ROMSへの新規応募者についてリクルーターからメッセージをもらったら、最初はリクルーターの名前は見ずにレジュメの内容だけ見てOKかNGか書類選考をします。OKを出したほとんどはユナイテッドワールドからでした。リクルートエージェントとして、ユナイテッドワールドは独特なやり方で、それでいて信頼性を感じます。

―キャリアチェンジの際のコツがあったら教えてください。

転職者に伝えたいのは、だいたいの会社の求人は「ソフトウェアエンジニア」みたいなポジションタイトルで募集するけど、そのポジションに100%マッチしている人なんていないと思うんですよ。なので、転職者はその会社のビジネスが本当に求めていることを理解する必要があります。

私が以前会社へ実際に応募した時のお話ですが、会社はソフトウェアエンジニアを募集していました。ですが私はAIエンジニアなので、ソフトウェアエンジニアに関して少ししかわかりません。それでも、会社にとって私のAIエンジニアスキルが役に立つとわかっていたから面接に行きました。そこで面接官と話をした後は、もうタイトルなんて関係なくなっていました。

だから、自分がその会社の役に立てると思ったら、タイトルは一旦置いておき、面談に行って自分が会社の役に立てることを話すといいです。会社はあなたのことを知らないし、小規模な会社は特に、自分達にどんな人が必要なのかすらわかっていないこともあります。

それから、手当たり次第に応募はしない。自分が合っていると思った会社にだけ応募します。でないと、そこで働いても時間を無駄にしてしまいます。

―アリシャーさんは、ご自身で満足出来るキャリアを築けている理由はどこにあると思いますか?

そうですね、積極性だと思います。会社はどんな人材が欲しいかわかっていないこともあるので、積極的に自分に何ができるのかを会社へ提案します。

大抵の人は、面接で話すことをためらったり、恥ずかしがったりしますが、私は自分のスキルに自信があるので誰とでも臆せず話せます。これも大きなポイントだと思います。まずは自分のスキルに自信をつけて、自分がどのようにその会社に貢献できるかを積極的に伝えに行くことが大切です。

―最後に、日本で転職されている方へメッセージをお願いします。

自分が専門としている分野の最新情報は常にキャッチアップしていきましょう。移り変わりの速い世界です。専門分野で乗り遅れていたら、転職できないと思います。

それから、自分のキャリア目標を考えて会社を選ぶといいと思います。現在の自分の位置から、なりたい自分までのギャップを埋めるようなイメージです。自分のロードマップ上で、その会社はどの位置にあるのかを考えて、自分の目標に近づける会社を選んでみてください。


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