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全社の意識醸成から始めたOKR運用ーー推進役のプロダクトマネージャーがこの1年を振り返る【社内制度】

※本記事は2020年8月にnoteにて公開された記事の転載です。各情報は掲載当時のものです。


こんにちは、ビットバンク採用担当です。


国内外の有名企業が積極的に取り入れ、注目を集めている目標管理法・OKR(Objectives and Key Results)。当社では「オープンでフェアな組織」を目指すべく、2019年7月より導入しています。

今回は、OKRの運用デザイン全般を担う北野正宏(きたの・まさひろ)にインタビュー。これまでの導入・浸透へのプロセスや組織の変化、今後の展望について詳しく聞きました。


前職でスクラム開発に関わっていたことからOKR運用メンバーに抜擢

――まず、プロダクトマネージャーの北野さんがなぜOKR運用の主要メンバーとなったのか、その経緯から聞かせてもらえますか。

北野:前職でスクラム開発やチームビルディングに関わっていた経験から、声をかけられたようです。というのも実は私、入社した直後からOKRの運用に携わっているんです。

私が入社したのは、ビットバンクが創業5周年を迎えてから2カ月後の2019年7月。次の成長フェーズを見据えて、人事評価制度やプロジェクト管理のフレームワークなどさまざまな社内制度が見直されていた時期で、OKRの導入もそのうちの1つでした。

ビットバンクではそれまで、売上に関する目標以外は特に立てていなかったようです。私自身はMBO(Management by Objectives)しか経験したことがなく、OKRに携わるのはこの会社が初めてでした。


丸2カ月を費やし、OKRそのものの理解促進に努める

――導入に向けて、どんなことから着手したんですか。

北野:まず、3つの運用チームを立ち上げました。
執行役員による「スポンサーチーム」、各部署のマネジメント層による「マネジメントチーム」、そして私が所属する「運用デザインチーム」です。運用デザインチームは各部署から1名ずつ、計12名の横断メンバーで構成されました。

その後、2019年7月から8月までの期間は立ち上げたチームで「OKRとは?」を理解するために時間を使いました。

具体的に言うと、第1段階として、書籍やWebで得た知識を互いにシェアしながら、チーム内での理解を深めました。

社内用に何冊か購入したのは『OKR(オーケーアール) シリコンバレー式で大胆な目標を達成する方法』、私が個人的に参考にしたのは『Measure What Matters 伝説のベンチャー投資家がGoogleに教えた成功手法 OKR』です。





それから、運用チーム主催でワークショップを開催したり、仮の目標設定でテスト運用してみたり。こうした取り組みを通じて「なぜOKRを導入するのか」「OKRによって、社内にどんな変化が期待できるのか」を追求しながら、士気を高めていって。

この動きと並行して、運用チームで運用・OKR設計のガイドラインをそれぞれ組んでいき、開始から半年後の12月からプレ運用を開始。クラウドOKRシステム「Resily」を導入しながら、本格運用へと移行していきました。

王道から逸脱しない。必要最低限の項目で精度を確実に上げていく

――OKRプロジェクトが始動してから1年が経ち、今では人事部から「人事評価の参考にしたい」という声が挙がるほど、社内に浸透しています。当社ならではの工夫はあったんですか。

北野:いえいえ。逆に、王道と言われるフレームワークからは逸脱しないようにしてきましたね。OKRの本質と離れてしまっては、本末転倒になってしまう恐れがあったので。

加えて、教科書通りの完璧なOKRを導入するというよりは、最初は会社の文化や社員を鑑みた上で、必要最低限の項目を取り入れ、徐々に増やしていく流れにしています。もしかしたら、少し緩めな考え方で運用してきたからこそ、浸透を促したのかもしれません。
個人的には、定着までまだまだ先は長い、と思っていますが(笑)。

――とはいえ、北野さん率いる運用デザインチームによるウィンセッション(Win-session)は、すでに定着した感があります。月1回、月初めの木曜日がいつも楽しみです。

北野:そういっていただけて嬉しいです!
ウィンセッション自体は、各OKR単位(※同一の目標を設定し管理をする1チームのこと)の代表者が前月の成果を全社員に向けて発表し互いに褒め合う、という非常にスタンダードな内容ですが、演出にはすごく力を入れていて。

例えば、オフラインで開催していた時は、割りばしの先に「いいね」マークをつけたサインを全員に配布し、発表中積極的に掲げてもらうことで「褒めたたえる」雰囲気をさらに醸成させる工夫をしていました。コロナ禍の今は、オンラインでの開催なので、CEO廣末が「うん、うん」と相槌を打つ声や「パチパチパチ」と拍手の効果音を入れたりして、臨場感のある場づくりを心掛けています。

――ウィンセッション後には、毎回社内アンケートを取っていますよね。その点にもイベント実施への気概を感じていました。

北野:ウィンセッションは成果をアピールし、称賛し合うことで目標に近づいたことを確認できる重要なイベントになっています。そのため、イベント後の運用デザインチームの振り返りでの議論やアンケート結果を参考にしながら、ブラッシュアップを重ねて丁寧につくり上げています。

アンケートでは10点満点で点数をつけてもらっているのですが、回を増すごとに平均点が上がってきているので、ウィンセッションがOKR運用に良い影響を与えているなと思っています。

ちなみに、振り返りは各チームに委ねています。それぞれ業務内容も違いますし、マネージャーの考え方も異なるので。具体的には、毎週振り返りをやっているチームもあれば、月次でやっているチームもあります。また、チェックインについても同様でデイリースタンドアップと同時にやるチームや、別イベントとして実施しているチームもありますね。


ボトムアップ型だからこそ、トップのコンセンサスが進捗を促す

――1年間向き合ってみて、改めてOKRの良さって何だと思いますか。

北野:チームで意見を交わしながら、チームのOKRを自分たちで立てることだと思います。それを他チームやトップ層とすり合わせて合意していくという流れでOKRを決めていくのですが、このボトムアップ的なアプローチが個人的には1番いいなと。あと、全チームの目標がオープンなことも良さだと感じています。

一方で、ボトムアップ的なアプローチだけでは解決できない課題もあります。そういった場合、トップダウン的なアプローチも必要になってきます。社員からも「まずは全社としてのOKRを決めて欲しい」という声がありました。フラットな組織とはいえ、やはり会社なのでトップ、ボトム双方からアプローチしないと、なかなかうまく進捗しないことも実感していて。

そこで現在では、トップとのコンセンサスは非常に重要な要素だと捉え、CEO廣末との「ステアリングコミッティ」を月1回必ず実施しています。

具体的には、マネジメントチームと私から、OKRの運用における課題や改善ポイント、進め方を説明し、最終合意を得る形です。導入フェーズだった2019年7月から11月までは隔週実施し、理解を得るようにしていました。これにより、会社全体が同じ方向を向いて前に進めるようになったと思います。

目指すは、状況に応じて変化できる運営体制

――OKRにおける今後の展望はありますか。

北野:誰かが「この方向で行くべき」と決めるのではなく、みんなで試行錯誤して改善し続けて行くことが重要だと思います。だから、ある時は良い状態に、ある時は上手く行かない状態にだってなり得るんです。このように、波のように行ったり来たりするのがOKRだと思うので、リーダーである私自身も方向性や展望については明言できません。

でも、あえて言うなら「状況に応じて変化できるOKR運営体制」を目指していきたいですね。

社員数は約90名の現時点では、「スポンサーチーム」、「マネジメントチーム」、「運用デザインチーム」が継続的に運用・改善できる状態を維持すること、1人でも多くの社員がOKRに興味を持ち、運営する側に来てくれることが理想形だと思っています。

――北野さん、ありがとうございました!

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