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【イベントレポ】新天地でエンジニア文化創造に向き合うEM達のみる世界

【イベント概要】

2019年11月12日(火)/ WeWork東京スクエアガーデン

「エンジニア組織文化の創造と醸成」という共通課題に対し、上場企業/スタートアップという異なるフェーズの企業で日々奮闘するEM=エンジニアリングマネージャーを招いて、各々の取り組みや課題、学びを共有することを目的に開催されました。

【パネラー】

ディップ株式会社 組織開発推進室 マネージャー 緒方崇允氏(右)

株式会社VALU エンジニアリングマネージャー 山口翼氏(中)

株式会社ビットキー チーフエンジニア 山本寛司氏(左)

本記事ではイベントの内容を一部ご紹介いたします!

はじめに、各パネラーから自己紹介、会社紹介、組織開発における取り組みについてお話いただきました。

熱量を保ちながら丹念なコミュニケーションを

ディップ株式会社の緒方氏からは、組織開発においてEMが熱量を保ち続けるための施策と、社員とのコミュニケーションの重要さについて語られました。

以下、緒方氏のLTを抜粋いたします。

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緒方と申します。人材育成会社の講師を経て、ソシャゲ開発のエンジニア、Webサービスのプロジェクトマネージャー、現EMという経歴です。弊社ディップは色々な事業をやっていますが「バイトル」が有名かと思います。社員は2000人、エンジニアは50人です。

所属しているのは「組織開発推進室」で、私が今年の6月に入社したタイミングで立ち上がった部署になります。在籍人数も私1人です。

EMが熱量を保ち続けるためには

組織開発を実行する上で大事なのは実行する側の熱量だと思います。施策を進める上では「意味あるの?」「面倒くさい」と言う声も時に上がってくることがあります。その社員の声に心が折れていく方々をこれまで見てきました。

熱量を保つためには、このイベントのように気づきや学びを積極的に探すこと、自分で腹落ちするまで考え伝えること、ポジティブな人を巻き込むこと、そして失敗や改善が前提であると考え伝えることが大事だと思います。

コミュニケーションの時間は惜しまない

ディップは多くの組織で構成されているため、週25時間、ひたすら組織長と話すという時間を設けました。統括部長とのコミュニケーションの時間は1日に3時間に及ぶこともあります。

また、まずはエンジニア50人のことを知ることが重要だと思い、週に16時間を使って1on1を実施しました。「緒方さんどんな仕事をしているんですか?」と聞かれたら、「話してる!」と答えるレベルですね。

#subakoで気軽に発信を

また、情報の受け皿として、”#subako”という施策を考えて既に動き出しています。誰にも言えなかった疑問を気軽に話したり、社内ラジオで発信したり。明文化することが大事だと考え、Slackのチャンネルで気軽に投稿できるようにしています。

社員に施策を浸透させるために

既存のメンバーには組織開発の施策に対してポジティブな層、スルーする層があるため、いかに融合させたり棲み分けをしたりするかを課題として感じています。

また、Slackの使い方も世代で異なっていると感じます。若い世代はコミュニケーションそのもの、年配世代は報連相として使っている印象です。20代から50代までいるエンジニアの世代間のギャップをいかに解消していくかが今後の課題だと思っています。

Q.社内ラジオの目的や、どんな話をしているか教えてください。

A.(緒方)統括部長と私が考えている世界観を伝える、ということを目的として始まりました。Slackで専用チャンネルを作っているのでそこにMP3を貼り付けて社員からリアクションをもらう、ということをやっています。初めは「どんな内容が聴きたいか?」を考えて発信していましたが、それだと話している方があまり楽しくないことに気付いたので、「自分たちが何を話したいか?」ということを重視してゆるく発信しています。これまでは「ミッションビジョンをなぜ決めたのか」という話などをしました。今後は社内の別の部署の方をゲストとして呼びたいと思っています。ヘビーリスナーからは「3回聞きました!」という声もありましたし、意外にもエンジニア50人中15人も聴いてくれているようです。

人の成長、事業の成長、両方の実現を目指す

株式会社VALUの山口氏からは、入社から1ヶ月という短期間でどのような施策に取り組んできたのか、今後どのように組織開発をしていきたいか、について語られました。

以下、山口氏のLTを抜粋いたします。

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山口と申します。ハドソン、アドウェイズ、現在はVALUでEMという経歴です。現在は入社から4週目でして、1on1やMTGファシリテーションなどのEM業をVPoEから引き継ぎました。実はEM業以外でも、フロントエンドエンジニアとして開発を行いつつ、BizDevの領域にも関わっています。

あらゆる角度から考え、組織開発に取り組む

組織開発で大切にしていることは、人の成長と事業の成長が両立することです。そのためには、インフォーマルなコミュニケーションを大事にすること、人・組織への施策と事業を一つの線で結ぶこと、さらに論理的な納得感と感情的な納得感の両面を大事にすることを意識しています。私は1on1自体もインフォーマルな場にしたいと思っているので、こちら側が話しすぎないということに気をつけながら、相手が1on1で話したい内容のリクエストを聞きつつ全員とコミュニケーションを取るようにしています。時には時間を延長してじっくり話すこともあります。「こういった場合どう思うんですか?」という質問がある場合はその場で答えることもありますし、自分が当たり前だと思って伝えきれていないと思ったことについては、別途チームに共有する時間を設けることもあります。

また、「組織と事業を線で結ぶ」という点で言えば、例えばうちではスクラム開発をしているので、それを「なんの為にやるのか?」というところまでエンジニアに浸透させていきたいと思っています。

1つ1つの解釈を組み合わせて文化作りを

(自分の作りたい文化と組織が作りたい文化がアンマッチしている時には?という質問に対して)例えば、うちの職場はすごく静かな環境なんですね。会社では「静かな方が良いよね」という方も多いですが、私自身は雑談が多い方が成果に結びつきやすいと思っています。開発においては「本当にそれが正しいのか」というコミュニケーションを重ねる必要があると思いますし、ジュニア層が目の前のことに困っている時に静かすぎると質問しづらいという問題もあると思うので、「雑談が多い方が良いよね」という文化にシフトできたら、という思いはあります。

ただ一方で、私はレゴブロックのパーツ=細部へのこだわりは強いのですが、それをどう組み合わせてどう作っていくか、どう形にしていくか、については大きく気にはしていないんですよね。どのような形にするかは会社のスタンスによって変わると思います。だから、1つ1つの細かな解釈についてはEMとして丁寧に紐解いていき、その組み合わせ方については会社が上手くいく方向で、というのを重視しています。

ポジションごとの責任の所在を明確に

現在CTO、VPoE、EMがいるため、責任の所在をいかに明確にするか、というところに課題感を感じています。また、事業、ビジョンが複雑なので、経営レベル、現場レベルでそれぞれどう理解を深めるかについて考えていきたいと思っています。

Q.途中入社で自分もキャッチアップしていく立場として、その組織をどう個人的に解釈し、納得し、エンジニアたちに伝えようとしているのか。

A.自分の強みが「目の前にある組織構造を理解する」だと思っています。感覚的にやっているので言葉にするのが難しいですが、まずは自分がとりたいアクションを整理して、それが組織にどんな影響があるかを考えていくことを大事にしています。1on1で聞いた話や、過去の経験等から仮説をいくつか重ね合わせて、問題の根本はどこにあるのかを見極めながら進めています。

尊敬と敬意を大切に150人の組織を見据える

株式会社ビットキーの山本氏からは、ハードウェアからソフトウェアまで幅広く扱うエンジニア組織の中でEMとして大事にしているマインド、今後の組織成長に向けた課題感の共有がなされました。

以下、山本氏のLTを抜粋いたします。

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山本と申します。大学卒業後ロースクール、無職期間、ワークスアプリケーションズを経て今、という経歴です。ビットキーはデジタルキーのテクノロジーを中心に事業を展開しており、今期はスマートロックの開発に注力しています。社員数は107人、エンジニアは39人です。

エンジニア組織の特徴としては、ハードウェアもソフトウェアも扱っていることと、プロダクトに注力する組織とプロダクトを横断してサポートする組織で構成されているところです。プロダクト組織のミッションは、価値の創出。横断組織のミッションは、プロダクト組織が自らの責任のもとで完全な自治と自由を獲得することです。内的世界を持った人、成果物としてのプロダクト、事業の達成のそれぞれが有機的に絡み合うことを組織開発では大切にしています。また、組織を「数」として認識するのではなく、「一人一人の仲間が人間である」という意識を常に持っています。コミュニケーションをとる上でも尊敬、敬意を持つことが極めて大事だと思っています。

ハードからソフトまでEM自身が入ってビルドし続ける

取り組みとしては、私自身が事業のボトルネックに入ってビルドしていく、ということを行ってきました。これまでを振り返るとハードウェア(スマートロック)の施策、ODM管理、FWの実装など、未経験の分野も含めてあらゆる分野に自ら入ってきました。また、「賞賛する文化の醸成」を大事にしてきました。内的な喜びを分かち合い、「ものづくりって楽しいよね」という文化を醸成することを重視しました。また、創業当時からエンジニアが150人いるチームをイメージしながら組織をビルドしてきました。

優秀層が働く意義を見失ってしまうという課題

アンパンマン問題、と名付けたいのですが、「何の為に生まれて何をして喜ぶわからないまま終わるそんなのはいやだから会社を辞める!」という問題が多くの組織で起こっていると思います。つまり、プレーヤーとして超優秀なエンジニアが監督としても優秀だから監督になってしまう、という問題です。ここに対しては組織の最優先課題として解決するアクションを取っています。

また、生産工程の違いからくると思われるハードウェアとソフトウェアの文化差をいかに融合していくかということにも課題を感じています。組織課題を可視化して「みんなで解決しよう」と思ってもらえるようにしていきたいと思っています。

Q.一つの組織にハードウェアとソフトウェアの組織があると、軋轢はないのですか?

A.(山本)軋轢はないと思っています。採用過程で文化マッチを見ていて、他チームに対して尊敬する心を持てる人、どうやってみんなで課題できるかを考えられる人だけを採用しています。そのため、一人一人の性質としては解消可能かと思っています。両者のコンフリクトについて具体的に言えば、ハードウェアはウォーターホールなところがあって、ガチガチに決めていくという世界。一方、ソフトウェアだとめちゃくちゃアジャイルな世界。個人の性質ではなく組織としてどう解消するかは考えていかなければならない問題だと思っています。

LT後、会場からは多くの質問が寄せられました。一部ご紹介します。

Q.1on1の時に気をつけていることやルールはありますか?

A.(山口)雑談をするって気心知れたメンバーとは容易ですが、そうでなければハードルが高いと思います。それでもコミュニケーションを取らなければどんどん疎遠になる傾向があると思うので、メンバー全員と必ず実施するということを意識しています。

(緒方)一人一人カスタマイズするのが大事だと思っています。コミュニケーションの場にするのか、悩みを聞く場にするのか。また、アドバイスが欲しいと思っているのか、ただ聞いてもらいたいと思っているのか。対象者の要望やスタンスを合わせることって見落としがちだと思うんですけど、そこはかなり大事にしています。

(山本)個のストーリーになるべく寄り添うことを重視しています。やりたくないと感じることを極力させたくないので、事業やプロダクトの方向性と重ね合せながら「やりたいか」「やりたくないか」を意識して触れるようにしています。

Q.理想の組織像は何ですか。

A.(緒方)これから形作っていく過程ではありますが、「自律している」「同じ価値観で語り合える」ことはできるようにしていきたいと思います。人によって理想とする文化が違うので、自分の考えだけを押し付けるのではなく、色々な人の考えを聞いて、それをもとに作っていかないといけないと思います。一方で、推奨していく価値観はどんどんオープンにしていくことは考えています。他社さんで言うと、メルカリさんは自社のバリューについて当たり前のように語られているところがすごいと思っています。かなりの熱量とアウトプットを徹底的にやった結果なのではないかと思います。

(山本)自分が社内ニートできるような状態がいいかと。そこには2つの考えがあります。まずは純粋にニートしたい、という考えと(笑)、私自身社員1人目で経営陣と近しいポジションにいるので、そのポジションの者がニートしていても回る組織というのはまさに自律した組織である、という考えです。それこそが理想の組織像ではないかと思います。

Q.組織文化は明文化するべきだと思いますか。

A.(山本)行動を促すために明文化する、ということは良いと思いますが、ナンセンスだと思うのはただ明文化して終わることです。「雑談推奨」とただ言葉にしても雑談は生まれないと思うので、いかに雑談したくなる環境を作るかを考える必要があると思っています。

(山口)明文化したことをしっかり評価に組み込む、ということが大事だと思っています。分かりやすいアウトプットの評価だけでなく、バリューを定義したならバリューに沿った行動ができたのかについて評価してもらえるような環境にすることも必要だと思います。

(緒方)明文化する、に関しては積極的な考えを持っていますが、ミッション、バリュー、クレドといったものが形骸化するのは意味ないと思っています。抽象度が高く、解釈の余地がある言葉に関して擦り合わせる為には100時間、200時間くらい必要なんじゃないかと思っています。また、もし徹底的な明文化をしたら、社内でどんな変化が起こるのかについては興味があります。ぜひやってみたいですね。

最後に、このイベントの企画・運営、当日のファシリテーターを務めた保科からのコメントです。

・営業会社としての色の強かったディップにエンジニア組織開発のミッションをもって飛び込んだ緒方さん。

・80名以上のエンジニアを有する企業から、十数名規模のVALUにEMとしてジョインした山口さん。

・そして、創業メンバーとしてビットキーに参画し、0から急拡大する組織を支えている山本。

事業や組織フェーズは異なりますが、"良い"エンジニア組織文化とはなにか、いかに創造・醸成していくのか、という課題に対して日々奮闘している点では共通しています。今回のイベントは、この日々奮闘する3人のマネージャーに「共感者や仲間を1人でも増やしてほしい」という狙いで開催しました。

参加者の多くは「最近マネジメントに回った」「メンバーとして組織文化について思うところがある」といった理由で参加してくれていて、20:30頃に対談自体は終わったのですが、なんと23:00を回るまで(!)登壇者と参加者が楽しげに交流を続けていました。その姿をみて今回のイベントの目的は達成できたかな、と嬉しくなりましたね。

最後に、私個人としては対談イベントの企画・ファシリテーションが初めての挑戦だったのでひとまず無事に終わってよかったです。

ご参加頂き質問で盛り上げてくれたゲストの方々や、登壇いただいた3名のマネージャー陣に感謝です。

今回は、ビットキーでの開催でしたが、次は是非ディップさんかVALUさんに足を運んで対談行脚したいですね。

ビットキーでは今後もこうしたイベントを通しての発信を行っていく予定です。

ご興味ある方がいらしたら、是非コラボしましょう!

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