こんにちは。経営企画室の阿部です。最近、健康を意識して1日1時間以上の散歩と常温の水を飲むことを習慣にしています。初めて2週間程度でしょうか、感じた変化としては足がむくみにくくなったこと・トイレへ行く頻度が高くなったこと(笑)・ゴルフやジムなど、他の運動にも興味を持てるようになってきたことが挙げられます。いつも車でスルーしている道も、歩いてみると思いがけない豪邸に気付いたりひっそり佇む公園に気付いたり、新しい発見が多くて楽しいです。
さて、今回は「採用担当の技術学習」の一環として、キャパの強みの一つでもある「BIM」についてご紹介していきたいと思います。BIMを知らない方が、少しでもBIMや建築×ITのサービスに興味をもつきっかけとなれば嬉しいです。
BIMとは
BIMとは、ビルディング・インフォメーション・モデリングの略称です。簡単にいうと、「設計図が読めない私のような素人にも、施工前に建築完成後の詳細なイメージを見せてくれるもの」というものです。
皆さんが家を建てるシーンを想定してみましょう。ハウスメーカーや工務店にプレゼンを受けるとしますね。
▽BIMを使ったプレゼン資料
上記3枚の写真は、株式会社幸工務店さんのページからお借りしたものですが、簡単なヒアリングからBIMを用いてラフな間取りを作成し、プレゼン資料を作成したものだそうです。ここでの「家を建てたい人」のオーダーは"敷地面積180㎡ほどの空き地に、戸建ての貸家を2棟プランしてほしい"というアバウトなものだったんだとか。まだぼんやりと、でも希望を持って「家を建てたいんです」って相談に行った時にこの資料を見せられたら...かなりその気になってしまうと思いませんか?(笑)
引用:BIMを用いたファーストプレゼン
では、BIMを用いない場合、どのような資料が使われているか皆さんは想像がつきますか?
▽一般的な設計図
画像引用:実施設計図書について
上記の画像は1/50の縮尺で作成された平面詳細図と、断面詳細図ともいわれる矩計図(かなばかりず)です。この画像とBIMデータを使ったプレゼン資料を比べてみると、どちらの方が完成後のイメージが膨らむかは明確ですね。
もちろんBIMデータでも施工の際にはより詳細なデータを使用するので上記の設計書と一概に比較することはできませんが、何となく、「BIM」のイメージを掴んで頂けたのではないかと思います。
BIMってどの段階で使うもの?
ここで疑問に思うのが、「じゃあBIMっていつ使うものなの?」ということです。プレゼンの時お客さんにイメージを持たせるためだけに使うの?と思ったらどうやら違うみたい。
ここでBIMをもう少し詳しく言うと「コンピュータ上に作成した3次元の形状情報に加え、室などの名称・面積、材料・部材の使用、仕上げなど、建築物の属性情報を併せ持つ建築物情報モデル」という説明ができます。ちょっと難しいですね、、
しかし、「BIMを用いたワークフローでは、あらゆる建築物に関する属性情報が登録された3次元建築物のデジタルモデルが、設計・施工・維持管理に至るまでのすべての工程で活用されます。」と言われるとどうでしょう。何となく想像がつきませんか? BIMデータを使えば、上で説明したようなプレゼン資料としての役割はもちろん、設計や施工の際にも「どこにどんな部品がどれだけ必要か」分かるんですね。そう考えてみると、BIMの認識としては「確固たる一つの"モノ"」というより、「一つの手法」として捉えた方が正しいのかも知れません。
参考:BIMに関する国土交通省ガイドラインのまとめ
BIMについて知りたいことは尽きませんが、この記事では最後に一つだけ、「BIMのメリット」を一つご紹介して終わりたいと思います。
BIMのメリットの一つは「情報が一元管理できるから工期・コストの削減に繋がる」こと
上の章でご紹介した通り、「BIMとはコンピュータ上に作成した3次元の形状情報に加え、室などの名称・面積、材料・部材の使用、仕上げなど、建築物の属性情報を併せ持つ建築物情報モデルのこと」という説明から、何となく「情報の一元管理」については想像がつくかも知れません。
画像引用:建築分野におけるBIMの標準ワークフローとその活用方策に関するガイドライン(第1版)
BIMを用いれば、上記の画像のような企画〜維持管理まで一貫して行えることは理解できますが、ここでいう「一貫」は主に情報を指すことが重要です。日本におけるBIMの現状として、「設計だけ」「施工だけ」などのプロセスごとにBIMが活用される例は見られるものの、企画・設計・施工・維持管理の全プロセスを通じた横断的な活用は進んでいないそう。その理由はまた別の記事で触れたいところですが、これまでは「企画はAデータを使う」「設計はBデータを使う(Bデータ内に複数のパーツあり。そのパーツの名称は各社異なる)」「施工はCデータを使う」と情報がバラバラだったから、扱う企業によって仕様が統一されていなかったり認識に齟齬が生じたりして、結果として工期・コストが膨らんでしまっていたことが想像できます。
ここで、BIMという一つの「統一された情報」を用いることで以下のようなメリットがあることが考えられます。
・プロセスごとに重複していた情報入力・加工作業等の省略化
・関係者間での情報伝達の円滑化
・建築物の効率的な維持管理、運用
・工期の短縮やコスト低減
私たちのような採用・マーケティングの仕事でも「自分が思っていたイメージとAさんが思っていたイメージが違って、結果手戻りが生じ時間がかかってしまった」なんてことはザラですから、それが扱うデータの数が莫大な建築シーンにおいてはどれだけ重要な問題なのか想像できますね。
今回は、非・技術者の私がBIMについて理解する第一歩として、BIMのイメージやBIMのメリットについてご紹介してきました。今後もこちらの「採用担当の技術学習」シリーズでは、BIMの課題、習得の難易度についても学習&共有できたらと思いますので、ぜひ次回もお付き合いくださいね。
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