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広告業界の30倍の市場。統一のプロトコルがない未開のブルーオーシャンで、誰も予想できない価値を生む

こんにちは、キャディインターン生の山口です。今回は、インターン生が聞く!キャディ社員インタビュー第7弾。プロダクトマネージャー(以下、PdM)の白井陽祐さんにインタビューしました!

白井さんは東京大学大学院を卒業後、新卒でインターネット広告取引などを行う株式会社フリークアウトに就職。営業にて、3年間ウェブ広告の運用に関わる分野を担当しました。そして2019年6月よりキャディへ参画し、現在PdMとしてご活躍されています。

そんな白井さんに、創業2年目だったキャディへ転職し営業から自身初めてのPdMへ転身した理由、そしてキャディのPdMの魅力をお伺いしました。

「出会えない」機会損失を減らすアドネットワークとの出会い

ーー本日はよろしくお願いします。白井さんは新卒でFreakoutに入社されたんですよね。

はい。当時インターネット事業が飛躍的に拡大していたため、私もインターネット関連の仕事に携わりたいと考えていたんです。就職活動の中で、縁があってFreakoutのインターンシップに参加し、インターネット広告業界の構造を学びました。

Freakoutが参入しているインターネット広告業界はアドネットワークという、広告枠を買い付けたい広告主・広告代理店と枠を売りたい媒体をつないで広告を配信する仕組みがあります。数多く存在する広告主側と、媒体側をアドネットワークに集約し、出会いの場を作ることでどちらにとっても「出会えない」という機会損失を無くすことができるんです。しかし業界が拡大していくにしたがって、アドネットワーク自体も次第に数が増え、アドネットワークを横断的に効率よく買い付けるDSPというプロダクトで創業されたのがFreakOutでした。

当時Freakoutはまだ社員数120人と規模の小さい会社でしたが、業界の中の新しいレイヤーに挑んでいましたし、Google/Facebook/Twitterなど広告業界のTech Giant (技術最大手企業) を意識して、広告業界のハブとして世界で戦える会社を目指すといった反骨精神の強い社風を持っていたんです。既に大きくなっている企業に入るよりも、成長過程の会社の方が自分はワクワクすると感じ、入社を決めました。

ーー入社後はどのような仕事を担当されていたのでしょうか?

入社後私は営業に配属されました。入社当初Freakoutがある大手企業と提携し、独占的な広告枠を獲得したんです。その広告枠は消費者への影響度が高く、新たに大きな売上成長を創出し、プロダクトが強い状態での営業を経験しました。しかし競争環境が厳しくなっていくにつれて、競合他者と違ったオリジナリティを出すのが難しくなっていったため、マーケティング施策の上流を意識して、個別のデータを活用した広告出稿の方法をお客様ごとに提案するなど、よりカスタマイズした営業スタイルが必要となりました。3年間と比較的短いスパンの中で、異なる営業アプローチを経験し、インターネット業界の移り変わりのスピードの早さを痛感しましたね。

マーケットのフロンティアは巨大。だけどプレイヤーはまだまだ少ない

ーー前職は営業を担当されていたんですね。なぜ転職されたのでしょうか?

インターネット広告業界がかなり成熟してきたなと感じたのが一番大きなきっかけです。というのもこの業界はインターネットが拡大を始めた当初から出てきている事業分野であり、既に多くの会社が参入し、しっかりとした仕組みも構築されています。スマートフォンの登場が媒体の変革という大きな変化であったものの、この後に続く大きな変化はしばらく起きないだろうなと思ったんです。そんな時キャディが積極的に採用を始めて。

もともとCEOの加藤と知り合いだったため、キャディの事業内容については聞いていました。「モノづくり産業のポテンシャルを解放する」をミッションに、製造業界にテクノロジーの力で変革を起こそうとしており、描いている構造変化も需給マッチングをプラットフォームとして最適化することを中心としていて、インターネット広告業界が辿ってきた変遷とよく似ていると感じました。市場の大きさは広告業界が約6兆円と言われていますが、製造業界は180兆円と段違いに大きいため、本当に変革が起きれば、社会へのインパクトも大きい。まだプレイヤーも少なく、フロンティアが大きい分野だと感じ、興味を持っていました。

PdMは経験はありませんでしたが、プロダクト開発に関われば事業の根本に影響を与えられる、面白いポジションだと直観的に感じたんです。

ーー今キャディで働く魅力はどんなところにあると思いますか?

私もそうでしたが就職や転職の際、インターネットに関する事業だとまだまだB2Cの方が面白そうと目が行きやすいと思います。特にインターネット業界で大きなプレイヤーと言えば、GAFA(Google, Amazon, Facebook, Apple)ですし、これらの企業も中心がB2Cの会社です。しかしソフトバンクの孫正義さんが以前インタビュー記事の中で、「GAFAが置き換えたのは主に広告と小売で、この2つの産業は日本のGDPの1割。残り9割にまだインターネットが参入できていないのだから、この9割を狙っていけばよい」という主旨の話をされていました。

製造業界はまさに残りの9割の中でも大きな市場であるにも関わらず、キャディのようなプレイヤーはまだ少ないんです。プレイヤーが少ないのに、マーケットのキャップは当分見えないような大きなフィールドに挑戦できる立ち位置にいるので、今PdMとして関われるということは、挑戦できるプロダクト数が多く、また自分が担当したプロダクトが影響を与えられる母数も多いということです。

社会からなかなか見えづらいB2Bの事業ではありますが、キャディのPdMは社会の中でも広範囲にインパクトを与えることのできる、責任ある仕事だと思いますね。

ビジネスサイドとエンジニアサイドが融和するための架け橋となる

ーー入社後、PdMとしてどのようなことをされているのでしょう?

現在私は、案件の受注から発注、納品までを管理する社内向けプロダクトの開発に携わっています。このプロダクトでは、現在は外部のシステムやExcelなどを用いて行っているサプライチェーンの管理を一括で行うプロダクトを開発することで、情報のやり取り漏れなど今の管理方法で生じていた問題を解決することを目指しています。その中でもPdMとしてプロダクト開発に際し、複雑な製品の受発注構造を分解し型化すること、そして必要となりそうな機能を予測し、将来を見据えたプロダクト設計をすることをメインに担当しています。

PdMとしての経験がないため、当初は不安ではありました。しかし前職で営業を行うにあたってそれぞれの業界構造などを分析していた際、抽象度を上げれば構造に大きな違いはなく、成熟とともに同じような機能をもつプレイヤーが登場してきていることに気が付いたんです。その時の気づきから、今後どのような機能が必要になってくるのかを事前予測し、開発の要件定義などプロダクト設計に活かすことができました。またキャディにはプロジェクトマネージャーもできる優秀なエンジニアが揃っているので、サポートしていただいていますね。

ーーなるほど。案件管理のプロダクトを開発するにあたって、どんなチャレンジがあるのでしょうか?

お客様からの製品(図面)の多様な要件をどのようにルール化し、デジタルに落とし込んでいくかは、前例がなく大きな課題の一つですね。同じような機能として、前職で関わっていた広告業界のアドネットワークはお客様が2方面に存在し、マッチングを行う仕組みでキャディと似た構造と言えます。一方、プロトコルの有無においてインターネット広告業界と製造業界には違いがあります。

インターネット広告業界はインターネットの登場によって生まれた産業であるため、データ化しやすいように広告枠のサイズや価格は統一のルールによって決まっています。しかし製造業界は一見同じ要件であっても価格や必要な精度に違いがあり、複数のプロトコルが存在します。例えば溶接と一口に言っても、溶接したい箇所全てを溶接する方法(全周溶接)と、部分的に溶接して部品同士をつなげる(スポット溶接)があり、どちらの溶接方法を用いるべきかは図面だけでは判断できないこともあるため、現在このような指示は文章や口頭でやりとりされている場合も多いです。キャディが多品種少量の特注品を扱っていることもあり、このような仕様の違いや価格などの変数を絞ることを難しくしています。

しかもまだ製造業界にソフトウェアテクノロジーを本格的に用いている会社が日本で登場していないため、多くの方がこのプロダクトにどのくらいのインパクトがあるのか予想できていません。しかし誰も取り組んだことのない未開の地だからこそ、全く新しい価値、インパクトを生み出す可能性を秘めています。前例がないというのは、マイルストーンが置きづらく開発に時間がかかってしまうことも否めませんが、まだまだブルーオーシャンである製造業×テクノロジーの分野でいち早く挑戦できることは、大変であると同時にやりがいも感じています。

ーー今後の展望は何かありますか?

まずプロダクト開発においては、現状をシステムでより効率化・最適化することも大事ですが、人間の個性を業務の定型化などによって殺さないことも重要だと考えています。そのためまだ抽象的ではありますが、機能的価値づくりにきちんと取り組みつつ、仕事に対して意味性や物語性を感じてもらえる要素を練りこんだプロダクトを作っていきたいと思っています。

PdMというポジションとしてはビジネスサイドとエンジニアサイドがより融和できる環境を醸成していきたいですね。例えば世の中には、ビジネスサイドが力を持っていて、エンジニアが下請けのようになってしまっている会社や、逆にエンジニアが強いけど営業力はあまり高くないといった、どちらかに偏ってしまう会社が多くあります。

キャディの「モノづくり産業のポテンシャルを解放する」というミッションを達成するためには、営業力と技術力どちらもバランスよくもち、活発にコミュニケーションをとっていくことが大切です。その中でPdMはビジネスサイドともエンジニアサイドとも関わる、架け橋のようなポジションであると考えています。現在取り組んでいる社内向けプロダクトの開発にあたっても、積極的にビジネスサイドとエンジニアサイドを巻き込んだミーティングをセッティングするなど、常に両サイドが相互理解できるよう、意識しています。究極、PdMがいなくても自然と相互理解できているようなカルチャーを持つ会社を目指していきたいです。

ーー最後にどんな人がキャディにフィットすると思いますか?

まずはキャディの4つのValue(大胆・卓越・一丸・至誠)がパーソナリティとして合っている人ですかね。この行動指針に共感できる方はキャディメンバーと近い感覚を持っていらっしゃると思います。

また、キャディの挑む課題はかなり巨大なので、抽象的な将来像を持つことも大切ですし、それを達成するために今何をすべきか、具体的な行動につなげて考えられる視点も大切です。この2つの視点をバランスよく持てる方がフィットすると思います。

Photo by Yu Ueki

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