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“プロダクトデザインの力で技術の限界を超える”。AppSociallyがAIチャットボットに取り組む理由

AppSociallyでProduct Marketingに取り組んでいるHarunaです。今回は、弊社の創業者である高橋にインタビュー。ChatCenter Aiに取り組んでいる背景から、起業家としてAppSociallyを立ち上げた理由まで、普段中々表に出さないストーリーを語ってくれました。「人類の進歩への貢献は自分の使命である」と語る高橋が、ChatCenter Aiに見出した未来とは?

目次

  1. アプリユーザー獲得支援ツールから、チャットセンターへ
  2. AIの市場における課題と、その解決策
  3. 競争を生き抜くために
  4. 起業家と科学者の使命
  5. 最後に


アプリユーザー獲得支援ツールから、チャットセンターへ

アプリユーザー獲得支援アプリから始まったAppSocially。現在のAIやチャットボットの製品にピボットした理由は何ですか?

正直に言うと、AIやチャットボットに目を付けてはいませんでした。ただ僕らは創業からずっとリーンスタートアップの手法を使い、その基盤である顧客開発に重点を置いてきました。なんの商品もないまま、たった1枚のPDFにアイディアを詰めMVPとして企業に持っていくんです。そうやってユーザー・リサーチを行っていました。ユーザー・リサーチの際、自社やアプリの説明に加えて必ずしていたことがあります。会議室を出るときに「他に何かお困りのことはないですか?」と聞くことです。そうすると大抵「そういえば…」とお客様の課題が出てきます。その中でAppSociallyのようなCtoCの会話(注: AppSociallyは既存ユーザが友人にアプリを進めるユーザ獲得機能を提供していました)ではなくBtoCの会話における課題が出てきました。ユーザーリサーチを進める中で、このBtoCの会話を支援する製品にはお金を出してまで使用したいという企業様や、(早く利用したいので)開発まで支援したいという会社も出てきて、この製品には市場での需要があるということが検証できました。その結果、企業とお客様の会話や関係を支援する製品にシフトすることを決めました。このBtoCの会話を支援する仕組みこそ、ChatCenter iO、そして現在提供しているChatCenter Aiの原点です。


AIの市場における課題と、その解決策

この市場における課題、そしてAppSociallyなりの解決法をどう考えていますか?

マーケット全体の課題はやはり、AIやチャットへの期待が膨らむ一方で、期待されている魔法のようなAIを実現するためにはまだ技術的に未解決な部分があるというところでしょうか。この結果、人力で力技で解決しようとする際に費用が高くなり、結果的に利用を止めてしまう例もあります。まだまだ多くの企業や人にとって、AIが(使いこなすという意味で)身近なものになっていないんです。

また、AIが社会的ブームになり、世間の期待が高まった分、現段階でのAIの完成度に落胆する人も多い。映画で描かれているように「AI=人間のように考え行動する」と考えている方が多いのですが、実際にはそのレベルのAIの実現はまだ難しい。この技術の限界は、人力をより投入してコストをより多くかければ解決できるものもありますが、そうすると元々コスト削減のためのAI導入であったはずなのに、導入前よりもよりコストがかかるという目的とは逆の現象が起きることがあるわけです。これがこの市場における大きな課題になっていると考えています。

僕たちはこの技術的な課題をプロダクトデザインの力で解決できると思っています。AIはもともと賢いわけではなく、非常に優秀なAIであっても学習前や、自律的に学習する方法を持っていないAIは”空っぽの賢い頭脳”です。このAIを賢くするために、現在は人が教師データを作成していて、この教師データの作成に膨大な費用がかかる。つまり多くの場合、現状では技術的な限界をコストで補っているんです。

僕らのアプローチは、この技術的な限界をコストではなくプロダクトデザインの力によって解決しようとしています。僕らは実際の会話をモニタリングし、副産物として教師データを作れるように製品をデザインしています。初期の段階で教師データ作成に何千万円もかけるのと、実際の会話を基にしながら運用費用だけで教師データも作成できるのとでは、導入時のみならず運用のコストにも天と地ほどの差があります。この教師データ作成やAIの運用といった機械のプロセスにうまく人を巻き込むようなプロダクトデザインをすることで、そのプロダクトが使用されればされるほど技術的な限界が超えられると考えているのです。この方法で僕らは技術やコストの課題への解決策を提供しています。

この技術やコストの壁に挑戦する理由は、やはり大企業だけではなく一般の方にもAIやチャットボットを利用してほしいという想いがあります。AIの民主化、非中央集権化とも言えるでしょうか。技術で人の生活を良くする、社会や人類の進歩のために貢献する、というのが科学者でもあり起業家でもある僕の使命であると考えています。少し話が逸れますが、やっていることは科学者やアーティストにも近いのかもしれません。科学者は、実験を経て考えを提案し、政府や企業と共同研究をしながら、人類の進歩に貢献していきます。アーティストは、作品を通して社会の課題に対して問題提起し、世の中を良くして行こうと行動します。起業家も同じように、チームとして、製品やサービスを提供し、社会の進歩に貢献していく。僕にとっては、この社会や人類への貢献が軸であり、それを実現するために技術やコストの限界に挑んでいます。


競争を生き抜くために

競争の激しいこの市場の中でどう勝負しようと考えていますか?

僕たちの製品はチャットボットのツールでも、AIのエンジンでもありません。

もちろんチャットボットを実装するための一連のツールやAIの技術はもっています。ただ目指しているのはそれではないと考えています。一番大事にしているのは“人と機械が一緒に共働するための製品”作りです。例えばよくある事例で、チャットを導入したのはよいが、チャットの導入により(従来電話をかけてこなかった層もボットに誘導されて電話をかけてくるようになり)、よりコールセンターへの連絡が増えて、コールセンターがパンクする。このように社員の負担を減らすためにAIを導入したのに逆に負担が大きくなるといった逆効果があることがあります。僕たちが目指すのは人の仕事の量を減らしたり、仕事の内容を良くすることです。人間が「人間がするほうがよいこと」、または「人間がしなければいけないこと」に集中できるように、その他の部分を効率化、もしくは、自動化していく。そのために人と機械がハイブリットに働けるようにする製品を提供しています。

また、目指しているのはただ自動化することだけではありません。自動化を超えて、企業とお客様の会話がどんどん賢くなるための製品を作っています。例えば、僕たちが提供しているサジェスチョン機能は、オペレーターがした行為に対してAIがサジェスチョンを行う機能です。例えば、「このメッセージが来たらこう返事しましょう」であったり、「お客さんがこのページを訪れたらあいさつしましょう」といった自動的な会話の部分によくAIの技術が使用されるのですが、それだけではなくオペレーターに対して「もっとこうしたら効率化できるのではないですか?」というサジェスチョンだったり、「あなたの会話履歴の統計からこの返答が頻繁に使用されているのでこれを自動化しませんか?」といったような、AIが自動化に対してのサジェスチョンを行う機能を提供しています。つまりこれまでにあった「どのようにシナリオを作ったらよいか分からない」や「どこでAIを使うべきかわからない」といった課題に対する解決策として、“ツールを使えば使うほど賢くなるチャット・ボット”をプロダクトとして設計、ご提供しているのです。AIへの期待値が高まる中で、現実的には全てを自動で行うのはまだ難しいと考えています。そのAIにおける技術的な限界がある中で、僕たちはどうやって人と機械が共働できるかという解決策をChatCenter Aiでプロダクトとして提供していきたいと考えています。

僕らにとってAIやチャットボットは自動化のためのツールではなく、人の生活がより良くなるために、または減らすことでよりよい仕事に集中できるために使うべきだと思っていますし、また単なる自動化を超えて、使えば使うほどチャットが賢くなるためにAIを活用することはとても重要だと思っています。

また、これまで多くのお客様のチャットの導入や運用に関してコンサルティングでお手伝いもさせていただきました。その中で、シナリオの編集プロセスやデータ分析に関して、多くの経験を積むことができました。これらの経験から、業界や業種、役職別のシナリオ編集やデータ分析のプロセスについてのノウハウを蓄積することができました。この経験を活かして、例えば採用や広報、営業に関して詳しいAIを構築し、あらかじめ一般化された人格を持ったロボット(頭脳のみ)として用意しています。つまりAIをより使い始めやすくするということです。世の中で多くの人が行っている繰り返し発生する業務を一般化し、ロボットにして提供する。これをこれまでの経験を活かして、色々な業界向けに作っていく。こうすると同じような課題を持つ人たちにすぐに使い始めていただけますし、業界内でノウハウを共有していくこともできますし、結果的にコストも下げていくことができるため、より喜んでいただけると考えています。


起業家と科学者の使命

そもそもどうしてそういう考え方に至ったのでしょうか?

良い質問ですね。今日のお話の論点とはずれるかもしれませんが、整理して見ますね。

おそらく、いくつかあると思います。まず1つ目は子供のころから人と関わったり、みんなでコミュニケーションをとることを楽しいと感じていました。大学の教授であり、日本サッカー協会の仕事をしていた父の影響が大きいと思っているのですが、小さいころから父の友人や教え子達と関わる機会や、父の関係で海外から来た人たちと接する機会が多かったんです。様々な人とコミュニケーションをとることに楽しさを感じていました。しかし大人になるにつれて子供の頃とは同じようにはいかない。子供の頃は年齢や国籍に関係なくみんな仲良く幸せだったのに、大人になると(例えば国家間レベルでは)なんでみんなケンカしたり戦争するんだろう、そういう疑問を小さいときから持っていました。直接人と関わったり、人のことを思いやれば、みんなが幸せになれるのに、大人の世界はそうじゃない。それにどうも納得がいかなくて、小さい頃からみんなが幸せな世界を作りたいと思っていました。

その後大学院で博士号を取得し、科学者としてのスタートラインに立てた時に、社会の進歩のためにどんな貢献ができるかということが僕の使命なのだと自覚しました。これは、僕の恩師である清木康先生が、「博士号を取得した後に、初めて、本当にやりたかったことがわかる」と教えてくださっていた通りでした。僕にとってリアリティのある人たちが幸せになって、楽しんでくれるにはどうするべきかと。子供のころからあった想いが、やがて科学者となったときに使命に変わり、そして起業家という専門職を選択して、いま、それが僕の職業になったんです。

もう一つ、科学者になる前に大きなターニングポイントがありました。高校生の時です。高校までサッカーをしていたのですが、僕の世代はゴールデンエイジと呼ばれ、小野伸二さんや高原直泰さんら、優秀な選手が多くいました。僕の高校のサッカー部の僕たちの代は数々の強豪校を破りインターハイで全国ベストエイトになったのですが、最終的に僕はレギュラーではありませんでした。でも自分がレギュラーではなかったことよりも、自分がサッカーを続けられなかったということに深い後悔の念を抱いています。2002年のワールドカップ開幕戦である日本対ベルギーの一戦を埼玉スタジアムで前から二列目の席で観戦していたんですが、そこで同世代の小野選手や稲本選手が日本代表としてプレーしているんですよ。あの日も、なんというか悔しくて、最初ベルギー戦をまっすぐ観られなかった。僕は高校でサッカーを辞めて、その後大学でもやっていないし、プロにもなっていない。でも彼らはプロになり日本代表として世界を舞台に活躍している。それを考えると、いまでも悔しいんですよね。僕は高校卒業以降もサッカーを続けるくらいの結果が出せなかった。結果が出ていなくても、工夫しながら結果を変えていくような努力ができなかった。もっと激しく思い込みをして、もっと勘違いして、もっと正しい方法で継続して鍛錬し続けていたら、彼らと同じ場所に自分も立っていたかもしれないという強い後悔があります。

いま、こういう仕事をしていて、なぜ良い商品で世界を変えるようなことをしたいと思っているのかは、この年齢になってもフェアに「何人の人が幸せになったか」にという(ユーザー数や売上に表出する)明確な指標を基準にして、いまでもチャレンジできるからなんです。それがすごく楽しい。このサッカーを通して経験した悔しさや、劣等感(そして、もちろん楽しさ)というものが、いま起業家として頂点を目指す活力になっているのかもしれません。違う山でもいいから思いっきり登りたい。好きなことで、重要なことで、自分ができること。そこに山を作る。その山で頂点をとりたい。その頂点こそが、いまAppSociallyで、チームで目指しているものです。


最後に

いかかでしたか?科学者として、起業家として、人類の進歩のために日々全力で鍛錬する高橋。今回のインタビューでは、技術とプロダクトデザインの関係から、これからのビジョン、そして自身の経験まで、様々なことを語ってくれました。より多くの人を幸せにするために、このフィールドで極めたいと語る高橋から、私たちが何を目指し、何のためにやっているのか、少しでもお伝えすることができたのであれば幸いです。私たちはより多くの人に幸せになってほしい、その純粋なミッションを持って働いているチームです。できるだけ多くの人を幸せにする、そのためのチャレンジを熱くそして楽しみながら日々続けています。この想いに少しでも共感した人、刺激を受けた人は是非ご連絡ください。毎月最終金曜日にはオフィスを解放してお待ちしています!

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